人生: 本の話(まとめ読み)

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本の話(まとめ読み)

※下に行くほど古い記事です。


目次から...

2003.10.12(本の話より)

自己嫌悪

 ひさびさに自分が立派なDTだなあって思わされたね実際。
 今日行った本屋の話なんだけど、文庫本のコーナーに唐沢俊一の『トンデモ一行知識の世界』が置いてあって、唐沢俊一好きだし前から読みたいとは思ってたけど現実問題として本屋になくて買えなかった本なんで、これ幸いとばかりにいますぐ買えばいい場面なんですけど……オビにさ、「『トリビアの泉』番組スーパーバイザー唐沢俊一が贈る『へぇ』と、うなるムダ知識!」とか書いてあって……マジでレジに持ってくのが辛かったんだけど、なんだろうこの気持ちは。
 流行り物に乗ってると思われるのが恥ずかしいって気持ちだとしたら、なんかもう凄いDTですよね相当な。ていうか実際問題として自分も毎週トリビアの泉観てるんだから恥ずかしがるのは確実に間違ってるんだけど、それでも恥ずかしかったなあこれ本気で。メガストアの表紙より恥ずかしかったですよあの時僕の中では。いや別にメガストア買ったことはないけど。
 あるいは誤解されたくない的な気持ちで、トリビアめあてじゃなく唐沢俊一めあてで買ってるということを分かってもらいたい(誰かに)という感情なんでしょうか。それはそれで自意識過剰にすぎるというか、やっぱりDTを過度にこじらせた感じで、なんかもう、だめだ。
 というかもう、そもそも誰に対して恥ずかしがってるのかっていう話ですよ。本屋の店員に見られて恥ずかしいっていうのは、それは、どうなんだ実際。
 だいたいそのとき一緒に買った島田荘司の『ネジ式ザゼツキー』がいっこう恥ずかしくもなんともないっていうのがすでにDTだ! もう救いようがねえな! お前なんかDTをこじらせて、ひとかどのものになっちまえ!

※DTは「極めればとてもクリエイティブになりうる思想」という建前があるため、文章の最後に突然矛盾が生じてしまったことをここにおわびします。

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2002.10.14(本の話より)

小説に関する100の回答

「小説に関する100の質問」

この質問は『鉄の靴』の提供です(自家発電式)。
Q1

今まで読んだ中で、一番泣いた小説は?

壬生義士伝』(浅田 次郎) 。まーそのなんだ、泣き方にもいろいろあるとは思いますが、これに関してはもうわんわん泣いた。「主人公が死んじゃったから」とかそういう簡単なレベルじゃない、こう、胸に迫るものがよう。


Q2

今まで読んだ中で、一番屑だと思った小説は?

魔女の刻』(アン・ライス) 。主人公の女性が吸血鬼にエロ誘惑されて恋人 (もう1人の主人公) を裏切るくだりでもかなりいらいらしてましたが、その後、このアマが自分の赤子を殺されてもまだ目が醒めない段階でこの小説を読むのが心底嫌になりました。というか屑だよ、あんた心底の屑だ!


Q3

今まで読んだ中で、一番嫌な気分になった小説は?

切り裂きジャック・100年の孤独』(島田 荘司) 。話としては普通に面白かったんですけど、レイプシーンの描写が陰惨で嫌な気持ちになりました。


Q4

今まで読んだ中で、一番あきれた小説は?

水晶のピラミッド』(島田 荘司) 。本当の話、謎が特に解明もされず謎のまま放っておかれるミステリ小説っていうのは意外に多かったりもしますが、実際に読んだのはこれが初めてだった。あきれたなあ。


Q5

今まで読んだ中で、一番頭がくらくらした小説は?

ワールズ・エンド・ガーデン』(いとうせいこう)。話の内容もたいがいなものではあったんですが、冒頭主人公が薬をキメてバッドトリップに陥る描写読んでたらかなりくらくらと。なんか読んでるときにかけてたCDがハウス系だったのがまずかったのだろうか。


Q6

今まで読んだ中で、一番笑った小説は?

スターライト☆ぱにっく!』(火浦 功)。ちなみに前2作をとばしていきなりこの本から読み始めたんですけど、それもよかったのかも。ライトノベルの「お笑い」の文法はすでにこの時完成していたんだなあ、って今になって思う。


Q7

今まで読んだ中で、一番続きを読む気がしない小説は?

創竜伝』(田中 芳樹) 。たしか4巻のあたりまではとても楽しんで読んでいたはずなんだけど。えーと、というかいちおう10巻くらいまで読んでた気がするんですが、すでに6巻あたりからどんな話になっていたのかよく覚えていません。
※なお、この本にかぎりリンク先はあえてCLAMPが表紙を描いてる文庫版ではなくノベルス版にしています。心にかろうじて残っているいい思い出をなんとかして守るために。


Q8

今まで読んだ中で、一番幸せな気持ちになった小説は?

『刑務所のリタ・ヘイワース』 (スティーヴン・キング) 。〔『ゴールデンボーイ』収録 〕 涙を流しながら笑った (笑いすぎでとかじゃなくて) というのは、たぶん今までの人生でこの小説が最初で最後じゃないのかなあ。


Q9

今まで読んだ中で、一番恐怖を感じた小説は?

デスペレーション』(スティーヴン・キング) 。冒頭の警官にじわじわと追い詰められていくシーン。一過性の怖さといえばそうなんだけど、とにかく慣れない土地をプチ一人旅中とかに読んだりするもんじゃないね、この場面は。(実体験からいうと)


Q10

今まで読んだ中で、一番奇怪さを感じた小説は?

眩暈』(島田 荘司) 。おおむね御手洗清シリーズは怪奇性が強くなるほどミステリとして破綻するようになっていますが、これはだいたいにおいて幸運な例外だったと思う。とにかく冒頭の「本当にこれが解決するのか?」というわけのわからなさが素敵だ。たとえ一部ものすごい適当に片づけられた部分があるとはしても。


Q11

今まで読んだ中で、一番影響を受けた小説は?

学術小説 外骨という人がいた!』(赤瀬川 原平) 。文体とか物の見方とか、正直バイブル的存在ですよ。小説と呼ぶにはかなりギリギリというか無理がありますが、小説と作者本人が言い切っているので。


Q12

今まで読んだ中で、一番初読時と再読時のギャップが激しかった小説は?

ファイアフォックス』(クレイグ・トーマス) 。最初に読んだ時はサスペンス小説の楽しみかたというのをまるでわかってなかったので、なんて役立たずの主人公だ! 早く戦闘機に乗れ! それか死ね! 等とひでえことを思っていらいらしてました。


Q13

今まで読んだ中で、一番憧れた小説は?

ナルニア国ものがたり」シリーズ (C・S・ルイス) 。なんだかすごい普通な答えになってる気がするけど、そりゃ子供的にはナルニア憧れますよ。


Q14

今まで読んだ中で、一番疲れた小説は?

パナマの死闘』(セシル・スコット・フォレスター) 。心底面白いんだけど、文字通りの死闘をまる1巻にわたって繰り広げられた日には、読み終わったとき「やっと終わった」と思わざるをえないというものだ。


Q15

今まで読んだ中で、一番結末に納得のいかない小説は?

ストロング・メディスン』(アーサー・ヘイリー) 。ていうかそれは最初に読んだアーサー・ヘイリーの小説だからだけど、つまりアーサー・ヘイリーの小説ぜんぶ! 小説としてあんなに面白いのに、なぜラストで常に話をあいまいにしたがるのかがどうしても分からないんですが。


Q16

今まで読んだ中で、一番結末が意外だった小説は?

