いろいろな事がおこる
このゲーム面白いわ。
もちろん今さわりの部分なんだけど、ゲーム進行にあわせて街の施設や自分のとれる行動オプションが少しずつわかってく過程がなんとも楽しい。こんなこともできるのか! こんな風になるのか! という驚きが数分ごとにあるってのは、やっぱりただごとじゃねえですよ実際。
そんなわけで今日も今日とていろいろ新しい体験をした。順に書いていってみよう。
ホテルで目を覚まして、特にやることもないんで例によって弁護士のケンのところに赴くことにする。どうやらこのゲーム、ケン起点でイベントが始まるパターンが主らしい。少なくとも今のところはそれ以外なかったし。
となるとそろそろホテルとケンの事務所ぐらいは位置を憶えておいた方がいい。自慢じゃないがオレはおふくろの誕生日と地理は憶えたためしがねえが、あ、今回はなさけむようのバイスシティが舞台のゲームなんで、要所要所でワル口調にするつもりでがんばってます。そんなわけでオレはまあそのなんだ、方向音痴なわけだがいつまでも画面左下のマップ頼りというわけにもいくまい。積極的に街の地理関係を憶えようと、ゲームに付属のバイスシティ地図(たぶんアメリカ版るるぶみたいなもの)を広げてみる。
ホテルを出て向かって左にしばらく直進、最初の信号を左に曲がってつきあたりで右。なんともギャングらしからぬ庶民的な記憶術になってしまったが、とにかく行き方はわかった。映画に出てくるギャングとかもこういう風に道を憶えてたんだろうか。
とりあえずは足(車)がなければ始まらないのがこのゲームだが、今朝はそのへんに路駐してある車が見当たらない。いままでなら適当にその辺に停めてあった車をいただいていたものだが、L2ボタンで視点を変えて見回してみてもどこにもカモらしき車がない。さて、どうしたものか……、と思う僕の目の前の車道を、何台もの車が通り過ぎていく。……これか。
とうとう強奪である。いよいよ車泥棒としてのレベルも上がってきた。まずはホテルの近くにある信号まで歩いて、おっとどうせならケンの事務所に向かう車線のほうが都合いいななんて細かいことまで考えつつ、赤信号で停まってる車に近づく。どうにもダサいライトバンではあるが、この際ぜいたくは言えねえ。運転席に近づき△ボタンを押してみると、ドアを開く→中の運転手を引きずりだす→乗り込んでドアを閉じるの作業を流れるようなフルオートで実行してしまった。ちなみに中に乗ってたのはハデなビキニを着た太ったおばちゃんであった。これだから東海岸って場所は……とかやっとギャングぽいことをつぶやきつつ、騒ぎ立てるおばちゃんを尻目に颯爽と走り抜ける一台のバン。
と、言っても先ほどのゲーム付属の地図、そこはるるぶなのでいわゆるメインストリートしかフォローしていないらしい。勝手にるるぶということにしちゃったけど。ケンの事務所はちょっと小道に入ったところにあるんで、結局道に迷ってしまった。いったん車を降りて、たしかこのへんじゃなかったっけなあとかギャングらしからぬことをつぶやきながらうろうろしてると、ある家の前にアイコンが出てることに気づく。なんだかわからないが触ってみると、「この家を買うなら××ドル」なんてメッセージが。買えるのか! 買ってどうなるのかわからないけど。まあ当面手の届かない額なので放っておくことにして、そんなこんなでどうにかケンの事務所を発見。
ちんぴら弁護士ケンから街のダニを紹介されさらにヤクの売人も紹介され、とダニがダニを呼ぶ展開で見つけた某売人。こちとら話を聞きたいだけだったんだが、野郎がやぶから棒に殴りかかってきやがったんでこっちも○ボタンで二、三度ぶん殴ったらのびちまったぜ。バイスシティで人を殴るのは初めてだが、えーと、倒れた彼の下からじんわり血が水たまりをつくってますが? いわゆる正当防衛ってやつよ。わかるだろ? とか言いたいそばから、売人が使ってた携帯(80年代なんでやたらデカい)とか奪っちゃってるし。まあ、でも、お互い大人(ワル)なんだから。
てなわけで携帯ゲット!とか思ってるとそこに意味深に現われた謎の男ランス。こう言うと名前の響き的にもカッコいい感じだが、現物は上下白のスーツで決めたインチキ野郎。このゲームにはこんなのしかいないのか。
ランスと利害が一致したんで組もうってことになりつつも、さっきぶちのめした売人の仲間がおやっさんの仇ー!とばかりにわいてきたんでここからは脱出イベント。ランスにもらった銃で撃て! そしてランスについてって走れ! 追いつかれそうだからふりかえって撃て! それからランスの車に乗れ! てな具合でやつぎばやに新操作を憶えつつランスの車に乗車。運転は頼んだぜ相棒、とかシートに沈もうとしたら、あ、そうかこれアメリカ車だから運転するのは僕かーなんつって気付いたときには時すでに遅し。追いついてきた売人どもに車から引きずり出される始末。なるほど自分が引きずり出せるように、向こうも引きずり出せるのか、なんて感心してる場合じゃなく大勢にボコられ、畜生おぼえてやがれとか言いつつ再度車に乗ろうとしたらちょうどジャストタイミングで対向車線から車が突っ込んできてドーン。MISSION FAILED(ミッション失敗)──。ランスもさあ、車停めとくんなら車道のまん中じゃなくて路肩に寄せるとかすべきだと思うんだよ。
