人生: 過去ログ 2008年12月

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過去ログ 2008年12月

※下に行くほど新しい記事です。

2008.12.06(マンガ・アニメ絵より)

サナギさんとお花見。

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 「お花見って言葉 なんだか漠然としてるよね 花だったらなんでもいいのかな?」から始まるストーリー。

 劇中では絵柄上、サナギさんとフユちゃんはお互い正面(読者側)を向いて顔だけ微妙に相手に向けている、という構図が多いんですが、その距離感ってどのくらいだろう?とか考えながら描きました。

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2008.12.06(マンガ・アニメ絵より)

バスよりも メロスよりも 早く走った少女

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バス停に着いたフユちゃんが凄く息を切らしていたろう?
先にバスに乗って行ってしまったかもしれないサナギさんのために、それでも彼女は待っているだろうと信じて大急ぎであの子が走ってきたかと思うと、おいらはなんだか胸がきゅうと締め付けられるのさ。

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2008.12.06(マンガ・アニメ絵より)

フユちゃんの顔のこと

このへんの絵を描いてて思ったこと。
フユちゃんは無表情と言うよりは「表情の変化が外に表われない子」なんじゃないかなあ、となんとなく思った。

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2008.12.06(マンガ・アニメの話より)

ありがとうサナギさん

 エヴィバデダンシーン!(挨拶としてはかなり知性を感じさせない挨拶)
 約2年ぶりのごぶさたです。まあときにはそんなこと(約2年放置したりとか)もあるさ。杉浦印字でございます。ヒーロークロスラインを読むためだけにWindowsマシンを1台よぶんに所有しております。杉浦印字でございます! 2年ぶりに書いてるというのに文章がここまで気負いを感じさせない適当っぷりというのもわがことながら驚くが、器のでかさを感じさせるとは言えるのではないでしょうか。そういや思うんだけど、器もでかけりゃいいってもんじゃないよね。カレー食べる時とかさ。←さ、じゃねえ

 そんな日本のラブマシーンこと僕がいまおすすめするのが、『サナギさん』であります。うん、このあいだ最終回をむかえたやつ。
 いまかよ! と言うのはたやすい。だいたい息を吸うのと同じくらいたやすい(かなりハードルを低くしてみた)。しかし諸君、あの最終回をもって『サナギさん』はそれまでの十分おもしろくユカイでかわいくも理屈っぽいいつもの『サナギさん』からさらなる高みにのぼったのだ。どういうふうに? それは実際にその目で見てもらいたい。何の説明にもなってないすねこれ。大丈夫、これまだ話のマクラ的位置だから。でも実際読むといいと思うよ、サナギさん。
 それはそれとして、そしてその後発売されたコミック最終巻の描き下ろしにおいて『サナギさん』はこれまた高みにのぼったのだった。見えぬ! 見えぬ……この男の限界が──! などと原哲夫マンガぽく思ったのはともかく、こいつはすげえぜ!という気持ちぬぐいがたく(ぬぐわなくていいね)、たまごまごさんの「サナギさんありがとう企画」に参加させていただきました(本題)。
 具体的に言えばこのあたりに投稿させてもらったわけですが、そちらにある通りpixivにて絵を公開しています……って、pixiv登録制限中かよ!(わかりやすいひとりボケツッコミですね)

 でまあ時は若干すぎて昨日。買ったチャンピオン読んでたら、終わったはずの『サナギさん』載ってんじゃん! む、村長(むらおさ)、こいつはいってえ! 山の神のたたりでねえべか、村長! とかいう話もこれといってなく特別編2ページだったわけですが、このちょいとしたミラクルに心わき肉おどり(後半よけい)、pixivにアップした絵も普通にこのサイトにアップしてみました。このへんとかこのへんとかこのへん

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2008.12.15(マンガ・アニメの話より)

初コミケ

 日本におけるリオのカーニバルと言われて久しいコミックマーケット略してコート。(おしい)
 みんなコミケ行ってる? 僕は行ってません。こちとら北海道住まいだしそこまで気合いが入ってない弱オタク。コミケ? アレでしょ、犯罪者の巣窟なんでしょみたいな認識でいました(※いません)が、このたびコミケデビューを果たします! いままでありがとう!(完結)

