2002.07.25(スーパーマリオサンシャインより)
天国に一番近い島
ゲームやってない人向けに説明すると、マリオサンシャインはなんつうか小分けのイベントをクリアしたりしなかったりして進むゲームだ。これは言葉のあやではなく、本当にクリアしなくてもそれなりに先に進んだりもできる。で、そのイベントは比較的多種多様で、テクニカルに反射神経を要求される正統派アクション物から、意外なところであることさえすれば後はおおむねOKという頭の体操的なやつ、ふだんのマリオとはまったく別のゲームみたいな独特のミニゲームまで、わりとなんでもありだ。その中から適当に選んで遊んだりクリアしたり、自分に合わないと思えば後回しにしたり、そんなふうに遊んでいく。
そんなこんなで今日の話。今日はそういうイベントの中でも、たぶん特に短いと思われるイベント(*1)をクリアしたり、凝っているとはいえマリオの中ではわりと普通そうなイベント(*2)をクリアしたり、特に変わってると思われるイベント(*3)をクリアしそこなったりしていた。
それで特に最初の短いイベントは、なんというか短いだけあって特に何かを探すでもなく、純粋に敵とのバトルを楽しむという具合の、そんなイベントだった。
で、えーとこれは最初に言っておかないといけないのだけど、とても面白く遊んでたのですが、その一方で、あーつまらないなあ、とも思ったのだった。
だって戦ってるだけなんだもん。僕はもっと広いステージをあっちにうろうろこっちにうろうろしたいのだった。
それはつまり、この暑い夏の日射しに満ちた、変化に富んだ美しい島を隅から隅まで歩き回りたいということなのだ。敵と戦っていたのでは、そんなひまがない。だからこのイベントは、いやもちろんアクションとしてはおっとこっちかいかんタイミングをあやまったええいこれでどうだ的にとても楽しいんだけど、一方この島を満喫するという意味ではいまひとつ面白みに欠けていたのだった。
そうだ、僕が必要としているのはレジャーなのだ。
そして僕は次のイベント、いわゆる遊戯施設をイメージしたステージの中の、極端にはでなアトラクションの中で、水にザバーンって落ちたり絶叫マシーンに翻弄されたりふと見上げた先にある限りなく青い空を堪能したりとキャッキャキャッキャ遊んでいたのだった。
それくらい、この「ドルピック島」は魅力的な場所だ。まっとうにイベントをこなしてエンディングを見るというのが正しいあり方ではあると思うんだけど、僕の望みといえばひたすらにこのちっぽけで美しい島を、ただのんきに楽しんでいたいというそれだけなのだ。
正直に言えば、このゲームに目的なんかなければいいのにと思う。とらわれの誰かを救ったりとか悪者を退治したりとか一応の目的はあるこのゲームだけれど、そんな動機付けがあればあるだけ、そしてその動機が切実であればあるほどに、僕はゲームをのんきにだらだらと楽しむことができなくなってしまう。ちょっと必死にならなくちゃいけないような気がしてしまうのだ。
別にいいじゃないかそのへんの困ってる人をなんとなく助けるとかその程度で。いやそれすらもなくて、ただコインを集めたいから集めるとか、そんな理由になってない理由でもいいぐらいだと僕は思う。
しかしまったく、夏は暑いですな。