人生: フロントミッション4(フォース)(まとめ読み)

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フロントミッション4(フォース)(まとめ読み)

プレイステーション2用

※下に行くほど新しい記事です。


目次から...

2005.08.17(フロントミッション4(フォース)より)

説明書

 やっと説明書読み終わったー!
 『フロントミッション4』買ってからこっち、3日そこらかけてやっとこさ説明書を読破いたしました。ちなみに総ページ数は36ページ(うち本文は30ページ)だ。活字離れが嘆かれる昨今、まさしくうーんなんつうか世相とか関係なしにバカだよね君、という感じであろうが、だってこの説明書憶えることたくさんあんだもん。←堂々と

 いやあ一番最近に遊んだフロントミッションシリーズ作品が『1』(それもリメイク版の『ファースト』とかじゃなくスーファミ版)なもんで、この深化したシステムに頭が全然ついてかなかったことなかったこと。
 今作ではバックパックに種類がいろいろある事やスキル数に上限があることから見て、どうやら今回は特に各キャラごとの役割分担が大事になるものと思われますが、まあそんなところです(後が続かなくなった)。だから書いてあることが小難しくて頭に入ってこないってんですよチキショー!(逆切れ)
 ちょっと読み進めてはまたわかんなくなって前のページに戻り、また読み進めては戻りという3歩進んで2歩下がる方式である。チータこと水前寺清子はそんなことを言うが、おかげさまで30ページをいつまでも読破しきれないのである。でも読破しとかないと変な育て方しちゃって半分ぐらい進んだところで取り返しがつかなくなったりしそうだしなあ。こうしてゲームは電源を入れる前から暗礁に乗り上げるのである。
 そして31ページ目まで読んだところで、ゲーム中にチュートリアルモードがあることが小さく書かれてることを発見したり。そ、そういう事は1ページ目に書いといて! 太字で。そしたらもうちょっとさらっと流して読めたのに!

 その他、説明書で心に残ったこといろいろ。
(以下、画像はスクウェア・エニックス『フロントミッション4』説明書より)

 移動範囲を示す半透明のチップがきれいでかわいい。
 攻撃範囲を示すチップ(赤色)も同じくきれいでかわいい。
 くだらんことにも思われるだろうが、世の中見た目だ。

 「狙撃 (snipe)」というスキルがあるだけでもけっこうぐっとくるが、ちょっとこの画面写真どういうことよ。でけえ! 武器おそろしくでけえ!
 たぶんこれヴァンツァーの全高よりも長い武器かついでんでしょ画面写真見るに。使いたい。できれば今すぐ使ってみたい。

 やっぱり両手持ちはかっこいい。今回も主人公機は両手持ちでいきたい。マシンガンとショットガンの両手持ちにかぎるだろう。もしかすると今回は他に両手持ちできる武器あったりするのかな。楽しみだ。

 主人公の1人「ダリル」のキャラ絵を見た時からずっと何かが引っかかっていた。どこかで見たような気がする。いや当然主人公だからゲーム雑誌とかWebサイトとかで見てるんだけど、そういう意味じゃなくもっとよく見知った誰かのような気がする。フロントミッションシリーズに似たキャラでもいたんだっけか。いやそういうことじゃない。もっと違う何かで、たしかにどっかで見たんだ、この髪形。このアゴヒゲ。この目つき。
 ……あ、『銀魂』の近藤局長だ。

空知秀秋『銀魂』(第八巻)より
 おいおいおいダメだろそれは普通に。局長ってアレでしょ、バカの上にストーカー疑惑のつくバカでしょ。大好きですがね、ええ、近藤局長。それにしたってGoogleで「近藤局長」で検索したら1位に「局長のケツ毛を愛そう!」(タイトル)が来ちゃうような男ですよ。すなわち世界トップレベルのケツ毛ですよ。意味わかんないけど。
 ダメだ、もうダリル隊長の顔が近藤局長にしか見えなくなってしまった。たぶんこれゲーム始めても局長がしゃべってるようにしか見えないって絶対。いつヴァンツァーのコクピットの中で脱糞するかわかんないよこの人。
 早くもゲームは暗礁に乗り上げた。まだ電源入れてもいないのに。

