人生: グランド・セフト・オート・バイスシティ(まとめ読み)

鉄の靴  > 人生  >  ゲーム日記  > グランド・セフト・オート・バイスシティ

グランド・セフト・オート・バイスシティ(まとめ読み)

プレイステーション2用

※下に行くほど新しい記事です。


目次から...

2004.07.23(グランド・セフト・オート・バイスシティより)

偉大なる車泥棒

 GTAバイスシティ。それが今日から始めるゲームの名前(略称)だ。
 実のところ僕はGTAのことをよく知らない。あと、いまGTAという字面を見て一瞬とはいえグレートティーチャーうんぬんとか言い出そうかと思ったので、僕は死んじまった方が世の中のためだ。
 たしか最初にこのシリーズのことを知ったのは、スーパーファミコン版のGTA(初代)だったと思う。あ、こっから単なる思い出話が花をさかせる予定なので読み飛ばしていいです。ただ、これからバイスシティ日記をつける上ではやはり僕とGTAの関係を先に明らかにしておくべきであろう。
 GTAってゲームがヤバい! もう人の命とかチリよりも軽くてばんばん黒いイベント出てきて最高、みたいなゲーム雑誌のレビューがあったことを憶えている。実際僕もその現代ノワールな世界観には興味をおぼえたものの、まあ買う金もなければ売ってるところも見たことないしで放っておいたのだった。面白いのかどうか、よくわからなかったし。
 それから時は過ぎて、GTA3まで来るとシャレになんないくらいヤバい! やっぱり人の命とかチリよりも軽いし3Dで作り込んだ街ん中自由に歩き回れんの、みたいなゲーム雑誌のレビューだったか、そんなのを見た記憶もある。これはいよいよ気になってきたところに日本語版(プレステ2用)の発売。か、買いだ!(万札を握りしめて)と思ったものの、よく考えたらその時買う金がなかったんで人に見せてもらったのだった。
 ちょっと最初のサワリを遊ばせてもらったところ笑っちゃうくらい面白かったんだけど(実際笑った)、途中気まぐれに銃を撃つボタン押してみたら本当に人が余裕で死んだりして、まあ最終的に自分もハチの巣になったんだけど、ちょっとこの命の軽さに引いたりもしたのだった。いやいい子になろうとはしていませんよ?
 「怖い」という表現が一番近いと思うんだけど、まあマジ話こんな触れれば死するみたいな世界なんて怖いじゃん実際。そういう意味ちょいホラーなゲームとして僕の中で勝手に決定され、そういうのは今遊びたいのとちょっと違うかな、みたいなよくわからない(しかしよくある)理由でGTA3も買わずにいたのだった。
 そしてGTAバイスシティの発売である。これも同様の理由で買わないつもりでいた。むしろ今回の特徴である80年代マイアミバイスのりが全然自分的にはこないので、かえって買わないレベルはアップしていた。だってマイアミバイス見てなかったし。理由はわからない。たぶんナイトライダーかエアホーク見るので手一杯だったのだと思いますが。
 そんな僕の目に飛び込んできたのがボンクラゲーム雑誌(もちろんほめてます)『CONTINUE』の16号。これまで「スーファミ全般」だとか「セガ全般」だとか比較的広いワクで特集組んでたこの雑誌がこの号に限って巻頭特集がずばりバイスシティ1本やり。この気合いの入り方だけでムードに弱い僕とかはもうメロメロ直前ですが、記事を読むといきなり目に入ってくるのが「ダニー・トレホ(*1)」の文字。いきなり目に入ってくるのがそれっていうのも、どうかと思うよ実際。
 ダニー・トレホが声優およびポリゴン俳優として出演してるとくればクラクラこない男はいない。まあ、実際のとこいっぱいいるだろうけど、僕的にはおおいにグッとくるキャスティングだ。なんというか、トレホの旦那が認めたゲームということじゃないかそれは。具体的にはトレホの旦那のエージェントが認めたゲームといえなくもないが、男のロマン的にそれはなしだ。あと、デニス・ホッパー先生も出演しているときく。これは遊んでみない法はないだろう。

