人生: サイレントヒル(まとめ読み)

鉄の靴  > 人生  >  ゲーム日記  > サイレントヒル

サイレントヒル(まとめ読み)

プレイステーション用

※下に行くほど新しい記事です。


目次から...

2003.01.07(サイレントヒルより)

サイレントヒルの話をしない

 サイレントヒルを始めた。もちろん初代である。無印である。このプレステ2全盛の時代にプレステ1である。そういや前回の『龍騎』もプレステ1用で、どうやら僕は確実に時代を自分の素手で殴っている御様子。
 というか実際いまこの時期に、ましてふだんから宮本茂作品に対して不自然なまでのくいつきを見せているこの僕がゲームキューブ版ゼルダを遊ばないのはどうしてだという声もあるかと思う。各所で賛美の嵐的なことになっている、あのゼルダを遊ばない君はなにか、そうやって他人とは違う自分をアピールしてモテたいのか、そんなにもモテたいのか! という意見もあろうし、まあ実際モテたいですしお金とか名誉とかもほしいですがそういうことじゃなくって。
 つうか本当はゼルダ発売日に買ったけど方向音痴だから全然楽しめなかったんだよちくしょう!
 そうなのだ。僕はもう相当な方向音痴であって、構造的な地形の把握ができないというか近所のローソンに行く道は経験的に知っていても、同じ店に別のルートからは絶対たどりつけないという種類の人間なのだ。初代ゼルダみたくブロック単位だったらじゅうぶんなんとかなる。ドラクエみたく基本的に道が縦横4方向しかないならどうにかいける。だが道が斜めだったり立体的になってたりするともうお手上げだ。比喩表現とかじゃなしに自分がどこにいるのかわからなくなるのだ。マップがあろうがどうやってここに来たのかが感覚的に理解できてないから、マップになんの意味もないのだ。ちなみにマリオサンシャインの場合、周囲がひらけていて「見渡す」という行為ができたのでなんとかなった。
 だからって、と人は言うかもしれない。たしかに今回のゼルダでもいわゆる右手法とかで場当たり的に進んでもけっこうイケるものだと聞く。でも、そんなの全然面白くねえんですよ。僕は次に行くべき場所の目星をつけてそして事実そこに行ったらそれであってたっていうゲーム的楽しさを味わいたいのであって、なんつうか意味もわからずにただ歩いたら知らないうちになんとかなった、とかそんなコマンド総当たりみたいにゼルダを遊んでも楽しくないむしろ悲しいんですよというか事実、心底落ち込んだ。
 そんな年末年始を通り過ぎて1月7日である。ちなみにいま書いててまたヘコみかけた。それくらいものすごく楽しそうなあのゲームを遊ぶに遊べなかった事実は僕の心に重くのしかかっているのである。そしてサイレントヒル。このゲームなんつったら遊んでみるまで知らなかったんだけどフルポリゴンである。フルポリゴンの街をゆくのである。だ、駄目だ! また自分がどこにいるのかわからなくなる! と恐怖にふるえました (たぶんこのゲームの意図とは違う種類の恐怖) が、碁盤の目状の町並みだったので大丈夫でした。セーフ。
サイレントヒル日記でこれほどサイレントヒルの話をしていないと、かえってちょっとしたものじゃないかとすら思う。物凄い意志の力だ。何を言ってるんだ僕は。

この記事単体のページ...

 « 「人生」トップページに戻る
2003.01.11(サイレントヒルより)

チラー・ショック

 前回の日記があんまりだったので、今日はまじめにやろう。あと『サイレントヒル』と『パラサイトイブ(*1)』の語感はとても似ていると思う。(早くも台無しの予感がただよう)
 そういうわけで久しぶりにゲームをした。それというのも、このゲームの場合始めるのにちょっと意気込みが必要になるのだ。怖いので。
 ものすごく怖いよこのゲーム! ヒィーとか(*2)言いたいよ! 失神者続出だよ! 全米18州で上映禁止になるよ! というほどに怖い。冗談じゃなく怖いので、遊んでて「なんでこんな怖い思いまでしてこのゲーム遊ばなきゃいけないんだ」となんだか矛盾したことを思うほどに怖いのだった。
 怖さにもいろいろあって、シチュエーションというかその場の空気感の怖さ(*3)とか、突然現れてビックリ系の怖さ(*4)とか、見た目の気持ち悪さや残酷表現(*5)とか、ゲームだとだいたいそんな感じだろうか。逆にあんまりゲームで見たことない方向だと、登場人物の電波ぶりやサイコぶりを追ったものとか、話の整合性が (意図的に) 壊れている気持ち悪さとか、絶対どうしようもない状況に対する絶望とか、そんなとこか。確かにそれゲームにしたって、ゲームとして成り立たないからなあ。
 で、サイレントヒルである。関係ないけどいまキーボード打ってて「サイレントヒル」を「サイレントメビウス(*6)」と打ち間違いそうになってひどく落ち込んだ。サイレントヒルである。この怖さっていうのを強引に分類すると、「緊張を強いられ続ける怖さ」だと思う。もっとくだいて言えば「あの暗がりに怪物がひそんでいる気がする怖さ」であり、「そこにいるのは分かってるんだ! 出てこい! あるいは出てこない方がいい! 永遠 (とわ) に」という怖さで、そういうのがこのゲームえんえん続くのだ。
 いかにも隠れていそうなのだ。霧に包まれた視界の外に、あるいは路地の側道に、あるいは明かりの届かない暗闇の奥に。もうこのゲームそういう「目の届かない場所」が異常に多くて、それは意図的に。おかげでこちらといたしましては常にドキドキです。おまけに視界が悪いだけになかなか敵に攻撃がヒットしなかったりもして生命力ガツガツ削られることが多いので、本当に敵にはいてほしくないんであーもう怖い。だいいちバランスがものすごく絶妙のギリギリさで、いちおう難易度NORMALで遊んでるものの常に、もう常にいつも弾薬や回復薬が底をつきかけていてあーもう本当に怖い。そういうのがゲームやってる間ずっと続くのだ。緊張と緩和なんて言葉もあるけど、このゲームの場合緩和とかゆるいことを余裕でとっぱらってえんえん緊張なのだ。僕がこのゲーム遊ぶのに覚悟を必要とする気持ちもわかっていただけると思う。

