人生: サイレントヒル2 最期の詩(まとめ読み)

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サイレントヒル2 最期の詩(まとめ読み)

プレイステーション2用

※下に行くほど新しい記事です。


目次から...

2005.08.03(サイレントヒル2 最期の詩より)

こんなはずじゃなかったプロローグ

 約1月かけてグラスホッパー・マニファクチュア3部作(暫定)をクリアした訳ですが、さて次に遊ぶゲームは何にしようかと僕は考えていた。
 正直言って、新作で遊びたいゲームとか全然ねえ! ソフトカタログ本をけっこう熟読してみたものの、うわビックリするくらい遊びたい気にならないわこれってな感じで。僕がむだに高いハードルを設定してるせいもあるんだけど、1個として候補に上る気配がないってのはさすがに問題だ。
 和風ホラーゲームの『零』シリーズはかなりヤバいくらい怖いらしいよって話はよく聞くし興味もありますが、そんな怖くてヤバいゲームは、ちょっと今の気分じゃないのだ(ますます高まるハードル)。グラスホッパー・マニファクチュア3部作の中でも特に重めの『シルバー事件』をクリアした直後に怖ゲーをやるっていうのは、なんていうか胃にもたれる。
 かといってそんなことを言い出すといよいよ遊びたいゲームが無くなっていき、Amazonの「おすすめ商品」機能を利用したり、ずっと昔に書いてほったらかしてあった買いたいゲームメモとかを引っぱりだしてみたもののいまだズキューンとくるゲームはなく、こうなったらもうファミコン引っぱり出して『悪魔城ドラキュラ』(初代)とか遊んだ方が良くね?とか言い出しかねない始末。そんなことを考えていたら、ふと『サイレントヒル2』がまだ部屋に積んだままになってたことに気がついた。
 ……えと、じゃあ、それで。

 いやサイレントヒル2に罪はないのですが(積みゲーなだけに。うまい! ←むしろうまくない)、さっきも言った通りホラーゲーって重いからほら。個人的に今の気分としてはもっとハリウッドアクション映画さながらの遊んだ後にも遊んでる最中にも何も残らないようなカラッとしたゲームを遊びたいのだけれど。かと言って「映画的」なゲームなんかお金等を頂かないかぎり遊ぶ気はないのだけれど。さいぜんのソフトカタログ本にはいくつも注目ピックアップ扱いで載ってましたけどね、ええ、映画的なゲーム。

 そんなこんなで消去法の結果という非常に消極的な形で遊ぶことに決定した『サイレントヒル2』ですが、遊ぶ前にまずは攻略サイトを見ておかねばなるまい。お、いつもと違うパターンだ。
 以前に『サイレントヒル(初代)』を遊んだとき、すごく大事なポイントを逃していたせいでトゥルーエンディングにたどり着けず、さりとてやり直そうとすればゲームの最初から遊び直さねばならず、なんかもうガッカリだった苦い記憶があるのだ。その時、僕はサイレントヒル2を遊ぶ前には必ず攻略サイトでエンディング分岐条件をチェックすると心に誓ったのだ。あの日の誓いは今も僕の胸の内で燃えているのだ(すごくかっこいい)。
 で、Googleに「サイレントヒル2 分岐」と入れて出てきたサイトをチェックするわけですが、うっかりストーリー上重要なネタバレとかまで見てしまってはそれはそれでションボリというもの。そんなわけで薄目をあけてギリギリ他の文章が目に入らないようにしつつ分岐条件だけチェック(はた目には不審人物くさい)したところ、なんか……あ、これ一応知りたくない人は次の段落まで飛ばして読んでください。したところ、なんか、僕には確実に無理っぽい。なにその「できるだけ低いHPのまま行動する」とか「このエンディングは2周目以降から」とか!
 人にはそれぞれ天から与えられた「分」というものがあるという。僕の分をわきまえたことを言え!(かなりの無理難題)

 そんな条件でやってられるかよ!(極論) いやでも実際、本当こういうものすごくがんばらないといいエンディングにたどり着けない系のシステムっていうのは、なんつうか大人の心を分かってないと僕は思う。子供の心をわからないといいゲームは作れない的な言葉はよく聞きますが、子供心オンリーじゃ大人にゃつれえんだよ! 大人はそんなゲームのために廃人プレー(言いすぎ)なんかできやしねえんだよ!
 と、学生の読者からいい感じに反感を得たところでサイレントヒル2に話を戻すと、そんなわけでけっこう引いたのです。おそらく僕はサイレントヒル2のトゥルーエンディングを見ることは生涯あるまい。それらを承知の上で遊ぶとなると、なんだかそれはそれでションボリだ。見なきゃよかったかなあ、攻略サイト。そうすればまだ僕の瞳は希望の輝きを失わず、天に昇るための翼は折れずにいたのだろうか(めっさかっちょいい)。まあ、たぶんゲーム終わった後でつい攻略サイト見て分岐条件見て、そんな条件でやってられるかよ!(極論)と言い出すのは目に見えてますが。

 いよいよ引いてきたものの、まあ……待て、落ち着け。サイレントヒル(初代)楽しかったじゃんと自分に言い聞かせる。もうゲームスタートの直後から凄まじい恐怖の連続だったじゃんと。こりゃもう絶対『2』も遊ぶわ普通に!と吼えたあの日、君の心に燃えていた炎はまだ消えちゃいないぜと(今、かなり輝いてる)。
 そういやそうだっけとかなり安易に思い直してとりあえずプレステ2の電源をオン。まあ結果より遊んでる過程が楽しいゲームだから、別にトゥルーエンディングじゃなくていいじゃんとか考えつつ。