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2005.08.18(フロントミッション4(フォース)より)

チュートリアル

 このゲームの説明書がいかに難物であるかを前回は書いたが、なんかまだ気持ちがおさまりきらないのでまた書く。←あんまり
 憶えなきゃいけないことが本っ当たくさんあるんですよコレ。大きく分けて3つ。戦闘のやり方、パイロット(キャラクター)の成長、ヴァンツァー(メカ)のカスタマイズ。戦闘のやり方ひとつとっても、移動方法やマップの見かたなんつう基本的なことから始まり、攻撃のパターンだの武器・アイテムの種類だのバックパックの中身によってできることだの、このシリーズの新概念「セットリンク」だの、本当いろいろあるのだ。それがギチギチに凝縮されて書いてあるのだ。大変なのだ。
 なんとか一通り読んだものの、いまひとつ体系的に頭に入っていないのは自分でもよくわかる。つうか実際、正味30ページ内におさまる内容じゃないだろこれ。
 こういう時、僕はいつも攻略本を買う。攻略本というのはたいてい「ページ数が多くないと売れないんだろうなー」と思うくらいページ数が多く、まあそこはともかくその多いページ数をさいて懇切丁寧にシステムを系統だてて解説してくれているものだ。ドはまりな上級プレイヤー向け情報が大半な一方、ゲームを全然遊んでないプレイヤーにもそれはそれで役に立つものなのだ、前半数十ページは。というかゲームについてくる説明書にもっとページ数あればすむことだとは思うんですが、まったく。
 ところがフロントミッション4の攻略本が売ってないのまた見事に。
 スクウェアの看板人気シリーズのひとつとはいえ『2』『3』と出すたびに期待を裏切り続けたアレなだけに小ヒットに終わったのも原因か、攻略本はメーカー公式本とエンターブレインのオフィシャル本(ややこしい)の2冊しか出てないご様子。でまあ、どっちも売ってない。いちおう攻略本系が充実してる店はあちこち行ったんだけど、どこにも置いてない。しょうがないんでAmazonで注文しました。まあ2、3日すれば届くわけだから。

 2、3日すれば届くってもその間ゲーム遊ばないわけにもいかないでしょってんで、とうとう本日電源を入れました。なんだか矛盾したことを書いている気もするが、まあ、様子見プレーのつもりで。ちょっとオープニングでも見てテンション高めてみようか程度の気持ちで。
 ローディングから数秒、画面にバーンと表示される「SQUARE ENIX」のロゴ。そういや「スクエニ」になってからここのゲーム買うの初めてだなあといまさらなことも思いつつ、このロゴスキップできんのかなあ、スキップできないとなんだか今後がプチガッカリだなあ、と思うもののためしに○ボタン押してうっかりオープニングムービーまで飛ばしちゃいけないので、今回だけはぐっとこらえる。
 そして始まるオープニングムービー。僕はレンダリングCGのムービー観て感動するとかそういうのがないタイプの人なので実際オープニングムービーは軽く流す。いやさっきぐっとこらえた姿勢とはあきらかに相反してますが、ストーリー上重要なムービーである可能性があるじゃないか。まあ見てみたら単なるイメージ映像でしたけどね。
 そして始まるオープニングムービー。え? あ、いや、今度はイメージ映像じゃなくて本当にストーリーに則した映像なのか。レンダリングムービーじゃなくリアルポリゴンだし。
 実は見ていてさっぱり事情はわからなかった(おそらくわざと情報量を削っている)のだが、とにかくどっかのヴァンツァー部隊がどっかの基地を強襲して全滅させたらしい。襲ってきた方は無傷。弱いぞ基地。ふつうこういう基地ってのはそう簡単に落ちないもんじゃないのか。まあ敵方がよほど用意周到だったということだろう。
 ムービーはとどこおりなく終わり、主人公の1人「エルザ」がEC(ヨーロッパ連合)出資のヴァンツァー戦術研究機関「デュランダル」の実験実働部隊に配属されたところからゲームは始まる。傭兵部隊と「巻き込まれて参加」と実験部隊はこの手のロボットバトル導入三種の神器である。そういや『オルタナティブ』もヴァンツァー戦術の実験部隊だった気がするが、今回は時代背景がかなり先になってるので問題なし。
 顔グラフィックの口パクが口パクというかアゴパクになってる(なんかアメリカンアニメ風)のに少々とまどいつつも、新人エルザは実戦テストを受けることになるのである。
 この過程でものすごく親切なチュートリアルが入る。
 ……。ぼ、僕が説明書を3日かけて読んだ立場は!
 このチュートリアル、説明書と違ってとてもていねいに作られてて、まず戦闘の基本中の基本である移動方法だけをきっちり1ターンやらせて、その次は攻撃の基礎、その次はアイテムの基礎、もっと詳しいことはまた次の機会で、という非常に入り込みやすい設計。画面上でアニメーションしつつ矢印で画面に注釈をいれるし、実際にプレイヤー自身に操作させたりしてまさにゲーム中のチュートリアルならではのわかりやすさ。
 さらにこの戦闘が終わると、今度は戦闘はいったんおいといてパイロットの成長システムについてひとくさり。もっと成長してからできることやヴァンツァーのカスタマイズについてはまた今度。今憶えないといけないことだけ説明しますからここだけキッチリ憶えてください的なやり方。ち、ちゃんと系統だてて解説できてる! やればできるじゃないアンタ!
 いやわかってますよ説明書を前もって読んでたからこそ今チュートリアル見てスイスイ頭に入ってくる面もあるってことは。予習してから受ける授業みたいなものなんでしょうよでしょうけども、このチュートリアル確実に説明書よかわかりやすいしAmazonで攻略本買った意味もかなり失せた。いいよもう、ゲーム先に進めりゃいいんだろ、わかんなくなったらその時攻略本読むよ!

