人生: MUSIC IS THE VIVE

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2002.08.25(映画の話より)

MUSIC IS THE VIVE

 映画の『ピンポン』観てきましたよ。
 まあ僕なんてちょいとした原作の松本大洋版『ピンポン』大好き人間なんで、映画として以前にまず原作の再現度みたいのを評価の第一基準にして観ちゃってはいたんですが、それにしても面白! ナイス映画誕生! マジで大満足な僕なわけですが、一緒に観た原作未読の人は首をひねってたので、まあそういうものなのかもしれない。

 ともかく原作を本当に大切にして作っていただいてる映画で、なんかもう監督・脚本のあんたら素敵な馬鹿野郎どもだ!と強くたたえたい。実際の話ペコ役の窪塚洋介なんかは原作のテイストとは微妙に違うんですけど、映画の中のキャラクターとしてきちんと完成してたのでアリと言い切る所存。で、それに合わせたらしく夏木マリ演ずる田村のオババのキャラも原作とはやや異なってますが同じ理由で納得。あと時間の都合もあってか小泉先生 (バタフライ・ジョー) の扱いがやや短くなってますね。で、それに合わせて配役が竹中直人と。あ、大田キャプテンとかも。
 とかなんとか細かいばっかりあげてんじゃねえよという感じですが、そういう程度のことしか言えないくらい見事に原作を再現してるんですよこの映画マジで。アクマなんかリアルアクマですよあれは。ノットバーチャルですよアクマ。
 というかアレだ、原作とかあのーなんか松本大洋っていう作家の人のあつかいがすでにオシャレ系みたいなことになりかけてるじゃないですか。本屋とかいくともうコアな本屋orオシャレ?ねえ、オシャレ本屋?みたいな店しか置いてないことになってて、なんつうかサブなカルチャー? そういうことになりかけてるじゃないですか、松本大洋。でもこの『ピンポン』つうマンガは基本的にはオシャレとかと縁遠いド熱い爽快娯楽作品だと思うんですよ、僕は。そういうあたりをきちんと映画でもくんで、変なアート方向の工夫(*1)を凝らしたりしないでちゃんとした娯楽作品として形にしてるっていうところに、こう熱いガッツを感じましたね。
 というかエラいなって思ったのが音楽の使い方で。この映画、ちゃんと盛り上がる場面では盛り上がる曲がかかるんですよ。
 あーなんて言えばいいのか、要するに「『ロッキー2』の練習シーンで『ロッキーのテーマ』が流れるの法則」なんですけど、それ説明になっていません。もう少し普遍的にいいなおすなら「グッとくる場面でグッとくる曲がかかる法則」なんですけど、なんかもうどうでもよくなってきました。説明するの。
 そういう法則をおざなりにしてる映画って多くねえ?と僕はフランクに聞いてるのです! 多くねえ? 特に邦画に多くねえ? 他と違うことをやってるつもりなのかい? それは確かに他と違うかもしれないけど、それでおもしろい映画のつもりなのかい? と、そうフランクに聞いているのです。監督などに。
 そんな意味でここぞという時にここぞという曲がかかってくれるのは、まあベタっちゃあこれほどベタなこともないんですが、そのベタネタをやってくれて本当にありがとう映画版ピンポン!とまあ満足しまくりの夜でしたよ。

*1 変なアート方向の工夫

唯一BGMの選曲がおおむねテクノ方面っていうあたりがややアート寄りな気もしますが、そぐわないわけではなかったので大丈夫です。

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