 と、思って遊んでたんだけど、今日初めてゲームオーバーになって、で、その時に表示されるヒント見て気がついた。もしかして今まで僕は敵を殺したつもりで、とどめを刺しそこなっていたんだろうか。もしかしてちゃんととどめを刺していれば、その場所にはもう敵は出現しなくなってたんだろうか。もしかして僕はよけいな難易度の高さを味わってたんだろうか。ヒィィー!(違う意味で)

*1 パラサイトイブ

本当に詳しく知らないが、ゲーム版はバイオハザードによく似ていて原作と関係ないらしい。

*2 ヒィーとか

楳図かずお漫画のノリで言いたいらしい。

*3 空気感の怖さ

アドベンチャーとかノベル系のホラーゲームだとたいていこれかも。『ファミコン探偵倶楽部2 うしろに立つ少女』とか。

*4 突然現れてビックリ系の怖さ

実は『バイオハザード』は基本的にはこれに該当すると僕は思っている。『1』の後に『2』を途中でやめてそれ以降やってない僕が偉そうに断定する筋のことではないが。

*5 見た目の気持ち悪さや残酷表現

これを追求したゲームは意外に少ない。この該当作ではアーケード版の『エイリアンシンドローム』は当時ものすごく怖かったんだけど、あんまり賛同してくれる人はいないだろう。

*6 サイレントメビウス

こう言っちゃなんだが、あれは、なかったことにしよう。

この記事単体のページ...

 « 「人生」トップページに戻る
2003.01.12(サイレントヒルより)

あともどり

 ヒィィー! (前作のラストからそのまま続くオープニング) とか言い出すほどに映画的な演出が光るこのサイレントヒルだが、そんな話はまた別の機会に。←とりあえず書いてみたものの、今回の趣旨からはずれすぎたらしい
 昨日の日記の時点でようやく「敵にはとどめを忘れるな」と範馬勇次郎ばりの教えを知った僕ですが、知るのが遅すぎたっぽくてその後すぐに弾薬も薬も切れ、満身創痍のままサイレントヒルの街に消えていったという。……FIN

 いや実際FINなわけですよ。にっちもさっちもいかなくなったわけですよ。いくらロードしてやり直そうが押し寄せる敵の物量作戦 (連邦軍ばりの) には勝てず、ゲームオーバーへの道一直線な日々ですよ。さいわいセーブファイルは3つに分けて順に保存してるんで(*1)、2つばかり前にさかのぼってロードしなおそうかとも思ったんだけど、この際だから初心に戻って最初からちゃんととどめプレーでやり直そうと思いましたね。実際。いや今度はもう昔の自分じゃないわけですよ。さすがに銃の扱いにも手慣れた感がただようわけですよ。今度こそ薬がなくなったりしない無傷プレーで、いやまあとりあえず最初のほうくらいは、イケるんじゃねえのと思うわけですよ。
 それで最初から再開。まずSTARTボタン押した段階で出てくる難易度選択でいきなり迷ったりもした。いままでNORMALモードでやってたけど、実は自分には分不相応というものではないか、どうせやり直すならEASYモードの方がよかないかとかも思ったんだけど、まあそこまでチキンなのもためらわれるのでNORMALで開始。そして発売当時としてはやたら美麗だったが、逆にそれゆえになんかいいのは画面だけでゲームはつまんねえんじゃねえの?という気持ちになってしまった (痛恨のミス) オープニングムービーにはじまり、というかまあさすがに2度目なんでそこはスキップしましたけど。そしていかにもいわくありげな車椅子と病院のベッドを経由したり (←単なる伏線を忘れないための自分用メモ) 。そして2度目なのにやっぱり怖い最初の暗闇でアレなことになってその後ムービーをスキップしたりして、最初の敵との戦いでやっぱりダメージを受けたり。あーと、思うに敵が自分の視界から消えやすいシステムは臨場感はあるけど、やっぱりゲーム的に無理があると思うな、実際。まあそういうゲーム的にアウトでも怖さが出せるなら余裕でそっちを優先するところがこのゲームのいいとこなわけですが。
 とかなんとか思いながら外の世界へ。どっかで聞いたような名前の地名がいかにもだなあ、とかも思いながら。あと、やっぱり前から飛びかかってきた敵をタイミング失敗で撃ちもらして、ダメージ受けてよろけてる間に画面外に消えられて、見失ってキョロキョロしてる間に背後からダメージ受けて、あわてて方向転換したらまた背後に回り込まれてて、っていう一連の流れるような負け動作を実行した。
 えー、いちおう2つめのセーブポイントまで来ましたけど、すでに薬不足におちいっています。……明日はEASYモードでやり直そう。僕にはそれがお似合いだ。

*1 セーブファイルは3つに分けて順に保存してる

あまりうまい説明文ではないが、なんとなく雰囲気はわかってもらえそうなので放っておいてみた。

この記事単体のページ...

