ファミコン通信の虜: 1986年9月19日号(第7号)

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今回のテーマ

BIWEEKLY
ファミコン通信
1986年
9月19日号(第7号)

ファミコン通信の虜
2000年11月12日 更新

迫るダメゲーの嵐! スーパーモンキーが! ホームズが!
ついに表紙にネッキー登場! ネッキー初のコスプレは何か?


この号のファミ通TOP30

第1位

がんばれゴエモン! からくり道中

第2位

ワルキューレの冒険

第3位

メトロイド(ディスクシステム)

第4位

北斗の拳

第5位

ソロモンの鍵

 ベスト5全部が入れ替わるという大転機を迎えたTOP30。決算期の新作ラッシュの中で1位の座についたのはゴエモンシリーズの第1作『がんばれゴエモン! からくり道中』だった。
 さて、これまでは粗製乱造の時代とはいえ、ベスト5といえばそれなりに良質ゲームが名を連ねていたものだが、いよいよ大変な時代がやってきたらしい。マンガとアニメの好調に引きずられる形で第4位に堂々チャートインした『北斗の拳』は、物凄いアバウトさに支えられた横スクロールアクション。倒されたザコ敵から発生する (そうとしか言いようがない)「あべし」の3文字は当時のファンをがく然とさせた。

この号の読者が選ぶTOP20

第1位

グーニーズ

第2位

グラディウス

第3位

ゼルダの伝説(ディスクシステム)

第4位

ドラゴンクエスト

第5位

ゲゲゲの鬼太郎 妖怪大魔境

 今回は『ドラクエ』と『鬼太郎』の順位が入れ替わった程度で、前回からほとんど変動なしのランキング。それより注目したいのは、ファミ通のこのコーナーではドラクエのことを『ドラ・クエ』と表記していることだ。いまだ略称の定着していない、まして『DQ』だなんて冗談じゃないという時期の1コマである。

この号の特別企画

付録 秘技の手帳

[画像] 秘技の手帳・表紙  「禁断の秘技」総集編といった体裁の小冊子。主に無敵や面セレクトなど、裏コマンドがメインの記事内容だった。
[画像] 秘技の手帳・中身 ファミコン雑誌としては後発のファミ通が時期的にフォローできなかった、『ゼビウス』無敵や『ドルアーガの塔』ラウンドセレクトなどの大ネタがばんばん載っていて、かなりお得な一冊といえる。

この号からの新連載

ファミ・バカコーナー

 新連載と言うにはちょっと語弊があるが、『KYON2先生のファミコンソフトご批評』がリニューアルされて、『ファミ・バカコーナー』として再スタートしている。内容的にはこれまで通り、ラジオ『小泉今日子のオールナイトニッポン』内ファミ・バカコーナーの実況報告ページだが、読者投稿を積極的に受け入れるようになったのがポイント。
 これまでは単純に番組の再録というかなり一方通行的な展開だったのだが、このリニューアルによって雑誌内ラジオ、とでも言うべき形式に移行しはじめるのだ。これが功を奏したのか、このコーナーはなかなかの長寿記事になっていく。


ファミ通この号のトピックス
[画像] 表紙

表紙

 表紙イラストは創刊第3号〜第6号までの佐久間亮一から、現在でもおなじみの松下進にバトンタッチ。キャラクターは言わずと知れたネッキー (この時点では名称未定) だが、今とはけっこう絵柄が違っていて別キャラのようにも見える。
 ちなみに今回のテーマはスクウェアの『キングスナイト』。まだ発売前で、話題の「RPG」という位置をキープできていた時期ならではのチョイスである。


最新ゲーム徹底解剖
ファミコン通信の表紙が変わったのだ!