評決のとき』(ジョン・グリシャム) 。どんでん返しというのとはまた違うんだけど、うわーそうかーと驚かされるっていう、いや、まあ、結末にかかわることなんで詳しく書けないけど。


Q17

今まで読んだ中で、一番面白さの理解できなかった小説は?

ヴァーチャル・ガール』(エイミー・トムソン) 。いやあちこちで大変おもしろい神ノベルだといわれてるくらいだし多分つまらない小説じゃないはずなんですが、おそらく自分にはこの小説を読む素質がないのだと思います。マジでおもしろさがわかんないんだよなあ。


Q18

今まで読んだ中で、一番続きが気になる小説は?

ワイルド・カード」シリーズ (ジョージ・R・R・マーティン他) 。最高に楽しみなシリーズだったんだけど、なんつうか打ち切りみたいになっちゃったらしくて、日本では。かといって原書も在庫切れだし、あーあ。


Q19

今まで読んだ中で、一番予想を裏切る面白さだった小説は?

恐怖の誕生パーティー』(ウィリアム・カッツ) 。どう考えても面白くなさそうなタイトルだけど、これが謎と恐怖とサスペンスに満ちた良作とくる。たしかにタイトル通りの話なんだけど。


Q20

今まで読んだ中で、一番期待を裏切る内容だった小説は?

九百人のお祖母さん』(R・A・ラファティ) 。いや悪いのは間違いなく「大爆笑必至!」みたいな事を書いていた書評なんですが。笑いとはいってもこの本はそういう種類の笑いじゃねえだろと思います。後で読み返したら、スゲエ面白い短編集でしたよ。


Q21

今まで読んだ中で、一番心に残る言葉が出てきた小説は?

小説 F-ZERO […そしてスピードの神へ]』(尾崎 克之) 。ゲームのノベライズに何かを期待するのは間違ってるし、この人の他の小説がとりたてて凄いとも思えないんですが、この小説だけは奇跡的に素晴らしかった。最後のスワンの「走れ。走れ。走れ。」のまわりの一連のセリフは忘れられないですよ。


Q22

今まで読んだ中で、一番読むのをやめられなかった小説は?

眩暈』(島田 荘司) 。あのぶ厚い本を寝る前にちょっと読もうかと思ったのがまずかった。本当に解決されるのかどうか先がどうしても気になって、読み終わるころには朝ですよ。


Q23

今まで読んだ中で、一番青春の思い出と呼ぶのにふさわしい小説は?

銀河英雄伝説』(田中 芳樹) 。……なんかこれ、青春の思い出というと非常に気持ち悪いものがあるんですが。でもたしかにあの時僕は夢中だったし、実際いま読んでも変わらずに面白いのだった。


Q24

今まで読んだ中で、一番出版された事が喜ばしかった続編は?

大ハード。(未来放浪ガルディーン外伝2) 』(火浦 功) 。いや、このシリーズが楽しみだとかそういうこと以上に、この作者が生きていて本を書いたっていうことが。そういう思いとともにこの本を手に取った人は多いと思う。


Q25

今まで読んだ中で、一番出てほしくなかった続編は?

パーフェクト・キル』(A・J・クィネル) 。前作『燃える男』の重要な点を含むので詳しくは書きませんが、冒頭を読んだとき、いくらなんでもこれでは前作がだいなしではないだろうか、と思いました。


Q26

今まで読んだ中で、一番不当に低い評価を受けている小説は?

マンハッタン物語』(フランク・コンロイ) 。詳しく知ってるわけじゃないが、自分の知るかぎりではどうにも売れてないようだから。


Q27

今まで読んだ中で、一番不当に高い評価を受けている小説は?

バトル・ロワイアル』(高見 広春) 。すいませんこれ立ち読みで数ページしか読んでないんですが、そこまで売れるような文章じゃない気がしたので。真面目に読んだらたぶん印象も変わってくると思うんだけど、他に思いつかなかったし。


Q28

今まで読んだ中で、一番ハラハラした小説は?

ミザリー』(スティーヴン・キング) 。あるでしょ、あの定番の「気付かれないうちになんとかしようとして、でも危ない! 気付かれるよ! キャー!」っていう『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』の「オー・ララ万引き」。←せめてヒッチコックとか言えないのか


Q29

今まで読んだ中で、一番繰り返し読んだ小説は?

黒後家蜘蛛の会」シリーズ (アイザック・アシモフ) 。軽めの短編集はどうしてもつい繰り返し読んじゃう気がする。


Q30

今まで読んだ中で、一番「惜しい」小説は?

『トウキョウヘッド (『ファミ通』連載版)』(大塚 ギチ) 。いや本当どうしようもなくひどい小説だったんですが、あの短いスパンでぶつ切りにした構成とかゲーマーを中心に据えた設定とか、もし作者の頭の中の理想通りに書かれていたらとても面白かったんだろうなあって。ひどい事を書いている。


Q31

今まで読んだ中で、一番男性主人公が魅力的な小説は?

『エラリー・クイーンの事件簿』(エラリー・クイーン) 。紳士的で慇懃無礼な衒学趣味の優男というキャラクターがなぜ当時のアメリカ小説界の中に存在しえたのか、いまだに不思議でしかたがない。
※なお、最近の版ではオシャレを気取ったイメージぶちこわしの表紙な上に翻訳もスカスカでつまらなくなってるので、あえてリンクは貼りませんでした。古本屋で古い版を探すことを推奨。


Q32

今まで読んだ中で、一番女性主人公が魅力的な小説は?

ドロレス・クレイボーン』(スティーヴン・キング) 。ドロレスが歳とってから限定。それにしてもこの設問の答、なかなか思い浮かばなくって苦労しました。女主人公ってつくづく扱い悪いよなあ。


Q33

今まで読んだ中で、一番主人公の恋人 (あるいはそれに近い位置づけの存在) が魅力的な小説は?

二日酔いのバラード』他「トレース・シリーズ」(ウォーレン・マーフィー) 。チコ・マンジーニ最高ですよ。Q32でもよっぽど『チコの探偵物語』の主人公であると言えなくもないという無理のある理由でチコを推そうかと思いましたよ。頭が良くてひどく自分勝手でそれでいて嫌みがない、無敵のヒロイン像。特にシリーズ後半。


Q34

今まで読んだ中で、一番脇役が魅力的な小説は?

燃えよ剣』(司馬 遼太郎) 。つうかこの設問は幅が広すぎてしぼりきれねえよ!とわれながら思いましたが、とりあえず司馬版の沖田総司は素晴らしいと思う。あれだけ早い時期に沖田総司のひとつの完成形ができあがっていることは猛烈に凄い。


Q35

今まで読んだ中で、一番嫌な奴が登場した小説は?

魔女の刻』(アン・ライス) 。くりかえすようですが、あのヒロインはいっそ死んじまえばいいと思った。そしてその後で、あらゆる苦痛のうちになお死にきれずにいて後悔と絶望を感じていればいいと思い直した。ハードボイルド。


Q36

今まで読んだ中で、一番素敵な響きの人名の出てきた小説は?

ガンスリンガー』他「暗黒の塔」シリーズ (スティーヴン・キング) 。「ローランド・デスチェイン」っていくらファンタジー世界でもそんな名前、無茶だと思う。素晴らしい。


Q37

今まで読んだ中で、一番ひどい響きの人名の出てきた小説は?

『いなかぶり』(島尾 敏雄) 。これ教科書に載ってたんだっけなあ。ふつうの小学生の男の子の名前に「思無邪 (しむや)」はねえだろう、と思いながら読んだんだけど、その妙なところが個人的にはたいそう好きだったりもします。


Q38

今まで読んだ中で、一番魅力的な物体の出てきた小説は?