 « 「人生」トップページに戻る
2003.01.13(サイレントヒルより)

勇気0%

 前回の決意のとおり、EASYモードでやり直してみましたよ。なにぶん3度目 (それもほとんど間を置かずに) なのでさすがに怖くないです。むしろ敵との間合いの取り方にもみがきがかかり、あとEASYモードなんでダメージ受けてもそれほどでもなかったり、しかも今までのプレーで見逃してた薬ガッポガッポプレイス (通称HEAVEN) まで発見して、なんか異常なほどに余裕プレー。薬草 (あきらかにそんなものではないが、つねにドラクエ精神を発揮する僕は「いちばん回復量の少ない薬」を総じて薬草と呼ぶことにしている) なんかもう10個以上あまってますよ? これはまあある意味望み通りというか、簡単に遊びたいのでEASYモードを選択したわけではあるんですが、だからってここまで簡単になっていいものかという気がするのも事実。つうか正直申しまして緊迫感ゼロです! こ、こんなのサイレントヒルじゃねえ! これはもはやサイレントナイト翔だ!(「サイレント」がつけば何でもいいと思っている)
 という具合の楽勝プレーで、あーこれは失敗だったかなあ、等思いつつもすでにセーブファイルは上書きしちゃってるんでいかんともしがたいまま前々回のプレーで最後にたどりついた場面に到着。やや具体的にいえば、暗い場所。で思ったんですが、こ、怖えよ! やっぱり怖えよ! このまま怖さが死因という変死体が僕の部屋に一丁上がりしかねないほどです。というかいまこのとき誰かに後ろから声かけられたら死にはしないまでも大変なことになるだろうなーって素直に思いました。
 やっぱりEASYモードだろうが怖いものは怖い。最初のうち楽勝プレーだったのは単に3度目でやりなれた場面だっただけだ。初めて来た場所なんつったらそこはもう恐怖のどん底と表現してさしつかえない。なんだろうこの怖さっていうのは、敵がいつどこから襲いかかってくるかわからないっていう不安感もあるけど、単純にものすごく嫌なかんじの場所がポリゴンでリアル(*1)に描写されてるという面も大きいかも。実際、歩いててものすごく心細くなりますよ僕とか。ものすごい暗い夜道感ですよ。早く家 (ないけど) に帰りたくなりますよ。あんまり早く帰りたいので思わず×ボタンダッシュをしたくなるけど、それやると大事なもの見落としたり敵の不意打ちをくらいそうなんでやっぱとぼとぼ歩くのがこれまた不安ですよ。
 というかアレだ、このゲーム敵が視界の外から近付くとラジオ (アイテム) からかすかなノイズが鳴るようになってて、それはある種親切設計だなーとか思ってたんだけど、そんな生やさしいもんじゃねえぜこいつは!と思いましたよ。これは単にプレイヤーを怖がらすためのギミックじゃんか! だってノイズが鳴ったところで、近づいていることはわかってもどこから来るのかはわかんないんですよ。そんな情報ないほうがまだましっていうか、知れば知るだけ不安になるだけっていう、まったくこのゲームは一事が万事そういうノリで人を怖がらすことしか考えてないので、あーもう怖い。
 で、恐怖におびえつつやっと当面の目的地 (少し具体的にいえば低年齢向けの教育施設) にたどりついて、あーようやく人心地つけるかなーと思ってたら、暗い閉鎖施設の中を探検するっていうさらに怖いはめになりまして、今日はここまでにすることにしました。これ以上続けると恐怖でどうにかなりそうだったので。

*1 リアル

プレステ1のゲームだから画質はえらい悪いんだけど、光の具合とかデフォルメの少なさとかリアルタイムで視点が変わることとかでやたらリアルに感じる。

この記事単体のページ...

 « 「人生」トップページに戻る
2003.01.15(サイレントヒルより)

このゲームに呪いあれ

 あえて誤解を恐れずに言ってしまうと、僕はこのゲームが嫌いだ。だって怖いし。
 どこから襲ってくるのかわからない敵が嫌いだ。敵の不気味な姿形が嫌いだ。理性を感じさせない敵の動きが嫌いだ。敵の存在を知らせるために突然に鳴り出すノイズが嫌いだ。僕に見えないどこか近くで敵がたてる声が嫌いだ。ひどくリアルで現実感に満ちた風景が嫌いだ。意味ありげな血痕が嫌いだ。美形でもなんでもないせいで作り事らしさを感じさせない主人公の顔が嫌いだ。幼い愛娘を探すというせっぱつまった設定が嫌いだ。この先でなにか恐ろしいことが起こると予感させる演出が嫌いだ。壁にぶつかっただけで振動するコントローラが嫌いだ。HPが減った時に鼓動のように振動するコントローラが嫌いだ。重大で危険な何かを見落としそうだから「走る」という行為が嫌いだ。一刻も早く立ち去りたい場所からなかなか離れられないから「歩く」という行為が嫌いだ。獣の吠え声のような風の音が嫌いだ。重くのしかかるようなBGMが嫌いだ。神経をかき乱す機械の動作音が嫌いだ。主人公が立てる虚ろな足音が嫌いだ。物音ひとつしない静けさが嫌いだ。突然どこかから聞こえる何だかわからない音が嫌いだ。物陰が嫌いだ。霧で見えない場所が嫌いだ。暗闇が嫌いだ。動くたびに不安定に移り変わる視点が嫌いだ。視点移動した時に視界の外に消える風景が嫌いだ。明らかにそこに何者も潜んでいないくせに、そこに何かが潜んでいるかもしれないと思わせるすべてのものが嫌いだ。だって怖いし。