再度プレーして今度は無事に逃げおおせた我らバッドガイズ。
情報集めはまかせろ的に自信たっぷりに去っていくランスを見ながら、ペット・ショップ(鳥)に氷でつぶされなきゃいいけどとか思うオレではあったが、とにかくまたヒマになったんで例によって例のごとくケン弁護士の事務所へ。
なかなか成果をあげられないんで組織からもせっつかれてるらしく、まあいつもの通りではあるんだけどわめきちらすケン先生。ギャングのお抱え弁護士としては、いま抱えてる刑事事件を無罪にしないといよいよ消される的なところらしい。まあがんばれや先生ってなもんだが、意外にもそこでオレことトニーの出番が。「陪審員を死なない程度に脅せ!」というあらゆる意味で身もふたもないメッセージとともにイベントがスタートした。
イベントの始まりとともに、何の脈絡もなく車にはねられる通行人(たぶん死んでる)と、まあこんなこともあるさ的なさわやかな歩みで車から降りてどっかに逃げてく運転手。こ、これが無情の街バイスシティなのか! とか思ってる僕だが僕の分身たるトニーは通行人が落としたバールのようなもの(本当)を見て「こいつは使えそうだな」と言い出す始末。どうやら僕の心構えはまだまだギャングとしては甘ちゃんのようだ。
さっそくバールのようなものを頂戴し、ついでに轢きたての車も頂戴し、陪審員の家までドライブといく。
STARTボタンで街の全体図をチェックすると、街の南端から北端へと、いままでになく遠出のようだ。いわゆる「海沿いの街」である南東部から北東部に車を走らせるうちに、徐々に街道には高級住宅が目立つようになり、車道は狭い1車線道路へと変わっていった。そう、ここは高級住宅街「VICE POINT」。どうでもいいけど、道が狭い上に車の往来が激しいんで今までのように追い抜きほうだい信号無視しほうだいとはいかず、律儀に赤信号で停まるのを余儀なくされる。チッ、こんな時はバイクを盗るべきだったか。でもバイクってあんまりその辺にないんだよなあ。
けっきょく何度か車や壁に激突し、少々車をボロにしつつもターゲットの家に到着。具体的に何をすればいいんだろう、と思ってたら陪審員の自家用車に矢印アイコンが出て、「車をぶち壊せ!」的なメッセージが。なるほど、こうやって陪審員に無言の警告を伝えるってわけか……。てなわけでバールの出番。あらゆる角度からガンガン破壊して黒煙をあげればミッションはひとまず成功で、次なる陪審員の家にと移動する。
今度は最初から陪審員氏が家の外にいて、なんだか知らないが女房殿(それか情婦)とモメてるご様子。英語がわかれば話の中身もわかって楽しいんだろうけどなー、とか思いつつ割って入ろうとしたが、すでにヒートアップしている2人の口論は止まらない。かといってこっちのコントローラー操作には「話す」ボタンがないわけで、えーと、まあいきなりバールや銃ってのもなんだから、R2ボタンで武器を素手に変えてドーン。
ヒイィィィーとか言って逃げ出す陪審員氏。そりゃまあそうだわな。しかしこれでは単なるいきなり殴りマンであってメッセージが伝わってないので、さらにイベントは進行。自家用車に乗り込んで逃げ出そうとする陪審員氏、しかしタイミング悪く事故って立ち往生。ここで出るメッセージが「車をぶち壊してひきずり出せ!」。
さあ教育のはじまりだぜとばかりにバール片手に近づくオレだが、そこになぜか割って入る通りすがりの男が。この街にまだこんな正義を信ずる男がいたのか、といささか感動したもののこちとら○ボタン連打中だったんでそいつにも一撃を食らわせてしまう。のびる男。しかし立ち上がる男。な、なんて不屈の根性だ! と思ってたら銃を抜く男。そ、それがお前の正義か!? と思った瞬間、どうやらこの男はたまたま巡回中だった警官らしいということに気づく。バイスシティの警官の制服、地味でよくわかんねよ!
そんなこんなでHPがゼロになり警察署の前に放り出されるトニー。しかしステータスを見ればすでに指名手配中。もしかするとここで警察署に入ってしかるべき賠償金とか支払えばなんとかなったのかもしれないけど、そんなことを考えてる間にももはや目の前でおもきし撃ってくる警官とのバトルがヒートアップ中。オレが撃たれて死ぬか、それとも……あんたが殴られて、死ぬ、の? そういえばHPがゼロになった時に武器も没収されてたんだった。
結局ロードしてやり直したら、今度は警官にも見つからず無事に脅しきれました。