表紙
表紙イラストは創刊第3号〜第6号までの佐久間亮一から、現在でもおなじみの松下進にバトンタッチ。キャラクターは言わずと知れたネッキー (この時点では名称未定) だが、今とはけっこう絵柄が違っていて別キャラのようにも見える。
ちなみに今回のテーマはスクウェアの『キングスナイト』。まだ発売前で、話題の「RPG」という位置をキープできていた時期ならではのチョイスである。
最新ゲーム徹底解剖
「ファミコン通信の表紙が変わったのだ!」
なんで『徹底解剖』で表紙の話題なのか、という気もするがとにかく『Zガンダム』の4ページ中1/3ページを使っての告知である。この時点では名前の決まっていないイメージキャラクターの愛称を募集するという企画も兼ねている。結局『ネッキー』に決まることになるこの名前だが、この募集でその他に挙がった候補というのが……(次号につづく)
ファミ通町内会
いよいよわけのわからなくなってくるファミ通町内会、巻頭特集は「食欲の秋特別企画・みんなで作ろう ファミコンべんとう」と題して、ゲームキャラをかたどった料理レシピ集。料理自体は意外に真面目に作られているのだが、それだけにあまり笑いにつながる企画ではなかった。これはこれで、ほのぼの読者ページ的ではあるのだが。
そして創刊当時から続く唯一の連載「大ファミ少年コーン」がついに最終回。いちおう前々回の「ミステリー・スペシャル」の解答編ではあるのだが、件の場所 (ちなみにステージ7-1) にコーンが旅立つ決意をしたところでストーリーは完結する。まるで打ち切りになった連載マンガだ。どうやら事件の黒幕はゲーマーに恨みを持つ敵 (ザコ) キャラ達らしいことも暗示されているが、結局この話は何のオチもつかずに終わる。いかにもこの時期のファミ通町内会らしい終わり方といえよう。
「憧れのファミヨガ」は相変わらずのマイペース。今回は『魔界村』でカエルに変えられた主人公アーサーのポーズだが、こうなってくるとすでにヨガでもなんでもない。
ファミ道楽
「5,000ガバスが当たるっ!! ファミコンクロスワード」
記事追加
もち氏のコメントから。「ファミコンクロスワード」なんてあったっけ? と思ってページを開いたら、本当にあった。しかもものすごく難しかった。筆者の記憶から完全に忘れ去られていた上にこのサイトでも完全にスルーしていたが、この号からファミ道楽にはアルト鈴木出題によるクロスワードパズルコーナーが誕生。なんと幼き日の筆者も挑戦し、しかも早々に敗れ去っていた(画像参照)。
いや、しかし、これは難度が高すぎる。固有名詞が多すぎるのだ。クロスワードパズルというものは、あんがい一般名詞が多く「同義語」からのチョイスやヒントの解釈に頭をしぼるものだが、このファミコンクロスワードの場合、真っ向からの知識勝負なのだ。しかも何のゲームに登場する固有名詞かもわからない。問いが「フェラーの改良型」で答が「キリ」って、何のゲームだ(『スターフォース』)。「ねえねえ、2文字で『ウ』で終わって犬を攻撃できるものって何?」と聞かれて「ガウ」と答えるには、まず『オバケのQ太郎ワンワンパニック』を知っていないといけない。このマニアックさは、出題に慣れていないがゆえのことだったのか、このコーナーは第4回にしてキャラの絵を見て名前を答える、比較的(あくまで比較的)ラクな方式に変更されるのだが……クイズの6回目にあたるファミ通第12号では誌面リニューアルにまぎれて消え去っている。うーん、本当に応募者いなかったんじゃないの?