 たとえば今日の話。今日は思ったより時間にゆとりがあったので、そう1時間ばかり (学生じゃないのでゆとりとはいってもこういう時間設定になる) 遊ぼうかと思って、あるありふれた施設内をおっかなびっくり探検していた。そこでまったく予想外のところで想像外のとんでもなく怖い目にあって、そのとき僕はもう限界だと思った。ここまで怖い目にあってこれ以上このゲームを遊ぶのは無理だと思って、セーブして電源を切った。ふと時計を見てみると、まだゲーム開始から12分しか経っていなかった。

 誤解してほしくないので、このゲームがどれほど素晴らしい傑作かということを示す事実を最後に書いておこう。
 僕は電源を切ってから5分くらいして、また思い直してプレステの電源を入れ直した。
 だって面白いんだよ本当に。

この記事単体のページ...

 « 「人生」トップページに戻る
2003.01.16(サイレントヒルより)

これが俺たちのやり方

 ゲームを遊ぶときに、どんなスタイルで遊ぶか。これは重要な問題だと思う。スタイルといっても体の姿勢のことではない。これはこれで大事なんだけど、とりあえず今回はその話じゃなくて、周囲の環境の話ですよ。
 僕がふだんゲーム用に使ってるのは21インチの、まあそこそこ程度に大きいくらいが自慢の普通のテレビなんだけど、そこが平面でも液晶でもない悲しさ。夜間ふつうに遊ぶと画面の写り込みが激しいのだ。つまり蛍光灯の光をソーラレイよろしく存分に反射して、僕の顔やら部屋の様子やらを映し出すのだ。画面に。まー暗い画像のときだけのことではあるんだけど、ゲームだとたいていロード中とか場面転換とかのたびに画面が暗くなるイコール自分のツラが大写しになるわけで、そのたび「さ、冴えねえ!」としょぼい気分になるわけですよ。
 そんなわけでゲームやるときには部屋の電気暗くして遊ぶのが僕たちのアーバンスタイルだったわけです。ちなみにメモとか必要なときはCLIEのメモ機能使うので、いくら部屋が暗かろうがバックライト液晶で問題なし。あと説明書を読むときのために常夜灯を (ふだんはOFFにしてるが) プレステの前に設置しておくという念のいれようである。
 ところが今回のサイレントヒルでは、今までのやりかたでは太刀打ちできないことが判明したのだった。理由:部屋が真っ暗だと怖い
 いや本当に怖いっていうか、今回の日記は毎回怖い怖いって言っててとても頭悪そうだと思うのでこの調子でいこう。そうとも、怖いさ。ああ怖いとも。部屋が暗いと、なんつうか視界に入るものが純粋にゲーム画面だけになるので没入度がケタ違いなのだ。これが逆に部屋が明るいと、写り込みの問題もそうだし、なによりテレビの脇にある本棚 (それもジョジョの奇妙な冒険とか炎の転校生とかが並んでいる) だのコンポだのが視界のすみに常に見えるので、わりと緊迫感がないのだ。いくらサイレントヒルが怖いっつってもちょいと視線を移せばガンプラが何体も飾られてるとくればちょっぴり安心できるというものだ。
 あ、そうそうためしに部屋真っ暗な状態でアイトレック(*1)でもやってみたけど、思ったより全然怖くなかった。アイトレックは液晶面そのものがやや明るいので、周囲の暗闇にとけこまないんですよ。液晶の解像度の荒さも手伝って、なんかいかにも「画面」って感じでリアルじゃなかったですねー。これなら部屋暗くして大画面テレビで遊んだ方が絶対怖いと思いますよ実際。
 つまり問題は、ゲームとしての緊迫感をとるか、安心をとるかということだ。もっと大人らしさを捨てて言えば、怖いのと怖くないのどっちがいいかということだ。そして僕が選んだ道は、部屋の明かりをこうこうとつけて、しかもパソコンの電源を入れてファンの音もブンブン立てるわゲームの間中MDリッピングさせてスクリーンセーバーも効かなくするわでおおいにゲームと距離をおくスタイルだ。いや実際部屋真っ暗でヘッドホンでやってはみたんだけど。なにしろ尋常じゃなく怖いので。5分だけ遊んだらもう限界がきちゃうんで。そんな調子ではいつまでかかるのかわからないので。あの、怖いの好きな人とかは本当に部屋暗くしてヘッドホンで遊ぶといいと思います。
 ちなみにヘッドホンは今でも着用して遊んでいる。あの重苦しいBGMとか耳元で聞きたくはないんだけど、ヘッドホンだとステレオ音声がクリアーに聞こえるから敵の位置が特定しやすくていいんだよなー。でも本当は耳元で聞きたくはないんだよなー。
 あ、いま余計なこと気付いちゃったんだけど。あのさ、僕『Rez』が好きだったんで調子こいてUSB振動パック(*2)も持ってるんですよ。当時すでにRez以外に何の役にも立たない (太鼓コントローラ以上に) と思って買ったんだけど、意外にこれ使って遊ぶとさらに怖くなるかもしれない。ああ本当に余計なこと気付いちゃったなあ。

*1 アイトレック

生産中止になる直前に、もったいないので買ってみた。

*2 USB振動パック

正式名称トランスバイブレータ。主にこれの上に座ったりして使う。本当にただコントローラと同様に振動するだけっていう、ものすごいどうでもよさが漂う逸品。いいんだ僕は好きなんだから。

この記事単体のページ...