 で、購入。ゲーム内容から言って、たぶん中古品がだぶついてるだろうなーと思って中古屋行ったら本当にだぶついてた。少々すまないが、前にも言った通り僕はこのゲームにスーパー好印象抱いてるわけでもないしむしろマイアミバイス見てないしギャング映画とかもほとんど見てないんで、定価で買うほどテンション高いわけじゃないのだ。あと、広告の「さらなる自由を。80年代へ…。」ってコピーは言葉の流れが気持ち悪いくて普通にダサいからな! あれだけは認められない。
 そしてお約束でとりあえず解説書を読む。僕はRPGとかストーリーの驚きを大切にする類のゲームでは取説を読まないことにしているが、このゲームの場合はアリだ。第一、CONTINUEで読んだ以外はなにも情報もってないし。
 普通ゲームの解説書といえば「あなたは××となって、この××でどうたらこうたら」式の前口上があるものだけど、このゲームの場合いきなり操作方法とゲーム画面の見方から始まる。それはそれでいいけど、この操作方法がやたらと複雑だ。というか全部のボタンに機能がわりふられてる。しかも「歩行時」と「乗車時」で全然操作が違う。お、憶えられっこねえよこんなの!(だめだ)
 この時点で相当テンションが下がったんだけど、その後に続くバイスシティ(という街)情報ページが6ページに渡って「〜だ」「〜しろ」式のアメリカンワル口調で統一されてたのでみるみるボルテージが上がる。そうとも、俺はまだ名も無いチンピラだが、いつかのし上がってやる! 具体的にはブチャラティっぽい感じで!(ジョジョ)

 ゲームの電源はまだ入れてません。

*1 ダニー・トレホ

という名の職業をなさっている俳優。文字通り顔役。←うまいこと言ってやった

この記事単体のページ...

 « 「人生」トップページに戻る
2004.07.23(グランド・セフト・オート・バイスシティより)