 とにかく今見れるチュートリアル(おそらく初級編的なやつ)を全部見て、セーブして電源切りました。こんなんなら説明書はもっと薄くして紙メディアでしか伝えにくい情報(操作方法とか表形式のリストとか)だけ書いといたらよかったんじゃないのかとか思いつつ。

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2005.08.19(フロントミッション4(フォース)より)

デモンストレーション

 今日こそはゲームを進めるぞと思いつつ電源をオン。
 ちなみに結局メーカーロゴはスキップできませんでした。ちっ。わかっちゃいねえぜ(メーカーロゴ嫌い)。でも実際、オープニングムービーが始まってからようやくボタン入力を受け付けるっていうのはスマートじゃないと思う。別に何回も見たいという種類のムービーでもあるまいに。
 あ、でも今回ムービー見直してぐっときたところはあった。世界三大漢(おとこ)の武器のひとつとされるパイルバンカーの存在だ。こないだは見逃してたけど、このゲーム、パイルバンカーあんのか! あれ、前のシリーズからあったっけ?(あいまい)
 パイルバンカー。「杭をぶちこむもの」とでも訳せばいいのだろうか。パイルドライバー(杭打ち機)じゃだめなのだろうか。バンカー (bunker) だと掩蔽壕と意味がかぶったりハードゲイ用語(さすがにナニなので具体的な意味は書かない)だったりでなにかとアレな気がするのだけど。まあとにかくパイルバンカー。一般的には戦闘ロボ(こう書くとみもふたもないね)に時々装備される格闘戦用武器である。主に腕に備え付けられ、マジで杭打ちをするように巨大なクイがバスッて出てシュバッて戻る。冷静に考えるとこの「バスッて出る」出力とクイの硬度だけで成り立ってるような武器で、そんな破壊力が期待できるとは思えないのだけど雄度(おすど)補正によって強力無比な近接兵器とされることが多い。ちなみに世界三大漢(おとこ)の武器の残り2つはドリルと巨大剣(巨大斧と巨大槌を含む)である(*1)
 パイルバンカー、ぜひ格闘系のキャラに装備させたいものだ。ううむ、説明書のキャラ紹介だけじゃ誰が格闘系なのか想像がつかんなあ。などとタイトル画面横目に説明書を眺めてたら、2つめのムービーが始まった。
 ああ、このゲームは何種類か(後で確認したら2種類)ムービーあるのか。たぶん店頭デモ用の配慮なんだろうなあ。で、その内容はまあ今回もイメージ映像ではあるのですが、ジオン開発工場では次々と新型モビルスーツの開発が進められていた方式(*2)の基地の様子に始まり、赤ランプとサイレンと共にワンダバする(*3)という熱い展開で、ちょっといい感じだった。ゲーム本編はまずワンダバシーンがなさそうなシステムなので、いい感じだったからそれがどうしたと言われれば、答えに窮する。←役立たず