 そんでゲームを遊ぶことしばし。ゲーム中の「プレイ時間」によれば30分ちょい。……ぜ、全然怖くねえ!
 というよりもむしろクリーチャー(ゾンビ的存在)が一向に登場しない!
 いやわかってはいると思うんですよたぶんこれ最初のうちすごく静かな導入部から入って徐々に緊迫感をあおっていくまさにハリウッドホラー的演出なんでしょそういうの僕は嫌いじゃないぜ。
 とは言え、30分遊んでもいっこうゲームが盛り上がらないのはさすがに問題じゃないのか。「はじめ半分」ということわざの通りであれば、この先もずっとだめっつうことになりはしないのか。もしかして僕はどえらいハズレを引いたのか。名作なんだけど『2』はあれだねってのは往々にしてよくある話だ。まさかそうなのか。
 そしてクリーチャーが出てきてからも、動きはおもしろいけど怖いというのとは全然違うという感じ。そういや『1』のエンディング直前まで行くころには慣れが出て、最初の方の敵とか全然怖くなくなってたけど、いまだに僕は慣れっぱなしなのだろうか。だとすればこのゲームを楽しむ資格なしとすら言えないか。ああ、な、なんてことだ……。

 そんな頃に入った、とある照明の暗い建物。
 す、すげえ怖え!
 半端ない怖さだよこれ! それでいてやめられねえよ!

 とっつきは悪いし大人の心も忘れてるし最初がけっこうたるいけど、やっぱりサイレントヒルは怖くて面白いみたいです。

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2005.08.04(サイレントヒル2 最期の詩より)

恐怖の谷

 怖かった……マジ怖かった……(涙をふきながら)。
 今の進行状況を未プレーの人に微妙に配慮しつつ言うと、内部が暗い集合住宅をあっちに行ったりこっちに行ったり、どうにかこうにか突破してサワヤカな湿った空気を満喫しつつ思い出の場所に……そして、運命の出会い(アバズレと)。そんなあたりでセーブして電源切ったのだった。
 怖かったつっても山と谷があって、実際に怖かったのは内部が暗い集合住宅の中だけなんですけどね。お天道様の下なら多少霧が濃くてガスってようが、なあにクリーチャーの2匹や3匹丸めてポイってなもんよ。おそらく太陽エネルギーで元気になるウルトラマンとかと同じ原理なのだろう。違うと思うけど。
 ちなみに今日『マリアナ伝説』(*1)読んだあとに遊んだせいで、途中に出てくるプールらしき施設でクリーチャーがヴォーヴォーうなってるの見てもシンクロ部のマッチョな面々やジジイ率いるマッチョ外人軍団がうろついてるようにしか見えなくて怖さよりは愉快さしか感じなかった。深層心理の影響とはかくも根深いものか。←深層心理って言葉を使えば大抵はなんとかなると思っている
 やはり思うにこのゲーム、暗い時がいちばん怖い。加うるなら暗くて狭いと特に怖い。面堂終太郎である。自分で書いててもいくらなんでもたとえがアナクロすぎないかと思った。
 別に敵クリーチャーが怖いわけではそんなにない。EASYモードで遊んでるせいもあるだろうけど、あまり殺られる危機感がなくてむしろ『キラー7』ばりにバンバン撃ってクールに決めんばかりの楽勝具合である。しかるにあの暗くて狭い集合住宅の中で、例のクリーチャー接近音がするととたんにものすご怖くなるのはいったいなぜだ。

 暗くて狭い場所になると無条件で怖くなる。これは人間の本能的なものなのだろうか。
 まあ人間だれしも真っ暗で懐中電灯の細々とした明かりだけが頼りの状態でやたら荒廃したいかにも何か出そうな部屋に放り出されれば、別に何が起きなくても怖いでしょそりゃ怖いよ実際。スキマ風でドアが揺れた音だけでも泣きそうなるでしょそんなロケーション用意されたら普通。そんでこのゲーム、事実そういう「突然音が聞こえる」シチュエーションを繰り出してくるからマジ怖い。つうかリアル自分ちのお隣さんが夏休みでお孫さんが泊まってるそうで突然子供の笑い声とか聞こえてきて必要以上に怖いんですが。
 特に今回の『2』なんつったらハードが前作のプレステからプレステ2へと移行し、必要以上にリアルな暗闇なんでいよいよ怖い。だから爆発系の花火とか唐突にやるの本気で怖いからやめて本当やめて。お隣さんの話ですが。なにこのゲーム以外のメディアを駆使した演出効果は。

 そして今はもうあの暗くて狭い場所は突破でき、突破した途端になにひとつ怖くねえぜという風情でハードボイルドにクリーチャーを必要最小限の動きで打ち抜くという、かえって以前のヘタレぶりが際立つ変貌ぶりを見せている僕です(私信じみる)。
 いちおう数メートル先も見えない文字通りの五里霧中な霧の中なんだけど、ぜんぜん怖く感じないのはやっぱりそのロケーションがたいして怖くないからなんだろうなあ。現実にあったら「うわすげえ霧だ霧だ」でむしろ楽しめちゃうもの。これでも『1』の最初の頃は霧の中ってだけでも怖がれてたものですが、さすがに慣れたのか。
 いっそこの調子で暗闇にも慣れれば怖いものなしになるのだが。でもそうなるとゲームとしては何も面白くなくなるのか。いつものことながらアンビバレンツだ。  

*1 『マリアナ伝説』

田丸浩司(と、ゆうきまさみ)による、競泳用パンツ一丁のマッチョどもがプールで暴れ回るマンガ。(この説明には主人公とヒロインが登場していない)

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2005.08.05(サイレントヒル2 最期の詩より)