1日目

 初回のプレイというのは大事なものだ。個人的にはかなり。ここでいきなりつまづいて(例:感動的なムービーという名のちょいとした寸劇を見せつけられた、操作方法が人知を超えていた、言外に「オレってセンスいいだろ?」と言われた、そもそもこんなゲームだと思ってなかった、等)速攻中古屋行きなんてパターンも少なくない。もちろん個人的には。
 特に今回はこの手のゲームを遊ぶのが初(まあ、GTA3を10分ばかりやったとかそういうのはカウントしないことにして)なんで、初回のプレイはゲームに乗り切れるかどうかの大事な分岐点とすら言える。
 それではさっそく電源をぶちかますとしよう。
 メーカーロゴを経由した後、いきなりのっけからメガデモ(*1)のりのイントロダクションから入るのには驚かされた。何も本編とかかわりがないというあたりもまさにメガデモ。しかし真剣に意味ないなこれ。そしていかにも80年台のりの、だがかっこいいオープニングデモに突入する。しかしこのムービー中で使ってるのはまったくレンダリングとかハイエンドとか考えてない単なるゲーム中の画面を別アングルで取り込んだだけの映像ってところが、真面目にやる気あるんだかないんだかよくわからない。一種の低予算ムービーなのかもしれない。だとしたらかなりヤる連中だぜ、こいつらは。
 そして始まるゲーム本編。といってもまだデモの一部で、ポリゴン役者によるオープニングストーリーってところだ。ダラダラしたコントとかを見せられたら困るなあと思ったけど、モーションキャプチャの説得力ある動きに感心してる間に話はガンガン進んでいた。えーと、よくわからないけどどうやらトニーというムショ帰りが鉄砲玉もいいとこなんで組織に迷惑がられて、ていのいい厄介払いでバイスシティに派遣されたとかなんとか。
 それでなんか4人くらいいるけど、この中のどれがトニーよ?とか思ってる暇もなく、なんか知らんがヤクの受け渡し現場。ちなみにその中の1人であるちんぴら弁護士が、リーサルウェポンシリーズのレオ・ゲッツ(ジョー・ペシ)をいっそう若くいっそうインチキにしたみたいなキャラでいかしていた。
 それはそれとして、速攻で現ナマと交換でブツを頂戴してこいつはモンキー・ビジネス(ちょろい仕事)もいいところだぜと思ってたのもつかの間(約5秒)、現場に待機してた謎の黒服のマシンガン速射の前に次々散っていく売人、そして仲間たち。畜生、ハメられた! とかいう流れなんですか?
 訳のわからないうちに、僕とレオゲッツと路地裏で。ひとしきりレオがぼやいたあげく、車を降りて徒歩で帰るレオ先生。取り残された僕のキャラは、根城にしてるホテルにいったん戻るという筋書きのようです。どうやら僕が操るこのうさんくさい無精髭マンがトニーだったご様子。
 とりあえず画面上部に「△ボタンで車に乗り込む」とか説明が表示されたんで、あらためて車に乗り込んでみる。すると今度は「×ボタンがアクセル」とかそんな感じの説明が連鎖的に出てきて、なるほどなかなか親切設計じゃないか。読んでる先から消えてくんで、けっこう字を追うのに必死だけど。
 とにかく画面下のマップをたよりに慣れないバイスシティの道を走り抜けるとしよう。基本的にはクレイジータクシーを超えてどんなムチャな運転でもアリとされるGTAだが、その勘所が感覚的にわからないので当面は安全運転をこころがけることにする。だいいち仮にもこちとらムショ帰り早々さんざんな目にあってるんだから、今日はこれ以上のトラブルを呼びこむこともないだろう。
 とはいえそこは右車線のアメリカルール、勝手が違って思わず路肩に乗り上げるなんてのは当たり前、途中ついうっかりで街頭をぶち倒したりとか余裕でしつつ、どうにかホテルに帰宅。思ったより高級そうなホテルじゃないか。気に入ったぜ。
