人生: ちょっといい話 in Mac

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2000.02.27(PC関係の話より)

ちょっといい話 in Mac

 また古い話で恐縮ですが。なんか最近古い話ばっかりしてる気もしますが。
 時はMacintoshがまだ白黒表示オンリーだった時代。豊臣秀吉がまだ木下藤吉郎だった時代。WindowsがまだなくてMS-DOSだった時代。当時、世間的には群雄割拠っつうんですか、Win一色の現在と違って本っ当いろんなハードといろんなOSがあったわけですよ。で、Amiga(*1)っつうマシンのデビュー当初の話。この凄まじい処理能力をもつマシンのデモで有名なのに、「ボールデモ」っていうのがあったんですよ。なんつうか市松模様のボールがあって、それが市松模様の画面内を3Dっぽく跳ね回るっていう、いや3Dリアルタイムレンダリングとかそういう次元の話じゃなくって、ポリゴンとかでもなくって、まあ気にしないでください。そういうものだったのよ。当時は凄かったのよ。
 で、話はアメリカ。ある販売店でボールデモをデモしてたわけですよ。しかもキャンペーン中で、横にMacとDOS/Vを置いて、ごていねいに同じようなボールデモを作ってデモしてたわけです。比較広告。まあ、当然そんなわけでMacとDOS/Vはかなりひどいデモ画面だったわけですけど、それを見てキレた男が一人いた! そう、奴はMac開発者関係の人かなんか(くわしくは知らない)。「Macintoshの実力はこんなものではない!」と言ったかどうかは知りませんが。英語で。とにかく彼、その場でいきなりMacのプログラム速攻で開始して、数時間でAmigaと肩を並べる完璧なボールデモを完成させたっつうから泣かせるじゃないですか。
 そしてそのボールデモ for Mac、まわりまわってその後長きにわたりMacの公式デモソフトとして使われるようになったっていう、まるで『週刊ストーリーランド』ばりのちょっといい話。
 で、思ったんですけど、最近こういう「パソコンちょっといい話」って聞かなくない? それがなぜかとかはこの際どうでもよくて、そういう話をもっと聞きたいのです。僕は。単純に。コンピュータっていうデジタルなブツと、いい話っていう昔ながらのアナログ人情ものが合わさってできる、あのある種の違和感はすごい楽しくも気持ちいいじゃないですか。

*1 Amiga

そういうマシンがあった。メジャー人気じゃなかったけど、けっこうにファンの多いナイスマシンでしたよ。

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