人生: 実験施設

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1999.01.01(夢トイレより)

実験施設

 駅のトイレは、奇妙なつくりだった。
 イメージとしては倉庫に近いだろうか。ひどく広く、窓がないせいで薄暗い。仕分ける壁もないがらんとした空間の中に、ただひたすら男性用便器がずらりと並んでいる。
 特に奇妙に思えたのは、便器の形がそれぞれ違うことだった。公衆トイレで見かけるようなありとあらゆる形・材質の便器が無秩序に並んでいる。夢の中の私は、この場所が公衆トイレのテストケースであり、試験的に様々な便器を配置していることに思い至る。
 私は手近な便器に近付くが、そのとたん頭上のシャワーから温水が吹き出したので、慌ててその場を離れる。人が近付くとシャワーで便器一帯を洗い流すようになっているのだ。だがこれでは用を足そうとするとずぶ濡れになってしまう。私は他の便器を試すが、同じようにシャワーが吹き出す。シャワーのない便器があるかと思えば、それは誰か先客が使用中だった。あるいは外から丸見えだったり、またあるいはまったくの子供向けで位置が異常に低かったりと、広いトイレの中にまともな便器が見当たらない。

 私はようやくシャワーの出ないトイレを探し当てる。それは壁に対して直角に立っている便器で、使用者は壁を見ながら用を足さなければいけない(便器に正対してはならない。なぜなら「普通」トイレは壁を見ながら用を足すものだからだ)。
 やりにくいことこの上ないが、他にましな便器も無いので私はここで用を足すことに決める。

いや度:★★★

ここで目が覚めた。危ない危ない。
「頭上からシャワーの出る公衆トイレ」は2度目の登場だ。もしかすると、忘れているだけでもっと見ているのかもしれない。

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