グッドラック 戦闘妖精・雪風』(神林 長平) 。「FFR-41 メイヴ〈雪風〉」。美しくて最強の機体で、なによりその性格っつうか、その、わかるでしょ?(無理にもほどがある)


Q39

今まで読んだ中で、一番魅力的な場所の出てきた小説は?

檸檬』(梶井 基次郎) 。この場所に魅力があるのは単に丸善の手柄だということは重々承知しているんですが。そもそも丸善の描写自体がたいして文章中にないし。それにしても最近の丸善ときたら堕落のきわみだと思うんですが、どうか。


Q40

今まで読んだ中で、一番豊かな小説は?

マンハッタン物語』(フランク・コンロイ) 。もう主人公が感動する場面ではまったく同じように読者も感動するっていう、それは他の小説が追いつけないレベルで。しかもその感動場面がけっこうに多いっていう。


Q41

今まで読んだ中で、一番美しい小説は?

イギリス人の患者』(マイケル・オンダーチェ) 。単なる砂漠の描写を読んでるだけで涙が出てきそうになるっていうのは、ただごとではないと思います。地雷解体の描写でも泣きそうになるしね。なんだそれ。


Q42

今まで読んだ中で、一番痛快な小説は?

『ア・ラ・カルト』(ジェフリー・アーチャー) 。〔『十二の意外な結末』収録〕 徹底的なサクセスストーリー。それにしてもキレイに「痛快!」っていう小説って意外に少ないもんだなあ、とこの問の答考えてて思いました。


Q43

今まで読んだ中で、一番ナンセンスな小説は?

宇宙クリケット大戦争』(ダグラス・アダムズ) 。ここまでいい意味でくだらない発想がいったい頭のどこからわいてくるのだろうか。中でも白眉は今作で初登場した新方式の宇宙船。全編が心底くだらない思いつきだけで構成された、心底すばらしい小説。


Q44

今まで読んだ中で、一番読みにくい小説は?

指輪物語』(J・R・R・トールキン) 。読んでる最中、何度も自分が何を読んでいるのか分からなくなった。中学1年のころに読んだせいなのかなー。


Q45

今まで読んだ中で、一番内容が薄い小説は?

アイドル防衛隊ハミングバード』(吉岡 平) 。「今日はもう疲れた! でも本は読みてえ! だから楽に読める中身のない本を!」というコンセプトで買って、まさしく期待通りで満足。いや、皮肉じゃなくて。


Q46

今まで読んだ中で、一番説教臭い小説は?

はてしない物語』(ミヒャエル・エンデ) 。読んでいるうちに怒られているような気持ちになったものです。特に最後の方。そんなに怒らなくたっていいじゃん、とか。読者を。


Q47

今まで読んだ中で、一番恋愛の描写に優れている小説は?

『ある愛の歴史』(ジェフリー・アーチャー) 。〔『十二本の毒矢』収録〕 ものすごく短い中に、イギリス的な愛が濃縮されて詰まってらっしゃいます。


Q48

今まで読んだ中で、一番友情の描写に優れている小説は?

壬生義士伝』(浅田 次郎) 。主人公に対して「この男だけは死んではいけない」と大半のキャラクターが思っているっていうのも、珍しいと思った。


Q49

今まで読んだ中で、一番暴力の描写に優れている小説は?

『ビリー・ザ・キッド全仕事』(マイケル・オンダーチェ) 。〔なんでかAmazonでは見あたらなかったのでeS! Books〕 というかまあ現実の暴力はどう見てもこんなに美しくはないでしょうが、だがそこがいい。


Q50

今まで読んだ中で、一番日常の描写に優れている小説は?

IT』(スティーヴン・キング) 。よくもまあこれほどどうでもいい日常を劇的に短く切り取れるもんだと感心しきりですよ僕とか。


Q51

今まで読んだ中で、一番風景 / 世界観の描写に優れている小説は?

シンシナティ・キッド』(リチャード・ジェサップ) 。凄すぎ。静けさと熱気に満ちた世界、叙情的な美しい風景。


Q52

今まで読んだ中で、一番食品の描写に優れている小説は?

黒後家蜘蛛の会』(アイザック・アシモフ) 。うまそうにヘンリーが紹介して、うまそうにホルステッドが食べる。ほぼ毎回。


Q53

今まで読んだ中で、一番渋い小説は?

高い砦』(デズモンド・バグリイ) 。えーとこれ小説の中の描写によれば主人公は若くていい男らしいんですが、読んでてどうしてもジェームス・ブロンソンに見えてしかたがなかった。


Q54

今まで読んだ中で、一番不条理な小説は?

鏡のなかの鏡 -迷宮-』(ミヒャエル・エンデ) 。小学生の頃に読んだせいもあると思うし、『はてしない物語』のすぐ後にああいう話なのかなと思って読んで不意打ちをくらったせいもあるんだろうけど。素晴らしく変な小説でした。


Q55

今まで読んだ中で、一番清潔な小説は?

タランと角の王』(ロイド・アリグザンダー) 他「プリデイン物語」シリーズ。徹底して娯楽モノでそれでいて極めて爽やかな、そういう意味では世にも珍しい傑作。


Q56

今まで読んだ中で、一番不潔な小説は?

魔女の刻』(アン・ライス) 。理由は前述の通り。不潔だよ、あんた不潔だよ!


Q57

今まで読んだ中で、一番革新的な仕掛けのあった小説は?

歯と爪』(ビル・S・バリンジャー) 。結末部分が袋とじになっていて、それを破かずに出版社に送り返したら返金されるっていう体裁。「おやめになれますか?」とか書いてあるんだったっけか。わくわくするなあ。


Q58

今まで読んだ中で、一番悲しい小説は?

トミーノッカーズ』(スティーヴン・キング) 。だめな男がどうやってもやっぱりだめになってしまう悲しさに満ちあふれていて、ラストではやっぱり泣かざるをえない。


Q59

今まで読んだ中で、一番壮大な小説は?

大聖堂』(ケン・フォレット) 。親子三代とかそういう小説はけっこう多いけど、大聖堂っていうテーマが反則的なほどに壮大。


Q60

今まで読んだ中で、一番奇想に満ちた小説は?

魍魎の匣』(京極 夏彦) 。あのラストの謎解きは、なんかもういい意味でズルい。奇想だけで長編一本分のネタにするのって反則だ。最高。


Q61

今まで読んだ中で、一番エロティックな小説は?

『女神ソルジーナ』(手塚 一郎) 。〔『ウィザードリィ小説アンソロジー 』収録〕 エロティックっつーかなんつうか。話的にはすごい嫌な小説なんですけどね。


Q62

今まで読んだ中で、一番スピード感があった小説は?

蒼き狼』(井上 靖) 。ものすごい勢いでモンゴル帝国がひろがっていく。←こうやって書くとひどい話にしか見えない


Q63

今まで読んだ中で、一番軽快な小説は?

ユニオン・クラブ綺談』(アイザック・アシモフ) 。ここまで軽快だとあと一歩で単なる子供向けの「すいりトリック100問」みたいになっちゃうんだけど、ギリギリでそうなってないっていうのもすごい話だ。


Q64

今まで読んだ中で、一番短かい小説は?

『緑色の悪夢』(フレドリック・ブラウン) だったか何色だったか忘れたけど、とにかくそういうタイトル。〔『悪夢の五日間』収録〕内容はよく憶えてない。短かったことだけを憶えてます。極端に短い短編って、まあ、そんなものだと思う。


Q65

今まで読んだ中で、一番長い小説 (連作・続き物を除く) は?

IT』(スティーヴン・キング) 。これ4分冊になってるけど、もともとは1冊で出版された本だからこの答で間違ってないはず。それにしてもまったく長さを感じさせない小説だったなあ。


Q66

今まで読んだ中で、一番書いてある意味の分からなかった小説は?

