人生: 終わりがないのが終わり

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2002.07.28(かまいたちの夜2より)

終わりがないのが終わり

 終わりました。
 ひとことでいうならば、その、輝かしげなしおりを発見しました。これは隠したことになっているのか。
 やたら展開早いですが、なにしろ何時間もぶっ通しで遊んでたから。
 本当にこのゲームの「つい続けてる性」の高さときたら半端じゃないと余裕で言いきれる。
 『かまいたち2』のテンポの良さっていうのは異常というか、正直ゲームやってて一番めんどくさい作業ってのが実は「ゲーム終了」選んでセーブ待ちの時間というくらいで、それ以外の作業すなわちふつうのゲームをつい続けちゃうっていう、恐怖のシステム。

 そんなこんなで1日分の日記にとうてい書きがたいほどの多量のエピソードをこなしきったのですが、えーとまあ順番に書いてみよう。

 まず最初に遊んだのが、こう未プレーの人に配慮しつつ書くのならば「タイトルが全部カタカナで書かれた篇」。うまく隠しきった気がする。
 これ謎ありアクションありで面白でしたよ想像以上に。そういえば前にやった時にけっこう怖かった魔術的なシナリオ、あれも同じ人がシナリオ書いてましたけど、個人的に面白シナリオライターにカテゴライズされましたよ今回。
 そんな夢見る時を過ぎて、ある種のしおりを発見いたしました。というかこれはもう『かまいたち』とかサウンドノベルの基本みたいのものなので正確に表現しますが、ピンクのしおりですよ。桃色シナリオの登場ですよ。それは猛烈な桃色片思いぶりでしたよ。
 というか、えーとこのエロスぶりはOKなんですか? 仮にもゆりかごから墓場まで誰もが遊ぶゲームのはずの『かまいたち2』で、この直接的なエロスにはなんらかの問題がありはしないか。いちおう説明書とかパッケージ見てみましたけど、全年齢版でしたよ? 暴力・グロテスク表現ありでしたが、そういうのと別ベクトルむしろ逆ベクトルですよ、これ。
 とまあ僕が心配する筋じゃないですけど、なんか妙な心配をしたりしている間にもものすごいショートシナリオを2つほどクリアーしてたり。もうこのシナリオ、すごいションボリですよ。いい意味で。がっかりですよ。もちろんいい意味ですよ。いや本当に。
 それやこれやで他のシナリオを連続クリアして、ああこのへんはちょっとはしょるんですけど、それというのもあんまりゲームのテンポ良いせいで猛スピードで消費しちゃってて思い出というのがさほどないので。

 あと、今しか言えないから少し苦言めいたこと言ってもいいですか? しかもゲームのエンディングにまつわるある種の事実をさらっと言ったりもするんですけど。だからそういうの知りたくない人はこれから次の大段落まで読まないでいただけるとありがたいんですが。
 これ『街』遊んでるときも思ったんですけど、えーと、いわゆるトゥルーエンディングってあるじゃないですか。たまに「トゥルーエンディングなのにいやな目にあう」って場合あるんですよ。
 なんていうかアンハッピーエンドですよ。個人的には小説とかでもアンハッピーエンドってあんまり好きじゃないんですけど、こういうノベルゲームはむしろ別口で、「ゲームの場合エンディングは絶対ハッピーでなければならない」っていう持論の持ち主なんですよ僕は。アスピック(*1)の時代からそうですよ。
 これは理由あって、ゲームシステム上プレイヤーはバッドエンドを断固として回避して遊ぶわけですよね。一度トゥルーエンド見た後はバッドエンド目指して遊ぶこともありますが、基本的にはバッドエンド回避の気持ちでがんばっていくじゃないですか。そうしないとゲームが成り立たないので。にもかかわらず、そのバッドを回避してたどりついたトゥルーがまるでバッドのごとき結末っていうのは、必死にバッド回避してきたプレイヤーに対する裏切り行為だと思うんですよ。
 まあそれほど問題じゃないっていうか、『街』と比べたらずっとましだとは思ったんですが。

