人生: 過去ログ 2004年07月

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過去ログ 2004年07月

※下に行くほど新しい記事です。

2004.07.10(ドラゴンクエストVIより)

戦いは終わった

 いや、タイトルに反してエンディングを迎えたわけではまったくないのだけれど。
 なんの戦いが終わったかと言えばそれはもちろん、マッピングだ。昔から思ってたけど、マッピングという言葉はホッピングマッピー(*1)に似ている。そうでもないか。文字にしてみると全然そうでもないな。
 とにかく僕のマッピングの日々がようやっと終わったのだった。ずいぶん時間がかかってしまった。面目ない。しかしどうだい見てくれこの完璧なマップを。
 もちろんここは攻略サイトではないのでごく一部しか載せませんが。そして完璧とか言うわりに「村?」とか自信なさげに書いていますが、だってまだそこまで到達してないし。そのあたり一帯が暗い色になってるのは、そういう理由ですよ。
 ともあれ大変だった。まっすぐ歩いて山にぶつかったら横に1画面分移動して、式で全部の土地を制覇してたら、なんだかんだで数レベルUPしてしまった。いちおう敵にあわずに空中を移動するタイプの乗り物も持ってはいるんだけど、その、現時点でのソレはいろいろと制限があってうまくいかないのだ。具体的なところをぼかすからよくわからない表現になるが、そういうものなのだ。これで敵に出会わなければもっと早くマッピングも終わったろうけど、いったいなんのゲームだそれは。
 そして今日! ついにすべての土地をチェックし終わったのだ。いま地図を見ればいまだ行っていない場所、すなわちこれから行くべき場所が明らかだ。ええと、ここの町とここの山、こっちには城もあるな。そうそう、謎めいた洞窟もこことここにあった。……どこから行けばいいんだ?
 しまった。普通ならある種「行った順」にイベントをクリアしていけばいいんだろうけど、僕の場合なまじマッピング優先で世界中を均等に踏破してしまったために、どこを先にすればいいのかよくわからなくなってしまったのだ。
 たぶんどこにでも行けるということは、どこから行ってもいいということなのだろう。マッピング中も、だいたい出てくる敵のレベルは同じくらいだったはずだ。足の向くまま気の向くままで大丈夫なはずだ。
 とはいえ、そのつもりで適当に行ってみたら実はバランス調整がしてあって、あーあっちの方を先にクリアしておけば楽だったのに、ってのもよくある話。もしもそんなことになったら僕は……僕は……(どうもしない)
 そうだ、こんなときのために占い師だ! そう、このゲームにはルネ=ヴァン=ダール=ワタナベ先生的な存在がいて、その人と話すと次に進むべきイベントをきわめてあいまいに教えてくれるのだ。ル、ルネ先生!
 で、「ほっ ほっ ここはうらないのやかたじゃ」的おなじみのべしゃりをするルネ先生(まだ言う)いわく、海がキーだって話です。ルネ先生、もっと具体的なとこ頼む!
 なにぶんこちとらマッピングやらなにやらで相当つまづいてた口。そんなあいまいなこと言われても何をどうしたものやらしばらく悩んでうろうろしました(海の上を)が、Aボタンをカチカチやってるうちに解決! そうかこの道具だ! そういやけっこう前にアレをアレしてアレをもらったよ! たぶん普通に遊んでたら悩むことなく一瞬で到達できていたと思う。
 てなわけで次回は海を舞台にした一大アドベンチャーだ。海猿(ウミザル)っつう感じですか。どんな話だか知らないけど。

*1 ホッピングマッピー

当時をときめくナムコが、ちょっとやっちゃったゲーム。マッピーがホッピングする。

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2004.07.11(ドラゴンクエストVIより)

お荷物ども

 今の状態をざっくりと説明すると、魔法につつまれた町(魔界都市新宿のようなものだろうか)で起こる一連のイベントを終えたところですよ。
 ここではある人物の秘密が明かされるのだが、まさかそういうことだとは思わなかった。もっといいかげんな話なんだと思ってた。どっちかというとゲームが終わっても謎のままっていうか別に謎でもなんでもない単なる捨て設定なのかと思っていた。
 そういった具合に衝撃的な新展開を見せているんだけど、それはそれとして例によって次にどこ進めばいいのかわかんなくなり、占い師に聞いてみたものの要領をえないことはなはだしい回答しか返ってこず、というかあの占いを要約すると「オレにだって……わからないことぐらい……ある」ということだったんじゃないの? そんな調子。こうなってしまえばあとは自分用マップの「謎」マークがついた場所に適当に旅立つしかない。まずは町ということしかわかっていない(なぜなら町だったから、そして中に入ってはいないから)、あの場所だ。うかつにダンジョンとかに入っちゃうと、なんか敵がウジャウジャ出てきてレベル格差とかでたいへんなことになりそうだからな。←弱腰

 その途中、つまり前回のヒキから今回に至る間に経由した、ぼかして書くと海に関係のあるダンジョン。あれがけっこうキツかった。なんだかんだで3時間くらいかかった。それは僕が悪いといえば悪いんだけど。なにしろ主人公が「まほうつかい」だったので。
 主人公が魔法使い。そう書くとちょっとしたハリポタだが、そんなのんきな状況ではない。うちのパーティーでは本来主人公はハッサンと並んで肉弾戦担当であって、魔法なんか使わず己の剣と度胸ひとつで立ち向かうタイプなのだ。だいたい、魔法ってどの場面でどの魔法を使えばいいか考えるのが大変だし(本音)。
 で、4人パーティーの職業構成もそういうことを前提にしてあるのだ。簡単にいえば
 肉弾戦担当(せんし、ぶとうか、他):主人公・ハッサン
 魔法・補助担当(そうりょ、まほうつかい、他):ミレーユ・バーバラ
という具合である。
 ここで主人公の職業を「まほうつかい」にしてしまうと、当然パワーバランスは大きく崩れる。敵にまともに大ダメージを当てられるのがハッサンひとりになるのがおわかりだろう。
 おかげで大変なんだけど、そうは言っても「ゆうしゃ」にするためにはこのへんの基礎職業をマスターにしておかないとどうしようもないわけで、いわばこいつは辛い下積み修業期間なのだ。
 おまけに途中なまじっかミレーユが最強レベルの攻撃魔法ベギラゴンとか憶えちゃったからいっそう大変。ベギラゴンったらそりゃ強いけど、かわりにMPも物凄い勢いで消費するのだ。それをあのアマ、先のことも考えず連発しやがって。アンタはMP尽きたらいないも同然の人なんだからもうちょっと節約してくれないと! いや、悪いのはどう見てもオート戦闘にまかせっぱなしにしてる僕なんですが。どの魔法を使えばいいか考えるのが大変だし(本音)。
 そんなわけで「せいけんづき」と「がんせきおとし」を巧みに使い分ける技巧派パワーファイターのハッサン、回復の「ハッスルダンス」と全体攻撃の「いなずま」で守備によし補助によしと大活躍のバーバラ、あとなんか知らねえけどいるのかいないのかわからない主人公とミレーユ、というきわめてバランスの悪いパーティーがここに誕生したのだ! 誕生しない方がよかったのに。
 だが、そんな苦労とももうおさらば。主人公がやっと「まほうつかい」マスターになって、肉弾的な職業に転職できるようになりました! 転職万歳!
 さて、ミレーユをどうしたものやら。

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2004.07.12(ドラゴンクエストVIより)