星降る街角

 どういうわけか世界遺産がここ最近注目されてるらしくて(知床のことはわりとどうでもよさそう)、妙に世界遺産関係のテレビ番組が増えてHDDレコーダーに「世界遺産」でキーワード登録してたら膨大な量の番組が録画されてたりするんですが、好きなのでむしろ歓迎です。
 何の話かといえば、この手の番組ってどうしても臨場感に限界があるよなって話ですよ。
 臨場感。その場にいるような感覚。海外旅行つっても2度ほどしか行ったことない僕が偉そうに言うこっちゃないですが、どうあがいてもテレビ番組の画面に映るサンピエトロ大聖堂は本物よりはるかにショボく見えるのです。あの巨大感が、どんだけ天井高くする気だ一体っつう空間感が、どうしてもテレビ番組だと伝わりきれてない。
 カメラがレポーター目線で「人間の視点」を強調したりレポーターの歩く速度に合わせて動いたりがんばってはいるんだけど(*1)、そうは言ってもせいぜい……60点……(『番長連合』っぽくしてみたが、後悔)。
 非常に感覚的な表現であれですが、テレビ番組にはどうしても「歩幅の感覚」が足りていないと思う。この柱から向こうの柱までだいたい何歩、っていう感覚がテレビから伝わってこない。それがテレビ番組の限界だと、そういう話ですよ。
 ここでようやく話はゲーム日記らしくなってくるんですけど、つうかゲームってこの手の臨場感が凄くねえ? と。
 そうなのだ。ゲームで3Dのポリゴン空間を歩くと「歩幅の感覚」がちゃんとある。最近遊んだあたりだと『キラー7』の某南国の島ステージなんか凄かったよ。あんなトゥーンシェード的グラフィックなのに、ちゃんと南国の空気感が感じられるこの不思議。それが3Dポリゴンの凄みだ。あとテレビではまず聞こえない足音とかその場の環境音とかも聞こえて、ますますもって臨場感は増す一方。あんまり取り沙汰されないけど、この手のゲームが持つ観光旅行効果は他メディアに類を見ない気がする。
 で、ようやくサイレントヒル2の話。
 このゲーム、おそろしくリアルにアメリカのさびれた田舎町をポリゴンで構築してて、心底ゲンナリできます(そっちか)。
 触ったら体が溶けるんじゃないのってくらいの濃霧(『うしおととら』より)に包まれたゴーストタウン、サイレントヒル。町中生活感まるだしで汚れまくりサビまくり、小汚い手書きチラシと落書きに満たされた、人影のまったくない街角を歩く男が1人。誰が呼んだか男一匹ジェイムス・サンダーランド(主人公)。自分の靴音以外に聞こえるのは、たまに吹く風の音かメロディのない重苦しいBGMか、あとときたま現われるクリーチャーが発するヴォアーって声。そして乾いた銃声。クリーチャーを踏みつけるグシャって音。わ、わびしいぜ! これ映画とかで描写されるよりはるかに「俺、こんなとこにいたくねえ」と実感として思えるわ実際。
 そんな具合の首とか余裕で吊れるんじゃないのって感じの街並みをあちこち歩き回るはめになりました、今日は。(最終行にしてようやく本日のゲームの進行に着地するようなゲーム日記)

*1 レポーター

正直言えば僕はこの手の番組はレポーター必要なくてナレーションとカメラ目線で話す現地の人(そしてその上にかぶさる声優の声)だけあれば十分じゃね? むしろレポーターうざくね? という意見の持ち主なのですが、それでもレポーターの存在による臨場感の向上効果は認めざるを得ない。

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2005.08.06(サイレントヒル2 最期の詩より)

暗闇でドッキリ

 このゲームの怖さの真髄は「暗闇の恐怖」にあるといえる。暗闇の向こうに、自分にも予想のつかない恐ろしい何かが潜んでいるような気がする恐怖。暗闇の向こうに、霧の奥に、ドアの先に、ロッカーの中に。
 何かがいるかもしれない。それを実際に目にするまでそれは「恐ろしい何か」であって、明確に定義できる存在ではない。だからこそ怖いのだ。その先にいるのがたとえばポリゴンでできた下から3番目くらいの強さのクリーチャーだと知っていれば、きっとそれは怖くはない。あるいは、その先に何もいないことが分かっていれば。
 実際に目にするまで、いかにも何かありそうな空間の中で、プレイヤーである僕は身構える。初めて歩く場所では常に身構えている。いつ何が出てきてもおかしくないと知っているからだ。
 身構えているというのは、つまり「怖がっている」ということだ。初めて歩く場所では、僕は常に怖がっているのだ。
 逆に言えば、身構えているだけに本当にクリーチャーが出たり、謎めいた不気味なムービーが始まったとしてもそれはそんなに怖くない。クリーチャーが出るんじゃないか、ムービーが始まるんじゃないかと、ある意味心の準備はできているのだ。言いかえると「突然飛び出してドッキリ」はこのゲームの場合、さほどしないということだ。
 だというのに、あのあばずれは。