 部屋から電話でボスに顛末を話すと、烈火の如くキレるボス。そりゃまあ様子見の厄介払いで適当に仕事ふったトニーことオレがその日のうちにいきなり金もヤクも取られました、あと2人死んだ。なんて電話かけてきたらキレもするわ。この一件にカタをつけなればコロすなんて言い出すボス。こうなるとこっちも必死だ。ホテルで一泊の後、他にツテもないので例の弁護士ケン・ローゼンバーグ(立派な名前だが、おもしろ眼鏡をかけている)の事務所にとりあえず行ってみることになる。
 もちろんケンがひとしきりぼやいた後で、そもそもヤクを調達していた元締め「コルテス大佐」に会うのが近道かも、ってんでコルテス大佐主催の海上クルーザーパーティーに顔を出すことに。事務所を出てみるとなぜかこれまで乗ってた車が消えていた。獣の街、バイスシティ。ここでは車が盗まれることなど日常茶飯事なのか。
 こうなれば目には目をというか、まあぶっちゃけヤクとかの横行する世界に生きるトニー的にはそのへんを適当にぶらついて、たまたま駐車してあった車をいただく。記念すべき初の窃盗です。これは小さな一歩だが、人類にとっては大きな一歩だとしたらイヤだなあ。
 もちろんその辺を歩いてた人に通報されることもエンジンをかけるのに手間どることもなく、まったく自分の車同然に走り出す。これが獣の街、バイスシティ。そうそう、今着てるアロハがパーティーにはファッションコード的に問題なんで、途中ちょっと寄り道してスーツを買いに行く(そうしろとケンに釘をさされた)。
 店では特に問題もなく、まあはた目にチンピラ満載なスーツを調達したけど、それはそれとしてその後の強制ショートデモで「ワァオ、いかすバイク!」みたいな通行人の声、そして店のそばに駐車されるいかしたバイク。去っていくライダー。こ、これは奪えというメッセージと解釈できる。むしろそれ以外に解釈のしようもない。
 そんなわけでさっそくバイクの横で△ボタン。なんのためらいもなく乗り込む自分に気づいて走り寄ってきた持ち主を横目に急発進といこう。そして実際いかしたバイクだけあって乗り心地は快適そのもの。どうやら単純に面積が車より小さいので激突の心配が少ないので快適に感じるらしい。そんな理由もどうかと思うが。
 バイクを停めて乗ったクルーザー。大佐としても金を奪われたわけで、この件は調査中とのこと。それにしては落ち着いてホスト役に徹しているあたり、うちのボスとは大違いだぜ。ついでにメルセデスっていうどうかという感じの名前の大佐の娘(アメリカンなつくりのポリゴンなので、美人という設定なのかその真逆なのかどうにも判断に困る)にも紹介され、彼女にこの世界の名士の顔を教えてもらう。あんまり急に何人も登場したんでよく憶えてないけど、あらゆる意味でどうかしてるポルノ女優の腰の動きと「イチモツ」という言葉を使いこなす映画監督の存在は心に残った。
 パーティーもそこそこに、メルセデス嬢をホテルに送り迎えする役目をおおせつかったオレ。大佐とコネもできたしまずは上出来として、もはや呼吸をするように自然にそのへんに駐車してあった車をいただく。慣れていくのね……自分でも分かる……(セイラさん)。
 不自然に腰を振りながらホテルに戻るメルセデス嬢を送り終え、あとは自分もホテルに戻るだけ。と、ここでミッション終了のサインが表示された。ついでにクリアボーナス$100も、どういう仕組みか知らないが、たぶん神からいただいた。どうやらこういう感じでだいたい言われた通りに地図上のポイントに移動してくと話が進行してって、いつしかミッションクリアになるというシステムらしい。洋ゲーイコールハードというイメージがあるが、意外にイージーというか親切設計というか盲導犬RPGじゃないか。もちろんその気になればいくらでも横道にそれることができそうな予感はおおいにするし、この先ハンパない難易度にならない保証もないんだけど。

