人生: 自由な地平

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2003.12.17(ドラゴンクエストVIより)

自由な地平

 久々に放り出された。
 今のところ行くべき具体的な場所もヒントもこれといってなく、新たな移動手段と白紙部分の多い地図だけが手元にあるようなそんな状況だ。あとは手前の甲斐性で勝手にやれという状況だ。長渕剛ばりに言えばお前が行くから道になる的な生きて生きて生きまくれ式の状況と言えるが、なんで長渕ばりに言わなきゃいけないんだ。
 で、とりあえず行けそうな場所に行ってみてあんまりうまいこといかなかったり、ちょっとしたショートイベントを無事こなしたり、新たな地平にたどり着いたと思ったけどよく考えたらここ前にきた場所じゃん、とかそんなこともやったりした。前から思ってたんだけど、ドラクエで表示されるマップはなんとかもうちょっと見やすくならないものだろうか。
 それにしても今までがなまじ周囲の事情や相手のつごうであっちこっち振り回されていただけに、今の放り出されっぷりが強烈だ。実際、どうせ自由にやれとは言っても数歩歩いたら誰かに呼び止められてまたイベントが始まるんだろうとすら思っていた。
 この手の「放り出し」はどこに行けばいいのかが心底わからない(あたりまえだけど)ので、ある種ぬるま湯的なプレーに慣れたユーザーにとっては結構キツいという側面がある。有名なところではドラクエ2なんかでも、それまで「次はどこそこの町」式の1本道プレーが続いていたところに、船が手に入ったとたん突如この広い海すべてがお前のものだ的な展開になってしまいとまどうプレイヤーも多かったときく。
 ていうかこれが問題なのは、たとえばメチャ敵が強い場所にうっかり行っちゃっても実際そこが敵の強い場所でまだ来るべきじゃない場面なのか、それとも単に自分が弱いだけで必死こくべき場面のか、まったくプレイヤーに区別がつかないところだ。あと必死こいてそこをくぐり抜けたらやっぱりまだ順番としては間違った場所でした、みたいな悲しい目にあったりとかもするし。それがプレイヤーを不安にさせ、社会そのものに対する不信感をも生み、少年犯罪を助長するのだ(大きく出てみたが失敗)。
 じゃあ今回のドラクエもそうかといえば意外にそうでもない。あちこち歩いてみて分かったんだけど、山脈や浅瀬といった「障害物」がうまく配置されてて、「まだ行ってはいけないところ」には実際いけないようになっている。たぶん。おかげでけっこう安心してほっつき歩きつつイベントがこなせるのだ。漫遊、っつうんですかね。ここに少年犯罪の入る余地はない(まだ言う)。
 こうなってくると放り出しも悪くないものだ。もちろんこの先に何があるのかわからないという漠たる不安はあるけれど、それは冒険を楽しくする1つのスパイスと言っていい。未踏の世界を自分の手であきらかにしていく作業は楽しいものだ。まあ、これがいつまで続くのかはよくわかりませんが、今は日本産RPGではめったに味わえない冒険者気分を味わっていようと思う。

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