1988年版 解説▼
前年から連続リリースのヘッドマスター/ターギットマスターシリーズに加え、その進化形といえるパワーマスターシリーズが登場。加えて新趣向のプリテンダー・シリーズもリリースされ、ギミック展開の充実はこの年ひとつの頂点を迎える。
その一方で、後年のラインアップを良くも悪くも席巻するマイクロウマスター・シリーズも登場。
この年のリリース数はきわめて多く、過去最大のオートボット36体、ディセプティコン36体。マイクロウマスター・シリーズが「数合わせ」の役割を果たしている面もあるが、これとシーコン・シリーズを除けば大半のシリーズが同数ずつのリリースという、非常に均等なキャラクター配分となっている。
同年、日本ではアニメシリーズ『トランスフォーマー 超神マスターフォース』が放映開始。前作『ヘッドマスターズ』が米国版アニメシリーズの形式を比較的忠実になぞっていたのに対し、本作ではいわゆるヒーローロボット物のテイストの強い、日本独特なヒーローアニメの手法をとっている。
ヨーロッパでの発売状況:
グランド・スラム、レインダンス、ビーストボックス、スクウォークトーク、バグリー、フィンバック、イグワーナス、マイクロウマスター・シリーズは発売されていない。
またイギリスではこれに加え、グラウンドブレイカー、スカイ・ハイ、スプラッシュダウンもリリースされなかった。
なおヨーロッパの数カ国では、オウバーバイトが「ジョーブレイカー」と名を変えてリリースされている。
日本での発売状況:
日本限定で放映された『超神マスターフォース』の影響を受け、この年の発売状況はアメリカと大きく異なっている。
非リリースとなったのはイギリス版ラインアップに加え、キャティラ、チェインクロー、ガンラナー、カーナバック、ロウドグラバー、スナーラー、ターギットマスター・シリーズ、トリガーボット・シリーズ、トリガーコン・シリーズ。ただしビーストボックスとスクウォークトークは発売されている。
一方、アニメ展開に合わせた日本オリジナルのトイやリデコレーションモデル、変名リリースも多数登場し、その数は実に40体にのぼる。大量すぎるため本稿では詳しい説明は省き、各トイの対応するキャラクターあるいは部隊名の名前を「日本版」として記しておくにとどめておく。
この年以降、日本のTF展開はストーリー・トイともに独自路線を歩み続け、初期TFのイメージとは大きく異なる独特の文化を形成していく。
Autobot Powermaster オートボット軍パワーマスター部隊
前年のヘッドマスター・ギミックの延長で、エンジンに変形するパワーマスター・フィギュアを同梱。このエンジン部を車輌のスロットに装着することでロボット形態への変形が可能になるという仕様である。
「パワーマスター」とは直訳すれば「力を支配する者」といったところか。powerの意味は広く、腕力・能力のほかにも権力や軍事力、電力などにも使われる。
オプティマス・プライム('84年の同名トイのデザインを踏襲しているが、完全な新作トイ)はロボット形態にくわえ、トレーラーとの合体で基地形態・強化武装形態(「スーパー・パワーマスター」)の2形態に変形可能となっている。
日本版:ゴッドマスター
英語名の「パワー」の意をくんで日本風にわかりやすくした結果が「ゴッド」か。