2005.07.14(Killer7より)
親愛なるエミールへ
……………………。(ケヴィン・スミスの声マネのつもり)ケヴィン・スミスは声を出さないから猫背でじっとしてればそれが声マネになるとついに気付いた。OK! ←たぶんオーケーではない
さて、第6話である。とうとう全6話の物語は終幕を迎える。僕の心にあるのは、もっと長く遊んでいたかったというもったいなさだ。だからといって「死闘」モード(いわゆるHARDモード)でもう1周、とは決して考えないのが僕だが。あとAmazonで買ったオフィシャルのガイドブックがちょうど届いており、ゲームを終えてからネタバレ部分を読んでしみじみ振り返る準備もばっちり整った。あとは攻略あるのみである。勝利あるのみである。「あるのみ」つっといて2種類も言ってしまったが。
第6話はオープニングからしてふだんと違う。
これまでもいろいろと謎めいたというか間違った感じに狂っていたのだが、この世界はこういう世界なのだと正面きって言い切られてたので、いつしか別に気にしなくなっていた。その隙をついて、今まで当たり前として受け入れていたことが急速に変わっていく。何かがおかしい。いや今までもおかしかったんだけど、拍車をかけて猛烈におかしくなっていく。
ゲームが始まっても、いつもと同じようでどこか勝手が違う。そして少しずつ、これまでの物語で語られていた伏線が静かに回収されていく。
この物語には「謎」はない。プレイヤーは最初にわけのわからない世界に放り込まれ、しだいにそれを当たり前のことだと慣れてしまって、疑問は消え、謎はなくなる。ここで語られるいくつもの真実も、決して謎には答えない。その代わりに今まで自分の立っていた地盤が掘り返されて、その下にあった地層の形が明らかになっていく。
いくつもの情報がいくつかの真実を引き出し、例によって最後までボンクラなボス戦を経て、ついに物語のひとつは終幕を迎え、また別の物語を語り始める。
勝手の違う戦闘と、その帰結としてのゲームオーバー。
頭を冷やすためにコンティニューはせずに、いったん電源を切ってコンビニに買い物に出かける。直前でセーブしてあるので問題はない。
「ジャンル」を「Industrial(ノイズミュージック)」に合わせたiPodをポケットに入れて道を歩く。傍のゴミ捨て場から電柱にカラスが飛んでいく。Rボタンで銃を構えたい。Lボタンでスキャンしたい。おとといあたりからずっと迷っていたけど、キラー7のサントラCDはやっぱり買うことにしよう。そんなことを考えながらコンビニに向かう。
物語はどんな終わり方をするのだろうか。どれだけの真実が語られ、どれだけの謎が放っておかれるのだろうか。
iPodから流れるノイズミュージックは『キラー7』のBGMに似た曲展開をしている。ダン・スミス走りをしてみたい。まったくもってダン・スミスみたいに走ってみたい。首筋を掻くふりをしてみるけど、まあ、それほど楽しくない。周囲の目を気にしながらダン・スミス走りをしてどうするんだ。
ふと思いついて、ポケットに入ってたiPodを左手で握って、背筋をピンと伸ばして歩いてみる。どうだ、こいつはまるでガルシアン・スミス歩きじゃないか。
さてコンビニから帰って電源入れてその後のことは詳しく書きませんが、サントラは絶対買うとあらためて思ったこと、アレを取るか取らないかで言えばとらない方だってことは最後に言っておこう。
ああ、いいゲームだった。いろんな意味で夢のようだった。落ち着いたらGoogleでキラー7の感想サイトでも見て回ろう。他の人はこの奇抜でボンクラで変なところだけ理に落ちたゲームのことをどう思っているんだろうか。僕は好きですよ。ええ、僕は好きですとも。