 あ、ゲームの方は1マップ軽く終えて(初の実戦で、それだけにすごくゆるい)、その後にまた一気に追加されたチュートリアルを消化してたら結構時間が経過してたのでセーブして電源切りました。たぶんこれからももうちょっとの間はこの調子でなかなか先に進まないんだろうなあ。

*1 世界三大漢の武器の残り2つはドリルと巨大剣である

漢の武器四天王になると、これに携行型砲が加わる(バスター砲を含む)。まあ全部僕が勝手に言ってるだけだが。

*2 ジオン開発工場では次々と新型モビルスーツの開発が進められていた

むかしのガンダムのプラモデルCMにそういう感じのナレーションがあったのです。うろ憶えです。

*3 ワンダバ

一般に、戦闘メカ類の発進シークエンスの映像表現をこう呼ぶ。『帰ってきたウルトラマン』でMAT(怪獣攻撃隊)出動シーンにかかるBGM『M-3』の歌詞(つかスキャット?)が「ワンダバダバダバ、ワンダバダバダバ、ワンダバダバダバダ」だったことが由来だそうです。

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2005.08.20(フロントミッション4(フォース)より)

導入部

 前回「この先しばらくはちょっと進めてはチュートリアルのくりかえしであろう」的なことを書いたら、いきなりどんどん話が進みました。効果てきめんってやつだ(ネガティブ思考)。
 このゲーム、2人の主人公による2つのストーリーが同時進行していく風なストーリーになっているらしいんだけど、えーとまず第1の主人公であるエルザ(前々回から出ずっぱり)であるが、謎のテロリストによる基地襲撃、そしてその背後に隠された秘密とは? せまり来る正体不明の敵ヴァンツァー部隊。謎を追え! ぼくらの戦術研究機関デュランダル! 君は小宇宙(コスモ)を感じたことがあるか──。みたいな話だったはずですよ。あと関係ないけど、チームの1人で調子のいい黒人オペレーター「ハーミーズ」の声が僕にはエディ・マーフィーの吹き替えの人の声で聞こえます。なんとなく。
 そしてもう1方のストーリー、『銀魂』のほうの近藤局長似ことダリルが主人公の「ダリル編」(ひねりゼロ)。ゲーム中の顔グラフィックは思ったより局長っぽくなかったので、なんというか、助かった。
 舞台は、どっか南米(あいまい)。ベネズエラ州のUSN(ニューコンチネント合衆国)独立宣言をきっかけに独立紛争が勃発。それはそれとして、日銭を稼ぐのが主眼でマジメに戦争する気がさらさらないダリル以下USN3馬鹿兵士たちは、偶然にもベネズエラ政府要人の隠し財産を発見。俺達にも運がまわってきたぜ!(ありがちな表現)とばかりに根こそぎいただいて軍も辞めて純白のメルセデスとプール付きのマンションと最高の女とベッドでドン・ペリニヨンを飲もうとした浜田省吾もとい3馬鹿兵士だったが、基本的に悪知恵は回るがあんま計画性とかない連中なんでそこかしこで危ない橋をわたったり(実際ミサイルとか撃たれた。橋で)結局持ち主に顔バレして逃げまどうハメになったりと大忙し。てなわりとライトタッチの話でした。
 ていうかこれ映画『スリー・キングス』まんまなストーリー(*1)ですが、まあ100%わざとというかオマージュのようなものだろうからつっこまない。個人的な意見としては、あんまり最近のモノをオマージュするとパクリパクリ言われるので、どうせなら『M★A★S★H』(*2)あたりの古典をオマれば(←新語)商業的にはよかったんじゃないのかしら。とか余計な心配をしてみる。
 さてそんなこんなでダリル一行のいまいち緊張感のない逃走劇が始まった……一方その頃(なのか?)エルザたちデュランダル隊はテロリストの手がかりを求めて、ヨーロッパのどっか(あいまい)に向かおうとしていた。TO BE CONTINUED。
 エルザ編になった途端にTO BE CONTINUEDになったのは、そこでセーブしてやめたからですよ。いやイベントシーンで歴戦の女兵士が仲間になったんで、とりあえず親睦会がわりにシミュレーターバトル(*3)をやってみたらけっこう時間食っちゃって。