 まー実際には同人誌に寄稿させてもらったという、そういう話なんですが。コミケに行くわけではないです。
 ハイ注目! これから広告! ややライムに乗せたが言ってることは生々しい! あ、お金とかは僕に発生しません(一応言っとくあたりが気弱)。
 内容はずばり『サナギさん』。本当サナギさん好きだなお前! と言われようが好きだからしかたない。
 たまごまごさんのサナギさんアンソロジー本『サナギさんありがとう 〜バスよりもメロスよりも早いよ』に4ページほど僕の原稿が載ってます。はっきり言って僕は浮いています! 見りゃわかるでしょ、僕が場違いでしょ普通に考えて。スラムダンク風に言えばなぜ桜木がそこにいるんだぁ━━!! 的な立ち位置ですよ。ドラゴンボール風に言えば「残像だ」的な立ち位置ですよ。若干たとえ間違えてる。
 まー同人慣れしてない僕にできることはサナギさんへのリスペクトを徹底することだけです。その点ではやれるだけのことはやったと思います。

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2008.12.20(マンガ・アニメの話より)

このマンガが個人的にすごい (2009)

 『このマンガがすごい! 2009』ベスト10×2ランキングのうち読んだことのある本が3つ(『GIANT KILLING』『アオイホノオ』『よつばと!』)しかなかった僕ですが、がんばって生きています。
 なんだか湿っぽくなっちゃいましたね。

 この時点ですでに「このマンガがすごいって言う人」とのセンスやアンテナの乖離が凄いことになってることが判明しましたが、そういう僕なりに今年の「すごい!」ベスト10を挙げてみようと思います。いわば Myこのマンガがすごい! 2009。舞妓のマンガがすごい、すなわち倉科遼先生の『華なりと』のことでしょうか。ごめんダジャレだけでここまで文脈がとりかえしつかなくなるとは思ってなかった。
 なお、この思いつきは360度の方針転換様に激しくインスパイアされております。それと、以後各タイトルの横にあるリンクは一時的に試してた「ブクログ」へのリンク。文体がだいぶ違っても一応僕の文章です(つまり、あんまり参考にならない)。

10位『ムダヅモ無き改革』大和田秀樹
 いきなりでなんだけど、けっこう話題作じゃねえ? このあいだ本屋で政治書のコーナーに置いてあるの見たよ。←それはそれでどうかと思うけど、実話。
 小泉総理人気がちょうどスーパー高かった時期に始まったこの連作、時代性というかいまこの瞬間でないと面白くない「旬」というものがあるのでこの場に持ってくるのもちょっと躊躇しましたが、そこで描かれている男の中の男の世界は普遍的なものであろうとあえてエントリー。
 「事実は漫画よりも奇なり」を地で行く政治家のキャラ達(元KGBでコマンドサンボの達人で大統領って、普通にマンガで出てきたらとんだ厨設定だよ!)が大和田秀樹空間でこれでもかと男らしく描かれる大熱血は必見。はじめただのギャグキャラだったタイゾーがしだいに男を見せていく姿には素直に感動したよ!

9位『鉄のラインバレル』清水栄一, 下口智裕 10
 アニメになって絶好調ですが、ごめんアニメ版は観てないです。だって地方で放送してないしさあ! PCオンデマンドで観るのもさすがに限界がねえ?
 とかいう話はおいといて、このマンガ今年になってからの加速がスゲエ。いわゆるキリヤマ編の盛り上がりが山場につぐ山場、基本的に脇役を掘り下げるシリーズとはいえクライマックスでは主人公にちゃんとスポットが当たり、またその動機付けが非常に自然で上手いとくる。こ……このマンガ、今まで思っていたものとは何かが違う。認識を改める必要がありそうだ……。そして続くカウントダウン編の静かに溜めて溜めて華々しく爆発する熱い展開がまた燃えるんですよ。
 今年の注目株としては絶対に無視できない作品だったと思う。

8位『フルセット!』梅田阿比
 ええ打ち切りですよ! 打ち切りですがそれがなにか?
 ああもうずいぶん前の話のような気がしてたけど、まだ半年前くらいのことだったんだなあ。現在新連載『幻仔譚じゃのめ』がまたえらいことに(いい意味で)なっている梅田先生の不遇な前作ですが、これまた今年に入ってからのスパートが凄かった。とにかくキャラは立ちまくるわ物凄く熱い大熱血だわ別になにもしてないのになんか知らんが絵がエロいわ、しかも打ち切りとはいえきちんと畳みきって終わるスッキリ感。
 全5巻と非常に手頃なところもあるし、集めてみてもいいんじゃないかと僕などは思う。まあ、連載終了したチャンピオンコミックスなんて本屋でなかなか見ることもないとは思いますけども(がっかり)。