 なんで『徹底解剖』で表紙の話題なのか、という気もするがとにかく『Zガンダム』の4ページ中1/3ページを使っての告知である。この時点では名前の決まっていないイメージキャラクターの愛称を募集するという企画も兼ねている。結局『ネッキー』に決まることになるこの名前だが、この募集でその他に挙がった候補というのが……(次号につづく)


ファミ通町内会

[画像] ファミコンべんとう  いよいよわけのわからなくなってくるファミ通町内会、巻頭特集は「食欲の秋特別企画・みんなで作ろう ファミコンべんとう」と題して、ゲームキャラをかたどった料理レシピ集。料理自体は意外に真面目に作られているのだが、それだけにあまり笑いにつながる企画ではなかった。これはこれで、ほのぼの読者ページ的ではあるのだが。
[画像] ファミヨガ  そして創刊当時から続く唯一の連載「大ファミ少年コーン」がついに最終回。いちおう前々回の「ミステリー・スペシャル」の解答編ではあるのだが、件の場所 (ちなみにステージ7-1) にコーンが旅立つ決意をしたところでストーリーは完結する。まるで打ち切りになった連載マンガだ。どうやら事件の黒幕はゲーマーに恨みを持つ敵 (ザコ) キャラ達らしいことも暗示されているが、結局この話は何のオチもつかずに終わる。いかにもこの時期のファミ通町内会らしい終わり方といえよう。
 「憧れのファミヨガ」は相変わらずのマイペース。今回は『魔界村』でカエルに変えられた主人公アーサーのポーズだが、こうなってくるとすでにヨガでもなんでもない。


ファミ道楽

5,000ガバスが当たるっ!! ファミコンクロスワード

記事追加
[画像] ファミコンクロスワード  もち氏のコメントから。「ファミコンクロスワード」なんてあったっけ? と思ってページを開いたら、本当にあった。しかもものすごく難しかった。筆者の記憶から完全に忘れ去られていた上にこのサイトでも完全にスルーしていたが、この号からファミ道楽にはアルト鈴木出題によるクロスワードパズルコーナーが誕生。なんと幼き日の筆者も挑戦し、しかも早々に敗れ去っていた(画像参照)。
 いや、しかし、これは難度が高すぎる。固有名詞が多すぎるのだ。クロスワードパズルというものは、あんがい一般名詞が多く「同義語」からのチョイスやヒントの解釈に頭をしぼるものだが、このファミコンクロスワードの場合、真っ向からの知識勝負なのだ。しかも何のゲームに登場する固有名詞かもわからない。問いが「フェラーの改良型」で答が「キリ」って、何のゲームだ(『スターフォース』)。「ねえねえ、2文字で『ウ』で終わって犬を攻撃できるものって何?」と聞かれて「ガウ」と答えるには、まず『オバケのQ太郎ワンワンパニック』を知っていないといけない。このマニアックさは、出題に慣れていないがゆえのことだったのか、このコーナーは第4回にしてキャラの絵を見て名前を答える、比較的(あくまで比較的)ラクな方式に変更されるのだが……クイズの6回目にあたるファミ通第12号では誌面リニューアルにまぎれて消え去っている。うーん、本当に応募者いなかったんじゃないの?
 読者諸氏もぜひこの難問にチャレンジしてみてほしい。ゲームの数も増えた今日、検索エンジンを使ってもバチはあたるまいし使ったところでかなりのハードモードだろう。次号に掲載された正解はこちら


ゲヱセン上野の禁断の添削指南「以下同文」
2ページだってさ、とほほのほ……

 カラーから2色ページに「左遷」されたのもつかの間、今度は減ページである。これにともなって遠藤雅伸の連載コラム「こちらゲームスタジオ」が『以下同文』から弾き出される形で『インフォメーション』内に場所を移すのだが、これはかえって正解という気がする。なにしろ「こちらゲームスタジオ」は子供向け雑誌と思えないテクニカルな連載。お笑い記事の『以下同文』にははっきり言って不要なコラムだったのだ。
 ちなみに今回の「こちらゲームスタジオ」から引用してみると、「次に背景だが、どうしても球体を出したい訳だが、オブジェクトでは横方向に96ドットしか並ばないので、128×128ドットの円形を出すのは不可能。かと言ってキャラクターは上下左右を共通パターンに出来ないので、200以上のキャラクターが必要になる。」……。開発やってる人にしか通用しないような専門用語が平気で何の説明もなく出てくるあたりが凄い。


ビデオゲーム通信
『アテナ』

[画像] アテナ [画像] アテナ  いまや格闘少女として有名なあのアテナのデビュー作がこれである (実際には『キング・オブ・ファイターズ』シリーズで格闘している麻宮アテナとは別人という設定らしいが……。こっちのアテナは「ビクトリー王国」の王女様である)。見ての通りゲーム上では2頭身でキャラ萌えもへったくれもないようなデザインではあるが、イメージイラストが狙いすましたある種見事な出来栄えで、多くのゲーマーを魅了したという。