*1 『スリー・キングス』

1999年公開、ジョージ・クルーニーほか。湾岸戦争停戦後のイラクで、日銭を稼ぐのが主眼でマジメに戦争する気がさらさらないクルーニー以下アメリカ軍3馬鹿兵士たちは、偶然にもフセインの隠し財産を発見。俺達にも運がまわってきたぜ!とばかりに(以下略)という導入部。

*2 『M★A★S★H』

1970年公開、ドナルド・サザーランドほか。軍隊コメディ映画と大真面目な反戦映画をシェフの気まぐれ味つけでミックスしてみました的な、わりと変わった映画。まあ時代が70年代だったからなー。

*3 シミュレーターバトル

コンピューター上のシミュレーターを使ってバーチャル敵軍と戦う模擬戦。経験値も稼げる。あと勝利するとお金ももらえるが、そこは不思議だと思う。

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2005.08.21(フロントミッション4(フォース)より)

リンクの冒険(駄洒落)

 興が乗って3時間くらい遊び続けましたが、ストーリーは前回からまったく進んでいません。
 それというのもいよいよゲームが本題に入ってきたらしく、ヴァンツァーのパーツを買えるようになったり「リンク」が使えるようになったりしたのだ。今日電源を入れて2分後に。どうやらすごい切れ目でセーブしてたらしい。

 『4』で追加された新システム「リンク」とは何なのか真面目に説明するとものすごく長くなっちゃうのでおおざっぱに言えば、敵をフクロにするシステムである。集団ボコ殴りにするシステムである。私刑(リンチ)である。
 たとえばいま僕の使ってるスタイルを例にとると、ある敵にわがチームの格闘担当ラトーナ姐さんがパイルバンカー攻撃をしたとする。ちなみに名前に「姐さん」をつけて呼ぶのは、なんとなくそんな感じだからだ。きっぷのいい姐さんなのだ。ハスキー声はいなめないのだ。
 とにかくラトーナのこうげき。てきヴァンツァーに100のダメージ。敵はふらつきはしたもののまだまだ余裕である。敵も反撃してくるのでラトーナ姐さんにも70くらいダメージが入る。まあここまではいつものフロントミッションでもおなじみのパターンだ。しかし、その裏に恐るべき罠が待ちかまえていようとは、このとき敵は知るよしも無かったのである。
 チームの回復担当を務めるハーミーズ(気のいい黒人青年)がとりあえず近寄ってラトーナ姐さんを回復。おそらくハーミーズはラトーナ姐さんに「坊や」呼ばわりされていると思われるが、それはさておきハーミーズはベホイミをとなえた(比喩)。回復と攻撃は同時にできないので、この時点でハーミーズも行動終了になる。さらにそこに現われますはチームの銃担当にして紅一点のエルザさん。←ラトーナ姐さんがいつのまにか女性の立ち位置から外されている
 エルザのこうげき。てきヴァンツァーに100のダメージ。ここからである。ここからリンクが発動するのだ。さかのぼること数分前。戦闘の前に、エルザの「アタックリンク」にラトーナ姐さんとハーミーズをセットしておいたのだ。するとどうなるのかというと、エルザの攻撃が終わった直後、行動終了状態だったはずのラトーナ姐さんがおもむろに近づき(おそらく「ゆらり」という擬音つき)敵ヴァンツァーを殴りつける。さらにハーミーズも手にしたマシンガンをぶちこむ。絵ヅラ的には、3方向から連続でボコられている敵ヴァンツァーの図である。まあ、そりゃ爆発もしますわ、敵ヴァンツァー。
 これがリンクシステムだ。エルザが攻撃したら、すでに行動終了になってるはずのラトーナ姐さんやハーミーズも一緒になって攻撃するのだ。敵をフクロにすると誓った仲なのだ。いやだな、そんな仲は。
 もちろんおいしいだけではなく制限もあって、ちゃんと敵を射程範囲にとらえていないと発動しないとか、攻撃できるだけの余力を残してないと発動しないとか、リンクを設定できる人数には限りがあるとか、レベルを上げないとリンク設定すらできないとか、いろいろと考えてセッティングしておかないと発動すらしなかったりする。
 しかしまあこれうまく決まると気持ちいいの。なまじ敵が一撃では痛くもかゆくもないような顔してるバランスなだけに、連続で攻撃してボコボコにすると痛快そのもの。バランスといえばこのゲーム、格闘戦担当は銃担当と違って2連続攻撃ができないシステムになってて、そのせいで普段はいまいち輝けない役割なんですが、リンクしようとするといきなり活きてくる(連続攻撃できない分、リンクに回す余力があり余っている)のもよくできたバランス調整。
 そんな面白システムのリンクですが、ああでもないこうでもないと設定したりシミュレーターでテストしたりしてる間に3時間。なにもストーリーは進行しないままに本日は終了いたしました。先が思いやられる。