 さて今日のゲームの話をすれば、前回出会ったとあるあばずれ女と共に、とある事情でとある施設にやってきたのだった。「とある」を何度もくり返していると、意味がよくわからなくなる。辞書によれば「〜と、ある」の変化らしいが、言葉の用法がすでに原型をとどめていないのでますますわからなくなってきた。
 とにかくとある施設である。例によって真っ暗闇である。懐中電灯の明かりだけが頼りである。当然、怖い。どっから何が出てくるのかわからない。ごめん、ちょっと泣きそう。
 ところでここで思い出してほしいのだけど、この場所には例のあばずれ女も同行している。ゲームやってない人向けに説明すると、主人公の後ろについて歩く、まあ強引に言えばドラクエのパーティーキャラっぽい感じで(いま『ゴーレム』っぽい感じで、と書こうとしていまどきたとえにディスクシステムはないだろうと思い直した)主人公の後ろをトコトコついてくるのである。
 問題はこのついてき方である。ドラクエなんかでも階段を上った直後とかはパーティーキャラが主人公のまさに目と鼻の先に立ってたりするものだが、サイレントヒル2でもやっぱりドアを開けた直後には主人公の目と鼻の先に立っている。具体的に表現すると、ドアを開けてローディングが終わり、ドアの向こうの部屋に画面が切り替わると、目と鼻の先に立ってるのである。こ、怖え!
 さっきまで君、後ろについてきてたんじゃないのかね! いきなり先回りとかしないでいただきたい! だいいちこの場所基本的に真っ暗だから懐中電灯で顔だけ照らされたりして不必要に怖いライティングになってるし!
 そうなのだ。画面切り替わるたびにこのあばずれ女が予想もつかない場所にいきなり現われては僕の度肝を抜くのだ。「突然飛び出してドッキリ」系の怖さが無いはずのこのゲームで、単なるパーティーの一員だったはずのこのあばずれがまさしく暗闇でドッキリをしかけてくるのだ、無自覚に。そりゃドア開けた直後だから主人公の背中側は閉じたドアであって、ここをすり抜けて出てきてもそれはそれでどうなのっていう気はしますよ。しますけれども、率直に言ってあんた怖えんだよ!
 むしろ画面切り替え時に限らず、後ろを向いた時とかにも突然視界に不健康そうな女の顔が現われてドッキリ、歩いていても突然背後からコツコツと靴音が響いてドッキリと、いまどき何のスターどっきりマル秘報告新人アイドル怪奇スポットドッキリですかっていう仕打ちである。無自覚に。どんな茅原先生だ(*1)。
 もうついてくんな、頼む! と思ったその気持ちが通じたか、とある事情で別行動をとることになるあばずれ女。やれやれ、やっといつもの調子に戻れるわいと安心してあちこちウロウロしては恐怖におののいてたわけですが(←いつもの調子でもこの程度)、なんつうか、このあばずれ女、パーティーに戻る事情になったのはしかたないとしても、唐突にアップで出てくんな!
 なんという緩急をつけた見事なドッキリだろうか。すっかり気を抜いたところにいきなり出てくるとは、くそう。お前なんかどっかいっちゃえ。と思ってもストーリーの流れ上このあばずれはちょっとしたおしかけ女房さながらにパーティーに戻ってくる。押しかけ女房といえば江戸時代から伝わる由緒正しい萌え要素とされるが、あんた普通に顔怖いんだよ! このゲームのキャラ全般に言えることですが。

 そんなこんなでまったく和気あいあいとしないままにゲームは進み、今の進行状況をぼんやりと記すと、追い掛け回されてしょんぼりとした場面です。しょんぼりするなあ。

*1 茅原先生

『無敵看板娘』に登場する美人女教師。美人だが、この世に強い恨みを残して死んだ霊のような顔をしているので怖い。こう書くととても不思議な設定だ。

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2005.08.07(サイレントヒル2 最期の詩より)

恐怖と愉快のあいだ

 現在のゲーム進行をおおまかに表現するなら、例のあばずれと共にやってきた施設をようやく脱し、霧は晴れたが夜は更けてという具合の町をさまよっているところですよ。ちなみに単独行動。
 前もちょっと書きましたが、このゲームの舞台である町「サイレントヒル」はポリゴンでえらくしっかり作り込まれている。ゲーム的な省略をあまり使ってないので、近所のとある店に行くだけでも道中何ブロックも経由して、たとえるなら「車で行けば数分でも、歩くとけっこうある」みたいなリアルな距離感がある。
 いや、本当は×ボタンダッシュで走ればけっこうすぐなんですが。このゲームの主人公にマラソンをやらせれば金も狙えると思うというくらいサクサク走れるんですが、それやっちゃうと道ばたに落ちてる回復アイテム等を見過ごしてしまいそうなので、基本的には歩き中心で。
 さて、さっきも言ったとおり、今は夜である。なぜか全市にわたって街灯が点いてないしそもそもゴーストタウン化してて窓から明かりももれないので、基本的には真っ暗闇である。例によって主人公の懐中電灯が頼りであり、いつものとおりすげえ怖いのである。あ、あのうすぼんやりとしか見えない道の向こうに、何かがいる! ような気がする!
 そもそも「街灯の消えた人通りのまったくない街角を一人っきりで歩く」というのは、普通に実生活の上でも恐怖体験であろう。その体験をこのゲームはポリゴン造形の街並みとライティングによってものすげえリアルに追体験させてくれる。加えてゲームならではの「いま、君はじわじわとピンチに近づきつつある。何がピンチなのかは教えないけど」的な不吉そのもののBGMが思わせぶりに鳴ったり、あと当然不気味なクリーチャーが唐突に現われたりして現実以上に怖い。誰がそこまでしてくれと頼んだ、とチキンハートの僕などは思いがちではあるが、実際怖いのが面白いところなわけだしなあ。
 怖いもの見たさ、という言葉もある通り、怖いのはやっぱり楽しい。ムカつくのは全然楽しくないのに、怖いのはけっこう楽しい、っていうのは思えばけっこう不思議な話だけれど、ともかくなんだかんだで怖いことに特化したゲームなんで当然遊んでて楽しいわけです。