 ミッションクリアにもなったし、今日はこのへんでホテルのセーブポイントでセーブして終わることにする。想像以上にけっこうこのゲームのことが気に入ったぜ。

*1 メガデモ

メガドライブとは無関係。80年代後半から90年代前半にかけてナード連中がパソコン技術力の粋を集めて作った、クールかつオシャレな意味不明ムービー。とりあえずカッコいいが別にストーリー性があるわけでも笑えるわけでもなく、何の役にも立たないにもかかわらず流行した。

この記事単体のページ...

 « 「人生」トップページに戻る
2004.07.24(グランド・セフト・オート・バイスシティより)

いろいろな事がおこる

 このゲーム面白いわ。
 もちろん今さわりの部分なんだけど、ゲーム進行にあわせて街の施設や自分のとれる行動オプションが少しずつわかってく過程がなんとも楽しい。こんなこともできるのか! こんな風になるのか! という驚きが数分ごとにあるってのは、やっぱりただごとじゃねえですよ実際。
 そんなわけで今日も今日とていろいろ新しい体験をした。順に書いていってみよう。

 ホテルで目を覚まして、特にやることもないんで例によって弁護士のケンのところに赴くことにする。どうやらこのゲーム、ケン起点でイベントが始まるパターンが主らしい。少なくとも今のところはそれ以外なかったし。
 となるとそろそろホテルとケンの事務所ぐらいは位置を憶えておいた方がいい。自慢じゃないがオレはおふくろの誕生日と地理は憶えたためしがねえが、あ、今回はなさけむようのバイスシティが舞台のゲームなんで、要所要所でワル口調にするつもりでがんばってます。そんなわけでオレはまあそのなんだ、方向音痴なわけだがいつまでも画面左下のマップ頼りというわけにもいくまい。積極的に街の地理関係を憶えようと、ゲームに付属のバイスシティ地図(たぶんアメリカ版るるぶみたいなもの)を広げてみる。
 ホテルを出て向かって左にしばらく直進、最初の信号を左に曲がってつきあたりで右。なんともギャングらしからぬ庶民的な記憶術になってしまったが、とにかく行き方はわかった。映画に出てくるギャングとかもこういう風に道を憶えてたんだろうか。
 とりあえずは足(車)がなければ始まらないのがこのゲームだが、今朝はそのへんに路駐してある車が見当たらない。いままでなら適当にその辺に停めてあった車をいただいていたものだが、L2ボタンで視点を変えて見回してみてもどこにもカモらしき車がない。さて、どうしたものか……、と思う僕の目の前の車道を、何台もの車が通り過ぎていく。……これか。
 とうとう強奪である。いよいよ車泥棒としてのレベルも上がってきた。まずはホテルの近くにある信号まで歩いて、おっとどうせならケンの事務所に向かう車線のほうが都合いいななんて細かいことまで考えつつ、赤信号で停まってる車に近づく。どうにもダサいライトバンではあるが、この際ぜいたくは言えねえ。運転席に近づき△ボタンを押してみると、ドアを開く→中の運転手を引きずりだす→乗り込んでドアを閉じるの作業を流れるようなフルオートで実行してしまった。ちなみに中に乗ってたのはハデなビキニを着た太ったおばちゃんであった。これだから東海岸って場所は……とかやっとギャングぽいことをつぶやきつつ、騒ぎ立てるおばちゃんを尻目に颯爽と走り抜ける一台のバン。
 と、言っても先ほどのゲーム付属の地図、そこはるるぶなのでいわゆるメインストリートしかフォローしていないらしい。勝手にるるぶということにしちゃったけど。ケンの事務所はちょっと小道に入ったところにあるんで、結局道に迷ってしまった。いったん車を降りて、たしかこのへんじゃなかったっけなあとかギャングらしからぬことをつぶやきながらうろうろしてると、ある家の前にアイコンが出てることに気づく。なんだかわからないが触ってみると、「この家を買うなら××ドル」なんてメッセージが。買えるのか! 買ってどうなるのかわからないけど。まあ当面手の届かない額なので放っておくことにして、そんなこんなでどうにかケンの事務所を発見。
 ちんぴら弁護士ケンから街のダニを紹介されさらにヤクの売人も紹介され、とダニがダニを呼ぶ展開で見つけた某売人。こちとら話を聞きたいだけだったんだが、野郎がやぶから棒に殴りかかってきやがったんでこっちも○ボタンで二、三度ぶん殴ったらのびちまったぜ。バイスシティで人を殴るのは初めてだが、えーと、倒れた彼の下からじんわり血が水たまりをつくってますが? いわゆる正当防衛ってやつよ。わかるだろ? とか言いたいそばから、売人が使ってた携帯(80年代なんでやたらデカい)とか奪っちゃってるし。まあ、でも、お互い大人(ワル)なんだから。
 てなわけで携帯ゲット!とか思ってるとそこに意味深に現われた謎の男ランス。こう言うと名前の響き的にもカッコいい感じだが、現物は上下白のスーツで決めたインチキ野郎。このゲームにはこんなのしかいないのか。
 ランスと利害が一致したんで組もうってことになりつつも、さっきぶちのめした売人の仲間がおやっさんの仇ー!とばかりにわいてきたんでここからは脱出イベント。ランスにもらった銃で撃て! そしてランスについてって走れ! 追いつかれそうだからふりかえって撃て! それからランスの車に乗れ! てな具合でやつぎばやに新操作を憶えつつランスの車に乗車。運転は頼んだぜ相棒、とかシートに沈もうとしたら、あ、そうかこれアメリカ車だから運転するのは僕かーなんつって気付いたときには時すでに遅し。追いついてきた売人どもに車から引きずり出される始末。なるほど自分が引きずり出せるように、向こうも引きずり出せるのか、なんて感心してる場合じゃなく大勢にボコられ、畜生おぼえてやがれとか言いつつ再度車に乗ろうとしたらちょうどジャストタイミングで対向車線から車が突っ込んできてドーン。MISSION FAILED(ミッション失敗)──。ランスもさあ、車停めとくんなら車道のまん中じゃなくて路肩に寄せるとかすべきだと思うんだよ。