見落とし注意

 わからないことになった。
 昨日言ってた通りまだ入ったことのない町に入ってみて、その話の流れでとある非常に入り組んだ地下迷宮を攻略しているところなんだけど。
 そこでどうにも先に進めなくなってしまった。
 まず地下1階はなんとかなった。ずっと前にあるところで聞いて意味は分からないままに「おぼえる」したメッセージの示すとおりにやったら、うまいこと階段にたどりついたのだ。
 地下2階は楽勝だった。ついさっき入った町で聞いたメッセージがそのまま答になっていて、あとは「おもいだす」しながらその通りに動くだけでこれまた階段である。
 問題は地下3階だ。これまでの話の流れからいえば当然どこかで聞いたメッセージがヒントになって先に進めるところだが、僕はそのメッセージにこれっぱかりも心当たりがないのだ。
 いやなムードだ。とりあえずリレミトをかけて迷宮を抜けて、さっきの町でもう1回全員に話を聞いたりもした。地下迷宮の比較的そばにいる謎めいた老人に話しかけたりもした。問題の地下3階とちょっと似た構造だったある場所をふと思い出し、その場面でやった行動をやり直してみたりもした。どれもまったく効果がない。これはまずいムードだ。
 もちろん単なる情報不足という場合もある。これから先に行く町とか城で、ようやく地下3階の攻略法が手に入るのだ。それまでこの地下迷宮はおいといて、いよいよという場面で地下3階の突破方法があきらかになる。よくある話じゃないか。だが、そうじゃなかったとしたらどうだ。ものすごく不安だ。
 だいたい今までのヒントもそうだったのだ。地下2階はまあまだしも、地下1階のヒントなんかは問題の迷宮とまったく関係のない場所で、まったく脈絡なく登場した人物が言い放ったメッセージである。あまりの唐突さに、大丈夫なのこの人と思うくらいの素なメッセージだったのだ。
 ふつうこういう重要なメッセージとかはその周囲の人々も「あの人はおかしな研究ばっかりしているけど、いったい何者なのかしらねえ」とか「あのじいさんの話すことは俺にはなんのことやらさっぱりだぜ」とか、そんな前フリをしてくれるものじゃないのか。そういうメッセージを見てプレイヤーは、ああこのあたりに重要なメッセージを話す人物がいるのだなと予感するのだ。しかるにあの素っぷりである。へたしたら話しかけ忘れて通り過ぎるんじゃないかってくらいの素っぷりである。というか、実際僕は地下3階のヒント人を通り過ぎちゃったんじゃないのか。
 僕はその手の失敗の多い人間だ。それはよくわかっている。この空条承太郎は……いわゆるうっかり野郎のレッテルを貼られている。宝箱を見逃したせいで肝心のイベントが進行しねーなんてのはしょっちゅうよ……。空条承太郎って? まあともかくそんな僕なのでこまめにメモしたりとかはするんですが、メッセージの読み逃しだけは対処法がない。やっちまっていたとすればもうこの時点で負けである。これまでに行ったすべての場所ですべての人物に話を聞くか、あるいは……その、攻略サイト的な、なあ?
 早計かもしれないのでここはいったんおいといて先に進むわけですが、どうにも不安だ。きっとどこかで見落としをしているんだ。なんてことだ。

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2004.07.13(ドラゴンクエストVIより)

イケメンヒーロー

 今日はなにをしたのかっていうと、とある村に足を運んでみたもののそこは廃村一歩手前な具合でさびれていて武器防具屋もみあたらないどころかルーラも効かない始末。じゃあなにか情報があるかといえばそんなこともなく、なにか意味深げな伏線らしきものは聞けたけどしばらくは関係なさそうだっていう、まあ、ハズレでした。

 そんなことはおいといて、諸君はうつくし草のことをどう思っているだろうか。「うつくし草」。うつくしそう、よもやシャレではあるまい。……ごめん、やっぱりどう見てもシャレだ。僕もがんばってはみたけど、それ以外考えられない。そんな脱力をよそに、この草をはめばたちどころに「かっこよさ」が1か2くらい上がるっていう、すごいんだけどわりと小粒なアイテムである。だいたいかっこよさが上がるメリットがいまいちわからないし。そのうち何かかっこよさが必要になるたぐいのイベントがあるんだろうか、やっぱり。
 問題はうつくし草だ。偶然なのかそれこそイベントが近いのか、あれが最近やけに手に入るんだけど、どうしたものだろうこいつは。
 もともと僕はこの手のパラメータ上昇アイテムの使いどころに悩むタイプの人間だ。パーティーのうち誰に「ちからの種」を使ったものか、やはり前衛のどちらかだとしてもやや弱めの方に使ってバランスを取るべきか、それとも強い彼に使わせてズバ抜けたパワーを得るべきか、それだけでおおいに悩むのだ。悩ましいがゆえに、もう面倒くさいから全部主人公に使わせるという手段を発明し、たしかに主人公エリート的に強くなるわ悩む事もないわで幸せを手に入れたりもしたのだ。じゃあそれでいいじゃんか。
 しかし、しかしだ諸君。うつくし草の場合、どうなのよそれは実際。
 どう見たって主人公にうつくし草を白い巨塔よろしく大量投与したところであんまりいい結果を呼びそうにない。ミレーユやバーバラといったパーティーの奇麗どころに「かっこよさ」ではすでに40近く水をあけられている主人公である。キモメンである。それはちょっと言いすぎたが、いまここで2や3「かっこよさ」を上げたところで、あんまり効果があるとも思えない。他のパラメータならともかく、これは「かっこよさ」だ。よく知らないけど、たぶん戦闘にはかかわってこないパラメータなのだ。だいいち、主人公が大量にうつくし草を使うっていうのがけっこうイヤな感じだ。なんだそれは、モテたいのか。イケメン気取りでありたいのか。仮面ライダー枠を狙っているのか。最近のライダーはイケメン俳優といいつつ、その、さほどでもないと思うのだけど、そういう事か。何がだ。
 そんなわけで自分ルールに多少修正が加わり、うつくし草は女性キャラに使う事になった。とはいうものの、じゃあミレーユとバーバラどっちに使ったものかが今度は悩みどころだ。
 「つよさ」コマンドで見てみると、「かっこよさ」のパラメータ的にはミレーユが10ポイントほどリードしているかに見える。過去の展開と前にドラクエ7を遊んだ経験から言って「かっこよさ」関係のイベントは、とにかく誰か1人の「かっこよさ」が高ければ一点突破できる、みたいなイベントである可能性が高い。そういう事ならやはり誰か「かっこよさ」の基本値が高いキャラ、ここでいうならミレーユにうつくし草を与えるのが正しい判断だろう。だがこの10ポイントのリードというのがけっこう微妙な数で、ちょっと武器をいかしたデザインのものに替えればそのぐらい余裕で上下する数なのだ。というか、この10ポイント差もいま着けている武器防具の差によるものとも考えられる。本当は全部の装備を外した上で「かっこよさ」の基本値を調べるのが理論的に正しいのだけれど、なんていうか……面倒くさい? この文章ではダラダラそしてグダグダと言ってるけど、これ実際のゲーム中は5秒くらいの葛藤である。そこまでするっていうのもどうかなあって感じである。
 で、けっきょくいつか使うときに備えて「ふくろ」に放りこんでる日々なんですが。これでもしも最後まで「かっこよさ」を使ったイベントがなかったら、僕はとんだチキン野郎だ。

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2004.07.14(ドラゴンクエストVIより)

前進

 ヤッホー! 話進んだーっ!
 アレだよマジで、本当どうしようかと思ったもんさ昨日あたりは。いやさむしろ今日の途中までは。
 例の手製マップに記した謎マークの数々。これを全て征服するのは骨だと思ったのもつかの間、なんだか行ってみると意外にただのほこらだったりゴーストタウン的誰もいない場所だったり単なるカジノ的存在だったり、情報ひとつ手に入んねえみたいなところが続出。たぶん「何もない」ということはそれ自体なにかの伏線だとは思うんだけど、あれよあれよという間に片方のマップから謎マークがほぼ全部消えちゃったにもかかわらずほとんどストーリーが展開していないことに気付いたときには、なにか自分が壮大な間違いをしてるんじゃないかって気になったね。本当の話。
 そんな打ちひしがれかけていた今日この頃。だって実際、あれだけ苦労して作った未踏破地域マップがほとんど何の感慨もないままサクサク埋められてったら、そりゃ僕といえども巨大な時間の無駄遣いっぷりに気付くってものです。
 で、道中のほこらで「この先にはさびれた村があるだけで、あとは何も……」なんてことを言われてますますへこみつつ到着した某村。それはあくまで具体的な表現を避けながら言えばマーイーニーチ吹雪き吹雪氷の世界ー(すごい声で)という感じのところ。そこで起きた、なんつうか真実を決して明らかにしないポーカーフェイスの男ども(女含む)につきあったあげく、古めかしい武器を手に入れた!そんな具合。あのイベントをよくもまあこれだけつまらなそうに表現できたものだと自分で自分の文章にちょっと感心した。
 そしてもちろん詳しいことははぶくが、今まで行けなかったある場所にも行けるようになりましたよ! 俗に言うフラグですよ! 旗万歳。こういうイモヅル展開を僕は久しく待ち望んでおったわけです。イモヅル式イベントは、まあ簡単に言えば一本道なんで単調という面もありますが、確実に前に進んでいるという確信を僕らに与えてもくれる。自信を持って「今日は話が進んだ」と日記に書ける。時にはイモヅルも、悪くはねえな……(バーボンの氷をカランと言わせながら)。

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2004.07.15(ドラゴンクエストVIより)

