最後だしいろいろ書いてみよう
その1:まとめ
とりあえず前回からの報告。えーと、あそこから先が思いのほか長かったです。うわ格好悪い。いや実際の話、あの先にちょっとしたおまけ的要素があったからその分長引いたっていうか、えーまあもういいです。終わったし。
なんかもうある意味意地なって遊んでたところありまして。だってもう終わり目前っぽいのにセーブしてやめるのってもったいないじゃないですか。あと10分程度で終わるなら今日中に終わらせようとかいう気持ちがなんだかんだで1時間くらいですよ。まあ1時間つってもそれほどの長さじゃないわけですが、このゲームの場合恐怖につぐ恐怖なので、それだけ連続で遊ぶのはやっぱり珍しかったりする。個人的には。慣れっていうのもあるんでしょうか、最後のほうともなると怖さに耐性がだいぶついたっていうか。たしかに今にして思えば最初の方なんかもう全然怖くないと思うんですよ。いまや僕はチキン野郎を脱皮したのです。この日記はそんな、男としての成長を描いた感動ロマンだったのだ。無理を言っているのは百も承知だ。
その2:薔薇の名前
前にもちらっと書いたけど、このゲームに登場する地名はしばしばどっかで聞いたような地名である。具体的には「クーンツ
(*1)通り」だったり「バックマン
(*2)通り」とか「ダニッチ
(*3)通り」だったりまあ数えあげるときりがないのだが、たぶん通りの名前ぜんぶに由来があるんじゃないかなー。これはまあ制作者のちょっとした遊びでありオマージュでもあるわけで個人的には好きにやってくれておおいに結構なのだが、しかし実際クーンツ通りっていうのはちょっと引いた。いやクーンツがどうこうってことじゃなく、語感の軽さが。
こんな時ふと思い出すのが、ずっと昔、もう10年以上前の『ラプラスの魔』というゲームだ。クトゥルー神話
(*4)を強く意識したゲームで、当然ホラー風味だった。後半そのへんはどうでもよくなってたが。あと難易度高すぎたと思う。そんなことはともかく、クトゥルーを意識した結果、序盤の町の名前は「ニューカム」になっていた。もちろん「アーカム」をもじった名前で、あと町の雰囲気的にはインスマスだった。これらもまあ要するに制作者のちょっとした遊びでありオマージュであり、あとこのゲーム制作陣はクトゥルーをリスペクトしてますという立派なカミングアウトでもあったのだ。だというのに「日本のゲームにオリジナリティ求める方がムリ」とか矢野健太郎
(*5)が酷評していて、このばかなアメリカかぶれを一刻も早く誰かなんとかしてくれ、という気にもなったのだが、話がだいぶそれた。
何が言いたいのかっていうと、つまり、こういうのは権利的に大丈夫なんですか?っていう、疑問と心配。
その3:エンディングまで、泣くんじゃない
(この話はゲームのシステム上重要でありつつも説明書等では隠されている部分を含むので、大事なところを知らずにいたい人は読まない方がいいかもしれませんが、逆に知っておいた方が楽しめる情報とも言える気がするわけで、まあ好きにしてほしい)
という前置きもバッチリ済んだので速攻話はじめますが、あの、このゲーム終わったわけですよ。するとエンディングやら何やらで
(*6)、なんつうの結果発表ー!があるじゃないですか。敵を何匹しとめたとか、クリアに要した時間はいくらだとか、そういう奴。個人的にはそういうのはあんまり興味ないので適当に○ボタンで飛ばそうとしたんですが、ちょっと気になる1節があったわけですよ。
「ENDING: GOOD」
あれ、ちょっと待て、これはつまり、エンディングがいくつかあるってことか。僕が見たエンディングはGOODだった。それはまあBAD (たぶんある) とかよりはいいんだろうけど、もしかしてVERY GOODとかもあるってことか。そこでは主人公が美女と札束風呂に入ってたりするのか (おそらく間違い) 。な、なんか損した気がする!
