人生: アスキースティックL5

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2003.01.02(PC・ゲーム関連より)

アスキースティックL5

あれはドラクエ3発売直前の1988年初頭、ファミ通 (当時『ファミコン通信』) にその広告は掲載された。「RPGを片手で遊ぶ!」そのコンセプトに衝撃を受けた僕は、近所のおもちゃ屋でさっそく予約をしたのだった……。

壮大なる前置き

 あ、さすがにもう捨てちゃったので、今回画像はなし。気になる人はGoogle等で探してみてください。
 で、なんでいまさらとっくに捨てた10年以上昔のファミコン専用コントローラの話なのかってとこですが、この話をしておかないと先が続かなくなるので。
 とにかくこのコントローラは衝撃だった。おそろしく使いやすいのだ。片手用コントローラとしては最初にして最高の作品だった。……あ、ごめん少し冷静に思い出すと、ホリの『ホリカード』の方が片手コンとしては先だったかも。まあとにかくそれほどに衝撃的な傑作だったのである。
 おおざっぱに言うなら、このL5の便利ポイントは純粋に「片手で遊べる」こと。特に連射とかの付随機能があるわけでもなく、ただ単に形状が片手用にモディファイされているという、要はただそれだけのコントローラではあった。しかし2つの理由によって、このアイテムは伝説の名機となったのだ。
1)抜群に操作性が良い
2)とにかく片手で遊べるのは素晴らしい

伝説の始まり

 まず操作性について。
 「L5」という名前が実は「エルゴノミクス (人間工学)」にひっかけたシャレだというのは有名な話ですが、そのセンスはともかくとしてたしかにそう言うだけのことはあるグリップ性の良さで、異常に手になじむ上に軽い。唯一の欠点は左手専用というところだろうか(*1)
 で、ボタンのストロークも非常によく考えられていて押しやすい。ファミコン用コントローラとしてはかなり「深くない」ボタンで、まあいわばマウスのボタンくらいの深さだろうか。それが手に握って押す上では非常に使いやすかったのだった。
 ちなみにもはや忘れ去られて久しいことながら、競合機種である『ホリカード』は悪夢のような操作性だった。写真を見てもらえばわかると思うけど。

 そしてもう1つの魅力が、片手で遊べるという純粋にそのこと。まーひとつには左手でコントローラ握って、右手ではメモとったりマッピングしたり攻略本開いたり、っていう用法があげられると思うんですが、そんなことは実はどうでも良いのだった。
 どういうことかっていうと、片手コンだとプレイヤーの姿勢がものすごく自由になるのである。ためしに両手用コントローラを握るフリしてみるとわかると思うけど、どうやっても両手の位置が胸か腹の前あたりに限定されるでしょ? ところが片手コンの場合 (はい、ここで読者の人も仮想片手コンを握ってみてください) 、どんな姿勢でも自由なのだ。コントローラ持った手を地面に向けてダラーンとしてもおおいに結構なのだ。腕をイスのひじ掛けにのせてコントローラを横向きにしたっていっこう問題ないのだ。なんだったらフトンで寝ながら遊ぶのも可。ひとことで言えば、両手コンで必須な「気負った姿勢」をとらずにすむわけですよ。これがメチャメチャ楽で、まーアスキースティックL5といえば僕らにとって夢のマシンなのだった。

 そしてそれから時は流れ、コントローラのボタンの数は増え、スーパーL5はかなりどうでもいいデザインになってしまい、片手用コントローラはいつしか人々の記憶から消えていった……。

(つづく)

*1 左手専用

ちなみにこの後継機種であるスーパーファミコン用『アスキースティック スーパーL5』は両手用になったのだが、そのかわりものすごく手になじまない形状になってしまった。
その後スーファミ用ではL5とスーパーL5の折衷型という感じの『アスキーグリップ』というのも出たんだけど、あれはどうだったんだろう。形を見るかぎり使いにくそうだったけど。

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