人生: 地球の歩き方

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2004.02.08(ドラゴンクエストVIより)

地球の歩き方

 諸君にあえて問うが、ドラクエを遊んでいて、町をどうやって歩けばいいか悩むことはないだろうか。やっぱりないか。そうか。
 僕はときどき悩みますよ、町の歩き方。だって町って広いじゃん(同意を求めるが、誤り)。
 いやもちろん初代『桃太郎伝説』の「きぼうのみやこ」(*1)とかでもないかぎり道に迷ったりはしないんですが、それにしたってRPGにおける町というのはそれなりには広い。そしてべつだん碁盤の目状になってるわけでもないし、うっかりするとどっかの家なんか訪問しないまま通り過ぎちゃうこともあるんじゃなかろうか。少なくとも僕なんかはうっかりタイプの人間でありドジっ子メイドである。←ない。 少なくとも僕にとっては今そこにある危機である。その、「うっかり通り過ぎ」が。
 まだ普通の、こう、平野状をした地形の上に家々が立ち並ぶ日本の町並み的町並み(びっくりするほどの重複表現)であれば、ある程度「左下から順に横1列を歩いて、それが終わったら上に1画面分移動してまた横1列歩いて」とかいう具合にしらみつぶしに歩くことが可能である。絨毯爆撃が可能である。その米軍の圧倒的な物量攻撃の前にしだいに劣勢へと追いやられていくのである。町が。
 しかし、今日行った町ときたら、そのなんだ、段差があるのだ。プレイヤーが越えられない種類の。ところどころにある階段を上らないといけない種類の。おかげで絨毯爆撃作戦も物理的に段差にはばまれてうまくいかないのだ。それでいて町の構造も一本道ではなく、けっこうあっちからもこっちからも行き来できるようになっていて、さっき来たような気もするし初めて来たような気もするというていたらく(僕が)。こ……こいつは、手強いぜ!(たぶんそう思っているのは僕だけだ)。ちなみにある程度具体的に言えば、空に関連する睡眠器具で知られる町ですよ。
 で、慎重に慎重を重ねて町を行き来して、どうにかこうにか町全体を把握したのだった。この町がすべて僕の物になるのか(ならない)。そして僕は満足し、次なる町に向け再び旅立っていったという……FIN。スタッフロール。観客のスタンディングオベーション。
 いやちょっと待て!(フェイクエンディング) しまった! あんまり間違わずに歩くことに集中してたせいで、マジで町の人が何言ってたのかよく憶えてない! この町は全員のセリフが重要なんだって! しまった、やり直しか!

*1 きぼうのみやこ

冗談のように広い。ていうか事実冗談で広く作られた。こういう冗談を本気でやっちゃうところに初代『桃太郎伝説』のすごみがあったわけだが、あ、一応あらためて説明しておくと『桃鉄』じゃなくて『桃太郎伝説』ですよ。RPGのほう。

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