記憶を掘り起こす

 新たな町に足を伸ばす。新たなっていうか、前にも来たことはあったんだけど、その時はフラグが立ってなくて中に入ろうとしても即うせろって言われる日々。しかし昨日やっとそのなんつうかバックステージパス的なものを入手して、我が物顔で町を闊歩できるようになったのだ。もはやちょっとした町の顔役のような気分だが、町の住人からはもちろん新入りみたいな扱いをうける。しょせんコネで入ってきたポッと出なんかこんなものだ。
 そこがどんな町かといえば、むろん例によって具体的な表現をさけて言えば、ならず者戦闘部隊ブラッディウルフ的な町。まあ戦闘部隊もブラッディウルフも出てきませんがね(よけいな修飾語のためによけいな説明を加える)。そこでウフフフ捕まえてごらんなさい的なことも経由して、当面問題になってた剣にまつわることは解決したのだった。が、しかし……。

 解決したのはいいが、今度はフラグがこれといって立ってない様子。してみるとまたもや雰囲気とノリで適当にあちこち行ってみて、そこでイベントに当たればラッキーみたいなそんな展開になるということだ。別にそれはそういうものと思えば構わないのだけれど、問題はいまだ未解決のダンジョン(7月12日参照)だ。
 このへん事情が前後して読みづらくて悪いんだけど、どうも僕はやっぱり予想どおり進む順路を間違えてたみたいで、昨日の氷の世界→今日のならず者戦闘部隊→おとといの未解決ダンジョンにまつわる町 という流れでいくのが正しかったようなんですよ。メッセージを読むかぎり。あと、売ってる武器防具の強さから判断して。
 で、なんだかんだで流れもようやく正常化されたらしいとわかったものの、それはそれで気まずい。だってそうだろう、正常な流れになったのに、僕の手元にはいまだに必要不可欠なヒントがないのだ。本当はこれこの段階でヒント全部手にしてないとおかしいんじゃないのか。
 手製の地図を見れば、もう謎マークもかなり少なくなってて、というか「空に関係するある種の移動手段がないと行けない場所」は当面絶対行けないということなので、それを除外すれば残り2つくらいである。このうちどちらかに都合良くヒントが眠ってると考えるのは、いささか甘ちゃんというものであろう。そうとも僕はきっと見落としているのだ。なんだか知らないが僕はこういうことに関しては抜群に鼻が利かないのだ。ポーの『盗まれた手紙』の登場人物として一級の素質を持っているのが僕だ。
 そんなわけで、先に進む前にいろいろ考えてみた。せめて記憶にある範囲でどこか見落としがないかと必死に頭をしぼったところ、天啓のようにある城のことを思い出した。
 そこはけっこう前にイベントをやっつけたところで、諸般の事情で昔のことに詳しい高貴な美女がいるのだ。詳しいセリフまで憶えてはいないが、彼女はたしか「昔の事ならドンと来いなんで、なんかあったら気軽に声でもかけてくれや」とかそんな事を言っていた気がする。少なくとも意味合いとしてはそんなとこだ。
 試してみる価値はある! そう思った僕は速攻でルーラかけて文字通りその城に飛んだ。はたせるかな本当にフラグがいつの間にか立ってたらしく、城をあげて「お待ちしておりました!」「ささっ 早くこちらへ!」式の歓迎である。やった……ついに、ついに僕は生まれて初めて何かをなしとげたって気がするよ。さあ、話を聞かせてもらおうじゃないか!
 「特に役に立てそうなことは思い出せなくて……」 あんまりじゃないか。

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2004.07.18(ドラゴンクエストVIより)

途方に暮れたあと

 困ったことになった。
 もとをただせば昨日のこと、僕はすべてのお手製「謎マーク」のついた場所に到達してしまったのだった。
 もちろん例の高高度移動手段がないかぎり行けない場所はのぞくとして、とりあえず現時点で足をのばそうとしてのばせる場所はすべて行きつくしてしまったのだ。
 にもかかわらず、これからどこに行くべきかわからなくなってしまった。

 昨日は途中までけっこう盛り上がっていた。話の流れ的にいったらたぶんもっと以前に来るべきだったであろう、ある懐かしいようで新しい場所にも行った。そこで起こる数々の衝撃的イベント! 僕は「うあああああ」なんつってストーリー展開に翻弄されて、しかしてそれもいつしか終わり、宴の後のような(事実そうだった)余韻にひたりながら、これからどうしよう……なんつって途方に暮れていたのだった。モラトリアム、っつうんですかね。
 どう考えてもいくつか見逃している点があるとしか思えない。前から言い続けているあるダンジョンを攻略する為のヒントが足りないのもそうだし、この時点で手に入ってて不思議でないアイテム4種類1セットもあと2つ足りないし、占い師がさらにステップアップするための場所とほのめかしたある場所に関する手がかりも皆無だし、ある村は伏線を張るだけ張ってその後なんの音さたもないし、そういや鍵とかもまだ全部手に入ってない。
 しかし、もうやれるだけのことはやったはず……というか、まあ、やってないからこそこうして先が見えなくなっちゃってるわけですが。

 で、もうそろそろこの話の行き着く先が見えてきた人も多いかと思いますが、僕はあてにならない占い師の館をあとにして、具体的にして的中率100%という福田有宵先生が裸足で逃げ出すあるお方の指示をあおぐことにしたのだった。具体的には、インターネット様の。攻略サイト大僧正の。Googleで「ドラゴンクエスト 攻略」とかなんとか。話はそれるけど、検索するときにドラクエVIのローマ数字をアルファベットの「V」+「I」で入れたものか「6」としたものか迷う。
 そんなわけで、まあ、いささかの自分の心の弱さを認めつつへっぽこ野郎として攻略サイトのお世話になることにしたわけですが、そこで僕は何を見逃していたのか物凄くズバリと突き付けられたのだった。
 ああここは具体的な描写を避けようとしてもどうしたって具体的にならざるを得ないところなんで驚きを大切にする人はこの先を読んではならないところですが、えーと、何がいけなかったって、どうやら世界にはまだ広大な未開地が残っていたようなのだ。ぼかしつつも具体的に表現すると、上は大水、下はマントルとかプレートとか、なーんだ? みたいなとこ。
 まさかここに何かあるとは思ってなかった。てっきりちょい前になんとかした悪のダンジョンだけ攻略すればあとは用済み、みたいなとこだと思ってた。なんでも攻略サイト様によれば、このダンジョン以外にもけっこう重要アイテムとかヒントとかぼろぼろ落っこってるらしいのだ。だ、だってそんな気配はかけらもなかったじゃんか!
 いくらなんでもノーヒントなんてそりゃないぜとか思ってた僕ですが、それはそれとしてふと思いついたことがあった。あ、ここから微妙に話変わりますけど。
 思えば最近、ちょっとした帰郷ブームである。ゲームの話。具体的な表現はさけるが、いろんなキャラのちょっとした里帰りイベントが用意されている。してみると、あのキャラのお里に帰ってみるとまたそれはそれでイベントが発生するのではないかと僕は考えた。しばらく行ってないし。
 で、行ってみるとまあそれほどイベントらしいイベントがあったわけでもないけど、町の人が話すメッセージがけっこう変わっててこれはこれでアリっつう感じで僕はそのへんを色々ほっつき歩いていたわけですよ。
 すると、そのうち1人がある新情報をポロッと口にしたのである。「上は大水、下はマントルとかプレートとか、なーんだ?」みたいなとこについて。えらく簡単に。
 えーと、とりあえずノーヒントなんて言ってゴメンよドラクエ。あと、僕のこの絶妙なタイミングの悪さはこれはこれでひとつの才能のような気がしてきた。

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2004.07.18(ドラゴンクエストVIより)