 « 「人生」トップページに戻る
2003.01.20(サイレントヒルより)

思わせぶりな態度

報告:前回書いたUSB振動パックを使うと怖さ倍増!っていう裏技 (伊東家ばりの) は、そもそも対応してないソフトだとピクリともしないという仕様によって完全に役立たずとなりました。そんな仕様、ありか?

 そんな悲しいおしらせ (しかし一方でこれ以上怖い思いをしないですんだのでよいしらせと言えなくもない) はさておき、休日だからってんでワーイなんつって遊んでたら例の小児むけ教育施設は探索しおわって、さらにその先にある足音がカンカンって鳴る場所も探索しおわったりしてました。ビックリ!(誰かが)
 それにしてもあのカンカン場所 (←こうやって書くと怖さのかけらもないが、見た目の段階でとても怖い場所) はなんだったんだろう。なにか伏線というかあきらかに謎解きのピースのひとつらしき情報もあったんだけど、今の段階ではまだなんとも言えないしそれよりもむしろ各所にちりばめられた思わせぶりで怖い各種物体のほうが気になるという状態です。現状。
 それにしてもこのゲーム、とことん思わせぶりな怖さを追求したゲームだと思う。あれだけ「何か潜んでそうな死角」とか「バックグラウンドに恐ろしい由来のありそうなもの」とか「油断したころにドーンってなりそうなもの」がこれでもかと出てこられたらそりゃ怖いっつうんですよ。しかもこれが意外に心配どおりにならないで、そのまま何ごともなかったように話が進んでったりするんですけど、いや、ちょ、ちょっとここ解決してかなくていいの? 僕のこの落ち着かない気分はどうなるわけ? という気分でなんつうか非常に自分はたいしたチキンだと思いますね。マーティ・マクフライだったら激怒ものですよ。なんだかわかりませんけど。

 そんなこんなで現在、いままでがいままでだっただけにもはやさわやかにすら感じる街の中を、宗教関係の施設に向けて歩いているところです。前はあんなに怖いと思ってたのになー。

この記事単体のページ...

 « 「人生」トップページに戻る
2003.01.22(サイレントヒルより)

几帳面な性格でね

 今の状況はどんなかというと、ええとダイエット効果てきめんのピザを出してくれそうな人物(*1)と出会い (かなり一方的に) 、それはそれとして街を探索しているところですよ。すごい切り替えの早さだ。
 それにしてもこの街の探索というのも久しぶり (途中にいわゆる教育施設を経由したので) なんだけど、こんなに簡単だっけ?とか増長はなはだしい今日この頃である。敵の接近音が聞こえたらあわてず騒がず壁に背をつけて銃を構え、視界に敵が入ってきても十分に近づくまで待って、攻撃態勢に入ったその隙を見逃さずに一発、二発、三発とたて続けに撃ち込むわ倒れた敵に冷静かつ非情なとどめを刺すわと、これはもはやホラー物の主人公というよりはちょいとしたマタギである。むしろ街の遊撃手といった風情である。バキューン (ウィンク等しながら) 。まあ接近音の聞こえる方向からしてこっちだろうと思ったら真逆を向いてたっていうお約束に満ちた失敗もしましたが。こんなにも5.1chをうらやましく思ったのは生まれて初めてだ(*2)
 そんなこんなで地図もそうとう埋まってきました。ええとこれゲームやってない人には何のことかわかりづらいだろうけど、サイレントヒルの目的の第一義は実に地図を埋めることにあるのだ。ごめんちょっと言い過ぎた。えーととにかくこのゲームはオートマッピングなのである。むしろ地図は最初から用意されていて、プレイヤーはその各地点に何があるか (あるいは何がないか) を確認するのだ。確認すると地図に×印だのチェックマークだのがつくのだ。ものすごくしぼりこんで言えば、この作業が実質ゲームのメインなわけなんだけど、これがかなり楽しい。
 これは僕が着実に「つぶしていく」作業が好きなせいもあるんだろうけど、というか先に進めれば取り逃しとか見逃しがあっても全然気にしないというタイプの人も多いわけでそういう人にとってどうだかはよくわからないんですが、まあとにかく僕的にはおおいにアリといえる。それどころか明らかに前後の状況からみてもう何もなさそうな場所であってもとりあえず行ってみてチェックマークをつけてやっと満足する始末である。しかもその道中も敵に襲われてムダ弾を使うしダメージも少々受けてさえいるのに、なにかをなしとげた男の顔をしてるというていたらくである。こんなことでいいのか。いや実際回復アイテムを発見したりもしてるので得することも多いんですよ?
 で、とりあえず今現在の行動範囲はひととおり探索しおわったので、いよいよ交通手段にまつわる巨大な機械を動かそうと思います。実はけっこう前にこの機械にはたどりついていたのだけど、地図が埋まりきるまでは動かす気がさらさらなかったのだ。誰だってそうする、俺もそーする(*3)

*1 ダイエット効果てきめんのピザを出してくれそうな人物

リチャード・バックマン『痩せゆく男』参照。参照したからどうだってことはないが。

*2 5.1chをうらやましく思った

このゲーム、純粋にステレオ音声なので「右からの音」と「左からの音」の区別はつくが、「前」と「後」の区別がさっぱりつかない。なんとかならないだろうか。

*3 誰だってそーする、俺もそーする

「お前は一枚のCDを聴き終わったら、キチッとケースにしまってから次のCDを聴くだろう?」。ジョジョの奇妙な冒険ですが。

この記事単体のページ...

