2005.07.06(キャプテン・ラヴより)
テンション乱高下
もう前回で最大の「敵」(一般的ギャルゲーにおける「攻略対象」)を撃破し、こうなりゃ怖いものなしである。思えばこのゲーム、ゲームとして無事に問題なくクリアすると反比例してプレイヤーが精神的ダメージをこうむるというギャルゲーとしてはおそらく相当反逆してるっぽいシステムだったけど、もうこれ以上の精神的ダメージはないと言い切れる。あんな最強の敵を越えた以上、もう残るは話のまとめぐらいだろう。そう思っていた僕をあざわらうかのように、最強最大の敵が姿を現わしたのだった。
今までいうところの「敵」がもちろん登場するんだけど、しかし今回のストーリーにおける真の敵はそんなものではなかった。ここ大事なとこなんで包み隠さず言ってしまうと、それは正ヒロインその人であった。
実のところここまでの間、メインヒロインはあまり魅力的に描かれてはいなかった。ぶっちゃけ魅力薄ですらあった。登場回数が少なかった(自宅謹慎中で)からという面もあるだろうけど、正直サブヒロインの方が魅力的に表現されることすらあった。だがそこでホイホイと気を変えるようでは主人公は男のクズであろう。キャプテン・ラヴはそんな男ではない!ってな具合でええ、魂を捧げんばかりの勢いでヒロインに尽くす選択肢を選び続けてきたわけですよ。
しかし今回のシナリオで、それが実は巧妙な伏線だったことが明らかになるのだ!
シナリオの流れが、ヒロインの言動が、周囲のキャラクターの行動が、選択肢の内容が、すべてヒロインを嫌わせるように動いている!
具体的な表現はあえて避けるが、こ、この不条理なワガママっぷり、そして主人公をおそう数々の理不尽な仕打ち!
そう、今までは魅力的なサブヒロインの存在という形でキャプテン・ラヴの愛は試されていた。そして今回は! メインヒロイン本人の存在がキャプテン・ラヴの愛を試している!
こっから先はこれから遊ぼうって人(いるのか)に配慮して書きませんが、もちろん理不尽なだけじゃないぜとは言っておこう。障害が巨大なほど乗り越えた時のカタルシスもまた大きいのだ。
さてちょっと話は切り替わって、今日のゲーム中盤で起こった出来事。
もうシッチャカメッチャカになってストーリーが猛烈にヒートアップする中、主人公に届く差出人不明の謎の手紙! 謎の……? あれ、なんか登場人物たちみんな、差出人の正体を知ってるって前提で話進んでますよ?
……シナリオのバグが発覚しました。
やっちゃったー!
この大事なクライマックス直前場面でいきなりの落とし穴である。どうやらこれ以前にある分岐ルートを通るとその人物と出会うことになるらしいのだが、僕はそのルート通過してないのである。だから全然その人物とは初対面なのである。でもストーリー上は「あの時出会った……」式に進んでるのだ。
ああ、やっちゃった。
遊んでてこういうのは痛い。醒める。せっかくの大舞台にミソがつく。がんばれオレ、ここでテンション下げるな!
そしてそこに入るイベントムービー的な演出。ヒロイン愛美の声が入る。
声?
あああこれ遠藤久美子のテンション低い演技だー!
またしてもやっちゃってるよこの人ー!
そう、オプションで音声OFFにしててもイベントムービーではしゃべっちゃうのだ。そういう仕様なのだ。たぶんムービーの構造が音声トラックと映像トラックに分かれてないとかなんとかなんだろうけど。とにかく僕はもうくじけそうだよ。パトラッシュ、もう疲れたよ。
そんな感じでここに来てかなり引いたわけですが、あやうく溺れかけたところでイイ感じのストーリー展開になったので、まあ、良し!
やや具体的に言えば、とある遊技施設上のヒノキ舞台。
前回もそういうところありましたが、このゲームが「キャプテン・ラヴ」といういわゆるヒーロー物のフォーマットに沿っていることが単なるギャグを越えてちゃんと意味を持ってくるシナリオの妙。
そして、ええと具体的な表現は避けるけど、やはりあのキャラクターの存在はデカい。このゲームで一番存在感を持っているキャラクターかもしれない。この人がいい感じに軌道修正してくれるのだ。話の流れを俺がやらねば誰がやるという感じに盛り上げてくれるのだ。
よっしゃ、最高のテンションで最後の戦いだぜ!
……あー、分岐ルート通ってないとよくわからない話がまた始まっちゃったよここで。