面倒くささ

 具体的な表現を避けつつおさらいさせていただくと、二万里ぐらい下をあっちこっち探すはめになったところで前回は終わったのだった。
 この間まであんなに苦労して世界中を探しまわって地図をつくったってのに、今度はまたも苦労して世界中を探しまわることになるとは、正直言って少々ショックだった。やってらんねえやともちょっとばかり思った。いささかぶっちゃけると。
 しかしいざ覚悟を決めて、この間つくった手製マップの、その、問題になってる箇所を順に1画面単位でつぶしていくと、思ったより早く終わったのだった。面積こそけっこうあるものの、山や川といった障害物が少ないので比較的スムーズに踏破できるのだとは、後から気付いた話。とにかく、どうにかこうにか情報を仕入れ、あと少なからずアイテムもいただいた。ちょっとしたトゥームレイダーであった。アンジェリーナジョリーであった。
 それにしてもこの一連の探し物やってて思ったんだけど、いやむしろ前から薄々感づいてたことが確信に変わったんだけど、今回のドラクエ難しい! 難易度高え!
 僕は人類の叡智たるパソコンとか不用意に駆使してマップ作って未踏破地域をちょっとずつ削ってやってたけど、ふつうそこまでやんないだろう。たぶんLボタンで出るマップを見ながらおおざっぱに移動するっていうのが、一般的プレイヤーのあり方なんじゃないだろうか。少なくとも僕はこのゲームの途中で詰まるまではそうだった。しかるにそのやり方だと、にっちもさっちもいかなくなるのだ今回のドラクエ。そんなおおざっぱな探し方ではあのほこらを見逃す可能性大なのだ。
 思えばドラクエ2もそんなだったし、むしろゲームバランスがきちんとしてる分まだしもラクといえばラクなのが今回のドラクエ。しかし、小中学生のキッズも遊ぶドラクエでここまで硬派なことをやって大丈夫かと思う僕もいる。だいいち僕はいい大人だってのに、余裕で苦労してたし。
 そんなことを思いながらもゲームは進み、なんとか例の先に進めなかったダンジョンも攻略できました。もう2度とあのダンジョンには入りたくないね。ダンジョン攻略用のヒントを「おもいだす」しようとすると、ヒントにまじっておっさんめいたギャグとかよけいなノイズも一杯出てくるようになっちゃったし。

 そして、再び僕はどうしようもなくなったのだった。早っ!
 けっきょくダンジョンを攻略して重要アイテムを手に入れたとはいえ、まだアイテムは4つセットのうち3つ。残りの1個がどうにも埋まらないし、ヒントになる情報もいぜんない。その意味では、なにも進展してないようなものなのだ。
 で、しかたないんで攻略サイト様のお導きに従うことにする。次の目的地はあえてどこにあるどんな感じのところと描写はしないが、「かっこよさ」が鍵になるあそこだ。
 あそこか……。
 これはまあゲームやってない人であっても即座に理解のいくところなのでやや具体的に言っちゃうけど、ここでは「かっこよさ」のパラメータを競うある催しが行なわれており、さながらギャンブル船エスポワールのように毎夜熾烈な争いが行なわれているとかいないとか。その催しに勝ち抜かねば必須アイテムが手に入らないというのだ、その、攻略サイト様のお告げによると。
 前に1度世界中をめぐった時にこのイベントには遭遇していたんだけど、その時は力およばずたとえるなら第一次審査あたりで落とされてしまったのだった。つんく♂に。僕はといえばこのイベントはいわばカジノみたいなもので、アイテムがもらえるとはいってもゲーム本編には関係あるまいとみて早々にその場を立ち去ったのだった。そうか、これをある程度クリアしないと先には進めないのか。
 あえて誤解をおそれずはっきり言ってしまうと、僕はこのイベントが嫌いだ。ドラクエのイベントを嫌いだと思ったことはかつて1度もない僕だけど、このイベントだけは実に嫌いだ。
 それというのも、物凄く面倒だからだ。ルーラで行けるわけでもないし、「かっこよさ」を競う都合上、装備をふくろから出してああでもないこうでもないとコーディネートしなければいけないし、かといってイベントが終わったら今度は実用第一主義の装備にひとつずつ戻さねばならないし、そのくせなぜかは知らないけどイベントが終わったら勝手に道具が全部「ふくろ」にしまわれてしまうし。ちょ、ちょっと、それは後で装備し直そうと思って別にしといたヨロイだから、勝手にしまわれると困るんだって! なぜかイベントに参加してないキャラまで道具をふくろにいれてるし。あとイベントを勝ち上がるたびに同じセリフを何度も読ませられるし、ムダにあっちこっち行かないとイベントが進行しないし、ただ終わるまでじっと待ってないといけない時間もけっこう長いし、とまあ面倒くさいことこの上ないイベントなのだった。
 ドラクエでここまで面倒を強いることなんて前代未聞で、いったいなぜこんなことになったのか本気で不思議だ。世界中を探しまわるのはそれはそれで楽しくもあるので面倒とは言わないが、このイベントに関しては確実に単なるムダな苦労だ。こういうムダを否定することでドラクエは成り立ってきたはずなのに、どうしてしまったんだろう堀井雄二。
 で、こっからは僕のきわめて主観的で勝手な想像なんだけど、このイベントで堀井雄二の関わってるのはプロデュースまでで、他のスタッフがメインで担当したんじゃないだろうか。この場面、実際シナリオがどうこうという場面じゃないから分業化のためにかなり丸投げに近い形で誰かに任されたのじゃないかと、僕は思う。
 だって堀井雄二だったら、キャラに話しかけてるのに全員に「………」とか言わせないと思うんだよ。

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2004.07.19(ドラゴンクエストVIより)

最終決戦

 ものすごい勢いで話が進んだ。本当の話、いま最終決戦場である。ラストダンジョンである。今回のドラクエがどうかはわからないけど、ドラクエ一般に共通した「ラストダンジョンは比較的短いの法則」から言えば、もはやエンディング一歩手前と言っていいくらいじゃないだろうか。

 前回、面倒くさいとか不親切だとかブツブツ言いながらもどうにかアジエンスのCM的なイベントをルーシーリューばりにクリアして世界に嫉妬されたのもつかの間、そこで入手したアレを駆使して僕はとうとうかねてより懸念のアイテム4つ1セットを手に入れたのだった。
 4つセットを手に入れた結果、まあちょっとしたパズル(本当にちょっとしたやつ)を経由して、あとその簡単きわまるパズルで1回ひっかかったりもしつつ、なんつうのラピュタは本当にあったんだ的な展開になるかと思いきや、えーっ!? そんなのと戦うのかよ!とおもきし意表を突かれた後、まあいろいろあって、新しい仲間が加わったのだった! やや具体的にいえば、剣にこだわりのある人物。
 いくら僕がふだんドラクエのゲーム雑誌情報とかをシャットダウンしてるとはいっても、さすがに彼が仲間になるのは知っていた。だってアレだ、その、別のゲームとかにも登場してるし。
 にもかかわらず、いっこうに仲間にならないんでこれは思い違いをしていて、もしかして印象的なバイプレイヤーというあたりの役どころなんだろうかと思い始めたそんな矢先、パーティーに加わったのだった。いささか唐突な流れで。あんまり心の準備のできてない状態で仲間になってしまったんで、僕としては主要メンバーにはいれないことにしたのだった。速攻で身ぐるみはいでめぼしい武器防具を主要メンバーに装備させる始末。いちおうお下がりと交換という形にはしたものの、それがたまたま彼が装備できない武器だったためにいまのとこ彼は徒手という状態になっている。この愛されなさはあんまりだとさすがに僕も反省するところ大だが、実際いまの時点で職業1つしかマスターになってないキャラクターに入られてもなあ。

 そんな感じでいささかギクシャクしたパーティーではあるが、シナリオはここから急展開。どんどん話が進んで、いまラストダンジョン。
 前作にあたるドラクエ5がラスト前あたりからダンジョンにつぐダンジョンという感じでけっこうダレた(と僕は思う)ことの反省か、今回は最終決戦をにおわせて以降やつぎばやにイベントが展開して、プレイヤーに休むヒマを与えない。思うにこの終盤の、短めでバラエティ豊かなイベント構成は続編であるドラクエ7のシナリオにも大きな影響を与えてると思うんだけど、もちろん今はそれどころではない。
 次から次へと展開するイベントをこなしにこなし、道中出会う偉大なる人物のドラクエ1の「ゆきのふ」と同じくらい適当なネーミングにそれはちょっとどうかと思いつつ、やってきたのが最後のダンジョンだ。
 もちろんここから異世界に召還されたりラスボスを倒したと思ったら3段変形したりそれを倒したと思ったら「××様……ぐふっ!」なんつってラスボスの上に君臨するスーパーラスボスが重々しく登場したりそれを倒すのに武器防具そろえなきゃいけなかったりとか、そういう展開が待ってる可能性ももちろんありますが、ドラクエを長年遊んだ印象から言って、ここまでのストーリーの流れ、そしてラスト(だと思う)ダンジョンの構造、あと主人公たちのLv数、これらすべてがエンディング近しと言ってるような気がするのだ。まあ、保証はしないけど。

 で、これから最終決戦に突入するといえば景気はいいんですけど、実際にはけっこうザコ敵相手に苦労してるぐらいなんでもうしばらくの間レベル上げに精をだそうと思います。

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2004.07.21(ドラゴンクエストVIより)

準備期間

 昨日今日と、ずっとレベル上げをし続けている。
 なにしろ最終決戦目前なのだ。僕の予想では。そうじゃなかったとしても、とりあえずダンジョンのザコ敵に苦戦するくらいだったのでレベル上げは必須だったのである。まったく、あの、自信たっぷりなポーズをとった肉体派で緑色な敵ときた日には。