 « 「人生」トップページに戻る
2003.02.08(サイレントヒルより)

ここ最近のこと

 忙しさにかまけたり風邪で伏せったりとかそんな具合でぼんやりしてたらこのありさまで、なんだかずいぶん久しぶりの日記である。個人的にいわゆる「病気自慢」はあんまり好きじゃないんだけど、それにしたって「なんだかまわりの声がよく聞こえないなー、おかしくないか? だいたいなんだよさっきから聞こえてるこの誰か知らない人の声は。あれ? そういえばヘッドホンが耳にはまってるよ? あれ? ラジオか? そうか、ラジオか!」という一連の思考の軌跡をたどった時は、さすがにこんなことしている場合じゃないと思ったね。すごく。
 まあそんなこんなでサイレントヒルもずいぶんやってないわけで、やっとこ遊んでみたら今自分がどこを目指していたのか速攻で見失う始末。まあマップを見ると丸印が大きくついてたんですぐわかったけど。親切設計万歳。
 というか実際このゲーム、意外に親切設計だよなーとか思いましたよ。プレイヤーを思いっきり突き放したつくりと見せかけて、っつうか実際突き放してはいるんですけど、その一方でそんな具合に次に何をすればいいのか明確になってたり(*1)、絶妙の場面でセーブポイントが登場してきたり、「行きは大変でも帰りは一瞬(*2)」な移動手段が用意されてたり。実際、親切設計になってるからって怖さが減るわけじゃないんだからこういうのは大歓迎ですよ自分としては。あーなんつうかだめなホラー作品ってゲームに限らず、怖がらせることとイヤな気分にさせることを取り違えてることって多いじゃないですか。そういうところを間違えてないのはやっぱり立派だ。
 それで現在の進行状況としては、えーとこのゲームの場合、舞台が現代なだけに場面場面があんまり劇的に変わりはしないからぼかして説明するのが難しいんですが、白衣を着た方々のいそうな場所。つうか実際いた。いやな形でいた。あとそういやミニスカパンチラシーンとかもありましたよ? いやな形で。そういう場所。
 最初のうちはまあなにしろ以前に行った、例の教育施設がHELL級の恐ろしさだったんで実際余裕かと思ってたんですよ、白衣を着た方々のいそうな場所。マップ見るかぎりそれほど広くもなさそうだし意外と簡単に終わりそうじゃねえ?とか思ってたら、例の移動手段のあたりで雲行きがあやしくなってきて、なんかもう土下座とかしますから許してください。というくらいのホラースポット (USOジャパンが裸足で逃げ出すような) になってたんで、怖かったです。
 それもどうにか一段落しまして、今度はどうやら宗教関係の施設に行くことになっているらしく、まあその前に町中をうろつくことになりそうだなーという次第。

*1 次に何をすればいいのか明確

あといい意味で選択肢が限られていて、自然に進むべき方向に進むようになってます。

*2 行きは大変でも帰りは一瞬

具体的に説明するとあれなのでドラクエでたとえると、一度行った場所なら以後はいつでもルーラで途中をすっとばして瞬時に行けるとか、そういうやつ。

この記事単体のページ...

 « 「人生」トップページに戻る
2003.02.09(サイレントヒルより)

彼方からの手紙

 君がこの日記を読む頃には、僕はこのゲームを終えているかもしれない。
 そういう訳でなんか知らないが急展開である。宗教施設に行かねばならないことになったかと思えば、なんかもう怒濤の展開がビッグウェンズデー級に押し寄せてきて、あれやこれやという間に、えーとそれでもあえてぼかして言うなら、じめじめした場所に来てしまった。というか多分このじめじめした場所すらもいま終わりかけている。
 思うに大詰めなのだ。ストーリー展開にしても、これまでひどくぶつ切りで提示されていた数々の手がかりがひとつにまとまりかけているのだ。というか実際だいたいこういうことになってるんだろうなーと想像はつくんですが、その意味もう残るは大ボス級の存在が出てきて「全てはこれこれこういうことでした。あと死ね!」と謎解き&ラストバトルになりかねない勢いです。そういう展開です。今いるじめじめ空間も、広さといい雰囲気といいちょっとしたラストダンジョンの風情をただよわせています。まあこれが間違いで、この後さらに数十時間ゲームが続くという可能性だっておおいにあるわけですが、とにかく今の気分から言えばラスト間近っぽいのだ。

 ゲームが終わりに近づくときというのは、どうにも複雑な気分になるものだ。それはオチというかラストを早く知りたいという気持ちと、この楽しい日々が終わりを告げてしまうのはなんだかもったいないなあという気持ちのせめぎ合いで、いやまあこれがつまらないゲームだった時には「もうラストもだいたい想像つくし、後はどうでもいいや」ということになってエンディングを見ないまま満足して売っぱらったりもするわけですが。
 そんな終わりを見たい、でも終わらせたくないという複雑な気持ちを抱えて僕は常にゲームの終盤を遊ぶわけですが、このゲームの場合はそこにさらに、この恐怖と緊張のかたまりみたいなゲームが終わるのならそれはそれでひとつの安息ではなかろうか、という気持ちもないまぜになってさらに複雑です。正直言ってこんなにストレスがたまるゲームって生まれて初めてだよ! いや面白いからいいんだけど! なんつうかもう映画とかで脇役の警官 (はた目にも死亡確定) とかが暗闇に向かって「畜生! 出てこい! そこにいるのは分かってるんだ!」とか銃をやたらあっちこっち向けるあの気分が、物凄くリアルに実感できました。そんなゲームでした。

 いや、思わずまとめちゃったけど、本当にいいのか。えー、とりあえずこれからじめじめ空間を抜け出したいと思います。次回乞ご期待。

この記事単体のページ...

