人生: 星降る街角

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2005.08.05(サイレントヒル2 最期の詩より)

星降る街角

 どういうわけか世界遺産がここ最近注目されてるらしくて(知床のことはわりとどうでもよさそう)、妙に世界遺産関係のテレビ番組が増えてHDDレコーダーに「世界遺産」でキーワード登録してたら膨大な量の番組が録画されてたりするんですが、好きなのでむしろ歓迎です。
 何の話かといえば、この手の番組ってどうしても臨場感に限界があるよなって話ですよ。
 臨場感。その場にいるような感覚。海外旅行つっても2度ほどしか行ったことない僕が偉そうに言うこっちゃないですが、どうあがいてもテレビ番組の画面に映るサンピエトロ大聖堂は本物よりはるかにショボく見えるのです。あの巨大感が、どんだけ天井高くする気だ一体っつう空間感が、どうしてもテレビ番組だと伝わりきれてない。
 カメラがレポーター目線で「人間の視点」を強調したりレポーターの歩く速度に合わせて動いたりがんばってはいるんだけど(*1)、そうは言ってもせいぜい……60点……(『番長連合』っぽくしてみたが、後悔)。
 非常に感覚的な表現であれですが、テレビ番組にはどうしても「歩幅の感覚」が足りていないと思う。この柱から向こうの柱までだいたい何歩、っていう感覚がテレビから伝わってこない。それがテレビ番組の限界だと、そういう話ですよ。
 ここでようやく話はゲーム日記らしくなってくるんですけど、つうかゲームってこの手の臨場感が凄くねえ? と。
 そうなのだ。ゲームで3Dのポリゴン空間を歩くと「歩幅の感覚」がちゃんとある。最近遊んだあたりだと『キラー7』の某南国の島ステージなんか凄かったよ。あんなトゥーンシェード的グラフィックなのに、ちゃんと南国の空気感が感じられるこの不思議。それが3Dポリゴンの凄みだ。あとテレビではまず聞こえない足音とかその場の環境音とかも聞こえて、ますますもって臨場感は増す一方。あんまり取り沙汰されないけど、この手のゲームが持つ観光旅行効果は他メディアに類を見ない気がする。
 で、ようやくサイレントヒル2の話。
 このゲーム、おそろしくリアルにアメリカのさびれた田舎町をポリゴンで構築してて、心底ゲンナリできます(そっちか)。
 触ったら体が溶けるんじゃないのってくらいの濃霧(『うしおととら』より)に包まれたゴーストタウン、サイレントヒル。町中生活感まるだしで汚れまくりサビまくり、小汚い手書きチラシと落書きに満たされた、人影のまったくない街角を歩く男が1人。誰が呼んだか男一匹ジェイムス・サンダーランド(主人公)。自分の靴音以外に聞こえるのは、たまに吹く風の音かメロディのない重苦しいBGMか、あとときたま現われるクリーチャーが発するヴォアーって声。そして乾いた銃声。クリーチャーを踏みつけるグシャって音。わ、わびしいぜ! これ映画とかで描写されるよりはるかに「俺、こんなとこにいたくねえ」と実感として思えるわ実際。
 そんな具合の首とか余裕で吊れるんじゃないのって感じの街並みをあちこち歩き回るはめになりました、今日は。(最終行にしてようやく本日のゲームの進行に着地するようなゲーム日記)

*1 レポーター

正直言えば僕はこの手の番組はレポーター必要なくてナレーションとカメラ目線で話す現地の人(そしてその上にかぶさる声優の声)だけあれば十分じゃね? むしろレポーターうざくね? という意見の持ち主なのですが、それでもレポーターの存在による臨場感の向上効果は認めざるを得ない。

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