海の勇士 ボライソー」シリーズ (アレグザンダー・ケント) 。この本すごい迫力のある描写で読んでてたまんなく面白いんだけど、背景の説明が絶望的にわかりづらいんですよ。なんらかの理由で海戦が起きてるのはわかるんだけど、なんでなのかさっぱりなんだよなあ。


Q67

今まで読んだ中で、一番科学的な小説は?

『金の卵を生むがちょう』(アイザック・アシモフ) 。〔『アシモフのミステリ世界』収録〕 これも反則っていうか、面白いからいいんだけど。ある意味根元的なSFマインドのドかたまり的な作品。


Q68

今まで読んだ中で、一番幻想的な小説は?

オズの魔法使い』シリーズ (ライマン・フランク・ボーム) 。単体だとそれほど幻想的でもないんだけど、シリーズが進んで世界観がまとまってくるにつれて、かなり幻想感が増えると思うんですよ。なんだ幻想感って。


Q69

今まで読んだ中で、一番哲学的な小説は?

戦闘妖精・雪風』(神林 長平) 。いや、まあ、テーマとしてはいちおう哲学になると思うのでむりやり挙げてみました。哲学的な小説なんか読んだことねえからわかんねえよ!


Q70

今まで読んだ中で、一番重苦しい小説は?

Uボート』(ロータル・ギュンター・ブーフハイム) 。本当にもう……絶望的というか……リアルにこんな目には遭いたくないっていうか……。面白いんですけどね。 (関係ないけど、「ブーフハイム」で検索しても上巻だけしか引っかからないっていうAmazonのシステムはどうかしてると思う)


Q71

今まで読んだ中で、一番迫力がある小説は?

シャム双子の謎』(エラリー・クイーン) 。単純に道具立てにやられたという気もしないではないですが、クイーン流の大げさきわまる筆致でこういうことをやられると完敗せざるをえない。


Q72

今まで読んだ中で、一番現実離れした小説は?

『カミロイ人の初等教育』(R・A・ラファティ) 。〔『九百人のお祖母さん』収録〕 むしろラファティという人はいかに現実離れした話を書くかということに必死な人だと思うので、これは褒めているんですよ?


Q73

今まで読んだ中で、一番現実的な小説は?

シンプル・プラン』(スコット・B・スミス) 。なんかマーフィーの法則とかで「すべての計画は、計画外のトラブルによって失敗する」とかありそうですね。


Q74

今まで読んだ中で、一番のんびりとしていた小説は?

馬と少年』(C・S・ルイス) 。それほどのんびりムードの話でもなかったはずなんだけど、なぜかこういう印象が。たぶん馬と少年のかけあいがのんびりしていたんだと思う。


Q75

今まで読んだ中で、一番文章のなっていない小説は?

札幌着23時25分』(西村 京太郎) 。〔←確実に違うけど、とにかく西村京太郎の何か。憶えてない〕 もう「、」の使い方がうざったくてうざったくて。もうだいぶ前にこれ一冊だけ読んで以後二度と西村京太郎は読まないと決めたんだけど、実はそんなひどいものでもなかったのかもなあ、とは少し思います。なにしろ昔のことなので。


Q76

今まで読んだ中で、一番良くできている (小説が原作の) 漫画は?

天切り松 闇がたり』(幸野 武至) 。〔原作「天切り松 闇がたり」シリーズ (浅田 次郎)〕 絵はまったく垢抜けないんだけど、これほど原作の良さを殺さずに漫画として正しい解釈を加えた作品を他に知らない。ところで第一巻だけがどうしても手に入らないんですが。


Q77

今まで読んだ中で、一番ひどい (小説が原作の) 漫画は?

エラリー・クイーンの冒険』(JET) 。〔原作『エラリー・クイーンの冒険』(エラリー・クイーン) 〕 いや……なんつうか、ひどいっていう事じゃなくって……というか実際の話あのエラリー・クイーンの解釈は一般的に言って正しいの?


Q78

今まで読んだ中で、一番漫画版を読んでみたい小説は?

エラリー・クイーンの冒険』(エラリー・クイーン) 。いや、つまり、JET版じゃないやつでっていう、悪いけれど、なあ?


Q79

今まで観た中で、一番素晴らしい (小説が原作の) 映像作品は?

ショーシャンクの空に』(フランク・ダラボン監督) 。〔原作『刑務所のリタ・ヘイワース』(スティーヴン・キング) ・『ゴールデンボーイ』収録〕 映画化と聞いたときに「こうであってほしい」と想像したら本当にその通りの映画だったので、これはすごいと思いました。


Q80

今まで観た中で、一番ひどい (小説が原作の) 映像作品は?

『女は死んでいない』(落合 正幸監督) 。〔『世にも奇妙な物語 ビデオの特別編(2)』収録〕〔原作『0310-345の謎』(渡辺 浩弐)・『マザー・ハッカー』収録〕 確かに原作のままでは怪奇ストーリーにならないのはよく分かるけど、だからって最後の30秒でとってつけたようにオカルト要素を付け足して話の意味がまったく通らないようにするっていうのは、脳などがどうかしてるとしか思えません。


Q81

今まで読んだ中で、一番映像化作品、あるいはゲーム / 漫画版を観てみたい小説は?

レギュレイターズ』(リチャード・バックマン 実はスティーヴン・キング) 。映画で。狭い空間で起きた事件を時間ごとに切り取った構成なんで、映像で観るとちょっと面白そう。イメージとしては映画『パルプ・フィクション』とか『メメント』とか (へんな組み合わせ)。


Q82

今まで読んだ中で、一番素晴らしいノベライズは?

隣り合わせの灰と青春』(ベニー松山) 。〔原作『ウィザードリィ』(ロバート・ウッドヘッド) 〕 原作の矛盾点を正しく解釈しなおした上で、その解釈が本筋に密接に関わっているっていうギミックはすげえなあと思う。


Q83

今まで読んだ中で、一番ひどいノベライズは?

ロボコップ』(エド・ナーハ) 。〔原作『ロボコップ』(ポール・バーホーベン監督) 〕 えーと、「ロボ刑事 (フリガナでコップ)」という表記は、その、ありなの? あと、最後に叙情的なエピローグを挿入して原作のクールな持ち味を殺したのも正直納得できなかったんですが。


Q84

今まで観た中で、一番ノベライズを読んでみたい映像作品、あるいはゲーム / 漫画等は?

CRAZY TAXY』(ヒットメーカー製作) 。想像の余地が多いわりに、世界観は猛烈に完成されたゲームなんで、ノベライズになっても面白そうな気がする。


Q85

今まで読んだ中で、一番素晴らしいタイトルの小説は?

『不屈の蛙』(フィリップ・K・ディック) 。〔『模造記憶』収録〕 簡潔で内容をずばりと表現しているにもかかわらず、読んでみないとどんな話なんだかさっぱり想像がつかない。


Q86

今まで読んだ中で、一番ひどいタイトルの小説は?

燃える男』(A・J・クィネル) 。どうみてもこのタイトルだとガッツマンの話以外考えられないでしょうが! 孤独な復讐者の話にこのタイトルはどうなのよ! ちなみに原題は『Man on Fire』。燃える男……Man on Fire……一瞬だまされそうになりましたが、やっぱりおかしいと思います。


Q87

今まで読んだ中で、一番後書き / 解説が素晴らしい小説は?

黒後家蜘蛛の会』シリーズ (アイザック・アシモフ) 。なかばあとがきを読むために本編を読んでいたような気さえする。


Q88

今まで読んだ中で、一番後書き / 解説が蛇足だった小説は?

アザリン16歳』(吉岡 平) 。だったっけ、とにかく「宇宙一の無責任男」シリーズのどれか。素晴らしいわけでもなかった中身を、わざとらしい解説がさらに台無しにしていた。


Q89

今まで読んだ中で、一番表紙の素晴らしい小説は?

