2002.07.27(かまいたちの夜2より)
さすがにそれは思慮に欠ける
いやあ、もう、困っちゃった。今日遊んだのは、えーと未プレーの人に配慮しつつ端的に書くのなら、虫にまつわるシナリオ。
これ言っちゃうとこのシナリオが好きっていう人に怒られるかもしれないんですけど、中盤くらいまでもう本当死んだ目をして遊んでましたよ僕は。
ひとことでいえば「さすがにそれは思慮に欠ける」という感じで、そこでこの行動はあんまり軽率ではないかとか、ふつうそんな簡単に納得はしないだろうとか、それはあまりに飛躍のしすぎではないかとか、こんな簡単なことに気付かないのはなぜだとか、あとプレイヤーの選べる選択肢がどれも「主人公=頭悪い」に結びつくのはどうかとか、そんな具合でかなりゲームに入り込めなかったんですよ。
話のあらすじだけ追ってみると、意外にしっかりした筋立てとか生理的にイヤな小道具の使い方とか、もっと推敲したらスゲエ怖い&面白くなってそうなのに、これがためにゲームに入り込めなくてなんとも死んだ目ぼんやりプレーしかできないっつうのは悔しいじゃないですか。
これって小説における「編集者」がいないせいもあるんじゃないのかなーとか思うんですけど。もちろんゲーム会社の人がそれにあたる仕事はしてるんでしょうけど、プロ中のプロたる本職の編集者とはやっぱり違うだろうし。あと小説家の人が監修してたりもしますが、作家と編集者ではやっぱりスキルの内容が違うものだろうし、というかそれにしたって「振りかざす」という言葉の使い方がどうみても100%間違ってたのは、いくらなんでもあんまりじゃないかとか思うんですが(*1)。
あと、いわゆるところの「チープな特撮」とか、細かいところでやたら合わないつじつまとか、文章というかイチ小説としてあんまりな技巧のなさとか、ものすごく場違いな鳴り方をするBGMと効果音とか、えーとその、なあ? という感じで、相当ガッカリプレーだったわけですよ今日。たぶんそういうつっこみ所をいちいちつっこんで書いたらけっこうな面白レビューテキストサイトが誕生すると思うんですよ。つっこみの部分は太字で。
で、後半。
やっと気付きましたよ。これ、B級ホラーじゃん!
えーとまだこのシナリオやってない人のために詳しい話はしませんけど、ものすごい立派なB級ホラーでした。いや、正直大笑いですよ(*2)。エンディングも「あーB級ホラーといえばこれはこうなるなー」と思った方向にリアルで進んでいくほどのもうB級ホラー節全開で、それ見ながらあーこりゃもう全部許せちゃうなーと思わず納得。
そうやって考えれば、「さすがにそれは思慮に欠ける」というのはもう凄いB級ホラー特有の……なんつうか、演出?
たとえば『13日の金曜日』なんつったらもう思慮に欠ける若者 (そしてジェイソンがチェーンソーをギャーン) のオンパレードだったけど、それはもうなんでこんな危機的状況なのに一人でのこのこ暗がりに行きますか?という感じだったけど、そういう「さすがにそれは思慮に欠ける」感を出すためにこのシナリオもわざわざそういう事やってるんですよ。すべての謎が解けましたよ。
まあそんなわけでけっこうに楽しめた今日の僕だったんですが、実際の話みんなが楽しみに待っていた『かまいたちの夜2』で徹底したB級ホラーをやるのって結構な英断だなーと思ったり、実は作ってるほうはそのつもりが無かったりしたらちょっと気まずいなあとか思ったりしたんですが、まあいいや。