 再度プレーして今度は無事に逃げおおせた我らバッドガイズ。
 情報集めはまかせろ的に自信たっぷりに去っていくランスを見ながら、ペット・ショップ(鳥)に氷でつぶされなきゃいいけどとか思うオレではあったが、とにかくまたヒマになったんで例によって例のごとくケン弁護士の事務所へ。
 なかなか成果をあげられないんで組織からもせっつかれてるらしく、まあいつもの通りではあるんだけどわめきちらすケン先生。ギャングのお抱え弁護士としては、いま抱えてる刑事事件を無罪にしないといよいよ消される的なところらしい。まあがんばれや先生ってなもんだが、意外にもそこでオレことトニーの出番が。「陪審員を死なない程度に脅せ!」というあらゆる意味で身もふたもないメッセージとともにイベントがスタートした。
 イベントの始まりとともに、何の脈絡もなく車にはねられる通行人(たぶん死んでる)と、まあこんなこともあるさ的なさわやかな歩みで車から降りてどっかに逃げてく運転手。こ、これが無情の街バイスシティなのか! とか思ってる僕だが僕の分身たるトニーは通行人が落としたバールのようなもの(本当)を見て「こいつは使えそうだな」と言い出す始末。どうやら僕の心構えはまだまだギャングとしては甘ちゃんのようだ。
 さっそくバールのようなものを頂戴し、ついでに轢きたての車も頂戴し、陪審員の家までドライブといく。
 STARTボタンで街の全体図をチェックすると、街の南端から北端へと、いままでになく遠出のようだ。いわゆる「海沿いの街」である南東部から北東部に車を走らせるうちに、徐々に街道には高級住宅が目立つようになり、車道は狭い1車線道路へと変わっていった。そう、ここは高級住宅街「VICE POINT」。どうでもいいけど、道が狭い上に車の往来が激しいんで今までのように追い抜きほうだい信号無視しほうだいとはいかず、律儀に赤信号で停まるのを余儀なくされる。チッ、こんな時はバイクを盗るべきだったか。でもバイクってあんまりその辺にないんだよなあ。
 けっきょく何度か車や壁に激突し、少々車をボロにしつつもターゲットの家に到着。具体的に何をすればいいんだろう、と思ってたら陪審員の自家用車に矢印アイコンが出て、「車をぶち壊せ!」的なメッセージが。なるほど、こうやって陪審員に無言の警告を伝えるってわけか……。てなわけでバールの出番。あらゆる角度からガンガン破壊して黒煙をあげればミッションはひとまず成功で、次なる陪審員の家にと移動する。
 
 今度は最初から陪審員氏が家の外にいて、なんだか知らないが女房殿(それか情婦)とモメてるご様子。英語がわかれば話の中身もわかって楽しいんだろうけどなー、とか思いつつ割って入ろうとしたが、すでにヒートアップしている2人の口論は止まらない。かといってこっちのコントローラー操作には「話す」ボタンがないわけで、えーと、まあいきなりバールや銃ってのもなんだから、R2ボタンで武器を素手に変えてドーン。
 ヒイィィィーとか言って逃げ出す陪審員氏。そりゃまあそうだわな。しかしこれでは単なるいきなり殴りマンであってメッセージが伝わってないので、さらにイベントは進行。自家用車に乗り込んで逃げ出そうとする陪審員氏、しかしタイミング悪く事故って立ち往生。ここで出るメッセージが「車をぶち壊してひきずり出せ!」。
 さあ教育のはじまりだぜとばかりにバール片手に近づくオレだが、そこになぜか割って入る通りすがりの男が。この街にまだこんな正義を信ずる男がいたのか、といささか感動したもののこちとら○ボタン連打中だったんでそいつにも一撃を食らわせてしまう。のびる男。しかし立ち上がる男。な、なんて不屈の根性だ! と思ってたら銃を抜く男。そ、それがお前の正義か!? と思った瞬間、どうやらこの男はたまたま巡回中だった警官らしいということに気づく。バイスシティの警官の制服、地味でよくわかんねよ!
 そんなこんなでHPがゼロになり警察署の前に放り出されるトニー。しかしステータスを見ればすでに指名手配中。もしかするとここで警察署に入ってしかるべき賠償金とか支払えばなんとかなったのかもしれないけど、そんなことを考えてる間にももはや目の前でおもきし撃ってくる警官とのバトルがヒートアップ中。オレが撃たれて死ぬか、それとも……あんたが殴られて、死ぬ、の? そういえばHPがゼロになった時に武器も没収されてたんだった。

 結局ロードしてやり直したら、今度は警官にも見つからず無事に脅しきれました。

この記事単体のページ...