新着ゲーム通信

 この号の『新着ゲーム通信』は大いにふるっている。「パッケージだけはギャルゲー」の『スペースハンター』、「移植大失敗」の『ディーヴァ』、「なんでキャラゲーに?」の『うる星やつら ラムのウェディング・ベル』と話題作 (ある意味) が続々登場である。ちょうどファミコンバブルが頂点に達した時期だったのか。しかし中でも強烈な光を放っているのはやはりこの2本だ。

『元祖! 西遊記 スーパーモンキー大冒険』

[画像] スーパーモンキー大冒険  「自分が今どこにいて、どこに行けばいいのか分からないマップ構造」「楽勝で即死する」「悪意すら感じさせる移動スピード」「絶対解けない」等の強烈な特徴で知られるファミコンゲーム史上でも一、二を争う問題作である。とは言っても、意外に画面写真はまともなRPG風で、一見おもしろそうに見えてしまうあたりが恐ろしい。

『シャーロックホームズ 王室令嬢誘拐事件』

[画像] シャーロックホームズ  「ロンドン市民全員が敵」「虐殺しまくりホームズ」「パパイヤ団って何?」「絶対解けない」等の強烈な特徴で知られるファミコンゲーム史上でも一、二を争う問題作である。とは言っても、画面写真は開発が間に合わなかったらしくイメージイラストのみの公開。タイトルも正式タイトル『シャーロックホームズ 伯爵令嬢誘拐事件』のはずがこの時点では「王室令嬢」になっていたりして、現場の混乱っぷりがうかがえる。


スタッフ異動情報

新規参入

青柳昌行(編集協力)

お休み

二木康夫(編集協力)
河野忠仁(制作協力)

ピンチヒッター

石埜三千穂(編集協力)
八幡雅彦(編集協力)
高橋由佳(制作協力)

青柳昌行

 ファミ通の兄弟誌『ログイン』では硬派ライター「ういろう青柳」として有名。歴史に造詣が深く、シミュレーションゲーム記事で活躍した。



編集室から

 クソゲークソゲーああクソゲー。いよいよ世界が「理不尽な謎」とか「キャラゲーやっつけ仕事」とか「見えない企画意図」とか「無理な移植」とかに席巻される時代がやってきましたよ。しかしこういう無茶な狂熱の時代を懐かしく思うのは筆者一人ではないでしょう。あの日々はあの日々で、とにかく出したれィ! 的な勢いがあって熱かった。
 ちなみに今号の『最新ゲーム徹底解剖』のラインナップは、『スーパーゼビウス ガンプの謎』『子猫物語』『バナナ』『ワルキューレの冒険』『機動戦士Zガンダム ホットスクランブル』『戦場の狼』……熱い時代だった。


リンク

ファミコン通信の虜 インデックス

過去と未来の「ファミコン通信の虜」記事はここに置いています。

ファミコン通信の恋人

姉妹サイト。'86年の創刊号から'96年まで10年間の『ファミコン通信』『ファミ通』のゲーム名さくいん・記事さくいんを並べた、データ系ページです。

鉄の靴

親サイト。ファミコン通信以外の情報はこちらに。

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  • 文中敬称略しています。
  • 「ファミ通の虜」はファミ部活動に協賛しています。

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コメント

【1】もち

64ページ「ファミコンクロスワード」が解けず
25年ほど悩んでおります。
後の号で答えが出てたりしたのでしょうか・・・?

(2011.01.05 09:35PM)

【2】杉浦印字(サイトマスター)

25年! よほど気がかりだったものと見えますが、うーんなんていうか難問すぎるでしょこれ(読み返しながら)。
あんまり理不尽でそこが面白かったので、上の方に記事追加しました。

(2011.01.06 08:43PM)

【3】もち

嗚呼、ありがとうございます!!
正解を見るとなおのこと理不尽さ加減がわかりますね。
Google検索でひっかかりようのない設問が多く
リアルタイムでファミコンにハマった世代でなければ
完全攻略は不可能でしょう。

25年分の胸のつかえが取れた気分です。
明日から前を見て歩いていけます。

(2011.01.06 10:15PM)

【4】杉浦印字(サイトマスター)

こうして一人の読者の心が救われたのだった(美談)。

(2011.01.07 09:02PM)

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