読者諸氏もぜひこの難問にチャレンジしてみてほしい。ゲームの数も増えた今日、検索エンジンを使ってもバチはあたるまいし使ったところでかなりのハードモードだろう。次号に掲載された正解はこちら。
ゲヱセン上野の禁断の添削指南「以下同文」
「2ページだってさ、とほほのほ……」
カラーから2色ページに「左遷」されたのもつかの間、今度は減ページである。これにともなって遠藤雅伸の連載コラム「こちらゲームスタジオ」が『以下同文』から弾き出される形で『インフォメーション』内に場所を移すのだが、これはかえって正解という気がする。なにしろ「こちらゲームスタジオ」は子供向け雑誌と思えないテクニカルな連載。お笑い記事の『以下同文』にははっきり言って不要なコラムだったのだ。
ちなみに今回の「こちらゲームスタジオ」から引用してみると、「次に背景だが、どうしても球体を出したい訳だが、オブジェクトでは横方向に96ドットしか並ばないので、128×128ドットの円形を出すのは不可能。かと言ってキャラクターは上下左右を共通パターンに出来ないので、200以上のキャラクターが必要になる。」……。開発やってる人にしか通用しないような専門用語が平気で何の説明もなく出てくるあたりが凄い。
ビデオゲーム通信
『アテナ』
いまや格闘少女として有名なあのアテナのデビュー作がこれである (実際には『キング・オブ・ファイターズ』シリーズで格闘している麻宮アテナとは別人という設定らしいが……。こっちのアテナは「ビクトリー王国」の王女様である)。見ての通りゲーム上では2頭身でキャラ萌えもへったくれもないようなデザインではあるが、イメージイラストが狙いすましたある種見事な出来栄えで、多くのゲーマーを魅了したという。
新着ゲーム通信
この号の『新着ゲーム通信』は大いにふるっている。「パッケージだけはギャルゲー」の『スペースハンター』、「移植大失敗」の『ディーヴァ』、「なんでキャラゲーに?」の『うる星やつら ラムのウェディング・ベル』と話題作 (ある意味) が続々登場である。ちょうどファミコンバブルが頂点に達した時期だったのか。しかし中でも強烈な光を放っているのはやはりこの2本だ。
『元祖! 西遊記 スーパーモンキー大冒険』
「自分が今どこにいて、どこに行けばいいのか分からないマップ構造」「楽勝で即死する」「悪意すら感じさせる移動スピード」「絶対解けない」等の強烈な特徴で知られるファミコンゲーム史上でも一、二を争う問題作である。とは言っても、意外に画面写真はまともなRPG風で、一見おもしろそうに見えてしまうあたりが恐ろしい。
『シャーロックホームズ 王室令嬢誘拐事件』
「ロンドン市民全員が敵」「虐殺しまくりホームズ」「パパイヤ団って何?」「絶対解けない」等の強烈な特徴で知られるファミコンゲーム史上でも一、二を争う問題作である。とは言っても、画面写真は開発が間に合わなかったらしくイメージイラストのみの公開。タイトルも正式タイトル『シャーロックホームズ 伯爵令嬢誘拐事件』のはずがこの時点では「王室令嬢」になっていたりして、現場の混乱っぷりがうかがえる。
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【1】もち
64ページ「ファミコンクロスワード」が解けず
25年ほど悩んでおります。
後の号で答えが出てたりしたのでしょうか・・・?
(2011.01.05 09:35PM)
【2】杉浦印字(サイトマスター)
25年! よほど気がかりだったものと見えますが、うーんなんていうか難問すぎるでしょこれ(読み返しながら)。
あんまり理不尽でそこが面白かったので、上の方に記事追加しました。
(2011.01.06 08:43PM)
【3】もち
嗚呼、ありがとうございます!!
正解を見るとなおのこと理不尽さ加減がわかりますね。
Google検索でひっかかりようのない設問が多く
リアルタイムでファミコンにハマった世代でなければ
完全攻略は不可能でしょう。
25年分の胸のつかえが取れた気分です。
明日から前を見て歩いていけます。
(2011.01.06 10:15PM)
【4】杉浦印字(サイトマスター)
こうして一人の読者の心が救われたのだった(美談)。
(2011.01.07 09:02PM)