 みなさんはレベル上げをどんな感じでやってますか。やや手強いあたりを相手にして、ちょい苦労はするけど経験値もドーンとかいう感じで稼ぐ人もいるだろう。逆にもうAボタン連打で余裕っつう感じの場所を狩り場にして、効率は決してよくないけど気分的に全然苦労知らずムードで経験値ためる人もいるだろう。僕はといえば、手強い敵を相手にしばらくがんばってみたけど、やってるうちにどうやら歯が立ってないことに気付いてこれはかえって非効率的だってんで前に攻略しおわったダンジョンまで戻って地道にレベル上げるっていう、計画性のなさがうきぼりになるような感じでやってます。

 レベル上げっていうのは、基本的には作業だ。特にある程度戦い慣れてくると、この敵にはこの特技だけやってればいいという、一種の必勝パターンが見えてくるのであとは「くちぶえ」と必勝パターンのひたすら繰り返しという状態になる。
 別に退屈とまではいかないけど、いつもと違って頭をそれほど回転させなくていいので、僕の場合ここぞとばかりに録りだめてあったビデオとか見ますよ横目で。楽しい番組見てると時の過ぎるのも早いもんで、気がつけばけっこう経験値も貯まってるという理屈。理屈?

 そんな感じでふと気づけばもう4レベルばかり上がっていた。ドラクエにおいて4レベルの差というのは相当に大きな差だ。現に、あれだけ苦労していた自信たっぷりなポーズをとった肉体派で緑色な敵もさほど苦労しないで倒せるようになっている。
 そろそろいいんじゃないのか。と言ってもどこで区切ったものか明確な仕切り線がないのがレベル上げというもの。これでのこのこ最終決戦場に突入して速攻でやられてもなあ、とか思うともうしばらくレベル上げにいそしんでもいいんじゃないの?という気もしてくる。横目で見るためのビデオはまだ何時間分も残ってるし。

 とりあえず、ダンジョンの先に行ってみることにした。
 ドラクエのラストダンジョンというのは、たいていラストダンジョンっぽくない。もちろん見た目いかにもまがまがしかったり毒々しかったりはするんだけど、何かこういかにも世間一般のラストダンジョン的な、地獄の底のような重々しさとか人知の及ばぬ壮大さとか、そういうのはまったくない。むしろこれまで登場しなかったおもしろギミックすら出てきて、敵さえいなけりゃちょっとしたテーマパークという感じのラストダンジョンだ。
 これがつまり、ドラクエのエンターテイナーぶりっていうことなんだろう。重々しかったり壮大だったりさせようとすれば、それはどうしてもつらく苦しいダンジョンになる。つらく苦しければそりゃいかにもラストダンジョンって気分だが、しかしドラクエの場合そのへんの雰囲気づくりはあえて切り捨ててでも、最後の最後まで普通に攻略してて楽しいダンジョンにしようという、そういうことだと僕は思っている。

 別にレベルアップの一環なんで失敗をおそれることもなく、けっこう軽い気分でダンジョンをあっちこっち移動した。いくつかの宝を手にし、あとあと最終決戦に向かうときに便利な効率のいいルートも把握した。
 途中、うわ閉じ込められた!? このままラスボス戦強制?とかびびることも1度経由したものの、そういうわけではなく先に進んだ。
 そして急に一本道になるダンジョン。回廊とでもいうべき長い道を歩いていくと、行き止まりに大きな扉が見えた。
 たぶんこれがラスボスに続く扉なんだろう。そうなんじゃないだろうか、今までの展開からいって。すでにここがラストダンジョンだって前提で話進めてるけど。
 もちろんいま開けるわけにはいかない。寄り道しながら歩いてるせいで、MPもそろそろ底をつきかけている。こんな状態でラスボス戦をするわけにはいかないのだ。第一、まだいちおうレベル上げの最中だし。

 ビデオで見ていた番組があと20分ぐらい残っていたので、それが終わるまで「くちぶえ」を吹きながら経験値稼ぎをすることにした。適当にやってると、ちょうどビデオが終わったあたりでレベルが上がる。
 レベル上げしはじめてから5レベル目。そしてラスボスの扉に至る最短ルートも把握した。そろそろいい頃合いだろう。
 いわゆる職業にまつわる施設に行って、全キャラの職業を「いちばん使えるやつ」に戻しておく。全キャラ? まあ、ふだん使ってる4人全員。
 ラストダンジョン近場の町に行って、レベル上げのあいだに貯まった金を使って装備を整える。宿屋に泊まり、教会でセーブする。

 準備期間は終わった。後は戦うだけだ。でもまあ、眠くなったんで明日にする。

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2004.07.22(ドラゴンクエストVIより)

完結

 終わった。
 いつもこの日記でラスボス戦〜エンディングについてどう書けばいいのか迷う。そんなとこ具体的に書いてはいけないものだとは思うんだけど、具体的に書かなかったら何を書けばいいのかわからないじゃないか。
 でまあ言えることは、昨日あれだけ準備万端だったわりに僕のプレイがひどくグダグダだったということだ。
 まずゲームを始める前からすでにグダグダだった。さていよいよラストバトル気合い入れて始めようかと電源を入れた瞬間、そういや門番が強いんでほっぽってあった宝とかあったなあとか思い出した。その門番は強いとはいってもたぶん今のパーティーなら比較的問題なく倒せるとは思うし手に入るアイテムもけっこう便利アイテムだろうと思うんだけど、今からそこまで戻るのも面倒くさい。テンションが落ちる。で、少々後ろ髪をひかれながら(工藤静香ばりに)、そのままラストダンジョンに向かったのだった。
 それで最短ルートを通るかと思いきやうっかり道まちがえて横道にそれたり、昨日発見した「ラスボスに続くであろう扉」から先が思ったより長かったり。それは例のピカーッとなってモヤーッとなるあれが主なんだけど。もちろん具体的な表現は避ける。
 そんでこれピカチュウ的にはどうなのよ?とか思いながらもあっちこっちウロウロしまくって、それでも今日は速攻ラスボスを倒すと心に決めてたもんであえて「じゅもんつかうな」でMP温存する方針で。やってみると意外に呪文なしでもいけた。むしろMP使わない特技でHP回復できるんで、ほぼ常にHPもMPも満タン。まあレベル上げの成果でもあるんだろうけど。
 そしていよいよもってラスボス戦。
 か……勝てねえ!と思った。だって強いじゃん。これでもかっつう具合の攻撃をしてきなさるじゃん。これは……いったんやり直すべきか、と思ったら、そんな頃合いで勝ってた。
 かなりあっさり勝ってた。そりゃHPはおおいに削られたけど同じくらい回復もしてたので、俯瞰してみると特に苦労もなく勝ってた。思えば苦労して憶えた最強呪文とか最強技とかぜんぜん使う間もなく勝ってた。むしろ思えばあの最強呪文、憶えたときにそのへんのザコ敵相手にためしにかけてみた1回しか使ってないことにすら気づいた。まさかラスボス相手にこんなに早く決着がつくとは思ってなかった。レベル上げに夢中になりすぎていたのかもしれない。