 で、気が付けば早くも輝かしいしおり登場ですよ。
 ……あー、というか白状すると、このしおりを出すまでに2つ3つほど詰まりまして、インターネットでよろしくやりました。←なんとかして言葉をにごす
 でも実際インターネット凄いね! あの僕は考えたらあんまり最新ゲームって買わない……というか買うことはあるんですけど、発売日に買っても半年くらい余裕で寝かしちゃうタイプなんで、とにかくリアルタイムで情報が更新されてるさまって見たことなかったんですけど。
 いまってまだ発売してマジ間もないですよね? まだ発売後1週間なのに、このスピード攻略具合ってどうなの? つう具合にもう早くも完璧に攻略しきってるんですよ各所で。もうGoogleのクロールが間に合ってないの。あの攻略する人々っていうのが、もうなんだろうあの情熱は。
 あ、そうそう。それで判明したんだけど、やっぱり攻略サイト見て正解だったっていうか、普通に遊んでてあれ、わかるもんなの?
 どう見ても解けそうにないっていうか、あれ、バグでしょ? って言われても困ると思うんですけど。
 ちょっと納得いかないところがあると即バグあつかいするのも実際どうかって思うんですけど、だってこれフローチャート見ても分岐してないんですよ。緑の分岐じゃなくて普通の灰の分岐で(*2)、線がもうすでにつながってるんですよ。それはつまり分岐しおわったってことじゃないですか。にもかかわらず、その先を見続けてくと新たなシナリオが始まるんですよ?
 あと、選択肢を選んだ直後ではフラグ立たずに、その先の文章をずっと読まないとフラグが立たないっていう事があるってのも気付きませんでした。これは明らかに僕が悪いんだけどさ。これたぶん攻略サイト見ないかぎり気付きませんでしたよ僕とか。
 とかなんとかあって、登場したのが例の輝かしいしおりですよ。

 このしおりで起こるアレ、ちょっとハンパじゃなく怖い! えーと詳しいことはもちろん書きませんけども、なんていうか狂的なこわさっていうか、すごく理に落ちてないかんじが……もう……トイレ行くまでに絶対そこに至るまでの電灯とか煌々とつけ続けなければ行けませんよ。明かりつけずに行くくらいなら我慢しますよ。事実僕は電気消してゲームする派の人間なんですけど、その場面に関しては思わず電気つけましたよ。煌々と。いわば不夜城ですよ。
 ていうかね、あの場面でなんでジャストタイミングで地震が起きるの? リアルで。リアル地震ですよ! リアルアースクウェイクがマジで起こったんですよ! 半泣きですよそれは本気で! なに? 神? 神とかが僕を泣かせにかかってるわけ? やる気か神!

 それで思ったんですけど、あれ……で、最後……なんですかね。まだこの先にすごい恐怖が待っていそうな気もするんですよ。終わりじゃないような気もするんですよ。まだこの先に追加シナリオがありそうな気がするんですよ。
 あ、これは実際わかんないですよ本当に? マジであれで終わりかもしれないんだけど、でも終わりじゃないかもしれないような……このモヤモヤした感じもふくめて怖いんですけど、あー、もう……終わってもなお怖さが終わらないっつう、そのゴールドエクスペリエンスレクイエムっぷりはどうなのよ? ジョジョの第5部の話ですけど。

 思うのは、今この時期に遊んだのは正解だなーっていうことで。夏っていうのがもう「夏=怪談」っていうノリの風情があって楽しかったのもあるし、もうひとつは『マリオサンシャイン』同時進行で遊んでるんで、たとえ怖くともワッホーなんつってジャンプすれば心は晴れやかに戻るっつう見事なリカバリー機能。
 もう記憶の底に封印してたいやな思い出なんで今になるまで忘れてたんだけど、僕にとって夏と怖い話の結びつきって鬼門なんですよ。
 コミックボンボンで『次元生物奇ドグラ』(*3)読んだ小学生のときは本当もうひと夏のあいだ恐怖につぐ恐怖で、いまだにあの頃の思い出の場所 (駅とか) 行くといやーな気分になるくらいだし、もう成長して高校生とかなってもそういう夏場の恐怖話でせっかくの夏休みがどんよりしたりしたんですよ。恐がりっていう以上になんか、夏の暗黒面にうまい具合に怖い話がシンクロしちゃったりして、なんだ「夏の暗黒面」って。
 たぶんすごい個人的な感覚だろうから読み飛ばしていいんですけど、夏って爽快で楽しい一方で、なんかあの太陽のギラギラ感とか、クーラーの人工的な涼しさとか、永遠と思えるくらいの長い休みとか、なんかこう非人間的なイヤな感覚も感じるんですよねー。いや個人的な感覚だとは思うんですけど、自分の中の暗闇を発見しやすい時期なんですよ、夏。
 どんどん個人的かついやな方向に話向かってるんでこの件は早々に切り上げますが、とにかくそんな具合に実は危険度大だったんですよ『かまいたちの夜2』。
 だから今年の夏はマリオサンシャインがあってくれてよかったっていう、なんだか変なまとめになっちゃったなあ。

*1 アスピック

ずっと昔のパソコン用RPG。詳しくはこんな感じ

*2 緑の分岐じゃなくて普通の灰の分岐

ゲームやってない人にはこう表現されてもさっぱりでしょうが。

*3 『次元生物奇ドグラ』

あれから何年も経った最近になってわかったことなんですが、どうやらあの夏このマンガは数え切れないほどの小学生を恐怖のどん底につき落としていたらしい。

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