 « 「人生」トップページに戻る
2003.02.13(サイレントヒルより)

最後だしいろいろ書いてみよう

その1:まとめ
 とりあえず前回からの報告。えーと、あそこから先が思いのほか長かったです。うわ格好悪い。いや実際の話、あの先にちょっとしたおまけ的要素があったからその分長引いたっていうか、えーまあもういいです。終わったし。
 なんかもうある意味意地なって遊んでたところありまして。だってもう終わり目前っぽいのにセーブしてやめるのってもったいないじゃないですか。あと10分程度で終わるなら今日中に終わらせようとかいう気持ちがなんだかんだで1時間くらいですよ。まあ1時間つってもそれほどの長さじゃないわけですが、このゲームの場合恐怖につぐ恐怖なので、それだけ連続で遊ぶのはやっぱり珍しかったりする。個人的には。慣れっていうのもあるんでしょうか、最後のほうともなると怖さに耐性がだいぶついたっていうか。たしかに今にして思えば最初の方なんかもう全然怖くないと思うんですよ。いまや僕はチキン野郎を脱皮したのです。この日記はそんな、男としての成長を描いた感動ロマンだったのだ。無理を言っているのは百も承知だ。

その2:薔薇の名前
 前にもちらっと書いたけど、このゲームに登場する地名はしばしばどっかで聞いたような地名である。具体的には「クーンツ(*1)通り」だったり「バックマン(*2)通り」とか「ダニッチ(*3)通り」だったりまあ数えあげるときりがないのだが、たぶん通りの名前ぜんぶに由来があるんじゃないかなー。これはまあ制作者のちょっとした遊びでありオマージュでもあるわけで個人的には好きにやってくれておおいに結構なのだが、しかし実際クーンツ通りっていうのはちょっと引いた。いやクーンツがどうこうってことじゃなく、語感の軽さが。
 こんな時ふと思い出すのが、ずっと昔、もう10年以上前の『ラプラスの魔』というゲームだ。クトゥルー神話(*4)を強く意識したゲームで、当然ホラー風味だった。後半そのへんはどうでもよくなってたが。あと難易度高すぎたと思う。そんなことはともかく、クトゥルーを意識した結果、序盤の町の名前は「ニューカム」になっていた。もちろん「アーカム」をもじった名前で、あと町の雰囲気的にはインスマスだった。これらもまあ要するに制作者のちょっとした遊びでありオマージュであり、あとこのゲーム制作陣はクトゥルーをリスペクトしてますという立派なカミングアウトでもあったのだ。だというのに「日本のゲームにオリジナリティ求める方がムリ」とか矢野健太郎(*5)が酷評していて、このばかなアメリカかぶれを一刻も早く誰かなんとかしてくれ、という気にもなったのだが、話がだいぶそれた。
 何が言いたいのかっていうと、つまり、こういうのは権利的に大丈夫なんですか?っていう、疑問と心配。


