人生: 大声で叫ぶとき

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2001.01.03(ドラゴンクエストVIIより)

大声で叫ぶとき

 ゲームをしていて思わず大声で叫んでしまうときというのは、どんな場合だろうか。まあ普通のプレー中でもがんがん大声だす人とかもいるでしょうが、人前ではちょっとどうかと思いますよ。余計なお世話ですが。で、やっぱり一般的にはかなり限られた状況下だと思うのだ。たとえば苦しんで苦しみぬいた謎が解けたとき、人は「ぃやったあああっ!」と大声で叫ぶだろう。理不尽きわまる罠にかかったとき、「うっそおおおっ!」と思わず咆哮するだろう。感動のストーリーを前にして「ああああああ」と慟哭するだろう。しかしやはり一番「叫び率」が高いのは、なんといっても取り返しのつかない失敗をしたときではないだろうか。なにしろ失敗というのは突然のことである。予期せぬ衝撃の前に人は無力だ。まして取り返しがつかないときてはなおさらである。
 と、こんな具合の前フリした以上、話の流れも知れようというもんですが、ええそうですよ僕は取り返しのつかない失敗しましたとも。
 それはもちろん今日のことだ。今回の舞台はひとことでいうなら「ふんだりけったりの町」だった。あまり詳しくは説明しないが。そのあたりをどうにかするため、僕ら(*1)はある塔に向かったのだった。数々の仕掛けを突破して、例によって途中にある宝箱は取り逃さず、敵を倒しながら着実に僕らは塔の最上階にたどり着いた。そこには明らかにボス的存在とおぼしきグラフィックが2パターンでアニメーションしていたりしていたが、ここで即話しかけるのは利口とはいえない。どうやらボス的存在には近寄るか話しかけるかしない限り戦闘にはならないらしい。ということは、ここは戦闘の前にこの階を完璧に探索しつくしておくのが筋というものである。筋かどうかはともかく、個人的には大いにアリである。そこで僕らは塔のはじっこ的な部分に足をかけた。うっかり落ちないように注意して、通路らしきところに足を踏みだしたとたん、落ちた。ヒューなんつって。
 で、塔の一階である。アチャーとか言ってももう遅い。ボスのところまではまた長い道のりである。まあ宝箱は全部開けたし仕掛けも全部クリアーしたからさっきの道のりよりは間違いなく楽なんですけど。ただ気になるのはMPの消費量である。ボスに辿りつくまでにけっこうザコ敵相手に魔法を使っていたので、MPが不安な残量になっていた。このさい一旦宿屋で休息するために、僕らは例のふんだりけったりの町まで戻る。というか、もう今日はやる気も萎えてしまったので教会で記録して終了しようと思った。ふんだりけったりの町に戻り、宿屋に泊まってMPを回復する。電源を切る。
 電源を?
 僕は大声で叫んだ。ああ叫んだったら叫んだ。教会行くの忘れた! 何をやってるんだまったく僕は。僕という奴は。ああまた塔の最初から宝箱全部開けて仕掛け全部クリアしないと駄目じゃないか。本当にまったく。ああもう。
 ちなみに未プレーの諸君! 君達に強く言っておくが、あの塔の最上階のはしっこ部分は一見通路があるように見えて実はない! はしっこに足をかけたら絶対ヒューなんつって落ちるので、最上階まで来たら即ボスに話しかけるのが正解!
 なんかダブルで腹たちます。

*1 僕ら

3人パーティーであることを意識した一人称。

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