人生: ショップ・オブ・ホラーズ

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2005.08.26(フロントミッション4(フォース)より)

ショップ・オブ・ホラーズ

 買い物は一大イベントだ。
 このゲームの流れはまあシミュレーションRPGの基本に忠実で「イベントシーンを眺める」→「敵部隊と戦う」→「セットアップ(買い物含む)」のくり返しだけで進む。イベントシーンの比重はそうとう軽く、実質戦闘とセットアップだけでゲームが二分されているといって過言ではない。ゲームの半分くらいは買い物にかけているのだ。かまけているのだ。
 買い物。RPGなんかではおおむね高いものさえ買っとけばまず強力なんでOKみたいなところだけど、これはシミュレーションRPGである。いやシミュレーションRPGでも高いものさえ買っとけばOKみたいな場合も多々ありますが、このゲームの場合は別だ。

 たとえば僕などは、主役機(それは『ガンダム』におけるガンダムのようなものだろうか)には最強の武器を装備させたい。具体的にはエルザの機体には今買える最強のショットガンを右手に、最強のマシンガンを右手に、そして両肩にはミサイルランチャーを装備させたい。しかしそうは問屋が卸さないのである。いや、文字通りの意味では問屋は卸すすなわち買えるのだけど、重量オーバーになって装備できないのだ。そりゃまあ、そんなひとり一個小隊みたいな装備は確かにふつうありえないけれど。
 簡単に言って過積載なのである。軽トラにミール宇宙ステーションコアブロックを載せるようなものなのだ。具体的にたとえればすべて分かりやすくなるというものではない。
 エンジン部である「ボディ」を高出力なものに買い替えれば最大積載量は上がるが、それだけやってもまだミサイルランチャーを積むには重量オーバーである。というかそもそも今回のフロントミッションは役割分担が重要で、こういうあれもこれも式の武装は許されないバランスになっているのだ。
 そこで無難なとこで最強のショットガンと最強のマシンガンの2挺持ちでいってみると、これはこれでまだ重い。なにかと思えば腕パーツや脚パーツが重いのだ。HPの高い腕や回避速度の高い脚を買ったら、これが本当の脚を買ってアシが出たなんてことを申しまして。毎度ばかばかしいお笑いにだって誰しも限度というものがあろう(反省)。
 まあそんな感じであれもこれも式で腕パーツと脚パーツを買っても重量オーバーである。そこでHPは少なめでも軽くて命中率の高い腕パーツとか、回避率はひかえめになるけど重量もひかえめな脚パーツとか、ある程度の妥協をしながら調整していく。
 すると今度は重量に余裕ができ、じゃあボディパーツもエンジン出力は弱いけど回避率の高いやつに替えたらどうだとか、そこでターボバックパックを接続して出力を飛躍的に上げたらどうだとか、じゃあやっぱり脚パーツはもっと重いやつに戻してみようとか、大騒ぎである。
 いちいち買いながら調整してたらいくらお金があっても足りないので、しぜんメモ帳に買いたい部品と重量を書き出して合計してあーこれじゃ重すぎるってんで消し、また別の部品を書いては重量合計を計算してあーこれなら別の装備でいけるかもってんでやり直し、試行錯誤の果てに装備が決定されるのだ、このゲームでは。簡単に言えばやりくり名人でなくばならないのだ。かしこい主婦のとっておき節約術が試されるのだ。

 そんなこんなを全キャラ分やってると、買い物にも戦闘と同じくらい時間がかかるって寸法。しかしこれが意外に面白い。
 シミュレーションRPGは、端的に言って効率のゲームである。いかに効率よく敵を撃破するか。いかにこっちの被害を少なく、相手の被害を拡大させるか。これもまた一つのやりくりである。そして買い物もまた、同じように効率とやりくりのゲームなのだ。
 うまく装備のバランスがハマッた時は本当に嬉しいし、現状の品揃えではどうにもならなくて武器を泣く泣くあきらめた時も、新型のエンジンが入荷した時こそ! その時こそは! と次回に希望をつなぐのだ。買い物は買い物でひとつのゲームなのだ。
 で、ひととおり買い物を終えたら、シミュレーション(模擬戦)を1回こなして新装備の具合を試したり。そこで失敗に気付いてまた買いなおしたり。また模擬戦をしたり。こんなことばかりやってるからなかなかストーリーが先に進まないのだ。

 今の進行状況は、ダリルたち底抜け三銃士が謎の村にチュパカブラを追ってやってきたところである。すいません正確に言い直せば、ダリルたちが謎の村にやってきたところです。

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