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2005.08.23(フロントミッション4(フォース)より)

政軍分離

 今現在の進行ぐあいを書いてみると、ダリル編はあのまま放っとかれっぱなしでいまだエルザ編である。具体的には「ばかもーん! そいつがルパンだ!」とばかりに猛ダッシュで後を追いかけたら「この塔の先に進みたければ我々四天王を倒してからにしてもらおうか!」的なことになって、実際倒してみたあたり。ところで塔とは? 四天王? ルパン?(あやまちに気付く)
 それにしてもこのあたりの展開、なんつうか国際紛争──いやいやこの時代だと国家共同体になってるから内戦扱いになるのかな? とにかく戦争の火種をつくるどころか戦争のキャンプファイヤーでも焚いてんじゃねえのってくらいに国境付近で危険なことをしてる気がするんですが、いいんだろうか。いやデュランダル自体は合衆国に対するFBIばりにE.C.全域に調査特権が認められてるみたいだからやはり非はあちら側にあるのか。あれ、でもまだ正式にE.C.議会の承認を受けたわけじゃなくてイギリス政府の口利きがあったレベルじゃなかったっけ? いやいやでもむこうは明らかに自国政府に確認もとらず独断で越権行為してるわけだし、いやあそれ言ったらこっちも似たようなもんで、むこうが越権行為は承知の上でその1手先を読んでるっぽいのに対しこっちは……てな感じで非常に危うい綱渡りをやってるんですが。
 そういう綱渡りをさせる意図のシナリオであるにしろ、それならそれでもうちょっと政治的葛藤をセリフ回しのはしばしから匂わせてほしかった気もしますが、そこまでするとゲームの敷居がいっそう高くなっちゃうからこのあたりが順当なところという気もする(ころころ変える意見)。

 実際この手の軍事物シミュレーションRPGのシナリオでやっかいなのは、「戦闘行為は最後の手段」というリアルな世界観と「戦闘シーンがないとゲームにならない」というゲームのお約束の間のジレンマなのだろう。最初から戦争状態にあるので敵国をツブせ的なストーリーだとその点は楽に解決できるけど、ある程度二転三転のドラマチックストーリーにしようとするとどうしてもこのへんが難しくなりそうだ。かといっていちいち上層部にお伺いを立てながら侵攻したんではドラマチックにもなりづらいだろうし。
 そいやこのあたり『1』のシナリオ(特に後半以降)は非常にうまく解決してましたな。さすが……と言っておこう(*1)
 ゲームにかぎらず軍事物という話はその性質上、どうしても政治と切り離すことはできない。かといって政治的に正しいことに比重を置きすぎると、プレイヤー的にはミリタリたい(新語)だけだったりするので余計な小難しいテキスト読ませんな! もう寝る! とかなりかねなくて難しいところだ。この矛盾を『1』は最初のうち軍事物とみせかけて、(開始1分後に恋人が死んだという伏線をうまく利用して)後半どんどん軍事からかけ離れた個人の物語にシフトさせていくという方法で解決していた。その後「坂田一族」というこれまた個人の物語的なギミックを逆手にとって最終的にまた軍事物に着地させるという手法もお見事。『1』やってないとなんのことだかさっぱりなことを書いていて申し訳ない。

