2002.04.07(その他もろもろの話より)
探偵物語
いまや様々なものが名探偵になっている。←ひどい書きだしつまりこれは「××は名探偵」というパターンの話だ。奥様は名探偵だったり、生徒会長は名探偵だったりするあれのことだ。難事件をちょっと意外な職業の人物が解決していく例のあれだ。
遥か昔、人がまだ名探偵という存在に不慣れなころは落ち着いたものだった。大学教授は名探偵であり、小説家は名探偵であり、もちろん探偵は名探偵であった。乱暴に言ってしまえば、知的職業に属する人物が名探偵であった。ここには何の矛盾もない。しかしいささかおどろきにも欠ける。
そういう訳で「××は名探偵」の幅は時代が進むにつれて広がっていったのであった。まあ僕はいま雰囲気で適当言ってるんだけど。
いまやメイドさんは名探偵であり、陰陽師は名探偵であり、猫は名探偵であり、連続殺人鬼は名探偵であり、健忘症の老人は名探偵であり、高校生だったけど小さくなった小学生は名探偵である。今思いつくままに書いてて、いくらなんでもあんまりじゃないかって思ったけど全部ちゃんと元ネタがあるから始末に困る。
こうなってくると、たぶんここでちょっとした冗談として思いつくネタもどこかで誰かが書いているに違いないと僕は思う。だいたいさっきの「連続殺人鬼は名探偵」ってなあ、なんだ。あれがありなら「幽霊は名探偵」もあるだろう。「火の輪くぐりは名探偵」とか。「人型巨大兵器は名探偵」というのはどうか。かえってありそうだな。「プロレスラーは名探偵」は意外にありそうでないかも。「引きこもりは名探偵」っていうのはかなりのアームチェア・ディテクティブだと思う。「海兵隊の鬼教官は名探偵」は面白そうな気がする。事件の関係者全員を罵倒しながら証言を聞き出すのだ。
「貴様らはクズだ! 俺の質問にだけ答えろ! 言葉の最初と最後には必ずサーを付けろ! 殺しのあった夜貴様らはそのケツをどこに置いていた!」
そんな話をご存知の方、ご一報ください。