暗闇坂の人喰いの木』(島田 荘司) のハードカバー版。不気味で謎めいていて、その一方で整然とした美しさがある。当時のあのシリーズはどれも良い装丁でしたね。


Q90

今まで読んだ中で、一番表紙のひどい小説は?

エラリー・クイーンの事件簿』(エラリー・クイーン) の最近の版。前にも書いたけど、とにかくあのなんだか都会的オシャレ風なあれをなんとかしてください。


Q91

今まで読んだ中で、一番作者の名前/ペンネームの響きが素晴らしい小説は?

イギリス人の患者』(マイケル・オンダーチェ) 。いい響きの名前だよなあ。


Q92

今まで読んだ中で、一番作者の名前/ペンネームの響きがひどい小説は?

風よ。龍に届いているか』(ベニー 松山) 。どう見てもお笑い系の名前だと思うんですが。小説書くときは別名義にするとか、なにかあったんじゃないだろうか。そういうものでもないのか。あと関係ないけど二葉亭四迷とか江戸川乱歩とかの語呂合わせ系ペンネームも実際どうかとは思います。


Q93

今まで読んだ中で、一番挿絵の素晴らしい小説は?

鏡の国のアリス』(ルイス・キャロル) 。ジョン・テニエル版の。


Q94

今まで読んだ中で、一番挿絵のひどい小説は?

無責任元帥タイラー』(吉岡 平) だったかどうか、とにかく「宇宙一の無責任男」シリーズのどれか。「大混乱になったパーティー会場で、混乱を避けて入ったテーブルの下で男女が顔を付き合わせる」っていう場面に「テーブルの下にいる男とテーブルについた女が会話する」挿絵を描くっていうのもたいがいだし、それをスルーで通した編集者も編集者だと思います。


Q95

今まで読んだ中で、一番翻訳の素晴らしい小説は?

アメリカ銃の謎』(エラリー・クイーン) 井上勇 訳。地の文も会話文も翻訳ならではっつう絶妙にもったいぶった口調で、ああ僕はいま海外小説を読んでいるという気分に浸れたものですが、これも最近の版ではたぶんろくでもない改稿されてるのかなー。あー。


Q96

今まで読んだ中で、一番翻訳のひどい小説は?

高度41,000フィート 燃料ゼロ!』(ウィリアム・ホッファー / マリリン・モナ・ホッファー) 松田銑 訳。小説としてはおもしろく読めるんですけど、なんかひっかかるというか、「エッ?」っていうのはどうだろう。読んだ人にしかわからない書き方ですが。


Q97

今まで読んだ中で、一番値の張った小説は?

銀河ヒッチハイク・ガイド』シリーズ (ダグラス・アダムズ)。絶版だったやつをYahoo!オークションで結局、計4000円くらいで買ったんじゃなかったろうか。単価としては『はてしない物語』のハードカバー版あたりが一番高いのかも。高いだけはあっていい装丁の本でしたな。


Q98

今まで読んだ中で、一番ひどい誤記 (誤植) のあった小説は?

反逆の孤狼』(遠藤 明範) 。主人公の名前を別の巻の主人公の名前と間違えて書くっていうのは、前代未聞だと思う。入り組んだ話なので、ある意味しかたない部分もあるんですが。


Q99

今まで読んだ中で、一番最近に読んだ小説は?

犯罪カレンダー』(エラリー・クイーン) 。またクイーンか。


Q100

今まで読んでいない中で、次に読もうと思っている小説は?

エンデュアランス号漂流』(アルフレッド・ランシング) 。ああ悲惨そうな話だなあ。楽しみだ。


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2002.10.14(本の話より)

小説に関する100の質問

・えーととりあえずこのページにでもリンクして、あとはまあ適当にやってください。
・メールとかの報告は別にいらないです。
・これだけ?

他の人のページからここに来た人向けリンク (一応):

こんな質問集を作ったそもそもの経緯と、制作者自身の回答
Q1

今まで読んだ中で、一番泣いた小説は?


Q2

今まで読んだ中で、一番屑だと思った小説は?


Q3

今まで読んだ中で、一番嫌な気分になった小説は?


Q4

今まで読んだ中で、一番あきれた小説は?


Q5

今まで読んだ中で、一番頭がくらくらした小説は?


Q6

今まで読んだ中で、一番笑った小説は?


Q7

今まで読んだ中で、一番続きを読む気がしない小説は?


Q8

今まで読んだ中で、一番幸せな気持ちになった小説は?


Q9

今まで読んだ中で、一番恐怖を感じた小説は?


Q10

今まで読んだ中で、一番奇怪さを感じた小説は?


Q11

今まで読んだ中で、一番影響を受けた小説は?


Q12

今まで読んだ中で、一番初読時と再読時のギャップが激しかった小説は?


Q13

今まで読んだ中で、一番憧れた小説は?


Q14

今まで読んだ中で、一番疲れた小説は?


Q15

今まで読んだ中で、一番結末に納得のいかない小説は?


Q16

今まで読んだ中で、一番結末が意外だった小説は?


Q17

今まで読んだ中で、一番面白さの理解できなかった小説は?


Q18

今まで読んだ中で、一番続きが気になる小説は?


Q19

今まで読んだ中で、一番予想を裏切る面白さだった小説は?


Q20

今まで読んだ中で、一番期待を裏切る内容だった小説は?


Q21

今まで読んだ中で、一番心に残る言葉が出てきた小説は?


Q22

今まで読んだ中で、一番読むのをやめられなかった小説は?


Q23

今まで読んだ中で、一番青春の思い出と呼ぶのにふさわしい小説は?


Q24

今まで読んだ中で、一番出版された事が喜ばしかった続編は?


Q25

今まで読んだ中で、一番出てほしくなかった続編は?


Q26

今まで読んだ中で、一番不当に低い評価を受けている小説は?


Q27

今まで読んだ中で、一番不当に高い評価を受けている小説は?


Q28

今まで読んだ中で、一番ハラハラした小説は?


Q29

今まで読んだ中で、一番繰り返し読んだ小説は?


Q30

今まで読んだ中で、一番「惜しい」小説は?


Q31

今まで読んだ中で、一番男性主人公が魅力的な小説は?


Q32

今まで読んだ中で、一番女性主人公が魅力的な小説は?


Q33

今まで読んだ中で、一番主人公の恋人 (あるいはそれに近い位置づけの存在) が魅力的な小説は?


Q34

今まで読んだ中で、一番脇役が魅力的な小説は?


Q35

今まで読んだ中で、一番嫌な奴が登場した小説は?


Q36

今まで読んだ中で、一番素敵な響きの人名の出てきた小説は?


Q37

今まで読んだ中で、一番ひどい響きの人名の出てきた小説は?


Q38

今まで読んだ中で、一番魅力的な物体の出てきた小説は?


Q39

今まで読んだ中で、一番魅力的な場所の出てきた小説は?


Q40

今まで読んだ中で、一番豊かな小説は?


Q41

今まで読んだ中で、一番美しい小説は?


Q42

今まで読んだ中で、一番痛快な小説は?


Q43

今まで読んだ中で、一番ナンセンスな小説は?


Q44

今まで読んだ中で、一番読みにくい小説は?


Q45

今まで読んだ中で、一番内容が薄い小説は?


Q46

今まで読んだ中で、一番説教臭い小説は?


Q47

今まで読んだ中で、一番恋愛の描写に優れている小説は?


Q48

今まで読んだ中で、一番友情の描写に優れている小説は?


Q49

今まで読んだ中で、一番暴力の描写に優れている小説は?


