人生: チラー・ショック

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2003.01.11(サイレントヒルより)

チラー・ショック

 前回の日記があんまりだったので、今日はまじめにやろう。あと『サイレントヒル』と『パラサイトイブ(*1)』の語感はとても似ていると思う。(早くも台無しの予感がただよう)
 そういうわけで久しぶりにゲームをした。それというのも、このゲームの場合始めるのにちょっと意気込みが必要になるのだ。怖いので。
 ものすごく怖いよこのゲーム! ヒィーとか(*2)言いたいよ! 失神者続出だよ! 全米18州で上映禁止になるよ! というほどに怖い。冗談じゃなく怖いので、遊んでて「なんでこんな怖い思いまでしてこのゲーム遊ばなきゃいけないんだ」となんだか矛盾したことを思うほどに怖いのだった。
 怖さにもいろいろあって、シチュエーションというかその場の空気感の怖さ(*3)とか、突然現れてビックリ系の怖さ(*4)とか、見た目の気持ち悪さや残酷表現(*5)とか、ゲームだとだいたいそんな感じだろうか。逆にあんまりゲームで見たことない方向だと、登場人物の電波ぶりやサイコぶりを追ったものとか、話の整合性が (意図的に) 壊れている気持ち悪さとか、絶対どうしようもない状況に対する絶望とか、そんなとこか。確かにそれゲームにしたって、ゲームとして成り立たないからなあ。
 で、サイレントヒルである。関係ないけどいまキーボード打ってて「サイレントヒル」を「サイレントメビウス(*6)」と打ち間違いそうになってひどく落ち込んだ。サイレントヒルである。この怖さっていうのを強引に分類すると、「緊張を強いられ続ける怖さ」だと思う。もっとくだいて言えば「あの暗がりに怪物がひそんでいる気がする怖さ」であり、「そこにいるのは分かってるんだ! 出てこい! あるいは出てこない方がいい! 永遠 (とわ) に」という怖さで、そういうのがこのゲームえんえん続くのだ。
 いかにも隠れていそうなのだ。霧に包まれた視界の外に、あるいは路地の側道に、あるいは明かりの届かない暗闇の奥に。もうこのゲームそういう「目の届かない場所」が異常に多くて、それは意図的に。おかげでこちらといたしましては常にドキドキです。おまけに視界が悪いだけになかなか敵に攻撃がヒットしなかったりもして生命力ガツガツ削られることが多いので、本当に敵にはいてほしくないんであーもう怖い。だいいちバランスがものすごく絶妙のギリギリさで、いちおう難易度NORMALで遊んでるものの常に、もう常にいつも弾薬や回復薬が底をつきかけていてあーもう本当に怖い。そういうのがゲームやってる間ずっと続くのだ。緊張と緩和なんて言葉もあるけど、このゲームの場合緩和とかゆるいことを余裕でとっぱらってえんえん緊張なのだ。僕がこのゲーム遊ぶのに覚悟を必要とする気持ちもわかっていただけると思う。

 と、思って遊んでたんだけど、今日初めてゲームオーバーになって、で、その時に表示されるヒント見て気がついた。もしかして今まで僕は敵を殺したつもりで、とどめを刺しそこなっていたんだろうか。もしかしてちゃんととどめを刺していれば、その場所にはもう敵は出現しなくなってたんだろうか。もしかして僕はよけいな難易度の高さを味わってたんだろうか。ヒィィー!(違う意味で)

*1 パラサイトイブ

本当に詳しく知らないが、ゲーム版はバイオハザードによく似ていて原作と関係ないらしい。

*2 ヒィーとか

楳図かずお漫画のノリで言いたいらしい。

*3 空気感の怖さ

アドベンチャーとかノベル系のホラーゲームだとたいていこれかも。『ファミコン探偵倶楽部2 うしろに立つ少女』とか。

*4 突然現れてビックリ系の怖さ

実は『バイオハザード』は基本的にはこれに該当すると僕は思っている。『1』の後に『2』を途中でやめてそれ以降やってない僕が偉そうに断定する筋のことではないが。

*5 見た目の気持ち悪さや残酷表現

これを追求したゲームは意外に少ない。この該当作ではアーケード版の『エイリアンシンドローム』は当時ものすごく怖かったんだけど、あんまり賛同してくれる人はいないだろう。

*6 サイレントメビウス

こう言っちゃなんだが、あれは、なかったことにしよう。

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