人生: メキシコ伝説

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2004.03.22(映画の話より)

メキシコ伝説

 つう訳で観てきたのが『レジェンド・オブ・メキシコ』原題ワンス・アポン・ア・タイム・イン・メキシコ。原題の意味をくみつつも日本人にも分かりやすいタイトルでいい邦題だと思いますよ。
 で、ロバート・ロドリゲス監督によるメキシコ血しぶきガンアクションシリーズも『エル・マリアッチ』『デスペラード』に続く3作目。そろそろトーンダウンする頃合じゃないのー? 途中に『スパイキッズ』シリーズもはさんでるしロドリゲス監督すっかりオトナになっちゃってたらどうしようとか観る前言ってたもんですが、そこはスパイキッズが3作目だからって「じゃあ3D映画撮るしかねえよ! ジョーズもそうだしな! ガハハハ!」とか言い出すわれらがロド監督。前2作を超える銃バカパワー全開の映画に仕上がっていました。
 とにかく撃つ!そして殴る!やっぱり撃つ! 監督の「登場人物をいっぱい珍奇なアクションで殺したーい★」という思いが暴走して敵も味方も必要以上に大勢でみんな殺し合う。一般市民も巻き込んで。というか一般市民すら銃を撃つ気まんまんで、もはやまともな人間は1人か2人しか登場しない始末。この映画における命の重さは約1グラムと断言できる(ちなみにパチンコ玉は1個約5グラムだそうです)。こ、これだ! こんな映画を待っていた!
 それにしてもテレビの予告CMとか見るにつけ、前2作の主役にして伝説の男エル・マリアッチを演じるアントニオ・バンデラスをまったく無視して、脇役であるところのジョニー・デップをさも主役級であるかのようにクローズアップして宣伝するのはなにか、パイレーツオブカリビアンでアカデミー賞ノミネートされたしシザーハンズ等で甘い魅力(バンデラスに含まれていない成分)もふりまいてるデップで女性客にも1発売ったれイという汚い商売なのか、と義憤にたえなかったものですが……
 ……ゴメン、本当にデップが主役だったよ。
 ロドリゲス監督、なんでもこなせる俳優デップを使うのがよっぽど楽しかったのか確実に本来主役のはずのバンデラスよりもデップの見せ場を優先してます。それがまたバンデラスのガン=カタ級の神がかった動きと対照的にトリッキーなアクション連発のひと味違う格好良さ。なるほど確かに前作で神を超えて強くなったエル・マリアッチにはさせられない役であってデップにやらせるのも納得ですが、話の整合性とかドラマツルギーとか主役の存在感とかはけっこうおいてきぼりです。
 しかしここであえて僕個人の趣味からいえば、われらがジョニー・デップの魅力が大爆発した上にわれらがロドリゲス監督風味満載とくればむしろオールオッケーであって、大変気分のいい1時間半を過ごしたわけですよ実際。たしかに見終わった後から考えると、デップとバンデラスが後半1度としてからまないのは脚本上も破綻はなはだしいし第一あんまりな見せ場の損失ではないかとか、そういえばダニー・トレホ(職業:)もあんまり盛り上がらない出演だったとか、もったいないと思う点もなきにしもあらずですが、観てる最中はデップにもう夢中なので、良し!
 つーか観る前は、CMにつられたデップファンの女子にこの映画はつらいんじゃないかと思ってましたが、どっちかというとデップファン向けの映画なんじゃないかって今となっては思う。

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