2003.10.01(マンガ・アニメの話より)
THE END
『EAT-MAN』の最終巻がついに出てしまった。まあすでにこの作者の人は『RAY』が始まってるっていうか早くも2巻まで出てるんでこの先の心配は別にしないわけですが。とにかくあの名作『EAT-MAN』が完結である。ちなみに個人的には連載分は読んでないっていうかどの雑誌に連載してるかもよく知らないぐらいなので、とにかくこの最終巻が僕にとっての最終話なのだ。なんだそれ。で、EAT-MAN第19巻。なんていうか……いいマンガだったなあって、しみじみ思わされましたよ。
悪く言ってしまえばこの吉富っていう人、器用貧乏みたいな作家なんでまあそういうところもあっていまいちスターダムにのし上がってないんですけど、このマンガが売れてないであれやこれやが売れる世の中ってのはやっぱりどこか間違ってるって僕は思うわけですよ(*1)。
エレガントなマンガだと思うわけですよ。いや美的だとか詩的だとかいう意味じゃなく。きれいに伏線を張って、きれいに起承転結をまとめあげて、きれいにオチをつけてっていうことを、毎話毎話ひたすらにやり続けている。誰に頼まれたわけでもないのに。そうでもないか。しかもその中にちゃんとスペクタクルっつうかハデな要素も組みこんで、基本的には主人公の最初から最後まで変わらない能力ひとつだけで話を作ってるのにマンネリにもならず、全19巻の短編連作大長編を作り上げたってわけで、この徹底した職人ぶりはなんか知らんけど見てて泣きそうになる。
とかなんとかそんな事を考えなくても、普通に面白かったわけですが。というかこの巻だと最終話よりも最初に入ってる短編(どれも短編だけど)『アルバトロス』がなんとも絶妙に良かったと思ってたりする。本当にエレガントな話描くなあこの人。