Q50

今まで読んだ中で、一番日常の描写に優れている小説は?


Q51

今まで読んだ中で、一番風景 / 世界観の描写に優れている小説は?


Q52

今まで読んだ中で、一番食品の描写に優れている小説は?


Q53

今まで読んだ中で、一番渋い小説は?


Q54

今まで読んだ中で、一番不条理な小説は?


Q55

今まで読んだ中で、一番清潔な小説は?


Q56

今まで読んだ中で、一番不潔な小説は?


Q57

今まで読んだ中で、一番革新的な仕掛けのあった小説は?


Q58

今まで読んだ中で、一番悲しい小説は?


Q59

今まで読んだ中で、一番壮大な小説は?


Q60

今まで読んだ中で、一番奇想に満ちた小説は?


Q61

今まで読んだ中で、一番エロティックな小説は?


Q62

今まで読んだ中で、一番スピード感があった小説は?


Q63

今まで読んだ中で、一番軽快な小説は?


Q64

今まで読んだ中で、一番短かい小説は?


Q65

今まで読んだ中で、一番長い小説 (連作・続き物を除く) は?


Q66

今まで読んだ中で、一番書いてある意味の分からなかった小説は?


Q67

今まで読んだ中で、一番科学的な小説は?


Q68

今まで読んだ中で、一番幻想的な小説は?


Q69

今まで読んだ中で、一番哲学的な小説は?


Q70

今まで読んだ中で、一番重苦しい小説は?


Q71

今まで読んだ中で、一番迫力がある小説は?


Q72

今まで読んだ中で、一番現実離れした小説は?


Q73

今まで読んだ中で、一番現実的な小説は?


Q74

今まで読んだ中で、一番のんびりとしていた小説は?


Q75

今まで読んだ中で、一番文章のなっていない小説は?


Q76

今まで読んだ中で、一番良くできている (小説が原作の) 漫画は?


Q77

今まで読んだ中で、一番ひどい (小説が原作の) 漫画は?


Q78

今まで読んだ中で、一番漫画版を読んでみたい小説は?


Q79

今まで観た中で、一番素晴らしい (小説が原作の) 映像作品は?


Q80

今まで観た中で、一番ひどい (小説が原作の) 映像作品は?


Q81

今まで読んだ中で、一番映像化作品、あるいはゲーム / 漫画版を観てみたい小説は?


Q82

今まで読んだ中で、一番素晴らしいノベライズは?


Q83

今まで読んだ中で、一番ひどいノベライズは?


Q84

今まで観た中で、一番ノベライズを読んでみたい映像作品、あるいはゲーム / 漫画等は?


Q85

今まで読んだ中で、一番素晴らしいタイトルの小説は?


Q86

今まで読んだ中で、一番ひどいタイトルの小説は?


Q87

今まで読んだ中で、一番後書き / 解説が素晴らしい小説は?


Q88

今まで読んだ中で、一番後書き / 解説が蛇足だった小説は?


Q89

今まで読んだ中で、一番表紙の素晴らしい小説は?


Q90

今まで読んだ中で、一番表紙のひどい小説は?


Q91

今まで読んだ中で、一番作者の名前/ペンネームの響きが素晴らしい小説は?


Q92

今まで読んだ中で、一番作者の名前/ペンネームの響きがひどい小説は?


Q93

今まで読んだ中で、一番挿絵の素晴らしい小説は?


Q94

今まで読んだ中で、一番挿絵のひどい小説は?


Q95

今まで読んだ中で、一番翻訳の素晴らしい小説は?


Q96

今まで読んだ中で、一番翻訳のひどい小説は?


Q97

今まで読んだ中で、一番値の張った小説は?


Q98

今まで読んだ中で、一番ひどい誤記 (誤植) のあった小説は?


Q99

今まで読んだ中で、一番最近に読んだ小説は?


Q100

今まで読んでいない中で、次に読もうと思っている小説は?


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2002.10.14(本の話より)

100A

 そもそものはじまりは、ちょっと前にはやった「××に100の質問」だった。
 あれは基本的に個人的なことを書くものだから、まあ読む方よりも書く方が面白い的なところがあって(*1)、それはそれでしかたない。しかたないとはいえ、じゃあそれなら逆に、普通に答えても読者にとってそれなりに面白くなるような質問というのはどんなのができるだろう、と思ってこんな100の質問を作ってみました。
 で、とりあえず回答もしてみましたが、顔色が悪くなるくらい疲れた。
 もしかしてこれからやってみようという人がいる場合にそなえて一応アドバイスしておきますが、変に体裁整えたりいちいちリンク貼ったりとかしないほうがいいです。途中でやめたくなるから。というか書いててこれ本当におもしろいの?とか物凄く不安になってきて、むしろつまんねえだろと気づきかけてはいるんですが、もう一刻も早くこの自分の時間を無駄に食い尽くす厄介者を処分したくなってきたので、公開。ひどい話もあったものだ。
 まあ結果はともかく、回答してる分にはわりと面白くはあったので、みなさんもためしにやってみて自分の意外な嗜好に気付いたりしてはいかが? 誰にも公開せずに。

 自分で回答してて気がついたこと:
・ベスト (ワースト) を挙げようとするとジャンルも作家もおどろくほどかたよる
・それにしても「キング」と「クイーン」ばっかりというのはできすぎ
・Amazonでときどき作家名が無視されて訳者名だけ記載される本があるのはなんとかしてほしい
・絶版本が多すぎる
・「50の質問」にしとけばよかった (70問目あたりで気付いた)
・どうやら自分は思っていた以上にいわゆる本格系のミステリが好きらしい
・なんでこんなに吉岡平を読んでるんだろう
・本当に「50の質問」にしとけばよかった

 そんな回答はこれ

 あと、一応Amazonのアソシエイトにリンクしてますが、これは別にお金ほしい!モーマネー(more money)! ということではなく、単にリンク結果が追跡できて面白そうだったから。というか第一、誰もここ見たからって買いはしないでしょ?

*1 読む方よりも書く方が面白い

ネタとして広げようとしてる人のは別。

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2002.01.26(映画の話より)

メメント森

 もー今さらといえばこれ以上今さらもないっつうぐらいなんだけど『メメント』は面白かったねー本当。
 あれ最初に観てバッチリ全部理解して映画館後にした人っているのかって思うんだけど、面白いのは「一体なんだったわけ?」とか思いながら映画館出て、帰り道思い出しながらだんだん頭の中整理されてあーそういう話だったのかってパーツ奇麗につながってく過程。まさに「家に帰るまでが映画です」的な感覚。いやー良かったわマジでもう1回観たいわ。早く観たいねーレンタルビデオ。編集して時系列順に並べたらマヌケだろうねーあの映画。

 例の映画の主役っていうのは物凄いスピードで記憶をなくす病気だったわけですが、それに勝るとも劣らない平成の空条徐倫(*1)こと僕。
 この間アニメ化されるっつうんで『グッドラック 戦闘妖精・雪風』が本屋に平積みされていて、しかもそこで見るまで『戦闘妖精・雪風』は一巻で完結してるもんだって真剣に信じきってた僕がいたんですけど、まあそんなことはおいといて。
 実は僕も前に『雪風』読んでたんですよあれは学生の頃の話。
 あの頃の僕は若かったのかなんだか知らないけどまったくこの小説に惹かれるものがなかったというか「へー」とか思いながら読み終えてそのまま本棚直行という勢いだったんだけど、『グッドラック』買ってもういいかげん話の内容忘れてるしってんで最初の方の『雪風』読み返してみたらこれがもうスゲエ面白いの。話のスジ大半忘れちゃってるんだけど、これがもう先気になんの泣けちゃうのマジで胸に迫るの。
 うんまーこういう意味じゃ物忘れるのもそう悪いことじゃないネなんて無理にまとめたりする今回。

 そういや、忘れてたけどアニメ版ってどんななの?

