人生: こうでなくっちゃいけない

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2001.06.07(マンガ・アニメの話より)

こうでなくっちゃいけない

 タイトルは忘れたけど、とにかく出演者にエド・ハリス(*1) (端役) とキーファー・サザーランド(*2) (悪役) がいるというある意味超豪華な映画をテレビで放送してたのでこれを見逃すわけにはいくまいっつう心構えで観てみたところ、便所のネズミもゲロを吐くようなドス黒い気分になったぜ。って空条承太郎も言ってましたよ。
 なんか娘を殺された母親の復讐劇だって話で、たしかに前半キーファー・サザーランド (悪役) がいかにきちっと死んで地獄にいくべきくず!であるかが描きに描かれてて、こいつがラストで血しぶくズタボロと化すかと思うと大変ワクワクできたんですけど、その一方で観てて非常に不安でしかたない点があったのです。
 サリー・フィールド演じる主人公の復讐者がもうヘナチョコの国から生まれたヘナチョコ社取締役みたいな骨もなければ頭も回らないしかといって人間的優しさではどうかといえば優しさライセンス不合格決定級という、お前はもうチャールズ・ブロンソンの口に言えないようなたぐいの垢やカスをまとめて飲め! 煎じずに。としか言えないような女で、ついでに言えばルックス的にも魅力ゼロの始末。こんなやつにはたして犯人を苦痛にのたうち回らせ後悔と恐怖のるつぼに放り込む役がつとまるのかと、観ててそればっかりが心配でしたよ。
 で、実際最後の復讐シーンも信じられないくらいグダグダだったんですけど。映画としてはエド・ハリス (端役) の抑えた中にも優しさと知性の光る演技が抜群でしたが、究極的に端役でしかも最後の方で復讐シーンにからんでくるのかと思わせる展開がありながらすべてが終わったあとで特に意味もなく登場するっていうナチュラルな演出で骨の髄まで脱力。あと、一見この映画で重要なポジションを占めているし渋い役柄であるかのような刑事が、実際はやることなすことすべてが裏目に出るっていうむしろコメディ映画向けのキャラクターで、そこだけ面白かったです。

 という話は前フリで、この映画を観た直後に『ストーンオーシャン』の7巻を買って読んであまりの素晴らしさに絶叫。エルメェス最高! エルメェス最高!
 「愛と復讐のキッス」っていう章タイトルの段階でこの手の大仰な表現技法に弱い僕とかはもう失神寸前だったんですけど、エルメェスときたらこれが最高の復讐者っぷりでまさにLOVE。
 「『復讐』なんかをして失った姉が戻るわけではないと知ったフウな事を言う者もいるだろう。許すことが大切なんだという者もいる。だが 自分の肉親をドブに捨てられてそのことを無理矢理忘れて生活するなんて人生はあたしはまっぴらごめんだし…あたしはその覚悟をして来た!!」 カッチョ良い! カッチョイーウィー! (泣きながら)
 これですよ! こういう復讐っぷりを僕は心の底から望み続けていたのですよ。ムカつく野郎をブッ殺してスッキリしたいので復讐する! これだ! この身勝手さこそが復讐の真髄! 復讐なんつうものは身勝手なもので、それをわきまえた上でなおあえてヤルという気合にこそ復讐者のカッコ良さがあるのです! そこんところをわかってない分際で復讐について偉そうに語るマンガがシーンを席巻 (←よくわかってない) する昨今、エルメェス姉さん綺麗ッスー。
 それでもってアレですよ! もうこの先はまだ読んでない人のために詳しくは言わないですけど「これはグロリアのぶん」のアレが! もう最高に素敵ですエルメェスさん! いまや「2001上半期・最も輝いてる女性キャラ部門」のトップにおどりでましたよ。自分の中で。

*1 エド・ハリス

目で語らせたら昨今右に出るものがいない俳優として僕の中で有名。

*2 キーファー・サザーランド

サザーランド (兄) として僕の中で有名。

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