7位『惑星のさみだれ』水上悟志1〜6
 このマンガがすごいのは完全に今年にはじまった話じゃないですよね。第1話から安定してずっとすごいよ! ただ、まあ、僕がこのマンガを知ったのが今年の10月だったので。本当はもっと高いランクでもいいと思ってたくらいです。
 このマンガについて一言で説明するのはとても難しいんだけど、ひとつ言えることがあるとすれば「女の子に言ってほしい言葉ランキング第1位:『さあ、一緒に世界を滅ぼしにいこう!』な僕にドストライクなヒロイン」ということです。嘘じゃないが、間違った紹介だと思う。
 ヒロインの件はとりあえずさておき、話の大筋は現代異能力決戦もの。とつぜん青少年数名が異能にめざめ、そして異形の敵が……、そして結果いかんで世界は……、とか、そういう。そんなジャンプイズム全開の話に反して、そのお約束をことごとくスカすとぼけたキャラクター達! 飯食ってる場合か! と思わせた隙をついて熱く燃ゆる精神の慟哭! 笑いあり熱血ありをオフビートに描く傑作。

6位『ブラック・ジョーク』田口雅之 / 小池倫太郎
 過剰すぎるほど過剰な表現で「どうかしている」と思われがちな田口雅之先生ですが、まあ実際どうかしていると思います。
 しかしそんな過剰さも、本作のB級臭あふるる設定(もちろん最上級のほめ言葉)の上ならばむしろ絶妙のスパイス。日本の一端に集った殺し屋たちの「タフな日常」を主役を次々交代しながらワンエピソード単位で描く贅沢な構成、ワクワクするじゃないですか実際。原作とも息が合っているのか、キャラも皆これでもかとクドくも生き生きしていて魅力的。R18な暴力表現ばりばりですが、後に引くイヤさは無いので青少年にもオススメ……は、できんか、さすがに。

5位『空色動画』片山ユキヲ1〜2
 もうこのマンガ大好き! 青春ばんざい!
 そりゃね、絵柄はいまどきの少年マンガとしてかなりギリなラインで地味ですよ。むしろ1巻の段階では話すらかなり地味ですよ。自主制作のカートゥーンアニメにハマる話なんて、まあどう見ても地味じゃないですか普通。けどねえ、地味で「それしかできない」少女とド派手な性格のクラスのお祭りリーダー少女となんでもこなす実力派の姐さん少女が手を組んで、クラス中を巻き込んで果敢に困難に立ち向かって学祭で爆発するんですよ! カッコいいじゃないですか。燃えるじゃないですか!
 このクラスのみんなが「理屈ぬきでただ意味もなく夢中になっている」姿が、またぐっとくるんですよ。みんなで一緒になって盛り上がってる感、つうか。
 雑誌連載では第一部学祭編はけっこう前に終わったんだけど、単行本ではいよいよ決戦の日!というすさまじくいいところで止まってるのがある意味もったいない。その後取材期間とかで連載でも空白があるから3巻がいつになるかわかんないしさあ。

4位『HUNTER×HUNTER』冨樫義博26
 うわあ普通! という声もありましょうが、昨年末の『HUNTER×HUNTER』復活からこっち、凄まじいテンションでこの1年楽しませてくれたのは間違いない事実。今年発行された25巻と26巻の異常な密度の濃さときたら、もう休載とかほどほど程度ならいくらやってくれていいからとにかくこのテンションを維持してくださいあとのことはもうどうでもいいです。というくらいの内容。
 というかぶっちゃけた話、今まで単行本買ってなかったんですがこの展開読んで一気買いした。なので今年の「すごい!」でOKなのだ。個人的に。

