2003.10.10(夢トイレより)
拷問部屋
親戚の家にあった洋式トイレは、おそろしく狭かった。どのぐらい狭いかというと、そもそも人の入る余地というものが無く、便器の余白というべきスペースに足をこじ入れるのがせいぜいで、そうなればあとは文字通り目と鼻の先がドアである。しかもドアの開く方向も奇妙に捻れてるので、しぜん私は便器に背を向けながら、後ろ向きに手探りでなんとか個室の中に入っていくことになった。このため私は便器が正確にどのような形をしていたのか、とうとう理解することができなかった。
苦労して便座の前に立ちドアを閉めると、ズボンを下ろす間もなくウォシュレットが作動して私は水びたしにされた。それはどう考えてもただのウォシュレットとは思えない水量だった。停止させようにもトイレが狭く横を向くことさえ困難なので、私はドアを開けて避難する。
この時、ぐうぜん手が触れた便器の(布製の便座カバーの)感触がタワシのようにトゲトゲだったことに気付き、私は不安になる。しかし、ドアの外から見る便器にはこれといって変わった様子もない。
再びトイレに入ってドアを閉めたとたん、今度は壁の小窓から雨水が滝のように流れ込んでくる。雨水は泥を含んでひどく汚い色をしている。私は小窓を閉めようと必死になりながら、このトイレから出ることばかりを考えている。