 そこから始まるエンディングのあれこれはもちろん未見の人のために何も申しませんが、スタッフロールに表示される?表記が1995年になってたのは衝撃を受けた。
 そりゃまあスーファミの後期に発売されたゲームなんだからそれくらいといえばそうかもしれないけど、最初のプレーで話のすじがきを追いきれなくて挫折したのがだいたい8年前。そして今日、ようやく決着をつけれたかと思うとさすがに感慨深いものもある。
 終わってから思い返せば、けっこう問題のあるゲームだった。今いったようにストーリーが難解っていうか即物的に理解しづらいところもあったし、ゲームとしてもドラクエ史上1、2を争う難しさだった。よりはっきり言っちゃうとドラクエ2に次ぐ史上第2位の難しさだったと思う。この2作に共通しているのは、「次に何をすればいいのかわからない」という、放り出しの思想だ。
 もちろん放り出しは放り出しで、自由な気分を満喫できるという魅力もあるからこれが欠点とは言わないけれど、そのかわりゲームのスムーズな進行をさまたげているというのも事実。というか、次回作にあたるドラクエ7はその両方のおいしいとこどりで成立させてるっていうのがスゲエと思ったんですけど本当のとこは。
 ドラクエ7は本当に凄い。『6』での問題点──ストーリーが難解だとかキャラクターの掘り下げが足りないとかゲーム進行がとどこおりがちだとか、そういうことをちゃんと解決している。一般的にこういう問題点は解決するとそのかわりに別の問題点が出たりする(たとえばイベント進行をスムーズにすると、今度は自由度が足りなく感じるとか)ものだけど、ドラクエ7ではそういうほころびを出さないエレガントな解答をきちんと出しているのが凄い。これは僕が『7』の後に『6』をやったから特別そう思うのかもしれないけど。
 振り返ってみるとドラクエって地味に偶数番の作品でムチャというか冒険して、奇数番でその反省をもとにキレイにまとめるっていうパターンがあるかもしれない。パーティープレイや広い世界を取り入れたらバランスがアレになっちゃって世界をめぐるのも大変だった『2』と、職業システムを導入して広いようで進行方向がはっきりしてるマップ構造をつくった『3』。各々のキャラクター性を強めた結果、全体の進行が小分けになってしまった『4』と、一代記という形にまとめて解決した『5』。そして今回の『6』と『7』(*1)
 そう考えると、今度出る『8』なんか見た目の時点でそうとうの実験作という雰囲気でいよいよこの説も信憑性をおびてくるし、じゃあ『8』はゲームとしてちょっと未完成な部分もあるかもしれないなんて予想すらできるけど、まあたぶん単なる偶然の一致なんで気にすることはないと思いますよ(だいなし)。
 どっちかっつうと、『7』のあとに『6』やるとかいうふうに順序を変えて遊ぶとアラがやけに目立っちゃうんで、『8』とか発売されたら『9』出る前に遊んどいた方がいいと思います。それが今回のドラクエ遊んで得た教訓だ。

*1 偶数番と奇数番のパターン

ファイナルファンタジーを思い出す。かつてファイナルファンタジーは「奇数はシステム重視、偶数はシナリオ重視」というサイクルで発表されていると言われていた。その説は後に「最初の2作で実験して、3作目で完成形を見る」というサイクルに修正されたけど、最近は分業制が完成してそのサイクルも通用しなくなったようだ。

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2004.07.23(グランド・セフト・オート・バイスシティより)

偉大なる車泥棒

 GTAバイスシティ。それが今日から始めるゲームの名前(略称)だ。
 実のところ僕はGTAのことをよく知らない。あと、いまGTAという字面を見て一瞬とはいえグレートティーチャーうんぬんとか言い出そうかと思ったので、僕は死んじまった方が世の中のためだ。
 たしか最初にこのシリーズのことを知ったのは、スーパーファミコン版のGTA(初代)だったと思う。あ、こっから単なる思い出話が花をさかせる予定なので読み飛ばしていいです。ただ、これからバイスシティ日記をつける上ではやはり僕とGTAの関係を先に明らかにしておくべきであろう。
 GTAってゲームがヤバい! もう人の命とかチリよりも軽くてばんばん黒いイベント出てきて最高、みたいなゲーム雑誌のレビューがあったことを憶えている。実際僕もその現代ノワールな世界観には興味をおぼえたものの、まあ買う金もなければ売ってるところも見たことないしで放っておいたのだった。面白いのかどうか、よくわからなかったし。
 それから時は過ぎて、GTA3まで来るとシャレになんないくらいヤバい! やっぱり人の命とかチリよりも軽いし3Dで作り込んだ街ん中自由に歩き回れんの、みたいなゲーム雑誌のレビューだったか、そんなのを見た記憶もある。これはいよいよ気になってきたところに日本語版(プレステ2用)の発売。か、買いだ!(万札を握りしめて)と思ったものの、よく考えたらその時買う金がなかったんで人に見せてもらったのだった。
 ちょっと最初のサワリを遊ばせてもらったところ笑っちゃうくらい面白かったんだけど(実際笑った)、途中気まぐれに銃を撃つボタン押してみたら本当に人が余裕で死んだりして、まあ最終的に自分もハチの巣になったんだけど、ちょっとこの命の軽さに引いたりもしたのだった。いやいい子になろうとはしていませんよ?
 「怖い」という表現が一番近いと思うんだけど、まあマジ話こんな触れれば死するみたいな世界なんて怖いじゃん実際。そういう意味ちょいホラーなゲームとして僕の中で勝手に決定され、そういうのは今遊びたいのとちょっと違うかな、みたいなよくわからない(しかしよくある)理由でGTA3も買わずにいたのだった。
 そしてGTAバイスシティの発売である。これも同様の理由で買わないつもりでいた。むしろ今回の特徴である80年代マイアミバイスのりが全然自分的にはこないので、かえって買わないレベルはアップしていた。だってマイアミバイス見てなかったし。理由はわからない。たぶんナイトライダーかエアホーク見るので手一杯だったのだと思いますが。
 そんな僕の目に飛び込んできたのがボンクラゲーム雑誌(もちろんほめてます)『CONTINUE』の16号。これまで「スーファミ全般」だとか「セガ全般」だとか比較的広いワクで特集組んでたこの雑誌がこの号に限って巻頭特集がずばりバイスシティ1本やり。この気合いの入り方だけでムードに弱い僕とかはもうメロメロ直前ですが、記事を読むといきなり目に入ってくるのが「ダニー・トレホ(*1)」の文字。いきなり目に入ってくるのがそれっていうのも、どうかと思うよ実際。
 ダニー・トレホが声優およびポリゴン俳優として出演してるとくればクラクラこない男はいない。まあ、実際のとこいっぱいいるだろうけど、僕的にはおおいにグッとくるキャスティングだ。なんというか、トレホの旦那が認めたゲームということじゃないかそれは。具体的にはトレホの旦那のエージェントが認めたゲームといえなくもないが、男のロマン的にそれはなしだ。あと、デニス・ホッパー先生も出演しているときく。これは遊んでみない法はないだろう。

 で、購入。ゲーム内容から言って、たぶん中古品がだぶついてるだろうなーと思って中古屋行ったら本当にだぶついてた。少々すまないが、前にも言った通り僕はこのゲームにスーパー好印象抱いてるわけでもないしむしろマイアミバイス見てないしギャング映画とかもほとんど見てないんで、定価で買うほどテンション高いわけじゃないのだ。あと、広告の「さらなる自由を。80年代へ…。」ってコピーは言葉の流れが気持ち悪いくて普通にダサいからな! あれだけは認められない。
 そしてお約束でとりあえず解説書を読む。僕はRPGとかストーリーの驚きを大切にする類のゲームでは取説を読まないことにしているが、このゲームの場合はアリだ。第一、CONTINUEで読んだ以外はなにも情報もってないし。
 普通ゲームの解説書といえば「あなたは××となって、この××でどうたらこうたら」式の前口上があるものだけど、このゲームの場合いきなり操作方法とゲーム画面の見方から始まる。それはそれでいいけど、この操作方法がやたらと複雑だ。というか全部のボタンに機能がわりふられてる。しかも「歩行時」と「乗車時」で全然操作が違う。お、憶えられっこねえよこんなの!(だめだ)
 この時点で相当テンションが下がったんだけど、その後に続くバイスシティ(という街)情報ページが6ページに渡って「〜だ」「〜しろ」式のアメリカンワル口調で統一されてたのでみるみるボルテージが上がる。そうとも、俺はまだ名も無いチンピラだが、いつかのし上がってやる! 具体的にはブチャラティっぽい感じで!(ジョジョ)

 ゲームの電源はまだ入れてません。

*1 ダニー・トレホ

という名の職業をなさっている俳優。文字通り顔役。←うまいこと言ってやった

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2004.07.23(グランド・セフト・オート・バイスシティより)

