人生: ものすごく大ざっぱな省略

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2006.07.18(MOTHER2より)

ものすごく大ざっぱな省略

 何が困るといって、このゲームがもつ「ものすごく大ざっぱな省略」についてうまく説明できないことにつきる。
 この「ものすごく大ざっぱな省略」について具体的に書くといささかネタバレにさわるし、だいいち詳細にネタバレして書いたところで、どうもこれは実際に遊んで体験してみないといまひとつピンとこないような話なのだ。せいぜいがとこ「へー」と言われて終わるような話なのだ。すごく面白いことについて書いているつもりでも読んでる人には「ふーん」止まりなのだ。

 ためしにからめ手から話をはじめてみよう。
 RPGというのはたいていどこかに「大ざっぱな省略」が隠れているものだ。たとえば多くのRPGでは宿屋に泊まるとHPとMPが全快するが、いやちょっと待て仮に僕が瀕死のような気絶一歩前、足はガクガク目はうつろでもう何歩か歩くと毒が体全体にまわって死ぬという状態で、まあたとえばその辺の旅館に泊まったとして、少なくとも一夜にして全快したりはすまい。旅館のテレビのダウンタウン横目に布団でダラダラしつついつしか眠りに入ったとして、百歩譲っても翌朝は疲労と筋肉痛で動けまい。しかし多くのRPGはそのへん無視して翌朝には気力100%の寝覚めサッパリで宿屋をあとにすることになっている。
 これが「大ざっぱな省略」のひとつの例だ。
 なぜ省略するのかといえば、HPドン減りの大ケガだからといってそれに合わせて何度も宿屋に泊まったり出たりを繰り返すのは正直言ってかったるいからだ。もういいじゃんHP回復したいって気持ちはよくわかるし一瞬の宿泊で全快ってことで。それが「大ざっぱな省略」だ。ゲームの都合なのだ。こうした方がゲームは楽しく遊べるのだから、リアリティ等にはちょっと目をつぶってもらってこのさい大ざっぱに省略するのだ。
 経験値とレベルなんかもそうですよね。どこの世界にある一定の数値分だけ戦うと急激に強くなる人間がいるというのだ。でもこの方がメリハリがついてプレイヤーの目標もしっかりできて面白いのだ。ゲームの都合なのだ。

 さてここまで読んだ人でもせいぜい「ふーん」であろう。一向に話が面白くなる気配を感じないまま話をMOTHER2に戻してみると、このゲームは「大ざっぱな省略」どころではすまされない超ド級の「ものすごく大ざっぱな省略」をしばしばするのだ。
 それは普通に言ってふざけるのもいい加減にしなさいと真面目な顔で怒られるような省略で、プレイヤーを馬鹿にしているのかと怒られても文句は言えないような省略だ。
 しかるに!
 (↑ちょっと気持ち良かった)
 しかるに、このゲームはしばしば「ものすごく大ざっぱな省略」を平気でする。
 そしてそのものすごい大ざっぱさが、ブッ飛びすぎであるゆえに心をうつのだ。これだけバカを平気な顔でやられたら笑って納得しちゃうほかなくなるのだ。
 たとえば今日、主人公パーティーは言ってみればメチャ文明からかけ離れたっぽい場所にたどりついた。あ、この話はごくごくピンポイントな一点だけネタバレになります。ゲームの進行やシナリオの本筋にはまったく関係ない部分ですが、そうは言ってもネタバレには違いないので気をつけてください。
 この日記で前に書いていたろうか、このゲームではセーブは「電話」を使って行なわれる。電話機の前に立って「チェック」コマンドを押すとパパが電話口に出てセーブしてくれるのだ。「パパが電話口に出てセーブしてくれる」という段階ですでにかなりの大ざっぱな省略が起きている気もするが、そこはとりあえずおいておく。
 さて今いるここはメチャ文明からかけ離れたっぽい場所だ。電気とか確実に通ってない感じの場所だ。明らかにライフラインが自給自足で成り立っている雰囲気だ。ここに電話があるはずがない。あったとしたらさすがに不自然だ。いやまあそこは例の「おおざっぱな省略」というやつで、なんでか普通に電話だけは置いてある、ということだってあっておかしくはないんだけど、このゲームではそんな甘い話ではすまないのだった。
 さあここからがネタバレだ。読んでる人の覚悟はいいだろうか。このゲームのこの場所では、ある動物に話しかけるとセーブができるのだった。
 その動物はこともあろうに「電話の鳴き真似が得意」で、話しかけると電話の呼び出し音のように鳴き、相手が受話器を取った音のように鳴き、そして「パパがセーブしてくれる声」のように鳴くのだ。まるで電話そのもののように鳴くのだ。そしてセーブされるのだ。
 こ、こんな大ざっぱな省略見たことねえ!
 僕はこのゲームのことがあらためて大好きになった。

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 匿名上等・あいさつ不要・タメぐち有りというルール無用の残虐ファイトがまかり通る悪夢のコメント欄。そこでは管理者の「なんかノリが合わねえ」の一言でコメントが削除される恐怖政治が横行していた。
 その時、この地獄の地にあえてコメントを投稿する恐れ知らずの猛者が現われたのだ! いや、あなたの事ですよ?
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