3位『サナギさん』施川ユウキ
 まったくもうアンタときたら口をひらけばサナギさんサナギさん、いつになったら『12月生まれの少年』の話をするのかしらね! ああそういや『12月生まれの少年』はそれはそれでまた違った面白さがあるのですごい。
 が、まあ今年のビッグトピックといえばどうしても外せないのが本作の最終回。おいおい、今までものすごく面白い理屈こね回しマンガだったのに、最終回になって突然芯から叙情的で面白い理屈こね回しマンガになるなんて聞いてないぜよ。叙情的でありながらカラッとして普段から並外れた逸脱(打ち切りマンガ的な、ああいうの)もせず、それでいて一段高いステージに上ったこの最終回は僕の心の大事件だったのです。あと、その後の描き下ろしもね。

2位『FLIP-FLAP』とよ田みのる
 ベスト2のここにきて短編(単行本1冊)ものの登場だ! もう単行本1冊なんだからみんな買っちゃえよ!(無茶)
 まー知らない人むけにひとことで言えばピンボールラブコメってことになるんでしょうか。好きなあの子がピンボールマニアで、彼女に近づくためにピンボールを練習するっていう、うん、いま僕は自分がおもしろいものを物凄くつまらなく表現するセンスの持ち主だと自覚できた。
 えーと何が面白いって実はこれ青春熱血ストーリーでもあるんですよ。とある「目標」を目指して日夜ゲーセン通いしてピンボール練習し続ける様、まるでスポ根のごとし。この表現がねえ、固定台のメカゲーのくせに、スポーツ漫画ばりにやたら熱いんですよ。そんでまた周囲のピンボール仲間がみんないい奴ぞろいで、一緒になって盛り上がるのね。こういう言い方もアレですけどたかがピンボールじゃん。それを全員で一緒に大騒ぎするなんて輝いてるじゃないですかこいつら。
 絵柄も独特だけど気にならない独特さっていうか、むしろこの絵柄でないとだめだっていうか、まあ簡単な例として、ヒロインがあんな顔なのに超かわいい。性格とか仕草とか、そら惚れるわ! ヘンな子だけど! いやだからこそか?
 まあそんな具合で言い出せばきりもなく、短編部門ではブッちぎりのMy1位ですわ。

1位『ミスミソウ』押切蓮介
 またどえらいマンガが1位にきたものだな……。ひとごとのように言っていますが、こういうセリフを1度言ってみたかっただけなので大丈夫です。
 しかしまあ実際のとこどえらいマンガであり、この企画が「みんな読んでみようよ! イェーイ!」的な側面をもつからには言っておかなければいけない。おすすめはしません!
 ざっと単行本のオビにも書いてあるレベルで大筋を説明すると、夢も希望もないような過疎化しつつある田舎(現代)で主人公の少女がイジメにあい、エスカレートしてついには両親が殺されてしまう。そして少女は復讐の凶刃に手を染めるのだった。という、簡単に言ってハートフルストーリーの真逆みたいなストーリーです。
 こ、これはおすすめできねえ! しかしこのマンガはすごい!
 ストーリーの表層だけなぞるとそんな話ですが、えーとチャチな言葉使っていい? 全体のムードがとても詩的で美しいのです。うわあチャチな言葉。こんな駄文でしか表現できないのがもどかしいけど、本当に何にもない田舎の秋から冬の風景、深く静かに降る雪の景色があのあらすじに反してじんわりくるんですな。
 なんていうかなBGMでたとえればホラー映画的な「キン! キン!」とか「グワァァアーー!」とかの恐怖や焦燥をあおるBGMがかかりそうにない感じ。このマンガに似合うとすればノイズではなく、ピアノやバイオリンだと僕は思う。
 ひどいことやってんですよ双方。余裕で血とか出る。あー痛いこれは痛いわ、と思うことが起きてるんだけどそのことがまあ、たいしたことじゃないかと思うくらいに雪の風景の中に沈んでいるわけですよ。これたぶん死や痛さの重みを「登場人物が」意識しなくなってしまっているコワさの意図的な演出だと思うんですけど、同時にひどく哀しく美しいんですね。
 あと面白いのは、いや面白がってる場合かどうかわかんないですけど、意外とイジメもカラッと描写されてるんですね。んーと説明が難しいけど『元気やでっ』(注・たとえがふるい)みたいな読んでてああもうこんな世の中終わってしまえばいいんだ的な気分にはならないっていうか、精神にクるイジメ描写じゃないんですよ。かなり淡々とステレオタイプに描かれていて、もちろんそれが両親殺害というクライマックスですごい反動になるんですけど、その殺害さえも結果のひどさはさておき、描写自体はネチネチしてない。むしろ苦しむ姿とかは省略されてるんですよ。主人公も完全に孤立しているわけじゃなく、1人とはいえ親身にしてくれる少年がいたりおじいちゃんが優しかったり、なんつうかある種それほど絶望的じゃない世界。そこで絶望が起きるからこのマンガがすごいということになるわけですけど。オススメ。
 って、オススメしちゃダメだー!