 とはいうものの怖いっていう感情はやっぱり負の要素も多いわけで、なんつうか、そこまで怖くなくてもよくねえ? みたいな弱腰発言も出るわけですよ実際。具体的には、このゲーム遊ぶ時には部屋の電気を消したくない。
 部屋の電気(灯りという意味の)、消したくなけりゃ消さなきゃいいじゃんと君は言うかもしれないが、消さないで遊ぶと蛍光灯の光がテレビ画面に反射して、よく見えなくなるのだ。何度も言うとおり今は暗闇の町を歩いてるところであり、暗い画面を写したテレビスクリーンは周囲の光を反射するものなのだ。フラット大画面や液晶テレビだとこうはならないのだろうか。買い替えるべきかもしれないと、ちょっと本気で思った。まさかこの歳になってゲームを夜に遊ぶのが怖いという理由でテレビの買い替えを検討するとは思わなかった。そうは言っても、真っ暗な部屋でこのゲーム遊ぶとすごい怖いのだ。いい大人の泣き言である。
 さらに僕は「何かイベントが始まる前に、行ける脇道は全部行っとこう」式の考えの持ち主なので、必要以上に恐怖の町をさまようことになる。いやだってその方が回復アイテムとかたくさん手に入って便利だし。ストーリー上重要なメッセージとか見逃さないかもしれないし。だがそのせいで普通に目的に直行するよりはるかに多くの恐怖体験をするはめにもなっているのだ。ああ、僕はいったいどうすればいいのだろう。やっぱテレビの買い替えだろうか。

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2005.08.08(サイレントヒル2 最期の詩より)

サイレントヒル2がみるみるわかる

 今日も今日とて暗闇をおっかなびっくり歩く日々。おっかなびっくりのわりには、クリーチャーが出たらえらく冷静に眉ひとつ動かす気配もなく銃を構えてバーン、もひとつバーン、倒れたところを思いっきり蹴り飛ばしてとどめを刺すという地獄のソルジャーぶりを発揮してるわけですが。
 EASYモードで遊んでるせいもあってか、ことクリーチャー戦では冷血無比のキルマシーンになっている主人公。クリーチャー倒した後にふと例のあばずれの方を見ると、表情には出さないまでも思きしドッ引きしてるようにも見えたのだが、これは僕の思い過ごしだろうか(確実に)。

 今日といえば夜の公園におもむくはめになった主人公。
 普通夜の公園つったらロマンティックと相場が決まってるもんなのに、たかだか街灯が切れててBGMで死に関連した何かが起こりそうな無調音が鳴り響いてるってだけでこんなにも嫌スポットになるもんかね実際、まあなるだろうけど。100%。とか思いながらそれでもそんな自分を叱咤して奴は往くのだ。何かのために。えーと、何のためだっけ?

 そういやあんまり憶えてない。なにしろ怖いんでその場その場を生き抜く(クリーチャーに打ち勝つという意味ではなく、ショックによる心停止との戦いに勝つという意味)のに精一杯で、あんまり全体像が読めてないのだった。
 ちょっとここで話を整理してみよう。おおまかなあらすじを思い出してみよう。いちおう今までに書いた以上のことと説明書に書いてあるレベル以上のことは隠しながらではありますが、それでも知りたくないという人は下段を読み飛ばしていただきたい。
 主人公ジェイムス・サンダーランドはシャキッとしてればいい男だが、基本的にシャキッとしてないのでさえない、まだ青年と言っていい様子の男である。
 彼がさえないのもそのはず、最愛の妻が病死だかなんだか(よく憶えてない)で3年前に死亡し、それ以来失意の日々を送りっぱなしだったのである。これが呑まずにいられるか。酒や酒、酒持って来んかい。あんた、もうお酒やめなはれ……と言ってくれる妻はもういない(正気に戻る)。実際酒を呑んだかどうかはともかく、そんな(どんな?)彼の元に届いた一通の手紙。差出人は死んだはずの妻、メアリーだった。
 「放課後、伝説の樹の下で待っています」 そんな感じの事が書いてあるような気がしたが、まあ正確には2人の思い出の町、サイレントヒルに来んかい! スデゴロタイマンじゃ! みたいな事が書いてあったような気がした。
 はるばるやって来た湖畔のリゾート地、サイレントヒル。しかしそこはエボラ出血熱でも発生した風な強固な金網によって閉ざされていた。仕方なく徒歩でけもの道をえっちら歩く主人公ジェイムス。どうでもいいがジェイムスという名前は一般的すぎて憶えづらい。
 途中、ちょっとどうかしてそうな女、アンジェラ・オラスコに出会ったけど実際かなりヤバめにテンパってたので後ずさりつつサイレントヒルに足を踏み入れる主人公ジェイムスだった。
 あまりに霧が濃いこと以上に、どこか町の様子がおかしいことにジェイムス(主人公)は気付き始める。落ち着いたリゾート地だったはずのサイレントヒルは荒れ果て、人の気配のないゴーストタウンと化していた。
 何が起きているのか。そう思った矢先にジェイムス(主人公)は突如、なんだかよくわからない怪物(印象で言えば、望まれて生まれた感がマイナス値レッドゾーンになってる感じ)に襲われる。学生時代マーシャルアーツのチャンピオンだったジェイムスはからくも怪物を叩きのめすが(※そんな設定はありませんし、マーシャルアーツというのが具体的に何なのかも知りません)、もはやこの町では彼の想像を超えた異常事態が起こっていることが彼にも分かってきた。
 しかし、なればこそ死んだはずの妻からの手紙に説得力も出てくるというもの。正直かなりドン引きしながらも、手紙で指定された「思い出の場所」に行ってみようとするジェイムス・ザ・主人公。
 だが町はなんだか知らないがゴーストタウンなわりに厳戒態勢がしかれっぱなしで、激しい交通規制によって歩いて行くのもままならない様子。やむをえず集合住宅の庭先を突っ切ってショートカットをもくろむジェイムスだったが、そこはそこでバリケードってたり鍵が必要以上にかかってたりで迷路のようになっているのだった。俺こんなことしに来たわけじゃないんだけどなと思いつつ(たぶん)、クリーチャーをぶちのめし部屋をあさり鍵を探し、ひたすら目的地をめざす。そして、そこで見つけた新しい素敵な出会い。まあ出会いといっても、もしホラー映画だったらいつパニックを起こして周りに迷惑をかけつつ惨殺されてもおかしくないぜっていうタイプのでぶちんエディー・ドンブラウスキー(おもしろい名前)と、無邪気に人とか殺せそうな謎の少女ローラとかだったけど。あと最初に出会ったアンジェラにも再会したけど、いっそうどうかしちゃってたので完全にドッ引きした。
 彼らを置いていったり置いてかれたりしたものの、どうにか鍵を見つけ、ついに思い出の場所へ。しかしそこにいたのは妻メアリーではなく、メアリーのそっくりさんことマリア(初登場)だった。いったいどこの夜の歓楽街の街角に立ってるタイプの職業(ティッシュ配りではない方)の方ですかというマリアのあばずれトークに、お前なんかメアリーじゃねえ!(最初から)とジェイムスもうんざり顔。よく考えるとプレイヤーである僕はメアリーの性格とかまったく知らないので、実際メアリーもこんな調子だったという可能性も否定しきれないのだが。
 これで役者はそろった!(説明書に書いてあるキャラクター全員のこと) さあ、一発ぶちかまそうぜ!とか景気良くいかないのがやっぱりサイレントヒル。例の謎の少女ローラが生まれつきの無鉄砲(推定)でレベルAクラスの危険地帯っぽいとある施設に入っちゃったんで、まあ捕まえないとなーと追いかけたもののそこもやっぱり悪夢のような具合に。最終的に文字通り悪夢のような展開になってしまい体育座りで落ち込んだりもしたけど、私は元気です(ジェイムスがどうかは知らない)。
 そこで彼の前に現われた謎のメッセージ。はたして誰が、いったい何を伝えようとしているのか(どうやらメッセージ伝わらず)。とにかくそのメッセージはまずあそことあそこ行ってから、というオリエンテーリング企画だったので、夜の住宅地の窓ガラス割って走ったり(一部誇張)夜の公園の窓ガラス割って走ったり(困難)、どうにか必要とされるブツを入手した!

