人生: 面倒くささ

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2004.07.18(ドラゴンクエストVIより)

面倒くささ

 具体的な表現を避けつつおさらいさせていただくと、二万里ぐらい下をあっちこっち探すはめになったところで前回は終わったのだった。
 この間まであんなに苦労して世界中を探しまわって地図をつくったってのに、今度はまたも苦労して世界中を探しまわることになるとは、正直言って少々ショックだった。やってらんねえやともちょっとばかり思った。いささかぶっちゃけると。
 しかしいざ覚悟を決めて、この間つくった手製マップの、その、問題になってる箇所を順に1画面単位でつぶしていくと、思ったより早く終わったのだった。面積こそけっこうあるものの、山や川といった障害物が少ないので比較的スムーズに踏破できるのだとは、後から気付いた話。とにかく、どうにかこうにか情報を仕入れ、あと少なからずアイテムもいただいた。ちょっとしたトゥームレイダーであった。アンジェリーナジョリーであった。
 それにしてもこの一連の探し物やってて思ったんだけど、いやむしろ前から薄々感づいてたことが確信に変わったんだけど、今回のドラクエ難しい! 難易度高え!
 僕は人類の叡智たるパソコンとか不用意に駆使してマップ作って未踏破地域をちょっとずつ削ってやってたけど、ふつうそこまでやんないだろう。たぶんLボタンで出るマップを見ながらおおざっぱに移動するっていうのが、一般的プレイヤーのあり方なんじゃないだろうか。少なくとも僕はこのゲームの途中で詰まるまではそうだった。しかるにそのやり方だと、にっちもさっちもいかなくなるのだ今回のドラクエ。そんなおおざっぱな探し方ではあのほこらを見逃す可能性大なのだ。
 思えばドラクエ2もそんなだったし、むしろゲームバランスがきちんとしてる分まだしもラクといえばラクなのが今回のドラクエ。しかし、小中学生のキッズも遊ぶドラクエでここまで硬派なことをやって大丈夫かと思う僕もいる。だいいち僕はいい大人だってのに、余裕で苦労してたし。
 そんなことを思いながらもゲームは進み、なんとか例の先に進めなかったダンジョンも攻略できました。もう2度とあのダンジョンには入りたくないね。ダンジョン攻略用のヒントを「おもいだす」しようとすると、ヒントにまじっておっさんめいたギャグとかよけいなノイズも一杯出てくるようになっちゃったし。

 そして、再び僕はどうしようもなくなったのだった。早っ!
 けっきょくダンジョンを攻略して重要アイテムを手に入れたとはいえ、まだアイテムは4つセットのうち3つ。残りの1個がどうにも埋まらないし、ヒントになる情報もいぜんない。その意味では、なにも進展してないようなものなのだ。
 で、しかたないんで攻略サイト様のお導きに従うことにする。次の目的地はあえてどこにあるどんな感じのところと描写はしないが、「かっこよさ」が鍵になるあそこだ。
 あそこか……。
 これはまあゲームやってない人であっても即座に理解のいくところなのでやや具体的に言っちゃうけど、ここでは「かっこよさ」のパラメータを競うある催しが行なわれており、さながらギャンブル船エスポワールのように毎夜熾烈な争いが行なわれているとかいないとか。その催しに勝ち抜かねば必須アイテムが手に入らないというのだ、その、攻略サイト様のお告げによると。
 前に1度世界中をめぐった時にこのイベントには遭遇していたんだけど、その時は力およばずたとえるなら第一次審査あたりで落とされてしまったのだった。つんく♂に。僕はといえばこのイベントはいわばカジノみたいなもので、アイテムがもらえるとはいってもゲーム本編には関係あるまいとみて早々にその場を立ち去ったのだった。そうか、これをある程度クリアしないと先には進めないのか。
 あえて誤解をおそれずはっきり言ってしまうと、僕はこのイベントが嫌いだ。ドラクエのイベントを嫌いだと思ったことはかつて1度もない僕だけど、このイベントだけは実に嫌いだ。
 それというのも、物凄く面倒だからだ。ルーラで行けるわけでもないし、「かっこよさ」を競う都合上、装備をふくろから出してああでもないこうでもないとコーディネートしなければいけないし、かといってイベントが終わったら今度は実用第一主義の装備にひとつずつ戻さねばならないし、そのくせなぜかは知らないけどイベントが終わったら勝手に道具が全部「ふくろ」にしまわれてしまうし。ちょ、ちょっと、それは後で装備し直そうと思って別にしといたヨロイだから、勝手にしまわれると困るんだって! なぜかイベントに参加してないキャラまで道具をふくろにいれてるし。あとイベントを勝ち上がるたびに同じセリフを何度も読ませられるし、ムダにあっちこっち行かないとイベントが進行しないし、ただ終わるまでじっと待ってないといけない時間もけっこう長いし、とまあ面倒くさいことこの上ないイベントなのだった。
 ドラクエでここまで面倒を強いることなんて前代未聞で、いったいなぜこんなことになったのか本気で不思議だ。世界中を探しまわるのはそれはそれで楽しくもあるので面倒とは言わないが、このイベントに関しては確実に単なるムダな苦労だ。こういうムダを否定することでドラクエは成り立ってきたはずなのに、どうしてしまったんだろう堀井雄二。
 で、こっからは僕のきわめて主観的で勝手な想像なんだけど、このイベントで堀井雄二の関わってるのはプロデュースまでで、他のスタッフがメインで担当したんじゃないだろうか。この場面、実際シナリオがどうこうという場面じゃないから分業化のためにかなり丸投げに近い形で誰かに任されたのじゃないかと、僕は思う。
 だって堀井雄二だったら、キャラに話しかけてるのに全員に「………」とか言わせないと思うんだよ。

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