*1 空条徐倫

ジャンプの連載で見たら例の映画の言ってはいけない秘密をズバリ喋ってたけど、あれ大丈夫だったんでしょうか。

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2001.05.11(本の話より)

イマジン

 前回ああいうことを書いてみましたが、正直な話、僕は本とかバリバリ読むほうじゃないです。いまだに「トンネルを抜けるとそこは雪国だった」話のタイトルと作者の名前が思い出せないほどです(*1)。聞いたところでは誰もが読んでいるらしいシドニィ・シェルダン(*2)とかも読まずに育ったし、かといってちょっとスノッブ気取りでジョイスの『フィネガンズ・ウェイク』(*3)を読んだりもしてないし、あとえーと、自分が読んだことのない本を挙げるっていうのは考えてみると矛盾した作業なんで早々に思いつかなくなってきましたが、たしか『まいっちんぐマチコ先生』(*4)とかも読んだことないですよ。
 そんな中思ったんですが、「タイトルだけではいまひとつ中身の想像できない本」っていうのは意外に少ないと思うんですよ。ひとつ例を出しますが、最近はやっているらしい『ハンニバル』(*5)。たしかにいきなり「ハンニバル」とこられても困りますが、だいいち「ああ、レクター博士が」と速攻で思いつく人っていうのもちょっとどうかと思うんですが、それなりに「ああ、古代ローマの」とか間違うにしろ、「よくわからないけど、とりあえず固有名詞だろうし」とかあいまいな想像にしろ、手がかりのようなものはあるじゃないですか。
 困るのはそういう手がかりもないような、雲をつかむようなタイトルの本の場合です。『ジョニーは戦場へ行った』 これはまだわかります。ジョニーが戦場に行くんでしょうとも。このさい戦場で何が起きるとかそもそも戦場はどこかとかジョニーが何者なのかとかはどうでもいいです。
 『車輪の下』 ピュアな心をもってすれば中身の想像もつくというものです。車輪の下のあたりに関する話なのです。地面とか。絶対にそうです。
 『ライ麦畑でつかまえて』 つかまえましょうとも。ええ、ライ麦畑で。
 このようにたいていの本のタイトルは、それなりに意味が通るのです。筋が通っているのです。納得がいくのです。
 しかし、我々はこれをどう解釈すればいいのでしょうか。
 『怒りの葡萄 (ぶどう)』

 ……読んだことないんで想像ですけど、『サラダの国のトマト姫』みたいな話?

*1 「トンネルを抜けるとそこは雪国だった」話

三ヶ月近く前から言ってる。

*2 シドニィ・シェルダン

本当にみんな読んでるんですか?

*3 『フィネガンズ・ウェイク』

世界最高の難解文学の1つだそうですが、一説によるとおもしろダジャレブックらしいです。読んだことないのではっきりしたことは言えないが、だいたいそんなものだという気もする。

*4 『まいっちんぐマチコ先生』

子供向けにセクシービームを照射していた名作マンガ。もしタイトルが『まいっちんぐサヨコ先生』だったら歴史は変わっていただろう。なんだかよくわからないが。私は連載当時ちょうど読者層だったはずですが、どういったわけか読んだことない。

*5 『ハンニバル』

あの『羊たちの沈黙』の続編だというのに、こういう小説を平気で書いてしまえる作者のトマス・ハリスは面白すぎます。

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2001.05.05(本の話より)

死んでもそんな目にだけは遭いたくない

 もうゴールデンウィークも終わりかけの時代に入りまして、そろそろ5月病の時期ってやつですか? イエーイ! 盛り上がってますか? 5月病! それにしても、なんて書き出しだ。
 そんな時期に私が満を持して皆様に送る、5月病対策。題して「死んでもそんな目にだけは遭いたくないと思った小説大賞」! えーと。いや、正味の話こういう悲惨な事態を高らかにうたいあげた小説を読んで、オレなんてなまっちょろいにもほどがあるゼ、とか思ってここ一発奮起してもらおうとか別にひとごとだしどうでもいいとか、そんな意味あいなのです。

第3位『タリスマン』スティーヴン・キング ピーター・ストラウヴ 共著
 キング作品の中でもかなり特殊な位置づけの本作、なんかあらすじを書くと単なるトンデモ小説の紹介になってしまいそうなので書けませんが、とにかく主人公の少年が常に悲惨な状況に断固として置かれるその気分の悪さたるや他のキング作品を楽勝で凌駕しています。ピーター・ストラウヴがすごいのか。まずかったのか。ちなみにこれ異世界が舞台のファンタジー小説だったはずですが、作中で一番こんな目にあうくらいなら死ぬね俺、と最も強く思ったのは現実世界の安酒場で働かされるくだりでした。いいのか、それで。

第2位『Uボート』ロバート・ギュンター・ブーフハイム
 狭い! 汚い! 死ぬ! の3拍子が無駄に揃った世界、それがUボートです。映画版もたいへん悲惨でしたが、この原作は厚めで文字小さめの文庫本2冊まるごとえんえん悲惨な事態の描写についやされているという点で圧倒的といえます。黙っていても雷撃、逃げても雷撃、沈む、あと爆撃と銃撃、という前後左右どこを見渡してもろくなことのないその悲惨っぷりは他に類を見ません。作中どこをとってもこんな目にあうくらいなら死ぬね俺、と思えるのは画期的です。

第1位「海の男・ホーンブロワーシリーズ」セシル・スコット・フォレスター
 海軍提督ホレイショ・ホーンブロワー! 世界で一番まじめで責任感が強く苦労性で心配性な男の名前! そんな男が主人公で、そして当然ながら死者あふれる海戦! 死者あふれる大嵐! 死者あふれる陸戦! 伝染病! 恋愛すらもロマンチックというよりは生死がかかっている! そんな中を責任の重圧でまいりそうになりながら、でもよりによって不屈なのでダメにもなれずつらいまま戦うホーンブロワー提督! しかもそれをおくびにも出さず! なんかもうなんて声かけてやったものやら。ホーンブロワー提督に。そんな話が全10巻ばかり続くというから、悲惨さの満漢全席のような具合です。こんな目にあうくらいなら死ぬね俺とかそういう以前に、たぶん確率的にこんな目には絶対あわないだろうからああ幸せだなあ僕は、とか思えるほどに悲惨です。

 そんな具合の僕のオススメ小説ベスト3なわけですが、なんかどうしようもない。あと、これだけ悲惨なのに読んでて物凄く面白いっていうのはちょっと異常だと思った。あらためて。
この文をリアルタイムで読んでる人はすぐわかると思いますが、ちょうど昨日テレビで映画版『Uボート』やってたので思いつきました。

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2001.02.27(本の話より)

