2000.05.01(家電・エレクトロニクスより)
タカラ ダイノバイザー

まあ安かったわけだし
やっぱデカい! 総プラスチックみたいなもんだから軽いけどデカ! とか思いながら接続。これ、ビデオ入力からヘッドマウントに直じゃなく、一回コネクタ(*1)経由するんですね。電源も含めてコードが一本にまとめられるのでいい感じ。で、さっそくヘッドマウントをヘッドにマウント!(頭悪そう)うわ、見づらい!
というか、予想はしてたんだけど。広告とかでは映画館のスクリーンばりの大画面効果、的なことがうたわれてましたが、当然そんなことはありません(*2)。なにしろ粗い走査線がバシバシ入ってるので、大画面というよりはどう見ても「小さな画面が眼前に置いてある」ようにしか見えません。コントラスト強いし、だいいち左右の視界調整がうまく合わないのでイヤな影とか入るし。一応調整はできるんですけど、微調整はできないという感じですか。画質はいまいちと言わざるをえまい(*3)。ひとことで言えば『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の広告みたいな感じになると言えます。
どうやらヘッドマウントのサイズがでかい関係上、いまひとつベストの位置に固定されないみたいなんですな。ベルトできっちり固定したつもりでも、いつのまにかズレてたりする。ちなみにメガネ着用のまま使用可能ですが、フレームが微妙に圧迫されてクラッシュの恐怖がけっこうデカいです。でも、安かったしこんなもんだと思うな、オレは。
使ってみまショー (しょぼい)
まずは映画を見てみましょう。『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』を見るとちょうどいい気もしますが、ここはたまたま手元にある的な感じで『ダイ・ハード』を見てみましょう。……こ、こいつは! 迫力満点です! 嘘です! 迫力ゼロです。あーなんか画質の悪さがものすごく悪い方向に向かいますね、映画とかドラマとかだと。超ミニ画面でしかも画質悪いテレビをむりやり近距離で見せられてるような感じで、全然ダメです。そのへんはわりと予想されてたことではあるので、今度はゲームいってみます。自分視点のゲームとかだと面白いんじゃないでしょうか。ドリームキャストの『クレイジータクシー』(*4)あたりで。……こ、これはマジで迫力ある! 冗談抜きに! 意表を突かれました。おおお、なんだこの奇妙なうねりは。ん? これって3D酔いに近い状態じゃないのか。
つうことで、このダイノバイザーを装着してると、今までと違う視点世界が広がることが判明しました。簡単にいうと、自分視点のゲームだと微妙ながら体を振ったり首を振ったりしてるもんですね、ゲーム中。普通だったら首を振ればテレビ画面は視界から消えたり見切れたりするんですが、ダイノバイザーだと自分の首を振っても画面がつねに眼前についてくるわけです。これ、けっこう平衡感覚が失われて楽しいです。うわ、これ面白いわ。手軽な絶叫マシーンみたい。これだけのために買う価値アリとみたね。3千円だし。
続・使ってみまショー
では、もっと3D酔いっぽいかんじで、視点移動ばりばりのニンテンドウ64版『ゼルダの伝説』(*5)いってみましょう。……あ、意外に酔わない。視点移動しすぎるゲームだとかえって三半規管がそれにそなえるのか、それほど平衡感覚に問題はありませんでした。でも『ゼルダの伝説』、これ、しばらくプレーしてるとけっこう画面にド迫力が出てくることを発見。もともと風景の遠近がすごく計算されたゲームなんで、画質悪いとはいえダイノバイザーで見るとけっこう遠くのものは遠くに、近くのものは近くに見えます、マジに。慣れると本当に映画のスクリーン気分にすらなれます。これはスゲエ。拾い物。
さてそれではこのダイノバイザーを買ったそもそもの理由、『フロントミッション・オルタナティヴ』(*6)やってみます。……ウオオオオ! すげえ! サイバー感満点です。画質の悪さとか走査線とかがまさに未来兵士気分を助長しまくってとんでもない臨場感です。オッス! オラ、サイバー兵士! とかいう雰囲気です。決してゲーム中エキサイティングとは言えないゲームですが、ダイノバイザーを装着すると臨場感が500%程度アップするので大変ドキドキしながらゲームできます。死ぬのか! オレはここで死ぬのかーッとか思いますよマジで。やべえ、楽しすぎるわコレ。いまなら『オルタナティヴ』じたい中古だったら1000円以下という超安値で売られてるので、これはダイノバイザーとセットで購入すべきですよ。
まあ、どっちもいまどき売ってないとは思うけどな。
*1 コネクタ

それほどかさばらないので安心です。
*2 当然そんなことはありません
当然って。*3 画質はいまいちと言わざるをえまい


通常の画像(左)を記憶をもとに画像ツールを使って再現してみた(右)。