その3:エンディングまで、泣くんじゃない
(この話はゲームのシステム上重要でありつつも説明書等では隠されている部分を含むので、大事なところを知らずにいたい人は読まない方がいいかもしれませんが、逆に知っておいた方が楽しめる情報とも言える気がするわけで、まあ好きにしてほしい)
 という前置きもバッチリ済んだので速攻話はじめますが、あの、このゲーム終わったわけですよ。するとエンディングやら何やらで(*6)、なんつうの結果発表ー!があるじゃないですか。敵を何匹しとめたとか、クリアに要した時間はいくらだとか、そういう奴。個人的にはそういうのはあんまり興味ないので適当に○ボタンで飛ばそうとしたんですが、ちょっと気になる1節があったわけですよ。
 「ENDING: GOOD」
 あれ、ちょっと待て、これはつまり、エンディングがいくつかあるってことか。僕が見たエンディングはGOODだった。それはまあBAD (たぶんある) とかよりはいいんだろうけど、もしかしてVERY GOODとかもあるってことか。そこでは主人公が美女と札束風呂に入ってたりするのか (おそらく間違い) 。な、なんか損した気がする!
 っつうことで世界につながるインターネットの情報網をアレして、具体的にはGoogleから「サイレントヒル 攻略」で検索した結果、やっぱりまだ他にもエンディングがあるし僕が見たGOODはまあ、それなりに良かったんじゃねえの?(寝転がってテレビを見ながら) という具合のエンディングだったことが判明しました。あー。えーと、急にものすごく話を変えますけど「子供の心を忘れない大人」って言い回しがあるじゃないですか。その伝で言えばこのゲームの制作者は、大人の心を忘れた大人だ! もっと具体的にはあんまりゲーム遊ぶ時間的余裕のない社会人の心を。
 仮にも僕だって社会人です。ちょっと微妙な線という見方もございますが、どうあれ納税もしてる身分です。脱税とかもしてる身分です (勢いにまかせて適当言うにもほどがある) 。とにかく正直言わせていただければ、最初から遊び直しなんて無理。とてもじゃないが無理。このゲーム大好きですしエンディング見たい気持ちもおおいにありますが、もう1回遊び直す時間と労力に換算すると「割に合わない」という大人感覚満点の、なんつうか社会の歯車? つまらねえ大人? そんな理屈が出てきて無理。つうか実際ゲーム作ってる人達だって社会人なんだから、そのへんの気持ちわかるでしょうが! とか思うんですが、まあこういうことになってる以上、そういうもんでもないのか。
 えーとぶっちゃけメールで教えてください。何が起こるのか。何が明らかになるのか。良いエンディング悪いエンディング、今夜すべてのエンディングで。挨拶とかなしで要点だけで構いませんよ? とにかく気軽に直球で! そのくらい追いつめられてるわけですよ。エンディングを知るためなら神をも殺す勢いですよ。五臓六腑に染み渡る勢いですよ。←勢い以外のことはわりとどうでもいいと思っている
 というかこれに限らずゲーム全般で、最初から(*7)やり直させるのってなんかおかしくないか? とか思うんですけど僕とか。最初からなんて十数時間ですよ。エンディングに至る道筋はもう見てるわけで、それをえんえん十数時間かけてもう1度見直せっていうのは、やりすぎじゃないですかあきらかに。『キャプテン・スーパーマーケット』だってエンディングは2種類あったけど途中はビデオ早送りできましたよ。ごめんたとえがあまりうまくない気がする。
 まあゲーム作ってる側の気持ち的には、2度目は2度目で効率よくてきぱきこなす楽しさがあるとか、ぶっちゃけ「エンディングの後もまだまだお楽しみ要素が」的な売りがほしかったとか、そういう言い分はあるんでしょうがあえて僕はそんなゲーム業界に「社会人の心を忘れるな!」とカメラに向かって指をさしてから背中を向けてクールに歩み去っていきたいわけです。なんかそんな感じで。

 という、なんか最後の最後でものすごくサイレントヒルに毒吐くような展開になってしまいなにぶんこのゲームがとても好きなだけに心苦しいものもある。実際そのうち『2』も遊ぶ予定だけど、そのときは事前に分岐点がどこかだけは調査しておこうとは思う。そう、やっぱり続編はぜひ遊びたいのだ。なんだかんだで。そこはぜひやっていきたいのだ。それくらい面白かったですよ実際。スゲエ怖くて。ちなみになんで今すぐ『2』買って遊ばないのかっていうと、間にぜんぜん怖くないゲームをクッションにしとかないと、恐怖で死んだりとかするので。僕が。それぐらい怖かった。あ、そういや『3』もじき発売されるんだっけ? 怖いなあ。ああ想像するだけで怖い。ああ恐ろしい恐ろしい。

*1 クーンツ

ディーン・R・クーンツのこと。いい意味でB級ホラー作家。ちょっと深みに欠けたりとか展開が急すぎたりとか、それもまた良し。サイレントヒルの序盤の町中誰もいない感はどことなくクーンツの『ファントム』前半に似てる気がする、ってのは言いすぎか。

*2 バックマン

リチャード・バックマン (その正体はスティーブン・キング。彼はその正体を隠し、日夜正義のために戦っているのだ。違うかもしれない) のこと。キング名義のときよりB級に徹しているのが特徴。サイレントヒルのある部分はバックマンの『レギュレイターズ』を彷彿とさせる、ってのは言いすぎか。

*3 ダニッチ

クトゥルー神話群にたびたび登場する町の名前。翻訳によってはダンウィッチとか。クトゥルー神話について説明すると異常に長くなるので、ここではB級ホラー小説の集合体と言っておく。あんまりサイレントヒルとは共通項がない気がするが、そういやキングの書いたクトゥルー物『クラウチ・エンドの怪』なんかは雰囲気が近いかも。

*4 クトゥルー神話

どうでもいいけど「クトゥルー神話」って書くと本当にいわゆる神々と英雄たちの伝説という雰囲気になって、知らない人が聞いたら誤解されそうな気がしてなんか困る。ホラー小説なのに。

*5 矢野健太郎

漫画家。自身がクトゥルーもののマンガ書いてるくせに、なんだその言い草は。自分はよくて他人はだめなのか。ちゃんと「インスマス」と呼ばないとだめだとでも尻の穴の小さいことを言うのか。

*6 エンディングやら何やらで

「文章はもっと真面目に書きましょう」って学校の先生とかによく言われました。

*7 最初から

厳密にはゲーム中盤のある分岐点からやり直せばいいみたいなんですけど、そんなのゲームやってる方はわからないんで余裕で上書きしてるし。そういや、このへんの「事前に攻略情報知ってた人だけが楽できる」っていう構造も、なんかおかしい気がする。機会不均等だ。ゲームの前に人は平等であるべきだ。なんか今、格好いいこと言わなかった?

この記事単体のページ...

 « 「人生」トップページに戻る

「人生」から検索

「人生」RSS配信中

RSS 1.0 RSS 2.0 ATOM FEED RSD 1.0

(RSSの意味がわからないときは、気にしないのが一番です)

「人生」携帯版

アドレスを携帯に送る...

powered by MT4i