本屋にて

 たとえば本屋でこんな人物を見かけたらあなたはどう思うだろうか。本を手に取る。それはいい。だが彼はどういうつもりなのかその本を開くでもなく、ただまじまじと表紙を見つめているのだ。凝視といっていい熱のいれようだった。それどころか慈しむかのように指で触れたりする。表紙を。かと思うと本をひっくり返 して、裏表紙を見たりする。もちろん凝視である。どうなんだ。ほかにすることがあるんじゃないのか。彼はさらに思い切った行動にでる。カバーを外したのだ。本はハードカバーだった。そんなことはどうでもいい。そして裸になった本を例によって凝視した後、なぜだか強く頷いたりもする。やっとページをめくり始めたかと思うと、いきなり「とくしょっ……」と呟く。意味が分からない。彼がページを進める速さからみて、到底文字を読んでいると思えないのに、その瞳は真剣そのものだ。彼が特に引き寄せられているのは奥付である。他に見るべきところがあるんじゃないのか。どうなんだいったい。
 実を言えば、これは私である。正直自分でもこれはあんまりな人物像じゃないかと思うが、本屋における私はこういう痛い人間であるのだ。
 タネを明かすと、要するに僕は本の装丁が好きなのである。ちょっとしたオタクと言うべきだろう。マニアというほどではない。一般的にはこれでも充分にナニなあれではあると思うが、上には上がいるというものだ。
 前述の奇行も要するに美しい本の装丁を見て夢中になっているのである。まず表紙に目を奪われ、その紙質を指で確かめているのだ。けっこう高い紙使ってるなあ、でもさすがに質感違うよなあ、とか思いながら。とうぜん裏表紙にも目が行く。バーコードをこういうふうに処理するかあ、違うなあ、と僕は思うのだ。当然カバーの下にも興味はゆく。カバーの内側は内側でまた凝った処理になっている。いいデザインだ。格好いい。これだ! と僕は頷くのだった。そしてページを開くと、そこに特色(*1)が使われている。圧倒されて我知らず「とくしょっ……」と声が出てしまいあわてて口を閉じる。特色しかも本文に使うかあ、やるなあ。高くついたろうなあ。ぱらぱらとページをめくる。全体の構成も予想通り見事だった。書体といい配置といい、見事に美しい。独特でいてそれが変じゃない。全然カッコ良い。素晴らしいと思って、僕は奥付をさがす。そう、この抜群の仕事をした連中は誰か知りたいのだ。たいてい装丁といえば奥付に書いてあるものだ。ああなるほどそうじゃないかと思ったらやっぱり祖父江慎 (COZ FISH)(*2) かあ。つくづくいいなあこの人の仕事。

 えーとまあみなさん、試しに注意して本の表紙とか見てみてください (高いだけあってハードカバーには良品も多いですよ) 。マジでその美しさ/カッコ良さにはけっこう脳天にガッてくると思います。ちょっとした映画鑑賞気分で、ゼヒ。

*1 特色

通常の印刷で使われるシアン・マゼンタ・イエロー・ブラックの4色ではなく、特別なインクを使った印刷のことを「特色印刷」というのである。

*2 祖父江慎 (COZ FISH)

別に祖父江慎という人の別名がCOZ FISHという事ではないので注意。

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2000.04.04(本の話より)

星の王子様関係

 ぜんぜん必然性もなく『星の王子様』(*1)読み返したりしたんですけど、いきなり気がついた。作者の名前(サン=テグジュペリ)、これアルファベットだと「Saint-Exupery(*2)」って書くの? そうかサン(ト)エグジュペリだったのか!
 いや、個人的に今までまるっきり気付かなかったんですけど。これ、「Saint」なんですか。てことはサンって英語読みのセイント(セント)なのか。マーティンセントジェームス(*3)みたいなもんなのか。(っつーか、それもちょっと違う)
 だいたいなんとなく今までサンが名前でテグジュペリが名字だって気持ちで読んでたんですけど、よく考えたら彼、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリじゃん。どの邦訳でも作者名は単に「サン=テグジュペリ」としか書いてないけど、これって小説の作者に「夏目」とか「森」とか名字だけ書くようなもんじゃないスか。なんか俺、騙されてた!? HEY! 日本の教育界! (なぜかラップ風) こんなことでいいんですか。これじゃ日本の英語教育は、なんか、こう、アレっスよねー(*4)

*1 『星の王子様』

意外に読む人によって受ける印象が違う本。個人的には泣かせる友情物だって思ってるんだけど、そういう読み方はダメですか?

*2 Saint-Exupery

正確にはExuperyのeの上にダッシュ(とは言わないのか)がつくんだけど。

*3 マーティンセントジェームス

催眠術師。現在もラスベガスを中心に活躍中 (想像)。

*4 アレっスよねー

全般的にだいなし。だいたい英語じゃなくてフランス語だし。

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2000.01.16(本の話より)

謎の意訳

 たとえば、これ去年の末にiBookが品不足になってたころ、あるアメリカのコンピュータショップで実際にあった広告なんですけど、「Don't sing 'the I want My iBook' Blues.」というコピーがあります。そのまま直訳すると「『私のiBookが欲しい』ブルースを歌ってはいけません」となりますが、要するにウチならiBookもたくさんありまっせ、悲しみのブルースなんざ歌う必要ありませんぜ、っていうコピーなわけです。
 そういう意味も勘案して広告コピーだということも考えて意訳すると「もう『iBook欲しいブルース』とはサヨナラ!」という感じでしょうか。だいたい。あんまりいい訳じゃないでしょうけど、ここではそういうことは問題じゃないんです。
 問題は、ここで翻訳者の人がどういう気の回し方をしたのか、まったく読者になじみのない表現で意訳されることがあるということなのです。「『iBookちょうだいの歌』を歌わナーイ!」とか。なんだこの気持ち悪い文章は。でも、こういうことってないですか? このあいだ、そういう訳の本に当たっちゃって、感情移入できなくて困っちゃったんだよ。まあ、あえて書名をここで書くほどじゃないんだけどさ。面白かったし。
 で、今まで読んだ翻訳でいちばん凄いと思ったのはマキャモンの『ブルー・ワールド』という小説です。これの中に、ストーカーが登場するんだけど、まあ細かいことをはぶいて言うと、そいつがストーカーだと判明するシーンがあるんですね。そいつ本人の知らぬところで。たぶん原書だと(確認したわけじゃないけど)「stalker」って言ってたと思うんですよ。つまり、
「そういう奴をなんて言うか知ってるか?……stalker」
 ていうシーン(うろおぼえ)なんですけど。で、当時の日本にはストーカーっていう言葉がまだなかったわけで、訳者の人もなんて訳せばいいのか考えたと思うんですよ。でも、よりによってこれはないんじゃないのか?
「そういう奴をなんて言うか知ってるか?……しのび」
 いや、それはないだろう。
どうしてこんなことになったのか、詳しい事情を知っている方はマジでおしらせください。私の好奇心がはげしく真実を知りたがっているのです。だからって原書あたるほどでもないのだけど。

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1999.07.11(本の話より)

本屋がつぶれるとき

 ここ一年くらいの間に、近場の本屋がばたばたとつぶれている。
 理由はよく知らないが、とにかくざっと数えただけでも4、5軒はつぶれてしまった。不況の影響というやつなのか。本当かよ。結果として、本屋の真空地帯みたいな地域もできてしまった。いいのか。あの地域の人は毎週月曜にどうやってジャンプ買うんだ(*1)
 君は「あと一週間で閉店が決定している本屋」に入ったことがあるか。あの空気は凄い。本屋だけに半額売り尽くしセールなどやるわけにもいかず、といっていまさら本の位置を整えてもしかたなく、かなりすさんだ配置状態。むしろ売れた本を補充することもないので、妙に隙間が空いていて、それがさらにワンランク上のすさみっぷりを演出。だいいち店員に明らかにやる気がない。長さん(*2)でなくとも「ダメだ、こりゃ」と言わざるをえまい。閉鎖寸前の炭坑はきっとあんな空気に満ちているだろう(*3)。身につまされるぞ、あれは。マジで。

*1 どうやってジャンプ買うんだ

言っておくが、そのへんはコンビニもない。別に過疎地域というわけじゃないんだが。

*2 長さん

伝説のコメディアン、いかりや長介。彼がリーダーのバンド「ザ・ドリフターズ」はビートルズ来日の折には前座もつとめた(本当)。どうでもいいが、いま「長介」を変換したら「超透け」という妙にエロティックな響きに変換されてしまった。

*3 閉鎖寸前の炭坑はきっとあんな空気に満ちているだろう

適当言うな。

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