2005.07.05(キャプテン・ラヴより)
愛とは戦い
これは言っちゃうとさすがに大ネタバレになるので断片的に言うと、第6話「愛と喝采のラプソディ」を終えたところである。ちなみにやっぱりというか何というか、前回第3話がすっとばされたように第5話もすっとばされた。たぶんなんらかのルート分岐が起こっているんだと思うのだが、どういうことなんだろうか。
ともかく第6話。
何たる……。なんたるシリアスさだろうか。
このゲーム、基本的にはコメディである。なにしろタイトルの段階で「キャプテン・ラヴ」だし。自分のラヴを守るため、自分でもなんだかなあって思ってる変身スーツに身を包み、すっとんきょうな敵を論破する、そんな話である。
しかし、しかし……この第6話ときたらどうだ。ほ、本気でどシリアスな話してるよこの人たち!
これまで単なるコメディのための道具だった変身スーツさえも、今までの伏線を総動員して男の生き様とはなんぞや、愛とはなんぞやと熱いテーマを語るための装置に変換されている。
そして遊んでるのが辛くなるほどの強力な敵の存在。いや、このゲームで「敵」っていうときは、ギャルゲーでいうところの「攻略対象」ってことなんだけど、その敵がえれえ強い。彼女をきっちりフらねば幸せは訪れない。訪れないんだけど、正直くじけそうです! 正ヒロインとの愛を貫くために、こんなにも辛い思いをせねばならないのか! こんなに苦しいのなら、愛などいらぬ!(聖帝サウザー感覚で)
恐ろしいゲームだ。前にこのゲームを島本マンガにたとえたが、まさにそれくらいの勢いで主人公の誠意が、男の魂が試されるゲームである。島本マンガの主人公であればいきいきと大地を踏みしめ高らかに笑いながら逆境に立ち向かうところだが、基本的にはギャルゲーの主人公レベルの主人公なのでかなりギリギリの戦いを余儀なくされるのだ。振り回されているのだ。
だからこそ、クライマックスで情けない男からヒーローに変身し堂々とラヴを語るその姿がカタルシスなのである。
……うん、まあ、前々から薄々感づいてはいたことだけど、これやっぱりギャルゲーじゃなかったみたいだ。