人生: アーロンチェア

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2004.06.06(生活用品より)

アーロンチェア

(これだけ大物だと写真撮るの大変なのでgoogleイメージにリンク

 こう言っちゃなんだが僕は肩こり体質である。「肩こり体質」という言葉のもつどこか病気自慢っぽい語感がどうにも気持ち悪いが肩こり野郎なのは事実なのだ。問題の一因はイスにある、とみた僕は色々2万円以内レベルでイスを買い替えてみたがどうもしっくりこない。じゃあわかったよもういいよとばかりに……ああ……

14万円(当時)とおっしゃるが

 とにかくバカ高え。いやまあもっと高いイスもこの世にはゴロゴロしてるわけですが、あえて声高に言おう。バカ高え! 伊達や酔狂で買うにはためらわれる値段と言えよう。
 しかし困ったことにこの14万円、意外にOKだったりする。正直おおいに満足しているといえる。いやいや別に高かったので無理に自分にいい買い物だったと思い込ませているわけではなく普通によかったのだ。まあ同価格帯の製品と徹底比較して書いてるわけではないのでアレだが、少なくとも今座ってるイスはアーロンではなく(アーロンは仕事場に置いてある)非常に座りづらくてイライラしているのは確かだ。

ボヨヨン素材

 このイスのポイントの1つは弾力にある。まあ、僕の見たところでは。
 クッションつうんですか、座面と……背面? イス業界でここのことをなんつうのかわかりませんが。とにかく最も体重を支える部分。そこの素材が絶妙なのだ。
 オフィシャルページによると「メッシュ素材『ぺリクル』」とかなんとかいうそうだが、そんな造語で言われても実感がわかねえよ!と僕などは思う。
 ゴムっぽい弾力があるといえばなんとなく理解しやすいだろうか。普通の革張りのイスなんかではプシューと沈むにまかせるかんじだが、アーロンの場合ボヨヨンと弾むのだ。そう、崖から落ちた山岸由花子がボヨヨン岩で一命を取りとめたかのように。←実感がわかねえ
 まあ山岸由花子(『ラブ・デラックス』の使い手)は言いすぎだが、けっこう硬めの素材で弾力を持っているのは本当。で、普通のイスの場合は逆に、柔らかくて沈むような方向に進みがちですが、実はこれが長時間座るのにはよくねえ。体がクッションに沈めば沈むほど、クッションは圧縮されて硬くなるんですな。要するに座った瞬間こそ気持ちいいけど、あとは硬いイスに座ってるのと大差ねえのが普通のイス。しかるにアーロンの場合、常に反発力がはたらいて体重が散らされるので、一見硬い素材なのに長い間座ってても疲れない! そんな仕組み。
 考えてみるとベッドとかも柔らかいより弾力のある方が寝てて疲れないところあるよねって、いま思いついたことだけど、実際そういうものなんだろうか。

腕をとれ

 ちなみにヒジ当てもアーロンの場合、かなり弾力のある素材になっている。メッシュ素材じゃないんだけど、硬めの革張りっていう感じでやはり腕を乗せていても「痛い」と感じることがない。
 ヒジ当て。それは肩こり対策にはものすごい重要な部位だ。特にキーボードとかマウスとかひんぱんに使う場合、ヒジというか腕を乗せる場所があるだけで相当疲れが軽減される。簡単に言えば腕を「持ち上げ続ける」必要がなくなるんだから、そりゃ楽にもなるわ。
 というものの普通のイスだとこのヒジ当ての位置が非常に悪い。つうかなんでヒジ当てが机よりはるか下になるように設計してるんだかわからない(これ読みながらヒジの位置を確認してもらうとわかると思うけど、ヒジから指までが机とだいたい平行でないと不自然な姿勢になる)。
 アーロンチェアではこのあたりぬかりなく、高さ調節と左右の角度調整でユーザーに合った位置にヒジ当てがくるようになっている(*1)
 さらにこのヒジ当てが不自然なくらい広いんだけど(普通のイスだとヒジ当てはたいてい肘関節程度の幅しかないが、アーロンの場合その倍はある)、これがまた絶妙と言える。マウスとキーボードを同時に使うとどうしても肘の位置もマウスを使うときは右に、キーボードを打つときは左にズレる(右利きの場合)が、これだけヒジ当てに広さがあると気にせずズレ放題だ。いや、一見どうでもいいことのようでこれマジで重要。アーロン使って初めてこれまでヒジ当てからはみださないように不自然な腕の角度をとってたって気付いたもの。
 まあ、ヒジ動かさずに回転角広くとる方が好きな人もいそうだから、無理にとはいいませんが。あと、パソコンじゃなく紙を相手にする人にはあんまり意味のないことかも、肘当ての広さ。

座りっぱなしなら

 その他前傾・後傾とかのいわゆるリクライニング機能もきちんとしている。いや、個人的にはイスって座ってるうちにズルズル落ちてっちゃう自堕落姿勢タイプなんであんまり恩恵を受けてないんですけどね。
 しかしまあ、さほど過激なまでのリクライニングはしないよとは言っておこう。なんか通販ページとかの写真ではいかにも仕事によし、くつろぎによし、お前によし、みたいな雰囲気で写ってますが、あれはちょっと言いすぎだと僕は思う。あくまでアーロンは仕事というか書き物用の「ちゃんとした姿勢をサポートするイス」であって、前傾も後傾もそのための機能。後ろに傾けたところでいや実際かなりの角度で傾きはするんだけど、のんびりくつろげるほどではない。というかくつろぎたいならリクライニング専用イスを買うべしという感じ。
 あ、その意味ゲームとかやるのにもあんまり向かない。ゲーム遊ぶときってだらしなくもたれて遊ぶか、逆にイスとか関係なく前のめりで遊ぶかのどっちかだから、こういうきちんとした姿勢専用イスはかえってジャマになるはずだ。個人的にはなった。

 そんな感じで、文字通りワーキングすなわち作業にいそしまない人や、イスに対してさほど重要性を感じてない人には決して必要な品ではない。値段高いし。
 だが万全な体勢で作業りたい(新語)人にとっては夢の、そして未来のテクノロジーと言いきれる。楽だ。腕が、そして腰が楽だ!
 値段が高い高いとは言ってきたけど最近は新型機が(ジオン脅威のテクノロジーによって)開発されて旧式のランバーサポート型は数万円レベルでお安くなってきてるし、一生のうちかなりの時間お世話になるものと考えて買えばそれなりのお値段じゃないスかね。まあ気に食わなくて一生のうち数日間しか使わないケースもあるんで責任は持たないけど。

*1 高さ調節と左右の角度調整

「フル装備」タイプでないとこの機能は削られるので注意。この間たまたまそういうタイプのアーロンも座ったけど、ありゃあ、だめだ。

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