2005.07.18(花と太陽と雨とより)
プロロローグ
南国の熱い陽射し、抜けるような青空、さわやかな空気、どっかから借りてきたような表現、そう、ここは南海の楽園ロスパス島だとかなんとか。会話ウィンドウの顔グラフィックとゲーム中のポリゴン顔が別人に見える人こと、主人公モンド スミオ。彼は「探し屋(サーチャー)」を生業とする黒スーツ野郎である。探し屋といっても何の説明にもなっていない気もするが、要するに人が探しているものを代わりに探す、一種の代行業である。『パルプ・フィクション』における「掃除屋」は別に掃除をするわけではないが、探し屋は文字通り探すのだ。いろいろなものを。ばくぜんとした職種だとは思う。
ゲーム開始早々、案内人のピーター(映画で言えば脇役の頼れる男っぽいフェイス)に本人確認の認証的なものをさせられる主人公。
使うはアタッシュケースに収められた暗号入力装置「キャサリン」である。ちなみにモンド スミオの独白に曰く、
「なぜキャサリンなのか?
「仮に『テツゴロウ』だったら
オレは仕事をしなくなるだろう?
「そういうことだ」
だとか。このゲームはこういうゆるめのさりげない笑いがテキスト中にちりばめられているっぽい。
ともかくキャサリンである。USBだろうがビデオ入力だろうがあらゆる規格に対応した接続端子をもつすぐれものだ。個人的にとても欲しい気がする。接続端子部分が。
これをピーターに接続。
って、ええっ!? ピーター(頼れる脇役フェイス)に挿すんですか!
まったく当たり前のように右目が光ってるよこのおっさん!
どうやらこのゲームはこういうなんでもアリなノリ(やや韻)らしい。モンドが静かに目を閉じる。
「謎はこの男に隠されている」(バン)
「旅は果てなく続き──」(ババン)
「獲物は魂を守り──」(バーン)
「狩人は真実を狩る」(シャキーン)
「時に探すだけの鎮魂歌」(ジャキーン!)
「真実は一つ」(グワーン!!)
「仕事だ キャサリン!」(ドーン!!!)
「探索はここに集う」(ズズーン)
(暗号入力開始)
いや、本当にこういう感じ(*1)でひとことずつ効果音とカット割りを変えながら盛り上がってくのよ。バカな演出だなあ(ほめことば)。ちなみに今後もキャサリンを使うたびに毎回この演出が入る。ば、バカじゃねえの!(ほめことば)
もはやこの時点で、このゲームがボケ倒し通しだということがなんとなくわかってきた。ゲーム開始直後に内容を感覚的に理解させる、優れた演出である。そういうもんじゃないのかもしれないが。
「あきらかに変な状況に作中誰も疑問を持たない」という点では『キラー7』もそういえばそうだったが、キラー7のそれが主に作品世界のミステリアスな雰囲気作りに寄与していたのに対し、『花と太陽と雨と』ではむしろ面白方面にベクトルが向いている。やってることは似たようなものなのに、変われば変わるものだ。
とにかくゲーム最初の暗号入力はクリア。ちなみにこのゲームでの暗号は、どこかに隠されているヒントを探して、そこから導き出される「数字」を入力することで解除できるようになっている(説明)。
ついでに次の暗号入力もクリア。
これでいよいよ本題、ゲームのタイトルにもなったホテル『花と太陽と雨と』に向かうのだが、長くなってきたので以下次回。いつになったら実際のプレー内容に追いつくのだ。