人生: わかってきた気になる

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2005.07.04(キャプテン・ラヴより)

わかってきた気になる

 第2話である。章タイトルは「愛のクリパン繁盛記」である。なんのことかと思えば、クリームパンづくりに情熱を燃やすパン屋のアルバイト「神原のどか」が話のメインだとそういうことだった。それなら話はわかる。

 説明書の「主人公はなぜかモテモテ」という説明になっていない説明通り、今まで一切接点のなかった神原のどかが突如として主人公に猛烈なアタック(西部ワイルドガンマンズばりの)をしかけるのが今回のストーリーである。
 「あの時(一応ネタバレ範囲)からずっと好きでした」式の後輩からの告白。これぞギャルゲーという感じだ(やや偏見)。だけど主人公にはすでに心に決めた人がいるのである。まあ、ラブラブ団に拉致監禁(実質的には単なる自宅謹慎)されてるけど。
 僕の数少ないギャルゲー知識から言って、おそらくここはヒロインの分かれ道的なところなのだろう。交際を迫る神原のどかに優しい言葉をかけ続けるとヒロイン交代となり、のどかとラブることになるのではないのか。……そうなると自宅謹慎中の愛美(正ヒロイン)はずっと自宅謹慎中のままになったりするのだろうか。
 ちょっとそれはそれで見てみたくはあるが、くどいようだが主人公にすでに心に決めた人がいる以上、のどかの告白はきっぱりと断わることにする。絶対にノゥ!(←そこまで?)
 しかし、ここで例の好感度サウンドが鳴った。いい方に。好感度上昇サウンドである。ピローンなんつって。な、なんだお前、もしやドMか! これやんわり受け入れたりした方が良かったのか?
 という選択を何度か繰り返すうちに、やっとこのゲームの好感度サウンドのしくみがわかってきた。
 つまり、この音は正ヒロインの愛美にとっての好感度なのだ。好感度、とギャルゲー用語を使うからややこしくなるのだが、正確には主人公と愛美との愛の絆度、みたいなものであって、誰との会話中であっても愛美をないがしろにするがごとき言動をしたらそこでブプーなんつってレベルダウンするのである。たぶん。少なくとものどかとの交際をきっぱり断わり続けているかぎり音はピローンって鳴る(上昇音)ばかりなので、おそらくそういうことなのだろう。
 それさえわかれば、けっこう気楽に選択肢を選べる。要するにのどかをフっちゃっていいんでしょ? ……とか軽く思っていた僕だったが、のどかは僕の予想をはるかに上回る不屈の闘志の持ち主だったのである。
 あきらめねえよこの人! むしろ日を追うごとに積極的になる始末。この捨て身のカミカゼアタックに正直若干めんどくせえ!とは思うものの、それを上回る当方の罪悪感。正ヒロインとの愛を貫こうとすれば、必然的にのどかが傷つくような選択肢を選ばざるをえないのだ。しかものどかの親友からはそんな態度を思いっきり非難されるし。
 だが同情で夫婦(めおと)にはなれぬ!(『花の慶次』より) キッパリと断わり、そしてこの心の隙を突いてこようとするラブラブ団に論撃バトルで勝利し、ついにのどかはこの恋をあきらめたのだった。
 それでいい……そう、今度のことは君に吹いた春一番(芸人じゃない方)だったんだよ等とブラックジャックめいたことを思いつつ、どうにか第2話をクリアしたのだった。
 すると「愛美とヤマガタくんのラブラブ党日記」がはじまった。
 ここでポカーンとする読者多数だと思うので説明しておくと、「ある条件を満たして各話をクリアすると、お楽しみイベント『愛美とヤマガタくんのラブラブ党日記』が発生します」(説明書より)というアレなのだ。具体的には、ショートコントなのだ。前回第1話をクリアしたときには発生しなかったことも考えると、おそらく前述の「愛美1人のためだけにある好感度」が高いと発生するのだと思われる。

 あれだ、要するに俗に言う「攻略対象」がこのゲームでは「敵」という構造なんですね。たとえ泥をかぶろうとメンツを失おうと正ヒロイン一筋! たとえ正ヒロインが拉致監禁(自宅謹慎)中なんでほとんど登場しなくても、たまに解放(謹慎解除)されたと思ったら必要以上にやきもちを焼いて思いっきりそっけなくされても、断固として正ヒロイン一筋! そのためのシステムが「1人のためだけにある好感度」システムなのだろう。よ、よくわからんがとにかく男らしいぜ!
 これでどうにかゲームの勘所はつかめてきた。なんかこのゲームはやっぱり世に言うギャルゲーとは違うなにかのような気もしてきたが、気にせず進めることにしよう。
 さて「ラブラブ党日記」も終わり、次は……
「第4話 『愛と青春のラヴラヴ・ショー』」
 えーっ!? さ、3話はー!?
 どうやら僕はまだこのゲームをわかっていないようだ。

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 匿名上等・あいさつ不要・タメぐち有りというルール無用の残虐ファイトがまかり通る悪夢のコメント欄。そこでは管理者の「なんかノリが合わねえ」の一言でコメントが削除される恐怖政治が横行していた。
 その時、この地獄の地にあえてコメントを投稿する恐れ知らずの猛者が現われたのだ! いや、あなたの事ですよ?
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