人生: 急展開

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2003.11.02(ドラゴンクエストVIより)

急展開

 実はこの日記を書き始めたときには、ちょっと疑問な点があった。自分で「ドラクエ6はストーリーが複雑で」とかなんとか書いておきながら、「そんなか?」とか思ってたのだ。なにしろ僕といえば記憶力の適当さかげんでいえば東洋で1、2を争う逸材である。今日やっと思い出した。そうだ、ドラクエ6はストーリーが複雑っていうより、展開がメチャ早いのだ。それで前に遊んだときはストーリーの流れについていけなくなってヤメたんだった。
 順番に話そう。
 今日はレベル上げもまあ比較的いい線いってきたので、当面の目的地である某所に向かったわけですよ。この日記のセオリーとして具体的な名称は言わないが、なんとなくイタリアっぽい地名のところ。で、そこではグランバザール(PARCOでいうところの)が開催されていた。
 ここでちょいとした葛藤が起きる。えーとこのへん説明するのにはややストーリー展開上具体的な記述が必要になるのだけど、あえて強引にたとえ話で説明するなら、母親に買い物を頼まれた僕ことはじめてのおつかい少年は、道中で魅力的なガチャガチャを目にする。具体的にいえば、剣とか鎧とか今後役立ちそうなアイテムとか。さすがにその誘惑をふりきった少年(5歳)だが、肝心のおつかい先の店にたどりつくと、主人がちょっと留守にしているという。ゲーム進行上推測するに、このお使いをクリアーするにはおそらく別の、たとえばダンジョン的なものをこなして店主と出会わねばならないものと思われるのだ。なんかたとえ話と実際のゲームの記述を同時進行で書いてるからわけがわからない文章になったが、おおかたそんなところだ。
 そこで問題になるのが、先ほどのガチャガチャである。いや、そこはたとえる必要がないんだっけ。剣とか鎧である。この間ドネル・ケバブを買うときのジョセフ・ジョースター(*1)ばりの交渉術を駆使して路銀をせしめたものの、ここでアイテムを買いあさってはさすがに残金ゼロとなってしまう。もちろん例のおつかいもできまい。しかし一方、店主が留守で(たぶん)ダンジョン的な場所にいる、ということはさらに考えれば、モンスター状のものに捕まってピンチな店主を助けるという展開になるはず(たぶん)。そうなると(たぶん)「お代はもちろんけっこうです」的なことになるから、むしろここは残金ゼロおおいにけっこうとは言えまいか。だいいちこれはドラクエであって、「金を持ってない? じゃああきらめろ」という展開になるはずはなく、むしろプレイヤーのあらゆる状況に対して救済策が用意されているはずである。残金ゼロ、これでいこうじゃないか!
 と簡単に言えないのが僕というプレイヤーの厄介なところである。
 ええよけいな気を回しているのはわかってますよわかっていますけれども「おつかいの金に手を出すなど主人公失格である」という心の声が僕をさいなむのです。この金はいわば母親(まだたとえ続ける)が懸命にスーパーのパートで得たお金であり、そして買おうとしているものは我が家にとって大事な、ええとクリスマスケーキなのだ。たとえるなら。ゲーム的に使ってもオッケーなゴールドであっても、そう倫理上使ってはいけないゴールドなのではないか。僕の中の正義が断固としてそう言うのですよ。
 で、その後よくよく考えると例の留守にしてる店主はむしろ「留守にしてる」というのんきな状態でもなく「失踪してる」とすら言える状態であってピンチと言えそうなので、そんな緊急事態なら急ぐ必要がある=あらゆる手段をもって装備を整えてもよい、ということを思いつき、主人公はこのとき店主を救うためいささか超法規的手段を用いて装備を整えた、というストーリーを描くことで解決しました。具体的には、剣とか鎧とか買った。(僕の中の正義がついえた瞬間)

 その後、問題の店主がいるとおぼしき場所にいくとそこはダンジョンというよりは、こう、具体的な描写をさけると、目もくらむような場所。
 そこでまさにピンチに陥っていた店主をなんとかしようと近づくと事態は急転直下(←うまい言い回し)、なんつうか、えー!!!??? という展開になってしまったのだった。
 くり返すが、僕の記憶力たるやメメントの主人公なみのものであって、前に一度プレイしたことがあるからといってもこのへん全然おぼえちゃいないのである。いやあ、まさかこんな羽目になるとは思わなかった。どうしよう、こいつは本当にどうしたものだろう、とか思ったものの、こう、なんとかなった(具体的な描写をさけるにもほどがある)。
 なんという急展開の連続。いったい何がどうなってるんだ。プレイしている僕はともかく、僕が操作しているところの主人公的には「あれは夢だったんだろうか」的なことを思っているに違いない場面である。

 で、これから問題の店主に会いにいこうと思います。

*1 ドネル・ケバブを買うときのジョセフ・ジョースター

「サンキューバイバイねー」とか言われる。(ジョジョの奇妙な冒険 第三部より)

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