1日目

 初回のプレイというのは大事なものだ。個人的にはかなり。ここでいきなりつまづいて(例:感動的なムービーという名のちょいとした寸劇を見せつけられた、操作方法が人知を超えていた、言外に「オレってセンスいいだろ?」と言われた、そもそもこんなゲームだと思ってなかった、等)速攻中古屋行きなんてパターンも少なくない。もちろん個人的には。
 特に今回はこの手のゲームを遊ぶのが初(まあ、GTA3を10分ばかりやったとかそういうのはカウントしないことにして)なんで、初回のプレイはゲームに乗り切れるかどうかの大事な分岐点とすら言える。
 それではさっそく電源をぶちかますとしよう。
 メーカーロゴを経由した後、いきなりのっけからメガデモ(*1)のりのイントロダクションから入るのには驚かされた。何も本編とかかわりがないというあたりもまさにメガデモ。しかし真剣に意味ないなこれ。そしていかにも80年台のりの、だがかっこいいオープニングデモに突入する。しかしこのムービー中で使ってるのはまったくレンダリングとかハイエンドとか考えてない単なるゲーム中の画面を別アングルで取り込んだだけの映像ってところが、真面目にやる気あるんだかないんだかよくわからない。一種の低予算ムービーなのかもしれない。だとしたらかなりヤる連中だぜ、こいつらは。
 そして始まるゲーム本編。といってもまだデモの一部で、ポリゴン役者によるオープニングストーリーってところだ。ダラダラしたコントとかを見せられたら困るなあと思ったけど、モーションキャプチャの説得力ある動きに感心してる間に話はガンガン進んでいた。えーと、よくわからないけどどうやらトニーというムショ帰りが鉄砲玉もいいとこなんで組織に迷惑がられて、ていのいい厄介払いでバイスシティに派遣されたとかなんとか。
 それでなんか4人くらいいるけど、この中のどれがトニーよ?とか思ってる暇もなく、なんか知らんがヤクの受け渡し現場。ちなみにその中の1人であるちんぴら弁護士が、リーサルウェポンシリーズのレオ・ゲッツ(ジョー・ペシ)をいっそう若くいっそうインチキにしたみたいなキャラでいかしていた。
 それはそれとして、速攻で現ナマと交換でブツを頂戴してこいつはモンキー・ビジネス(ちょろい仕事)もいいところだぜと思ってたのもつかの間(約5秒)、現場に待機してた謎の黒服のマシンガン速射の前に次々散っていく売人、そして仲間たち。畜生、ハメられた! とかいう流れなんですか?
 訳のわからないうちに、僕とレオゲッツと路地裏で。ひとしきりレオがぼやいたあげく、車を降りて徒歩で帰るレオ先生。取り残された僕のキャラは、根城にしてるホテルにいったん戻るという筋書きのようです。どうやら僕が操るこのうさんくさい無精髭マンがトニーだったご様子。
 とりあえず画面上部に「△ボタンで車に乗り込む」とか説明が表示されたんで、あらためて車に乗り込んでみる。すると今度は「×ボタンがアクセル」とかそんな感じの説明が連鎖的に出てきて、なるほどなかなか親切設計じゃないか。読んでる先から消えてくんで、けっこう字を追うのに必死だけど。
 とにかく画面下のマップをたよりに慣れないバイスシティの道を走り抜けるとしよう。基本的にはクレイジータクシーを超えてどんなムチャな運転でもアリとされるGTAだが、その勘所が感覚的にわからないので当面は安全運転をこころがけることにする。だいいち仮にもこちとらムショ帰り早々さんざんな目にあってるんだから、今日はこれ以上のトラブルを呼びこむこともないだろう。
 とはいえそこは右車線のアメリカルール、勝手が違って思わず路肩に乗り上げるなんてのは当たり前、途中ついうっかりで街頭をぶち倒したりとか余裕でしつつ、どうにかホテルに帰宅。思ったより高級そうなホテルじゃないか。気に入ったぜ。
 部屋から電話でボスに顛末を話すと、烈火の如くキレるボス。そりゃまあ様子見の厄介払いで適当に仕事ふったトニーことオレがその日のうちにいきなり金もヤクも取られました、あと2人死んだ。なんて電話かけてきたらキレもするわ。この一件にカタをつけなればコロすなんて言い出すボス。こうなるとこっちも必死だ。ホテルで一泊の後、他にツテもないので例の弁護士ケン・ローゼンバーグ(立派な名前だが、おもしろ眼鏡をかけている)の事務所にとりあえず行ってみることになる。
 もちろんケンがひとしきりぼやいた後で、そもそもヤクを調達していた元締め「コルテス大佐」に会うのが近道かも、ってんでコルテス大佐主催の海上クルーザーパーティーに顔を出すことに。事務所を出てみるとなぜかこれまで乗ってた車が消えていた。獣の街、バイスシティ。ここでは車が盗まれることなど日常茶飯事なのか。
 こうなれば目には目をというか、まあぶっちゃけヤクとかの横行する世界に生きるトニー的にはそのへんを適当にぶらついて、たまたま駐車してあった車をいただく。記念すべき初の窃盗です。これは小さな一歩だが、人類にとっては大きな一歩だとしたらイヤだなあ。
 もちろんその辺を歩いてた人に通報されることもエンジンをかけるのに手間どることもなく、まったく自分の車同然に走り出す。これが獣の街、バイスシティ。そうそう、今着てるアロハがパーティーにはファッションコード的に問題なんで、途中ちょっと寄り道してスーツを買いに行く(そうしろとケンに釘をさされた)。
 店では特に問題もなく、まあはた目にチンピラ満載なスーツを調達したけど、それはそれとしてその後の強制ショートデモで「ワァオ、いかすバイク!」みたいな通行人の声、そして店のそばに駐車されるいかしたバイク。去っていくライダー。こ、これは奪えというメッセージと解釈できる。むしろそれ以外に解釈のしようもない。
 そんなわけでさっそくバイクの横で△ボタン。なんのためらいもなく乗り込む自分に気づいて走り寄ってきた持ち主を横目に急発進といこう。そして実際いかしたバイクだけあって乗り心地は快適そのもの。どうやら単純に面積が車より小さいので激突の心配が少ないので快適に感じるらしい。そんな理由もどうかと思うが。
 バイクを停めて乗ったクルーザー。大佐としても金を奪われたわけで、この件は調査中とのこと。それにしては落ち着いてホスト役に徹しているあたり、うちのボスとは大違いだぜ。ついでにメルセデスっていうどうかという感じの名前の大佐の娘(アメリカンなつくりのポリゴンなので、美人という設定なのかその真逆なのかどうにも判断に困る)にも紹介され、彼女にこの世界の名士の顔を教えてもらう。あんまり急に何人も登場したんでよく憶えてないけど、あらゆる意味でどうかしてるポルノ女優の腰の動きと「イチモツ」という言葉を使いこなす映画監督の存在は心に残った。
 パーティーもそこそこに、メルセデス嬢をホテルに送り迎えする役目をおおせつかったオレ。大佐とコネもできたしまずは上出来として、もはや呼吸をするように自然にそのへんに駐車してあった車をいただく。慣れていくのね……自分でも分かる……(セイラさん)。
 不自然に腰を振りながらホテルに戻るメルセデス嬢を送り終え、あとは自分もホテルに戻るだけ。と、ここでミッション終了のサインが表示された。ついでにクリアボーナス$100も、どういう仕組みか知らないが、たぶん神からいただいた。どうやらこういう感じでだいたい言われた通りに地図上のポイントに移動してくと話が進行してって、いつしかミッションクリアになるというシステムらしい。洋ゲーイコールハードというイメージがあるが、意外にイージーというか親切設計というか盲導犬RPGじゃないか。もちろんその気になればいくらでも横道にそれることができそうな予感はおおいにするし、この先ハンパない難易度にならない保証もないんだけど。

 ミッションクリアにもなったし、今日はこのへんでホテルのセーブポイントでセーブして終わることにする。想像以上にけっこうこのゲームのことが気に入ったぜ。

*1 メガデモ

メガドライブとは無関係。80年代後半から90年代前半にかけてナード連中がパソコン技術力の粋を集めて作った、クールかつオシャレな意味不明ムービー。とりあえずカッコいいが別にストーリー性があるわけでも笑えるわけでもなく、何の役にも立たないにもかかわらず流行した。

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2004.07.24(グランド・セフト・オート・バイスシティより)

いろいろな事がおこる

 このゲーム面白いわ。
 もちろん今さわりの部分なんだけど、ゲーム進行にあわせて街の施設や自分のとれる行動オプションが少しずつわかってく過程がなんとも楽しい。こんなこともできるのか! こんな風になるのか! という驚きが数分ごとにあるってのは、やっぱりただごとじゃねえですよ実際。
 そんなわけで今日も今日とていろいろ新しい体験をした。順に書いていってみよう。

