人生: どうかと思う

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2002.09.07(ぶるまー2000より)

どうかと思う

 そんなわけで今度のゲーム日記で扱うタイトルが決定した。『ぶるまー2000』である。それはどうかと思う。

 ここにたどりつくまでに長い時間を要した。別に僕もだらだらと長いあいだただ日記を書かずにいたわけでもなく、あれをしたりこれをしたりしていたのだった。←共感をよばない文章
 もう少し具体的に書くと、いくつかのゲームを候補にあげてはいやこれは違うとまたうち消したりしていたのだった。ときには中古屋で買ったりもしたのだった。そのあげくオープニングだけ見て心底いやになってそのまま売ったりもしたのだった。
 えーとまあハリウッド映画ばりにしたかった気持ちはわかりますよ。オープニングムービーを。シネスコサイズおおいに結構。英語でのナレーションも下のほうに戸田奈津子ばりの書体ででる字幕も良かろうですよ。だが、ハリウッド映画はあんなだらだらしたナレーションを何分も続けたりしないということを、どうして誰も教えてあげなかったんですか。製作陣に。というか見るかぎり、ナレーションの半分以上は削っても良かったんじゃないのか。
 まあゲームのオープニングだけ見てそれですべてを分かった気になるのは早計というものかもしれない(*1)。そこで僕はオープニングをいいかげんスタートボタンでスキップして、ゲームを始めた。いきなりハリウッドばりの陽気なアメリカ人 (たぶん) が陽気なアメリカンジョーク的比喩まじりのどうでもいい会話を僕にむかって投げかけてきたので、これはいよいよだめだと思って僕は電源を切ったのだった。もうこのゲームを続ける自信が完全に失われたのだった。
 いや、別に陽気なアメリカンジョークはかまやしないんだけどさ、ハリウッド映画に本当にそんなベッタベタなトークが出てくるものなのかどうか、製作陣にどうして誰も教えてあげなかったのか。
 さんざん中古屋の店先で悩んだ末にこれはおそらく良質のゲームだろうと選んだそのゲームがこのありさまである。世間の評判も悪くないみたいだし、セールス的にも好調ときく。メーカー名ひとつみても、まあ、たくさん出してるんでなんとも言い切れないが、それなりに信頼に足るブランドである。制作費もどう見てもかなりかかっていそうである。シリーズも4作目で、まあそれまでのシリーズを遊んだことがないのでだからどうだってことはないが、雰囲気的にいえば洗練に洗練を重ねているんじゃないだろうか。それがこのありさまでは、もう僕は何を信じればいいのか分からないのだ。

 さてそこで『ぶるまー2000』を手に取る僕がここにいるわけで、いったいどうしたことだこれは。
 いやここで誤解してもらいたくはないのだけれど、過去に2日ほど遊んだ経験上からいえば、『ぶるまー2000』はたいへん素晴らしいゲームなのだった。「素晴らしい」と「ぶるまー」という言葉の関係性がいまひとつうまくいっていない気がする。
 なにしろエロゲーという範疇に存在するゲームだ。エロ。そこにはちょっと日記に記したあげく世界に向けて発信するのはどうかという雰囲気が如実に現れている。いや、昨今はエロゲーという表現はしないんだっけか。美少女ゲーム。それはそれで、もっとどうかという雰囲気じゃないのか。

 とはいえここではっきりと書いておかなければなるまい。このゲームにエロ要素は絶無であると。えーとまあ、たしかにいわゆる濡れ場的な場面はあったしそれは結構に大変なことになっていたと思うんだけど、そんなことがまったく心の底からどうでもよくなるゲームなのだった、これは。骨の髄までひっでえゲームなのだった。
 えーとここで「ひっでえ」と特に考えもなしに書いたけど、それは深夜ラジオ『コサキンDEワァオ!』(*2)の中で多用される「ひっでえ」みたいなもので、あと「ばかでぇ」とか「意味ねー」とか「くだんねー」とか、そういうほめ言葉。もちろんほめ言葉だ。それは強烈なナンセンスさと徹底したクドさとちょいとした下ネタと、そういう種類の笑いに対する一番のほめ言葉だ。そう、『ぶるまー2000』はそんなゲームだ。
 たとえば今ここで、オープニングムービーを見てみるとしよう。
 そこにハリウッド映画っぽさは一片たりともない。それはあたりまえかもしれないが。そこで唐突 (本当に唐突) にかかる、いささかレベル調整を失敗した小さめの音量のわりと適当なサウンドの伴奏。そして中途半端に音階のはずれかけた女性ボーカルと、絶対にサウンドスタッフかさもなくばゲームの制作スタッフがやってるとしか思えない声質の、しかしハイテンションなシャウトがたたみかける。
ちょっとよってね 私のお店
あなたを待ってる ブルマっ娘 (たまんね〜)
紺に エンジに 緑に 水色
サイドラインのあるのもないのも
よりどりみどりのブルマっ娘 (Ah〜Check It Out!)
ブルマの世界の秋葉原 ぶるまーず☆ (Yeah!!!)
 これほど深刻にくだらないオープニングは見たことがない。ほめてるんだけど。ちなみにこの歌詞はゲーム内容とまったく関係がない (ひでえ) 。
 じゃあどんなゲーム内容なのかといえばこれがまた気が遠くなるほどナンセンスでくだらなくて、あんまり素晴らしくひどいのでこれはまた次の機会に。

*1 ゲームのオープニングだけ見て〜

なぜなら、オープニングだけ別のスタッフが作っている場合もありえるからだ。

*2 コサキンDEワァオ!

小堺一機+関根勤の黄金コンビによる素晴らしくくだらない番組。

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