 « 「人生」トップページに戻る
2004.08.06(グランド・セフト・オート・バイスシティより)

自由ってなにかね

 けっこう間があいてしまったけど今といえば例によって血なまぐさいというか血みどろなミッションをいくつかやっつけて、何人かに気に入られて仕事(血みどろ)をふってもらえるコネができたんでこれからもがんばって血みどろでいこうっつう、そんな具合ですよ。
 より具体的なゲームへの慣れを描写するなら、道を走る車に近づくと(たいてい)ブレーキがかかることに気づいて、いまや車を奪うにもアメリカ映画でおなじみの車道に飛び出して車を停める方式を実践し、その後ドアを開けて運転手を引きずりだすという恩を仇で返すやり方でいつもがんばってます。車ひとつ奪うにもいろいろやり方があるものだ。

 自由度が高い、とGTAシリーズを評してよく言われる。
 自由度というのは、単純にまとめてしまえば「よけいなことができるかどうか」じゃないだろうか。
 たとえば有名なところでドラクエなんかだと、「次のイベントが待っている場所」と「前に行った場所」以外には移動できないようになっている。それ以外の場所に行こうとすると、地形がジャマをしたり鍵がかかっていたり門番的な存在の人に通せんぼされたりする。これが「自由度が低い」ひとつの例だ。
 おおむねこういうのはゲーム遊んでてありがたいことだったりもする。もしこれでいますぐどこにでも行けるとなれば、シナリオの進行がとどこおったりゲームバランスの悪いことになったり単純に時間のムダになったりするからだ。だからドラクエなんかではあえて行動範囲に制限をかけている。それはちっとも悪いことじゃない。
 じゃあその一方で「自由度が高い」というのが、それはそれでやっぱりいいことになってる理由ってのが僕にはけっこう謎なのだった。だって普通困るじゃん、よけいなところに行けたりよけいなことできたら。おおむねそういうよけいなことっていうのは、ゲーム進行の本道から外れるものや時には台無しにするものであって、なんでそれがもてはやされるのかわからないとすら思っていた。このゲームやるまでは。

 ひとつには、単純にスゲエってことがあると思う。テクノロジー万歳、っつうんですか。
 このゲームでは、やたら広いバイスシティ全域を自由に移動できる。メインストーリーとは無関係に。そして、関係ない場所に行ったからって別にペナルティも発生しないので、完璧に作り込まれたバイスシティを文字通り自由にうろうろできるのだけど、これが単純に楽しい。いや、意味なく楽しい。
 まったくのところこれはゲームの本筋となにひとつかかわりがない。たとえば適当に奪ったスポーツカーでカーラジオから80年代ポップスをがんがん流しながら海ぞいの道に停めて太陽が海に沈むまでを満喫したところで、それは気持ちいいんだけどもちろんゲームは何も進展していない。これはこれでいいのだ。横道にそれた結果、それはそれで気持ちいいなら問題あるまい。このゲームは、そういう気持ちいい横道が豊富にある。
 めったに見つからないバイクを探して、まあ奪うんだけど、気持ちよく道をとばすのも楽しいし、タクシーを探して、まあこれも奪うんだけど、本当にお客を乗せてタクシードライバーと化すこともできる。気が向けば本筋とまったく無関係なサブイベントに手を出してもまったくOKだ。こういう横道にそれたところでペナルティを受けるでもない「選択肢の多さ」が自由の意味でもあるのだろう。
 このゲームではもっと狭い意味でも選択肢は多い。1つのミッションをクリアする方法は無数にある。武器のチョイス、追いかけるかさもなくば待ち伏せるか、どの順路を使うかという戦略、単なる誰かを殺れ式のミッションでも、どういうやり方をするかはプレイヤー次第だ。たとえば単にその辺にこれを使えとばかりに置いてあったバットを手に取って追っかけ回してもいいし、わざと近くに路駐しておいた車にすかさず乗り込んでひき逃げしてもいい。ちなみに方法によって効率のいい悪いはあって、この場合だと、後者の方が確実に効率がいい。
 こういう無数の選択肢の中から効率のいい方法を見つけるというのは、ゲームとしていかにも楽しいことだ。特に選択肢が多ければ多いほど、ベストの戦術を見つけたときの喜びも大きい。無数にある手段の組み合わせの中から、完全な1つを発見し実行する。ゲームを支配下におく征服感。これがもうひとつの自由のすばらしさだろう。

 そんなことを思いつつ、そろそろこのゲームやめようかなんて思ってる僕が実はいるのだけど、そのへんの話はまた次回。  

この記事単体のページ...

