2004.06.13(PC・ゲーム関連より)
ATI REMOTE WONDER (Remote Control Bob)
詳しくはXF-600の項をお読みいただきたいが、まあとにかくそんなわけで風呂場からパソコンを制御しないわけにいかなくなったのだった。そこで発見したのがこれである。
いったい何者だ
まずはこのデバイスについて説明しよう!(いい声で)商品構成としては、パソコンのUSBポートにつなぐ「受信部」と、そこに電波を発信するリモコンから成る。構造的には無線ジョイスティックとか無線多ボタンマウスとかに近いといえるだろう。
ドライバCD-ROMも付属しているが、Macintosh OSX用ドライバ(英語)はATIのページからしかダウンロードできないので注意。まあ実際Windows用の最新ドライバ(日本語)はここからダウンロードした方が無難だし。でまあドライバを入れることで、リモコンからPCを操作できるっつうからくりだとかなんとか。
だが、その前にこのデバイス、どこのメーカーが作ってるなんて名前のデバイスなんだ?
グラフィックドライバで有名なATI社の『REMOTE WONDER』というプロダクトだと思ってたんだけど、送られてきた箱はSAPPHIRE社の『Remote Control Bob』(画像)だったりした。で、その中に入ってるリモコン本体にはATIのロゴがバッチリ印刷されてるんですが、いったいどういう存在なんだお前。ガーベラ・テトラみたいなもんなんだろうか(*1)。
そして箱をもうちょっとよく見ると、アメリカンなキャラクター(かわいくない)が「Push my buttons - baby.....(ベイビー、俺のボタンを触ってごらん……)」と言っているので、なんか、もう、死にたくなってきた。まさかこいつの名前がボブ、すなわち「リモートコントロール・ボブ」なのか。このデバイスを使う自信がなくなってきました。
Mac用デバイスだった
このリモコン、基本的にはPCを遠隔操作するためのデバイスだ。たとえば上の方にあるゲームの操作パッドみたいなやつ(『ぴゅう太』のパッドに近いが、わかんねえよそのたとえ)を押すっていうか倒すとその方向にマウスカーソルが動く。その右にあるボタンを押すと右クリック、左のボタンは左クリックという具合だ。デフォルトでは「WEB」ボタンを押すとブラウザが起動したりもするが、このあたりの割り当てはドライバソフトから変更可能だ。アプリ起動や、任意のキー入力(*2)を割り当てることができる。実質的にマウス操作ができる(ボタン操作なんで使いづらいけど)上に、アプリ別に大半のキーボードショートカットを割り当てることができるので、文字入力の必要なソフト以外はたいてい遠隔操作できるとすら言える。……んだけど、それはMacintosh上の話。
はっきり言おう。このデバイス、Windowsじゃ使いものにならねえ!
正直ビックリしたっていうか、たぶんWindowsでは(ATIのビデオボード『ALL-IN-WONDER』シリーズに同梱されてる都合上)動画とかテレビ放送見る以外のシーンで使うことは考えてないんじゃないでしょうか。
具体的には、44個もボタンあるのにそのうち6個しかカスタマイズできない。って、え、ちょっと、マジ!? いま数えてみてあらためて衝撃だったんだけど。
これは冗談ではない。マジ話「A」〜「F」までの任意ボタンとして位置づけられてる6個以外はユーザーが割り当てられないみたいなのだ。ちなみにWindows XP用ドライバver.2.3.0.1(あまりに信じがたい仕様なので、このバージョンに限ったバグかもしれないという考えを捨てきれない)。
一応ほかのボタンの挙動はアプリ単位でプラグイン(.dll)形式(*3)でロードする仕様になってるんだけど、それはなにか、自作しろっていうのか。これを自作できないかぎりは、そもそもいわゆる「Global Setteing」しかカスタマイズできないので、アプリ単位で設定を変えることすらできない。お、お前、わざと使いづらく作ってねえ?
マウス操作+キーボードショートカット(またはアプリ起動)6つのカスタマイズだけでどれだけのことができるのか? 正直言って、ろくに使えたもんじゃないと思う。一見Windows用のような顔をして売られてるこのデバイスだが、実はMac用だったというこの事実!
ニッチな存在として
そんなWindows版がアレなことになってる一方、Macintosh上ではカーソルとマウスクリックボタンの2つ以外は全部アプリ単位でカスタマイズ可能というかなり強烈な自由度を発揮してるので大いにアリ。たとえば最近発表されたAirMac Express使ってMacのない部屋で音楽を聞きたいなんて向きには非常にピッタリなんじゃないだろうか。たとえばGlobal Setteingで「電源」ボタンをiTunes起動に割り振っておいて、iTunes特有の設定では「再生」ボタンだの「早送り」ボタンだのにキーボードショートカットを割り振るという具合だ。もっとも、そのときMacを操作してる人がいたらウザいことこの上ないだろうけど。
個人的にはMacからHDDレコーダーを操作してその画像をお風呂テレビで見るというかなり倒錯的な使い方をしてるけど、これは確かに使える。無線の出力がこの手の製品としてはやや弱めで、壁2枚へだてると相当へばるんで環境によっては難しいかもしれないけど。
まー実際Mac自体がマイナーなうえに無線で遠隔操作するっていう用途も使いどころが限られる感じなんで、相当に使う人を選ぶデバイスだろうなーとは思う。
いや、まあ、本当はパワーポイントとかキーノート使ってでかいスクリーンでプレゼンテーションする時に便利なのはわかってるんです。わかってるんですが、そんな真面目な用途に「リモートコントロール・ボブ」なんてキャラ使うか、普通?