 と、10位から1位までランク付けしてみたところかなりの率で「熱さ」とか「熱血」がキーになってることに気づいた。とんだジャンプ脳ですね。そういうジャンプマンガはHUNTER×HUNTER1つしかランクインしなかったけど。
 他にも選外になったけどすごいマンガは一杯あったねー。まず『みつどもえ』は鉄板。4・5・6巻とすさまじいテンションで面白さがヒートアップする1年でもあった。というか、回を追うごとにパワーアップするマンガなんで「今年」すごかったなら「来年」はもっとすごかろう、という意味で選外。
 『どきどき魔女神判!』()の驚異的な悪ノリも今年最大の「事件」ではあったと思う。パロディの元ネタがチャンピオンREDを中心にしているという間口の狭さ(だって、せまいでしょ?)からランキングには入れませんでしたが。
 チャンピオン漫画でいえば『白亜紀恐竜奇譚 竜の国のユタ』から『D-ZOIC』に続くシリーズも、今年に入って本格架空戦記物になって一気に盛り上がったし、『GAMBLE FISH』もビリヤード編クライマックスから阿鼻谷ゼミ編まではテンション上がりっぱなし。『聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話』もハンパ無い原作愛と見事な「料理」のしかたで輝いていた。『マイティ♡ハート』もちょいエロコメと見せかけて限界(主に打ち切りラインの限界)に挑むデタラメぶりをちょくちょく見せてくれた1年でもあった。ああ、デタラメといえば『悪徒 -ACT-』もあのデタラメな最終回をふくめて忘れることはできない。一見キワモノのようで、まあ、実際キワモノではあったけど、真剣に面白くカッコいい漫画だったのに。帰ってきて、お願い!
 『ゆうやみ特攻隊』は『ミスミソウ』と同じ作者なので外したけど、表裏の関係のようなこの2作、こっちはこっちでメチャメチャ面白い。特に今年、2巻以降の展開は神がかっていた。
 ガビョ布先生の久々の新作『日本全国豆投げ音頭』はこの中で唯一18禁なのでランクインとかそういう問題とはまた別の問題ですが、ヘンでバカでオモロでときどき奇妙だったり奇抜だったりとんでもなかったりを暖かい世界で描く、ガラクタおもちゃ箱のような短編集。ようじょエロ本を本棚に置いて悔いナシという人は読むといいと思う。
 今年『弱虫ペダル』『まじもじるるも』とまるで違う方向性で同時にずば抜けた実力を見せた渡辺航先生は、もう『制服ぬいだら』復刻版刊行という大ニュースも含めて本人がすごい。ランクとかそういう次元じゃない。
 『ノノノノ』。作者(岡本倫)の「あの『エルフェンリート』の」というバイアスをかけずに読んだ方が面白いと思うんだけど、というくらいスリリングで楽しくあとヘンで面白い。皆川亮二のとどまるところを知らない安定感を見せつけた『PEACE MAKER』、「H×Hの子供達」でありながらジャンプに新たな地平を切り拓いてみせた『トリコ』、特撮・SF・コメディ・全裸という食い合わせ以前になんだわからないごった煮をめっぽうおいしく調理した『ミカるんX』、全4巻まとめて読んだ時の凄さ『ツレビト』、どれもすげえよ!
 そして「ヒーロークロスライン」シリーズの作品群も、なんつうか実際初期の頃はこういう企画をどう進めればいいかのノウハウがまとまってなかったんだろうなーというグダグダ感が正直、正直ございましたが、今年それも後半に入ってからのスパートが凄い! 掲載先がもうじき死ぬという逆境! それをものともしないキラ星のような新作群! がぜん盛り上がる旧作群! 新しい掲載先も決まったし、来年こそはHXLシリーズにとって良い年であってほしいですね。

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