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2005.08.13(ゲームの話より)

ゲームを買いに街にいこう

 次に遊ぶゲームを何にするのかいろいろとコメント欄でご意見を募ったりしたものの、結局最終的にそれらの意見をまったく無視して『フロントミッション・フォース』に決めてしまった。マンガ風にかっこよく言えば「最後に決めるのはお前自身だ。覚悟はいいな?」というところだが、これは別にマンガでもないし世界の危機でもないのでそんなかっこいいものでもなく、意見くれた皆さんには申し訳ない。

 それにしても今回は難産だった。まったくもって悩みに悩んだ。頭も使ったし足も使った。情報収集におおいに精を出した。そこには天啓のようなひらめきもあり、またある種の妥協もあった。それで思ったのは、ゲームを買うっていう過程もそれはそれでひとつのエンターテイメントかもしれん、ということだ。違うかもしれない。

 誰しも経験があるだろう、とりあえずお店に行ってゲームのパッケージを見ながらあれでもないこれでもないと悩んだことが。僕はけっこうありますよ店頭でゲーム探すっていう行為。
 もともとは別の用事のついでみたいなノリで、おすすめられたゲームが実際置いてあるかどうか見てみようとかそんな軽いタッチで出かけたはずなのだ。あんのじょう『動物番長』はないなあとか、『ラクガキ王国』はあったし安いけど、こうしてパッケージ裏見るとなんか違うなあ、とか。
 「なんか違う」。ゲームを選ぶ上でこれほど重要かつやっかいな感情もあるまい。客観的に見るかぎりおもしろそうなのだ。しかしいざパッケージを持ってレジに行こうとするとこの感情がジャマをする。「なんか違う」。
 ついでがついでを呼んでワゴンの中やらプレステ2の棚やらGBAの棚やらプレステの棚はおろかドリキャスの棚までも探したが、全面的に「なんか違う」。どうでもいいが、ワゴンセールの中から、これは!というゲームにめぐりあう確率はいかほどのものだろうか。どうしてこういうとき真っ先に探しちゃうんだろう、ワゴンセール。
 この過程でなんとなくわかってきたんだけど、僕は人間キャラがポリゴンでできてると早くも切り捨てにかかる傾向があるらしい。リアルかつ男くささ満載な洋ゲー的ポリキャラはいいんだけど、アニメ的なデフォルメのかかったポリキャラがだめらしい。最近の話題作(らしい)『グランディアIII』とかも内容うんぬん以前にパッケージを手に取った時点で速攻で却下になってしまった。画面の絵ヅラだけでゲームを判断するのはあまりよろしくないことだとはわかっていますが、10時間超おつきあいする以上、やっぱり見た目は大事だ。
 単なる2Dアニメ絵とかはオールオッケーなんですが、なんだろう、このポリゴン嫌いは。おそらく『ラクガキ王国』が「なんか違う」だった理由の一端もここにあるのだろう。

 棚を見て回る間に心のアンテナに引っかかったのはまず例によって『零』シリーズとか『サイレントヒル』シリーズ。いやあもう恐怖モノはしばらくお腹いっぱいだわ、と思ってこれは心に引っかかる先から却下する。却下はしたんだけど、面白くはあるんだよなあ。あんだけ怖いのはこりごりと思っておいて、何を考えてんだと思いつつ。
 その横にあったのは『ICO』。こういう時にいつも「ああ、ICOがあったなあ」と思うところまではいくんだけど、絶対いつも買うところまではいかない。なんなんだろう。誤解をおそれずに自分の主張だけ書けば、つまるところパズルアドベンチャーなんでしょ? みたいな予断がある。画面がなまじ情報量を削るだけ削った絵ヅラなので、これひたすらパズルを解き続けるだけで進行すんのかなあ、みたいな恐れがある。どうなんでしょう実際。
 それから『3年B組金八先生 伝説の教壇に立て!』もちょっと引っかかったが、これは完膚なきまで「なんか違う」だった。なんか違うんだよ、何が違うのかわかんないけど、絶対になんか違うんだよ! おそらくそれは僕が「チュンソフト的センス」と呼ぶものなんだろうけど、あれは、どうしてもなんか違うのだ。