 その意味ではダリル編が軍事とさらさら関係ねえやっていう個人の物語になるんだろうか。イベントシーンによれば、これからダリル編が始まるようです。

*1 さすが……と言っておこう

関係ないけど、ガンダムファンの間で使われる「ファースト原理主義」(無印の初代『ガンダム』以外のシリーズ作品を認めないという思想)という表現はフロントミッションでも使えることに今思い至った。かく言う僕は『オルタナティブ』も好きなのでファースト原理主義者とは違いマスヨ?

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2005.08.25(フロントミッション4(フォース)より)

巨大兵器

 巨大機動兵器でたー!
 いやまあ主人公たちの乗ってるヴァンツァーだってたいがい巨大で全高約6メートル(2階建てビル程度?)だそうですが、今回敵がズシンズシンいわせながら乗ってきたやつは目測で体積にして優に4倍強はありそうな巨大兵器。正確には多脚戦車に分類されるんですかね、あれ。
 ああいう巨大兵器が文字通り地面を震わせながらやって来た時点で「ああ、殺されるな……」と覚悟が速攻で固まる。怪獣映画よろしくズシンズシンやって来る巨大兵器の姿には有無を言わせぬ説得力がある。装甲はものすごく厚いしこっちのパーツを一撃で破壊せんばかりの強力無比な武装を持ってるに決まってるのである。
 こういう一種の畏怖の感情をもって巨大兵器を見てしまうのは、過去のロボット物の記憶のすりこみが原因だったりするんだろうか。それか怪獣映画。ずば抜けて巨大なやつらが地響きを立ててゆっくりやってくるのである。素早くやってきた例はあまり知らないし、あったとしてもあんまり怖い感じではなかった(例:ハリウッド版ゴジラ)。やつらはこちらの抵抗をまったくものともせず、圧倒的な火力などで破壊のかぎりを尽くすのである。たいていそういうことになってるのである。ゲームにおいてもそれはしかり。
 そんで相対した巨大兵器はやっぱり予想通り強かった。こちらのマシンガンの弾が当たっても全然HPが減らない。小雨かなんかのように傷がつかない。かたやあっちが発射するグレネード弾は1撃でこちらのパーツHPを根こそぎ持っていく。それどころかもう1発撃ってきたりする。ああ、殺されるな、これは。

 しかしこっちも伊達にレベルを上げてきたわけではない。伊達にスキルを取得してきたわけではない。伊達にリンクを設定しているわけではないのである。
 接近戦をしかけ、ショットガンで装甲を削る。遠距離からスナイパーライフルで一撃必殺を狙う。うわ全然当たんないわこれ。しょうがないのでやっぱり中距離からスナイパーライフルで一撃必殺を狙う。当然こっちのHPもがんがん喰われていくが、回復要員に絶え間なく回復させ続けていれば回復手段のない相手はいつかは倒せる。いける!
 ……と思ったとたんに敵のヴァンツァーが横から出てきてマシンガン斉射でこっちのHPをさらに削る。ま、待て、それやられたらこっちの回復が追いつかないんだって!
 巨大機動兵器はなかなか倒せる気配がないので、当面の敵としてこのマシンガン兵を先に倒すことに。リンクを利用した一斉攻撃で一気にHPを削る。いける!
 ……と思ったとたんに逃げ出す敵ヴァンツァー。そして安全圏からマシンガン斉射。そして背後には巨大機動兵器。ああ、殺されるな、これは。

 幾度となく死を覚悟したものの、結局なんとか勝ちました。苦しい戦いだった。
これだけ不利な状況でよく勝てたものだと自分でも思う。ゲームのバランス調整がうまいのだろう。

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2005.08.26(フロントミッション4(フォース)より)