 思いのほか長くなったので、書いてる方もビックリだ。
 いやあ最初から順に思い出さないと全然出てこないという具合で。そうそう、そんなわけで行けと言われたから行くのだ、ジェイムス(主人公)は。何があるのか知らないけど。主体性がないと言われればそれまでだが、なにしろこの道中の導入部がそもそも雲をつかむような話だからなあ。

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2005.08.09(サイレントヒル2 最期の詩より)

苦渋の選択

 疲れた。
 もううんざりだ。こんな苦しみはもうごめんだ。
 そんな感じの今日のゲームだった。
 やや具体的にゲーム進行を表現すると、歴史をひもとくつもりでやって来たらなんだかいつの間にやら罪と罰に関連する施設内に。まあよくあることだ(ないけど)と思っていつも通り拾った地図を片手にひと部屋ひと部屋開けてったら意外に早く探索完了。最後に残された扉を開くと、その先には……なんつうかいろんな意味で深い闇に落ち、そしてどことも知れぬじめじめした場所の中で色々な意味で深遠をのぞき、ああ……うんざり……そして、2度目のしょんぼり。という感じだった。
 あ、うんざりしたって言っても、それはそれで面白いんですよ? つまらなくてうんざりしたんじゃなく、演出にほとほと振り回されたということですよ。

 ゲームならではの演出技法のひとつに、選択肢を使った演出というものがある。
 わざとサイレントヒル2とまったく関係ない例を出すけど、たとえばノベル系アドベンチャーゲームで敵に襲われたとしよう。その時、普通はこんな感じの選択肢が出る。
  • 闘う
  • 逃げる
  • 話し合う
 ものすごくシンプルな例だけど、だいたいこんな感じが常道といえる。だが、同じシチュエーションでもこんな選択肢のパターンも考えられる。
  • 殴りかかる
  • 銃を抜いて撃つ
  • 投げ飛ばす
 この例ではどの選択肢もつまるところ「闘う」ことしか示していない。もちろん選択によって結果は変わるだろうけれど、「逃げる」とか「話し合う」という方針がはじめから無視されている。
 制作者側が意図的にこういう選択肢を出すとき、そこにはこの状況で「逃げる」とか「話し合う」というのはありえない、というメッセージが込められている。主人公はこういう状況で断固闘うタイプの人間だとか、逃げたり話し合ったりするヒマなんかないほどせっぱ詰まった状況だとか、そういうことを示したいとき、選択肢はこういう風に限定される。
 こういう狭い選択肢を前にすると、プレイヤーは無意識のうちに今はこれしかできないのだと理解し、今がこういう状況なのだと実感として把握するのだ。
 もっと端的な表現として、こういうのもある。
  • 闘う
 選択肢がひとつしかない。もう闘うほかにないのだ。どんなに考えてもこれ以外の選択肢はいまありえない、この選択肢(1つしかないけど)にはそういうメッセージが込められている。
 プレイヤーは、他に選択肢はないのか!と納得いかないかもしれない。だけど実際他に選択肢がないんだから、結局は納得せざるをえない。闘うしかないのだ。
 これが選択肢の限定という演出技法である。

 もちろん今日遊んだサイレントヒル2でこの手の選択肢が出たわけではない。ないんだけど、ゲームを進めるために「ある行動」をプレイヤーがとらなければいけない場面というのが出てくる。それはすなわち選択肢の限定にほかならないのだ。だって、他のことやってもゲームは進まないんだし。
 僕はその行動をとった。こんなことをするのはどうかしてる証拠だと思いながら、それでもその行動をとらざるをえなかった。また別の場面でも、選択肢は他になかった。ありえない、こんなことをするのは正気の沙汰ではないと思いながら、それでもやるしかないのだった。また別のある場面でも、あきらかに狂った行動をとるほかなくなっていた。もはや無感動にその道を選ぶ。こうしてプレイヤーは狂気の深遠へと強制的にひきずられていくのである。
 強制的に、と言っても俗に言う「強制イベント」とは違ってあくまでもプレイヤー自身が能動的に動かないといけないというのがこの演出の勘所で、強制イベントのように「勝手にやられる」のとは話が違うのである。みずから狂人にならんとして行動せねばならないのである。どこの吉田松陰かと言いたい(知恵者つっこみ)。おおげさな言い方をすれば、プレイヤーは狂気を「体験」するのである。なまじファンタジー感の少ないこのゲームだけに、これは精神的に消耗させられる。まったく、なんてひどいゲームだ(ほめてる)。