 « 「人生」トップページに戻る
2004.08.07(グランド・セフト・オート・バイスシティより)

言い訳の山

 憶えゲーという言葉がある。広義では、アクションゲームなんかで「こう動けば絶対に勝てる」パターンを組むことでしか攻略ができない、タイミングがシビアなゲームというとこだろうか。
 縦シューなんかでよく言われることだけど、まあ実際なんの前ぶれもなく物凄いスピードで敵が出現したと同時に弾をばらまいたりするんで、こういう場合「出現した瞬間に撃つ」ことが重要になる。
 出現した瞬間に撃つ。さらっと言えるけど、それはつまり敵の出現位置を事前に知っていないとできないことだ。どうやって知るかといえば、当然ながら1度出現するのを見て憶えるしかない。つまりは、最低1度は出現位置を知るために捨てプレーをしなければいけないということでもある。
 長々となんの話かというと、バイスシティってけっこう憶えゲーだなーってことですよ。

 ぶっちゃけた話、僕は憶えゲーが苦手なんですよ本当にもう。
 憶えゲーというのは、試行錯誤とゲームオーバーをくり返すゲームだ。その過程の中でちょっとずつ効率のいい方法、正しいやりかたを憶えて最終的にクリアに届く、そういうゲームだ。で、まあ……僕とか、そういうゲームオーバーくり返すのってけっこうつらいっていうか。
 ここで一応誤解のないように断っておくと、それほどまでに難しいわけじゃないですよバイスシティ。なまじ洋ゲーだけにソードオブソダン地獄とか思い出されてしまうとそれはさすがにバイスシティに申し訳ない。言っとくけど僕はゲームの腕というのがまったくのところさっぱりで、ファミコンスーファミ時代はともかく、プレステ以降こっちクリアしたアクションゲームなんざ数えるほどもありゃしねえっつうぐらいのへたれ人(びと)である。
 反射神経のあるなしも理由のひとつではあるけれど、どっちかと言えば理由はそっちじゃなくて、単にゲームオーバーに何度もなるのがつらいのである。うわ素人の言い分だ。それはまるでゲームをろくに遊んでない人の言い草だ。「すぐ負けちゃうからつまらない」これではゲーム日記なんてつける資格はないのじゃないだろうか。
 いやあの待って聞いてくれ。だんだん書いてておっかなくなってきたんで言い訳をさせてほしい。憶えゲーおおいにけっこう。そういう楽しみ方があるというのは、僕にもよくわかっているのだ。僕だって昔はいくつものパワーアップシューティングをクリアしたものさ。最近「パワーアップシューティング」って言い方なくなったなあ。ともかく、そういうことじゃなくって、単に最近打たれ弱くなっちゃって。心が。
 憶えゲーというのは逆に言えば、必勝パターンさえつかんでしまえばかなり楽にイケるゲームということでもある。心に描いたパターンを正確にゲーム中でトレースすればそれはもうたやすくクリアできるはずだ。まあ、理論的には。実際にはそうもいかず、指が!この指が俺のおもう通りにうごかないから!とか、肝心の場所でビビってすくみやがって!このマンモーニが!ということになったりするのだ。そこを反復と経験で少しずつならしていくのがゲーム道というものなのだけど、そんな失敗と挫折を何度もくり返すには……わしも歳をとりすぎてしまったようだ……(余韻)。
 そういうわけで、失敗すればするほどあーもう僕はダメかもしれないなーこのゲームには向いてないのかもなーとへこむようになってしまったのだ。これが大人の階段をのぼるってことなのか。僕はまだシンデレラなのか(おそらく違う)。
 「いかによくできたゲームでも、苦痛を感じてまで遊ぶ必要なし。それほどに人生は長くない(ちょっといいこと言った)」てな思想の僕としましては、ここらでバイスシティも潮時ってことでここまで。実際おもしろいゲームだったんだけどなー。まあGTAのキモである自由の風はおおいに楽しんだし、実際面白い経験だった。たぶん次回作『サンアンドレアス』も出たら買うと思う。つまるところ、オレはこういうゲームの楽しみかたしかできない人間なのさ。←最後のほうをギャングっぽくしてみました。

この記事単体のページ...

 « 「人生」トップページに戻る

「人生」から検索

「人生」RSS配信中

RSS 1.0 RSS 2.0 ATOM FEED RSD 1.0

(RSSの意味がわからないときは、気にしないのが一番です)

「人生」携帯版

アドレスを携帯に送る...

powered by MT4i