っつうことで世界につながるインターネットの情報網をアレして、具体的にはGoogleから「サイレントヒル 攻略」で検索した結果、やっぱりまだ他にもエンディングがあるし僕が見たGOODはまあ、それなりに良かったんじゃねえの?(寝転がってテレビを見ながら) という具合のエンディングだったことが判明しました。あー。えーと、急にものすごく話を変えますけど「子供の心を忘れない大人」って言い回しがあるじゃないですか。その伝で言えばこのゲームの制作者は、大人の心を忘れた大人だ! もっと具体的にはあんまりゲーム遊ぶ時間的余裕のない社会人の心を。
仮にも僕だって社会人です。ちょっと微妙な線という見方もございますが、どうあれ納税もしてる身分です。脱税とかもしてる身分です (勢いにまかせて適当言うにもほどがある) 。とにかく正直言わせていただければ、最初から遊び直しなんて無理。とてもじゃないが無理。このゲーム大好きですしエンディング見たい気持ちもおおいにありますが、もう1回遊び直す時間と労力に換算すると「割に合わない」という大人感覚満点の、なんつうか社会の歯車? つまらねえ大人? そんな理屈が出てきて無理。つうか実際ゲーム作ってる人達だって社会人なんだから、そのへんの気持ちわかるでしょうが! とか思うんですが、まあこういうことになってる以上、そういうもんでもないのか。
えーとぶっちゃけ
メールで教えてください。何が起こるのか。何が明らかになるのか。良いエンディング悪いエンディング、今夜すべてのエンディングで。挨拶とかなしで要点だけで構いませんよ? とにかく気軽に直球で! そのくらい追いつめられてるわけですよ。エンディングを知るためなら神をも殺す勢いですよ。五臓六腑に染み渡る勢いですよ。←勢い以外のことはわりとどうでもいいと思っている
というかこれに限らずゲーム全般で、最初から
(*7)やり直させるのってなんかおかしくないか? とか思うんですけど僕とか。最初からなんて十数時間ですよ。エンディングに至る道筋はもう見てるわけで、それをえんえん十数時間かけてもう1度見直せっていうのは、やりすぎじゃないですかあきらかに。『キャプテン・スーパーマーケット』だってエンディングは2種類あったけど途中はビデオ早送りできましたよ。ごめんたとえがあまりうまくない気がする。
まあゲーム作ってる側の気持ち的には、2度目は2度目で効率よくてきぱきこなす楽しさがあるとか、ぶっちゃけ「エンディングの後もまだまだお楽しみ要素が」的な売りがほしかったとか、そういう言い分はあるんでしょうがあえて僕はそんなゲーム業界に「社会人の心を忘れるな!」とカメラに向かって指をさしてから背中を向けてクールに歩み去っていきたいわけです。なんかそんな感じで。
という、なんか最後の最後でものすごくサイレントヒルに毒吐くような展開になってしまいなにぶんこのゲームがとても好きなだけに心苦しいものもある。実際そのうち『2』も遊ぶ予定だけど、そのときは事前に分岐点がどこかだけは調査しておこうとは思う。そう、やっぱり続編はぜひ遊びたいのだ。なんだかんだで。そこはぜひやっていきたいのだ。それくらい面白かったですよ実際。スゲエ怖くて。ちなみになんで今すぐ『2』買って遊ばないのかっていうと、間にぜんぜん怖くないゲームをクッションにしとかないと、恐怖で死んだりとかするので。僕が。それぐらい怖かった。あ、そういや『3』もじき発売されるんだっけ? 怖いなあ。ああ想像するだけで怖い。ああ恐ろしい恐ろしい。
*1 クーンツ
ディーン・R・クーンツのこと。いい意味でB級ホラー作家。ちょっと深みに欠けたりとか展開が急すぎたりとか、それもまた良し。サイレントヒルの序盤の町中誰もいない感はどことなくクーンツの『ファントム』前半に似てる気がする、ってのは言いすぎか。
*2 バックマン
リチャード・バックマン (その正体はスティーブン・キング。彼はその正体を隠し、日夜正義のために戦っているのだ。違うかもしれない) のこと。キング名義のときよりB級に徹しているのが特徴。サイレントヒルのある部分はバックマンの『レギュレイターズ』を彷彿とさせる、ってのは言いすぎか。
*3 ダニッチ
クトゥルー神話群にたびたび登場する町の名前。翻訳によってはダンウィッチとか。クトゥルー神話について説明すると異常に長くなるので、ここではB級ホラー小説の集合体と言っておく。あんまりサイレントヒルとは共通項がない気がするが、そういやキングの書いたクトゥルー物『クラウチ・エンドの怪』なんかは雰囲気が近いかも。
*4 クトゥルー神話
どうでもいいけど「クトゥルー神話」って書くと本当にいわゆる神々と英雄たちの伝説という雰囲気になって、知らない人が聞いたら誤解されそうな気がしてなんか困る。ホラー小説なのに。
*5 矢野健太郎
漫画家。自身がクトゥルーもののマンガ書いてるくせに、なんだその言い草は。自分はよくて他人はだめなのか。ちゃんと「インスマス」と呼ばないとだめだとでも尻の穴の小さいことを言うのか。
*6 エンディングやら何やらで
「文章はもっと真面目に書きましょう」って学校の先生とかによく言われました。
*7 最初から
厳密にはゲーム中盤のある分岐点からやり直せばいいみたいなんですけど、そんなのゲームやってる方はわからないんで余裕で上書きしてるし。そういや、このへんの「事前に攻略情報知ってた人だけが楽できる」っていう構造も、なんかおかしい気がする。機会不均等だ。ゲームの前に人は平等であるべきだ。なんか今、格好いいこと言わなかった?