 そんな感じで、もはやジェイムス(主人公)はゲームが始まった頃のさえなくはあるが正気で、他のキャラクター達見て「うわ、この人マジでヤバいわ付きあってらんねえよ」とばかりに引いてた頃のジェイムスとはもう別人なのである。そりゃーこんな悪夢と絶望の王国(東京ディズニーランドの真逆)にいたらそうもなるだろうけど。
 いったいこの先、彼はどうなってしまうのだろうか。推測だけど、幸せにはならないと思います。

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2005.08.10(サイレントヒル2 最期の詩より)

光のある方に進め

 毎回怖い怖いと言ってるこのサイレントヒル2日記だが、あんまり怖いんでもう早いとこ終わんないかといつも以上に熱心に遊ぶっていう、よくわからないことをしている。どこの『饅頭怖い』だ。怖いようカチャカチャ。ああ怖いようカチャカチャ。腹を立てた長屋の衆がやいやい熊公、お前いったい何が本当に怖いんでい、と聞きましたところ、「ここらで一杯、純白のメルセデスとプール付きのマンションと、最高の女とベッドでドン・ペリニヨンが怖い」。(浜田亭省吾師匠の十八番『マネー』より)
 そんなこんなで怖いわ主人公は確実に狂気の階段(まだシンデレラな君がのぼる大人の階段のようなもの)を上ってくわでどうしようと思いながらとある宿泊施設の中。
 そこで僕はちょっと考えたね。たしかにこのゲームは怖い。何が怖いって暗闇が怖い。加えて部屋の明かり消して遊んでるんでますます怖い。夜遊んでる時は部屋の明かりを消さないと蛍光灯がテレビ画面に反射して見づらいので、こればっかりはどうしようもないとあきらめていたのだ。だが待てよ、日が暮れる前に遊ぶってのはどうだ……?
 カーテンの奥からそっと射し込む自然光であれば、それほど画面には干渉しないはず。こ、これだ! というわけで朝起きていつもならメールチェックとかニュースチェックとかしてる時間を利用して、プレステの電源を入れる。なんだか健康的なようで不健康なことをしている。
 それでまあとある宿泊施設内をうろちょろしてみましたが、み、見づれー!
 何このゲーム、カーテンの奥から漏れる朝の陽射しすら反射しまくって、暗闇の奥にかすかにドアが見えてんのかと思ったら自分の部屋の本棚(主にジャンプコミックス)だったり、視点を変えた時に突如何か恐ろしい物が現われた!と思ったら自分の顔だったり(死にたい)、うーんそういえばこのシリーズが「ゲーム画面が暗くて見づらい」という評価はちょくちょく耳にしたけど、こういうことだったのか。昼間に遊ぶと難易度が3割方アップするのか。
 まして今回いるこの場所がよりによって普段持ち歩いてる懐中電灯が役に立たないザ・ダークネス(*1)な場所でいちばん朝から遊ぶべきじゃない場所。先に進めば進むほど見づらくなっていき、たまに現われる明るい場所に来ると怖さとかは無関係に目が休まるんでホッとする始末。このゲームをこれから遊ぼうとしてる諸君にはっきりと言っておこう。昼間に遊ぶな!

 そんな教訓もわかってきた一方、なんだかストーリーは妙にヤマ場に近づいてんじゃないの? もしかしてそろそろオチだったりするのか? この部屋入ったらクライマックスっぽい雰囲気が匂ってねえ? とかいう気がするんですが、よくわからないまま今日はプレー終了。目が痛くなってきたし。

*1 ザ・ダークネス

イギリス出身の新世代ヘヴィー・メタルバンド。ハードかつキャッチーなメロディと特徴的なファルセットなヴォーカルが魅力。代表曲『I Believe In a Thing Called Love』など。もちろんこの話とは何の関係もない。

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2005.08.11(サイレントヒル2 最期の詩より)