 ホテルで目を覚まして、特にやることもないんで例によって弁護士のケンのところに赴くことにする。どうやらこのゲーム、ケン起点でイベントが始まるパターンが主らしい。少なくとも今のところはそれ以外なかったし。
 となるとそろそろホテルとケンの事務所ぐらいは位置を憶えておいた方がいい。自慢じゃないがオレはおふくろの誕生日と地理は憶えたためしがねえが、あ、今回はなさけむようのバイスシティが舞台のゲームなんで、要所要所でワル口調にするつもりでがんばってます。そんなわけでオレはまあそのなんだ、方向音痴なわけだがいつまでも画面左下のマップ頼りというわけにもいくまい。積極的に街の地理関係を憶えようと、ゲームに付属のバイスシティ地図(たぶんアメリカ版るるぶみたいなもの)を広げてみる。
 ホテルを出て向かって左にしばらく直進、最初の信号を左に曲がってつきあたりで右。なんともギャングらしからぬ庶民的な記憶術になってしまったが、とにかく行き方はわかった。映画に出てくるギャングとかもこういう風に道を憶えてたんだろうか。
 とりあえずは足(車)がなければ始まらないのがこのゲームだが、今朝はそのへんに路駐してある車が見当たらない。いままでなら適当にその辺に停めてあった車をいただいていたものだが、L2ボタンで視点を変えて見回してみてもどこにもカモらしき車がない。さて、どうしたものか……、と思う僕の目の前の車道を、何台もの車が通り過ぎていく。……これか。
 とうとう強奪である。いよいよ車泥棒としてのレベルも上がってきた。まずはホテルの近くにある信号まで歩いて、おっとどうせならケンの事務所に向かう車線のほうが都合いいななんて細かいことまで考えつつ、赤信号で停まってる車に近づく。どうにもダサいライトバンではあるが、この際ぜいたくは言えねえ。運転席に近づき△ボタンを押してみると、ドアを開く→中の運転手を引きずりだす→乗り込んでドアを閉じるの作業を流れるようなフルオートで実行してしまった。ちなみに中に乗ってたのはハデなビキニを着た太ったおばちゃんであった。これだから東海岸って場所は……とかやっとギャングぽいことをつぶやきつつ、騒ぎ立てるおばちゃんを尻目に颯爽と走り抜ける一台のバン。
 と、言っても先ほどのゲーム付属の地図、そこはるるぶなのでいわゆるメインストリートしかフォローしていないらしい。勝手にるるぶということにしちゃったけど。ケンの事務所はちょっと小道に入ったところにあるんで、結局道に迷ってしまった。いったん車を降りて、たしかこのへんじゃなかったっけなあとかギャングらしからぬことをつぶやきながらうろうろしてると、ある家の前にアイコンが出てることに気づく。なんだかわからないが触ってみると、「この家を買うなら××ドル」なんてメッセージが。買えるのか! 買ってどうなるのかわからないけど。まあ当面手の届かない額なので放っておくことにして、そんなこんなでどうにかケンの事務所を発見。
 ちんぴら弁護士ケンから街のダニを紹介されさらにヤクの売人も紹介され、とダニがダニを呼ぶ展開で見つけた某売人。こちとら話を聞きたいだけだったんだが、野郎がやぶから棒に殴りかかってきやがったんでこっちも○ボタンで二、三度ぶん殴ったらのびちまったぜ。バイスシティで人を殴るのは初めてだが、えーと、倒れた彼の下からじんわり血が水たまりをつくってますが? いわゆる正当防衛ってやつよ。わかるだろ? とか言いたいそばから、売人が使ってた携帯(80年代なんでやたらデカい)とか奪っちゃってるし。まあ、でも、お互い大人(ワル)なんだから。
 てなわけで携帯ゲット!とか思ってるとそこに意味深に現われた謎の男ランス。こう言うと名前の響き的にもカッコいい感じだが、現物は上下白のスーツで決めたインチキ野郎。このゲームにはこんなのしかいないのか。
 ランスと利害が一致したんで組もうってことになりつつも、さっきぶちのめした売人の仲間がおやっさんの仇ー!とばかりにわいてきたんでここからは脱出イベント。ランスにもらった銃で撃て! そしてランスについてって走れ! 追いつかれそうだからふりかえって撃て! それからランスの車に乗れ! てな具合でやつぎばやに新操作を憶えつつランスの車に乗車。運転は頼んだぜ相棒、とかシートに沈もうとしたら、あ、そうかこれアメリカ車だから運転するのは僕かーなんつって気付いたときには時すでに遅し。追いついてきた売人どもに車から引きずり出される始末。なるほど自分が引きずり出せるように、向こうも引きずり出せるのか、なんて感心してる場合じゃなく大勢にボコられ、畜生おぼえてやがれとか言いつつ再度車に乗ろうとしたらちょうどジャストタイミングで対向車線から車が突っ込んできてドーン。MISSION FAILED(ミッション失敗)──。ランスもさあ、車停めとくんなら車道のまん中じゃなくて路肩に寄せるとかすべきだと思うんだよ。

 再度プレーして今度は無事に逃げおおせた我らバッドガイズ。
 情報集めはまかせろ的に自信たっぷりに去っていくランスを見ながら、ペット・ショップ(鳥)に氷でつぶされなきゃいいけどとか思うオレではあったが、とにかくまたヒマになったんで例によって例のごとくケン弁護士の事務所へ。
 なかなか成果をあげられないんで組織からもせっつかれてるらしく、まあいつもの通りではあるんだけどわめきちらすケン先生。ギャングのお抱え弁護士としては、いま抱えてる刑事事件を無罪にしないといよいよ消される的なところらしい。まあがんばれや先生ってなもんだが、意外にもそこでオレことトニーの出番が。「陪審員を死なない程度に脅せ!」というあらゆる意味で身もふたもないメッセージとともにイベントがスタートした。
 イベントの始まりとともに、何の脈絡もなく車にはねられる通行人(たぶん死んでる)と、まあこんなこともあるさ的なさわやかな歩みで車から降りてどっかに逃げてく運転手。こ、これが無情の街バイスシティなのか! とか思ってる僕だが僕の分身たるトニーは通行人が落としたバールのようなもの(本当)を見て「こいつは使えそうだな」と言い出す始末。どうやら僕の心構えはまだまだギャングとしては甘ちゃんのようだ。
 さっそくバールのようなものを頂戴し、ついでに轢きたての車も頂戴し、陪審員の家までドライブといく。
 STARTボタンで街の全体図をチェックすると、街の南端から北端へと、いままでになく遠出のようだ。いわゆる「海沿いの街」である南東部から北東部に車を走らせるうちに、徐々に街道には高級住宅が目立つようになり、車道は狭い1車線道路へと変わっていった。そう、ここは高級住宅街「VICE POINT」。どうでもいいけど、道が狭い上に車の往来が激しいんで今までのように追い抜きほうだい信号無視しほうだいとはいかず、律儀に赤信号で停まるのを余儀なくされる。チッ、こんな時はバイクを盗るべきだったか。でもバイクってあんまりその辺にないんだよなあ。
 けっきょく何度か車や壁に激突し、少々車をボロにしつつもターゲットの家に到着。具体的に何をすればいいんだろう、と思ってたら陪審員の自家用車に矢印アイコンが出て、「車をぶち壊せ!」的なメッセージが。なるほど、こうやって陪審員に無言の警告を伝えるってわけか……。てなわけでバールの出番。あらゆる角度からガンガン破壊して黒煙をあげればミッションはひとまず成功で、次なる陪審員の家にと移動する。
 
 今度は最初から陪審員氏が家の外にいて、なんだか知らないが女房殿(それか情婦)とモメてるご様子。英語がわかれば話の中身もわかって楽しいんだろうけどなー、とか思いつつ割って入ろうとしたが、すでにヒートアップしている2人の口論は止まらない。かといってこっちのコントローラー操作には「話す」ボタンがないわけで、えーと、まあいきなりバールや銃ってのもなんだから、R2ボタンで武器を素手に変えてドーン。
 ヒイィィィーとか言って逃げ出す陪審員氏。そりゃまあそうだわな。しかしこれでは単なるいきなり殴りマンであってメッセージが伝わってないので、さらにイベントは進行。自家用車に乗り込んで逃げ出そうとする陪審員氏、しかしタイミング悪く事故って立ち往生。ここで出るメッセージが「車をぶち壊してひきずり出せ!」。
 さあ教育のはじまりだぜとばかりにバール片手に近づくオレだが、そこになぜか割って入る通りすがりの男が。この街にまだこんな正義を信ずる男がいたのか、といささか感動したもののこちとら○ボタン連打中だったんでそいつにも一撃を食らわせてしまう。のびる男。しかし立ち上がる男。な、なんて不屈の根性だ! と思ってたら銃を抜く男。そ、それがお前の正義か!? と思った瞬間、どうやらこの男はたまたま巡回中だった警官らしいということに気づく。バイスシティの警官の制服、地味でよくわかんねよ!
 そんなこんなでHPがゼロになり警察署の前に放り出されるトニー。しかしステータスを見ればすでに指名手配中。もしかするとここで警察署に入ってしかるべき賠償金とか支払えばなんとかなったのかもしれないけど、そんなことを考えてる間にももはや目の前でおもきし撃ってくる警官とのバトルがヒートアップ中。オレが撃たれて死ぬか、それとも……あんたが殴られて、死ぬ、の? そういえばHPがゼロになった時に武器も没収されてたんだった。

 結局ロードしてやり直したら、今度は警官にも見つからず無事に脅しきれました。

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