 視線は棚から棚へとうつろい、「レース」とか「スポーツ」とか「テーブルゲーム」はざっと見回すだけにとどめる。申し訳ないが、そっちは今遊びたいのとはなんか違うのだ。
 「シミュレーション」の棚にずらっと並んでた『Gジェネレーション』シリーズも気になった。思えば初代のデキがちょっと粗いという話は聞いたものの、それ以降洗練を重ねているという人気シリーズ。今に至るも買わずにいるのは、いつのまにか大作シリーズになってしまって、どれを最初に遊べばいいのか分からなくなってしまったからである。FだとかNEOだとかゼロだとか、さっぱりわかんねえよ!
 このあたりでいわゆる「シミュレーションRPG」系はけっこうありかと思い始める。そもそも「人死にがそんなにないゲーム」を求めていたのに矛盾したことを言ってるようだが、シミュレーションRPGは自軍に死人がまず出ないからいいのだ。だいいち、基本的にこの手のちまちまとHPを削りあうゲームが好きなのだ、僕は。
 ちなみに『サモンナイト』シリーズと日本一ソフトウェアの一連のシリーズだが、僕といえば完全に食わず嫌いをしている。やっぱりなんか違うのだ。あと、やりこみ要素がいっぱい的なことを売り文句にされてることがしばしばあって、むしろやりこみたくない弱プレイヤーの僕などはその点でも敬遠しがちだ。そんなわけで『ファイアーエムブレム』系も違うってことになるのだ。みんなそんなにやりこみたいのか。やりこまなくたっていいじゃない。ただ1周普通に心のおもむくままに遊んだらそれで全要素発生でトゥルーエンドでいいじゃない。
 そういやけっこう昔のプレステのシミュレーションRPGで、近未来の日本を舞台にした激しぶい軍事物があった気がするんだけど、あれなんてタイトルだったっけなあ、と毎回思う。絶対どこの中古屋にも置いてないんだけど。夢でも見てたんだろうか。
 待てよ、それがアリならこれもアリってことにならないか……? と目についたのが『フロントミッション・フォース』。でもなあ、名作『1』はおいといてフロントミッションシリーズには痛い目にあってんのだ。『2』は戦闘シーンのたびに起こるロードに辟易して途中でやめ、『3』はもう時効だろうからはっきり言っちゃうと、シナリオが中学生が書いたにしてはがんばってるじゃん、え? これ書いたの中学生じゃないの? じゃあ、そういうギャグなのか。ていう爆笑シナリオで、つくづくどうしようもないゲームだったのだ。もういいかげん時効だよね? あと『ガンハザード』もそんなでしたね。でも『オルタナティブ』は最高だった。
 で、4作目の『フロントミッション・フォース』。これが怪作『3』の正統な後継だとしたら、もう絶望だ。そこまで言うか。言うよ、本当『3』は……もう……。ライトノベル戦記を小林源文の作画でマンガ化したみたいな、おそろしい気持ち悪さがあったのだ、あれ。
 そこでいったん家に帰ってみる。こんな時こそインターネットである。Googleで検索すればレビューも何十本でも速攻で見つかる。その中でも『3』をメチャメチャ言ってるレビュアーを探すのだ。そういう人であれば信頼がおけるっていうか、少なくとも自分に近い感性の人ということで、耳を傾けるに足る。でも、そういう『3』と『4』両方に同時に言及してるレビューって探しづらいのよねーこれが。
 机の前に座ること1時間、だいたいの傾向は見えてきた。『1』が好きなら結構満足のデキらしく、『3』のようなひどいことにはなってないらしい。そしてシナリオに関しては賛否両論。俯瞰してみるに、さほどドラマチックじゃないところを是とするか否とするかで意見が分かれてるような気がするが、さすがにそこまでくると遊んでみないとなんとも。テンポはかなり良いみたいで、『2』の悪夢はくりかえされずにすみそうだ。
 これは、試してみる価値はあるかもしれんな……。(窓から射し込む夕日を目を細めて眺めつつ)

 というわけで明日にでも買いに行こうと思うんですが、やれやれここにたどり着くまでにえらい時間がかかってしまった。思ってた以上の文章量になってしまった。これでもけっこうはしょったんだけど。ちなみにゲーム屋はつごう3軒見て回りました。
 「ファミ通とかのクロスレビューの『点数』だけ見てゲーム買っちゃう層」ていうのが正直信じられないとこれまで思ってましたが、こういう店頭で悩んだりネットで情報収集したりする手間を省いてパッと買いたいのかなあ、とちょっと思った。そんなもんなのだろうか。

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コメント

【1】ミソ

お、フロントミッションですか!
自分はまだ4はやったことないんですが、2と3はしっかりと投げ出してます、、f^_^;
ラクガキ王国については残念でしたが、
このゲーム日記で書かれる一喜一憂な感想が楽しみでこのサイトを訪れているので、(実は初代サイレントヒルから拝見してます、、(^_^;))どんなゲームでも万事おっけーです。
機会があればまた勧めさせて下さい、能々吟味しときます。

(2005.08.14 12:25AM)

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