終わりと、そして始まり

 ゲームは終わった。
 最後のオチ的なアレ(ゲーム遊んでない人に配慮)は、なんというか綺麗な着地点だったのでそれほどビックリはしませんでした。個人的な感想としては、前作が最初から最後まで不条理である意味あんまりな話だったのに対して、今回はやけに理に落ちた話なんだなあという感じ。いいとか悪いとかいう話じゃなく、前作のノリで来るのかと思ったらちゃんと着地しちゃったんで、なんつうかそっちの方がビックリだ。
 詳しいことについて語ろうとすればしぜんネタバレになってしまうので何も書けないのですが、いちおう僕が迎えたエンディングは一番レベルが低いエンディングだったとは言っておこう(ゲームクリア後に見た攻略サイト情報)。
 最初の方でもちょっと言いましたが、個人の好き嫌いもあるだろうけどこういう初回プレーでクリアーに10時間超かかるゲームを明確な分岐点も無いマルチエンディングにするっていうのは、やっぱりプレイヤーに優しくない仕様だなーとは思う。そこの所だけはゲームを楽しく終えた今でもなお譲る気はない。全てのエンディングを見てみたいと思わせる面白いゲームだっただけになおさらなのだ。
 そこで例によって、皆さんのタレコミを募集します。他のエンディングでは、一体何が起こるのよ実際? まさかアレがアレしなかったりするのか。結局アレは最後にはアレなのか。あの人は他のエンディングではアレだったりして。そういやあの人、結局アレするためだけに出てきたんだろうか? ガンダムNT-1アレックスを「アレちゃん」と呼ぶのは、Gガンダムのアレンビー・ビアズリーとかぶるのではないのか?(「アレ」つながりのみ) そんなアレにまつわる話をコメント欄で教えていただきたい。礼ははずむぜ(何かを適当にバウンドさせて「ほーらこんなにはずんだ」とかごまかす気まんまん)。大丈夫、このページのコメント欄は管理者でありこの地上の支配者である僕が認証するまで表示されないシステムになってるから、いくらネタバレようが他の読者の人には迷惑はかからねえのです(なわけで掲載する際には検閲するので、むしろそっちをご了承ください)。さあ、(炭酸飲料などを)ふるってご投稿ください。
 あ、そういえばこの後に遊ぶゲームとかでおすすめのがあったらそれも教えてください。つうかここしばらく、『機動戦士ガンダム めぐりあい宇宙』からこっち、殺ったり殺られたり己を試されたり衝撃展開だったりのゲームばっかり遊んでて、心にうるおいがないにもほどがあることに気づいたのです。のんきなゲームをやりたいのです。それでいて、そう言われてみると意外に思いつかないのです。正直申しまして悩んでおります。ヒントをください。
 具体的には、殺伐とした人死にがあんまりなくて、あと速攻ゲームオーバーになるおそれもそんなにないゲームを。つうか今手元にあるゲームで遊んでないのが『メダル・オブ・オナー』の新作という殺伐として人死にが大量で速攻ゲームオーバーの危機につねにさらされてるゲームだけで、よくもまあこれだけ自分の気持ちに反したゲーム買えんなお前って自分でも思う。積んどこうと思ってたんだよ! 積んだら他にやるゲームがなかったっていうのを忘れてただけで!(よくわからない動機)
 まあ人に薦められたからといって素直に遊ぶようなタマじゃない気もするんですが、それだけに教える方としては気楽に書いちゃえばいいじゃん。さあ、(炭酸飲料などを)ふるってご投稿ください。

 とか何とか言いながら、ゲームは続くのだった。意外な展開だ。
 そう、これはサイレントヒル2はサイレントヒル2でも『最期の詩』バージョンなので、おまけというか外伝的シナリオが付属しているのだ。
 というかこの外伝、このキャラがこの先どうなるかプレイヤーにはわかってるはずなのに、いったいどういうストーリーになるのだろう。ツイン・ピークスにおける『ローラ・パーマー最後の7日間』(*1)みたいなもんなのか。そうなるともはやゲームの体をすらなしていないことになるが、そういうものなのだろうか。
 明日から遊んでみます。

*1 『ツイン・ピークス ローラ・パーマー最後の7日間』

テレビシリーズ『ツイン・ピークス』の映画版特別編。テレビ版が始まると同時に死んだローラ・パーマーが死ぬ前の7日間を描いている。広告では全ての謎が解き明かされるとかなんとか言われていたが、実のところ解き明かされるような謎はテレビ版であらかた解き明かされていたので、別に謎もへったくれもなくひたすらデヴィッド・リンチ監督の趣味だけが暴走していたすごい映画。

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2005.08.12(サイレントヒル2 最期の詩より)

そして終わり

 けっきょく外伝シナリオは1日で終わりました。案外と早かったなあ。まあ外伝というかおまけなので、こんなもんなんだろう。
 とりあえず最初に遊んでまず悩んだのが、セーブポイントが見つからないということだ。書を捨てて町に出たものの(※書は捨てていません)、あちこちに広がる通りをどっちに向かえばいいのかがわからない。昨日まで遊んでた本編の内容から想像するに、こっちにいけばいいってことなんだろうかとか思いつつ、いやいやこっちか、あれ行き止まりか、じゃあこっちか、うわあ通行止めだ、等。けっこうあちこち行ったり来たりして、ようやくセーブポイントにたどりつきました。だいたいゲームの3分の1くらいがこのゴーストタウン散策に費やされていたような気がする。
 で、さすがに通りを歩くだけで終わるゲームなはずもなく、とある建物にレッツ不法侵入。というか包み隠さずに言ってしまうと、いわくありげな立派な洋館に。よ、洋館!?
 洋館て、それ、サイレントヒルの祖といえるあのゲームじゃん!
 なるほどさすがおまけシナリオだけにこんなウルトラCもありか(表現が古い)。いやあこのシナリオ、サイレントヒルの最大の特徴である「暗闇」をとっぱらって、あと「ラジオ」と「ライト」の2大アイテムもなくして、純粋に洋館の中で襲い来る怪物を銃で撃退、そして謎解きっていうサバイバルホラーやってるの。それってあのゲームですよどう見ても。
 サイレントヒルの方法論であのゲームをやってみるとどうなるかっていう実験というか、オマージュというか、それかパロディ。いやあもう全然怖くないの本当に。わざわざサイレントヒルの良さを削ってる(しかもあのゲームの良さには及んでない)わけで、おまけシナリオでしかやってはいけないことだけど、実際おまけシナリオなのでむしろ良し。怖くない分、サイレントヒル本編にもあのゲームにもない特別な隠し味が効いていてこれはこれで楽しめたし、実にいいおまけであったと素直に思います。もっと長いシナリオだとかえってやりすぎになってしまうところを、短編だから許される枠内でうまくまとめたっつうか。

 さて問題は次に遊ぶゲームだ。次に遊ぶゲームも用意しないままに思いのほか早く終わっちゃったんで、どうしよう。1日もゲームを遊ばないと死んでしまうようにショッカーに改造された(悪乗りで)この体、まあいざとなればメダルオブオナー遊べばいいんでしょういいんですが、おすすめゲーム(詳細は前回)をコメント欄で継続募集中。いや本当に。

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