ショップ・オブ・ホラーズ

 買い物は一大イベントだ。
 このゲームの流れはまあシミュレーションRPGの基本に忠実で「イベントシーンを眺める」→「敵部隊と戦う」→「セットアップ(買い物含む)」のくり返しだけで進む。イベントシーンの比重はそうとう軽く、実質戦闘とセットアップだけでゲームが二分されているといって過言ではない。ゲームの半分くらいは買い物にかけているのだ。かまけているのだ。
 買い物。RPGなんかではおおむね高いものさえ買っとけばまず強力なんでOKみたいなところだけど、これはシミュレーションRPGである。いやシミュレーションRPGでも高いものさえ買っとけばOKみたいな場合も多々ありますが、このゲームの場合は別だ。

 たとえば僕などは、主役機(それは『ガンダム』におけるガンダムのようなものだろうか)には最強の武器を装備させたい。具体的にはエルザの機体には今買える最強のショットガンを右手に、最強のマシンガンを右手に、そして両肩にはミサイルランチャーを装備させたい。しかしそうは問屋が卸さないのである。いや、文字通りの意味では問屋は卸すすなわち買えるのだけど、重量オーバーになって装備できないのだ。そりゃまあ、そんなひとり一個小隊みたいな装備は確かにふつうありえないけれど。
 簡単に言って過積載なのである。軽トラにミール宇宙ステーションコアブロックを載せるようなものなのだ。具体的にたとえればすべて分かりやすくなるというものではない。
 エンジン部である「ボディ」を高出力なものに買い替えれば最大積載量は上がるが、それだけやってもまだミサイルランチャーを積むには重量オーバーである。というかそもそも今回のフロントミッションは役割分担が重要で、こういうあれもこれも式の武装は許されないバランスになっているのだ。
 そこで無難なとこで最強のショットガンと最強のマシンガンの2挺持ちでいってみると、これはこれでまだ重い。なにかと思えば腕パーツや脚パーツが重いのだ。HPの高い腕や回避速度の高い脚を買ったら、これが本当の脚を買ってアシが出たなんてことを申しまして。毎度ばかばかしいお笑いにだって誰しも限度というものがあろう(反省)。
 まあそんな感じであれもこれも式で腕パーツと脚パーツを買っても重量オーバーである。そこでHPは少なめでも軽くて命中率の高い腕パーツとか、回避率はひかえめになるけど重量もひかえめな脚パーツとか、ある程度の妥協をしながら調整していく。
 すると今度は重量に余裕ができ、じゃあボディパーツもエンジン出力は弱いけど回避率の高いやつに替えたらどうだとか、そこでターボバックパックを接続して出力を飛躍的に上げたらどうだとか、じゃあやっぱり脚パーツはもっと重いやつに戻してみようとか、大騒ぎである。
 いちいち買いながら調整してたらいくらお金があっても足りないので、しぜんメモ帳に買いたい部品と重量を書き出して合計してあーこれじゃ重すぎるってんで消し、また別の部品を書いては重量合計を計算してあーこれなら別の装備でいけるかもってんでやり直し、試行錯誤の果てに装備が決定されるのだ、このゲームでは。簡単に言えばやりくり名人でなくばならないのだ。かしこい主婦のとっておき節約術が試されるのだ。

 そんなこんなを全キャラ分やってると、買い物にも戦闘と同じくらい時間がかかるって寸法。しかしこれが意外に面白い。
 シミュレーションRPGは、端的に言って効率のゲームである。いかに効率よく敵を撃破するか。いかにこっちの被害を少なく、相手の被害を拡大させるか。これもまた一つのやりくりである。そして買い物もまた、同じように効率とやりくりのゲームなのだ。
 うまく装備のバランスがハマッた時は本当に嬉しいし、現状の品揃えではどうにもならなくて武器を泣く泣くあきらめた時も、新型のエンジンが入荷した時こそ! その時こそは! と次回に希望をつなぐのだ。買い物は買い物でひとつのゲームなのだ。
 で、ひととおり買い物を終えたら、シミュレーション(模擬戦)を1回こなして新装備の具合を試したり。そこで失敗に気付いてまた買いなおしたり。また模擬戦をしたり。こんなことばかりやってるからなかなかストーリーが先に進まないのだ。

 今の進行状況は、ダリルたち底抜け三銃士が謎の村にチュパカブラを追ってやってきたところである。すいません正確に言い直せば、ダリルたちが謎の村にやってきたところです。

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