人生: 政軍分離

鉄の靴  > 人生  > 政軍分離

2005.08.23(フロントミッション4(フォース)より)

政軍分離

 今現在の進行ぐあいを書いてみると、ダリル編はあのまま放っとかれっぱなしでいまだエルザ編である。具体的には「ばかもーん! そいつがルパンだ!」とばかりに猛ダッシュで後を追いかけたら「この塔の先に進みたければ我々四天王を倒してからにしてもらおうか!」的なことになって、実際倒してみたあたり。ところで塔とは? 四天王? ルパン?(あやまちに気付く)
 それにしてもこのあたりの展開、なんつうか国際紛争──いやいやこの時代だと国家共同体になってるから内戦扱いになるのかな? とにかく戦争の火種をつくるどころか戦争のキャンプファイヤーでも焚いてんじゃねえのってくらいに国境付近で危険なことをしてる気がするんですが、いいんだろうか。いやデュランダル自体は合衆国に対するFBIばりにE.C.全域に調査特権が認められてるみたいだからやはり非はあちら側にあるのか。あれ、でもまだ正式にE.C.議会の承認を受けたわけじゃなくてイギリス政府の口利きがあったレベルじゃなかったっけ? いやいやでもむこうは明らかに自国政府に確認もとらず独断で越権行為してるわけだし、いやあそれ言ったらこっちも似たようなもんで、むこうが越権行為は承知の上でその1手先を読んでるっぽいのに対しこっちは……てな感じで非常に危うい綱渡りをやってるんですが。
 そういう綱渡りをさせる意図のシナリオであるにしろ、それならそれでもうちょっと政治的葛藤をセリフ回しのはしばしから匂わせてほしかった気もしますが、そこまでするとゲームの敷居がいっそう高くなっちゃうからこのあたりが順当なところという気もする(ころころ変える意見)。

 実際この手の軍事物シミュレーションRPGのシナリオでやっかいなのは、「戦闘行為は最後の手段」というリアルな世界観と「戦闘シーンがないとゲームにならない」というゲームのお約束の間のジレンマなのだろう。最初から戦争状態にあるので敵国をツブせ的なストーリーだとその点は楽に解決できるけど、ある程度二転三転のドラマチックストーリーにしようとするとどうしてもこのへんが難しくなりそうだ。かといっていちいち上層部にお伺いを立てながら侵攻したんではドラマチックにもなりづらいだろうし。
 そいやこのあたり『1』のシナリオ(特に後半以降)は非常にうまく解決してましたな。さすが……と言っておこう(*1)
 ゲームにかぎらず軍事物という話はその性質上、どうしても政治と切り離すことはできない。かといって政治的に正しいことに比重を置きすぎると、プレイヤー的にはミリタリたい(新語)だけだったりするので余計な小難しいテキスト読ませんな! もう寝る! とかなりかねなくて難しいところだ。この矛盾を『1』は最初のうち軍事物とみせかけて、(開始1分後に恋人が死んだという伏線をうまく利用して)後半どんどん軍事からかけ離れた個人の物語にシフトさせていくという方法で解決していた。その後「坂田一族」というこれまた個人の物語的なギミックを逆手にとって最終的にまた軍事物に着地させるという手法もお見事。『1』やってないとなんのことだかさっぱりなことを書いていて申し訳ない。

 その意味ではダリル編が軍事とさらさら関係ねえやっていう個人の物語になるんだろうか。イベントシーンによれば、これからダリル編が始まるようです。

*1 さすが……と言っておこう

関係ないけど、ガンダムファンの間で使われる「ファースト原理主義」(無印の初代『ガンダム』以外のシリーズ作品を認めないという思想)という表現はフロントミッションでも使えることに今思い至った。かく言う僕は『オルタナティブ』も好きなのでファースト原理主義者とは違いマスヨ?

 « 前の記事
 « 「人生」トップページに戻る

コメントを書く

名前

あらすじ

 匿名上等・あいさつ不要・タメぐち有りというルール無用の残虐ファイトがまかり通る悪夢のコメント欄。そこでは管理者の「なんかノリが合わねえ」の一言でコメントが削除される恐怖政治が横行していた。
 その時、この地獄の地にあえてコメントを投稿する恐れ知らずの猛者が現われたのだ! いや、あなたの事ですよ?
メールアドレス
ホームページ
 « 前の記事
 « 「人生」トップページに戻る

「人生」から検索

「人生」RSS配信中

RSS 1.0 RSS 2.0 ATOM FEED RSD 1.0

(RSSの意味がわからないときは、気にしないのが一番です)

「人生」携帯版

アドレスを携帯に送る...

powered by MT4i