2003.07.09(ファイナルファンタジー タクティクス アドバンスより)
絶妙
それはまさに絶妙としか言いようのない瞬間だった。実はここ数日、手詰まり感があったのだ。それは先に進めないとかゲームに飽きたとかそういうことではなく、例によってシステム的な手詰まりだった。
このゲームで何が楽しいかっていえばそれはやはり「アビリティ取得」だろう。えーとわかりやすく言えば、特殊能力ゲット。かく言う僕も主人公に徹底的に「闘士」のアビリティ多数と「シーフ」の「カウンター」も憶えさせて近接戦闘の鬼と化したり、ン・モウ族に「白魔導士」「黒魔導士」両方のアビリティを取得させまくって攻防回復全面に便利なキャラにしたり、やっぱりアビリティ取得楽しいぜ! アビリティ万歳! という具合でがんばってたのだった。要するに楽しいのだ、アビリティ取得。そのために戦闘をしているとすら言える。
ところがここ最近、「めぼしいアビリティは全部取得してしまいそうなキャラ」が出てきたのだ。残すところあとアビリティひとつである。取得すべきアビリティは全部あるし必要なアイテムも全部買い尽くしてるしで、これぞ手詰まりである。もちろんアビリティとか関係なしで戦闘しても経験値はもらえるしレベルも上がるしゲームとしては成り立ってるんだけど、なんというかアビリティを抜きにして戦闘するのがもったいないのだ。この戦闘にかけた30分がアビリティに何ひとつ寄与していないのが許しがたいのだ。あきらかに貧乏性ですねすいません。
で、そんな今日。いよいよめぼしいアビリティ全取得してしまって、この先途方にくれている燃え尽き症候群キャラが生まれてしまった。ついにこの時が来た。来るべき時が来てしまった。いまだに新しい展開は起きず、つまり新しい武器が登場せず、要するに新しいアビリティも現われないという状況である。どうしようもない状況である。なくはないんだけど、ほら、貧乏性だから。
さて、どうしよう。もしかするとこのあたりがこのゲームやめる潮時なのかもしれない……とか思いながら次のクエストを始めたとたん、新展開が始まりました。
絶妙としか言いようがない。ここまできれいにいったのはゲームバランスと言うよりおおむね偶然のおかげなんだろうけど。
とにかくこうして僕はまたやめどきを見失って、次のアビリティを取得しに戦い続けるのだ。