人生: 少女青年

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2005.08.15(その他もろもろの話より)

少女青年

 『少女少年』といえば少女マンガ家(微妙)やぶうち優先生による、少年が完璧な女装をしてその後はもうシッチャカメッチャカという有名なナイスクレイジー作品群ですが、じゃあ「少女青年」というのはどうだろう。どうって言われても。

 そんなことを思ったのもJUNの『Moon Risin'』を買ったからなんだけど(iTunes Music Store)。『サンセットシティライト』とか『マジックタイム』とかの小ヒットでおなじみエレポップの人ですが、あらためて聴いてみるにいい大人の男が歌うにしてはスゲエ歌詞の世界だなと。
抱きしめたいよ 触れていたいよ
口づけてよ 僕の夜の太陽
目覚めないよ 君といたいよ
眠りの姫 毒リンゴもうひとつ

終わらない夜 まるで星のよう
止まらない夜 魔法のメロディ

このまま魔法は君や夜を抱きしめて
帰さないよ 放さないよ
このまま僕は君と夜を駆け抜けて
狂ったメロディを奏でてる
そのまま魔法は僕の夜も抱きしめて
帰さないよ 放さないよ
そのまま僕は君と夜を駆け抜けて
狂ったメロディを奏でてる
JUN『Apples』(『Moon Risin'』収録)より、耳コピ詞

 なにこの乙女美ジョン発動120%なオトメチック路線。このアルバムは「ジゴロ」をテーマにしたコンセプトアルバムだという話ですが、たしかにジゴロはジゴロだがこれ乙女フィルターを通して見たジゴロじゃないですか。

 この少女青年ぶりを見るにつけ、そういや'80年代のバンドブーム前夜の頃ってみんな歌詞がオトメチックだったなあって思い出した。
 テクノポップのTM NETWORKからパンクのTHE BLUE HEARTS(甲本ヒロト作詞限定)、恐るべきことに布袋の兄貴擁するBOφWYに至るまで、いい大人の男が歌うには信じられないくらい甘く美しい乙女ビジョンに溢れていた。それはオーディエンスの中の無視できない層である少女たちにコミットした結果でもあるのだろうけど(←ちょっと音楽雑誌っぽく書いてみた)、実際の話けっこう素でみんな少女青年だったのじゃないかと思う。あの頃乙女回路を内蔵してなかったのってCOBRAと原爆オナニーズぐらいだったんじゃないのってくらい。
 その後バンドブームが起こるにつれて反動で乙女の匂いを自ら消しにかかったアーティストも増えていつしか乙女歌詞はガールズポップのものになったり、渋谷系という近いが違う系に分化したり、悪そうな奴はだいたい友達式の和風ギャングスタ世界観や爽やか男子ポップスに駆逐されたり、あるいはダサい男肯定路線という新たな潮流が生まれたり、おおむね少女青年は死んだことになってるこの時代ですが、そんな中で少女青年の復活をたからかに歌い上げるJUNの存在は必要以上に輝いている。

 実際のとこ、新しいのに'80〜90年代ポップスを感じさせるJUNの楽曲は素で格好いい。「電グル」とか「岡村ちゃん」とか「TMN」とか「痛快ウキウキ通り」とかのキーワードにビンビン反応してしまう種類の人にはイキナリ的におすすめですよ。

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コメント

【1】tomokoさん

声、声はどうですかぁ!?どんな?何系?
『少女青年』という言葉にビンビン反応してしまふアタシよぉおおおぅ。
買うかどうか考えたいのでとりあえず貸してください(素)。

(2005.08.18 08:25PM)

【2】杉浦印字(サイトマスター)

ええい主婦ともあろうものが何をとりみだしているのだ。
んーと、声は近いところを探すとやっぱり岡村ちゃん(靖幸のほう)かしら。
つうかiTunes Music Storeのリンク貼ったんだからそこから試聴しちゃえばいいじゃん。そして買っちゃえばいいじゃん。

(2005.08.18 09:04PM)

【3】tomokoさん

スピーカーはずしちゃってるから聞こえないんだYO!
うわぁぁぁん!!! バカにしやがってぇ〜!

(2005.08.19 12:08AM)

【4】杉浦印字(サイトマスター)

すげえ個人的な理由だな! ヘッドホンをつなぎなよ! あるいは家電量販店に行ってデモ機を使えよ!←すごい貧乏根性

(2005.08.19 06:38AM)

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